「(っ…早々に決着をつけないとジリ貧でやられる…!!)」
ユウ
LP1000 手札2枚
夜刀神/ATK4200
伏せカード2枚
剱都
LP725 手札2枚
モンスターなし
伏せカードなし
ツバキ
LP1000 手札3枚
モンスターなし
伏せカードなし
ルーラー
LP9200 手札1枚
ヴェルト/ATK4500
伏せカード1枚
―ユウのターン―
「僕のターン!!(今できることは限られる、けど…少なくともみんなに繋げなくちゃ…!!)」
ブラッディ・クロス・ドラゴンを破壊できる可能性があった仲間たちを守ったシゲル、状況の打破のために戦い続けた紫苑。
二人の想いを無駄にしないためにも、自分にできる最善策を取るのが今のユウにできることだ。
「僕は再び因幡之白兎を召喚するよ!!」
因幡之白兎/ATK700
ダメージは微々たるもの、だがそれも繰り返せば繋げることができるかもしれない。
「バトルフェイズ、因幡之白兎で直接攻撃!!」
『いっくよぉ~!!』
ビュンビュン飛ぶイナ。そして徐々にスピードを上げ目で追えなくなるほどの速さになる。
『うわっ!?』
「イナ!?」
だが、狙撃されたかのようにイナが突然破壊された。
「手札の光の束縛者の効果を発動!!直接攻撃宣言時、このカードを墓地に送り攻撃したモンスターを破壊する!!さらに、墓地に他のモンスターがいない場合、相手は攻撃宣言をすることができない!!」
光の束縛者
効果モンスター
星11/光属性/天使族/ATK2000/DEF2000
このモンスターは特殊召喚できず、「手札に加える」効果で選択すことができない。
(1)モンスターの直接攻撃宣言時、手札に存在するこのカードを墓地に送って発動する。
攻撃したモンスターを破壊する。
(2)このモンスターが墓地に存在し、墓地に他にモンスターが存在しない場合相手は攻撃宣言をすることができない。
ルーラーの墓地には何度かシンクロモンスターが墓地に送られたがすべてブラッディ・クロス・ドラゴンで除外され、さらにそのブラッディ・クロス・ドラゴンもヴェルトの召喚コストで除外されている。
「っ…ごめん、動きを見誤った…!」
「いや、ここぞという時に使われたらもっと厄介になってた」
「うん、問題は墓地のアイツをどうやって除外するか…」
相手の墓地のカードを除外する方法は限られる。しかも消耗してる今の3人じゃそれをこなすのも難しい。
「…っ…(手札は2枚、カードを伏せたら万が一夜刀神が破壊されたらヴェルトのバーンを回避する方法が無くなる…)夜刀神を守備に…」
ブラフを仕掛けに様にもそれでは自分の首を絞める結果になることにユウは苦虫を噛んだようにしてエンドを宣言した。
ユウ
LP1000 手札2枚
夜刀神/DEF3700
伏せカードなし
―剱都のターン―
「…俺のターン…」
今の状況で剱都のデッキに残されてる反撃の方法は限りなく0だった。せいぜいほかの二人のサポートにしか回れないが手札のカードを見る限りそれも叶わない。
「…(せめて…一矢報いる方法を…)ドロー!!」
引いたカード――それを見て剱都は目を見開いた。
「(なんで…これが…)」
―回想―
アンゲロスとの戦いの後、山本こと時の神アイオーンがいるAWへと戻った剱都。
「じゃあ、親父はユウの両親たちと同じノーバディだったのか?」
「うん、紛争地域にいた竜也が霧矢と出会ってね。戦争の裏に破滅の光がいることを知って一緒に行動してたんだ」
初めて聞く父親の過去。もしかしたらAWを作ったのもただの人間になった自分が破滅の光と戦うために作ったのかもしれない。
「さてと、それじゃあこれを渡す時が来たかな」
「あ?」
アイオーンが渡したのは一枚のカードだった。本のようなものが描かれてる魔法カード、だがそこに書かれてるテキストを見て眉をひそめた。
「なんだ、このカード?精霊界の文字か?」
読むことができないが何かの文章だということは理解できた。しかし、剱都は精霊界の文字の教養がないためか、読むことができない。
「それは神の文字と呼ばれるもの」
「神の文字?」
「そのカードは必要するときにその力を発揮する。その文字は求めた人にその道しるべを指し示すものだよ」
おそらく読めないのは今剱都はその力を求めてはいないからだろう。
「つまりあれか?十代が使った賢者の石みたいなものか?」
三幻魔との戦いで使った奇跡。十代の求めるカードに変わる魔法カード賢者の石-サバティエル。それと同等のカードなのだろう。
「デッキに入れて置いた方がいい。求めた時、そのカードは力になる」
「…まあ、いいか」
それからデッキに入れていた謎のカード。どういうわけかそれからそのカードが手札に来ることはなかった。
何かのカード効果で墓地に送られたり除外されたりすることがあったが手札に来たことは一度もない。
―回想終了―
「(今、このカードが…アイオーンの言う通りなら、求めてた時に力になるはず…けど、今の状況…どうすれば…)」
単体でどうにかなるカードではないことは理解している。ではどうすれば、何をすればいいのか――
「…カードを伏せてターンエンドだ」
剱都
LP725 手札2枚
モンスターなし
伏せカード1枚
「(剱都…?)」
―ツバキのターン―
「…私のターン!(なんだろう、この感じ…)」
どこか違和感を感じたツバキ。剱都の様子――戦うことをあきらめてはない。だが、どこか達観したように遠くを見つめる姿。
「(とにかく、今は…墓地の光の束縛者をどうにか…)」
手札のカードを見る限り、ヴェルトをどうにかすることも墓地の光の束縛者を除外することもできそうにない。
いや、それよりも先ほどの剱都の様子が気になっていた。ふと、横目で剱都を見るときに彼の伏せられてるカードが目に入った。
「(…それなら……)剱都、もしかして…賭けてる?」
「…さあ…何のことだ?」
受け答えに間を作った。伏せカードが予想通りなら、それをやるために――
「…手札から魔法カード、賢者の聖杯を発動!私のフィールドにモンスターがいないため、相手――つまり、紫苑の墓地のミラージュ・ファントム・ドラゴンを特殊召喚する。来て、ファン!!」
『キュア!』
敗北し、残されていたディスクから鮮やかな蒼い体のドラゴンがツバキのフィールドへと舞い戻った。
ミラージュ・ファントム・ドラゴン/ATK3300
「ミラージュ・ファントム・ドラゴンの効果を発動!!手札を1枚捨てて墓地のモンスターと同じステータスを持つトークンを特殊召喚する!!対象は――」
「おっと、そうはいかない。光の通告を発動!!フィールドに光属性レベル12のモンスターが存在する場合相手の発動したモンスター効果を無効にして破壊する!!」
ミラージュ・ファントム・ドラゴンはシゲルや紫苑の時のように光の矢に貫かれ、そして消滅してしまった。
そして手札から捨てるのはコスト、つまり――
「これでツバキの手札は2枚…」
「壁モンスターを出さないと直接攻撃…だが、どちらにしろヴェルトのエフェクトでやられてしまう…」
十代とエドがツバキの状況に静かに息をのんだ。このままでは剱都だけでなくツバキもやられてしまうのだ。
「…私は、アンゲロス・チルドレン-ガギエルを守備表示で召喚!!」
ガギエル/DEF900
「ターンエンド!!」
ツバキ
LP1000 手札1枚
ガギエル/DEF900
伏せカードなし
―ルーラーのターン―
「僕のターン、このままバトルフェイズ、ヴェルトでガギエルに攻撃だ!!」
「っ…!!」
ツバキのフィールドの唯一の壁が破壊された。手札も1枚しかないためこのままではヴェルトの効果でやられてしまう。
「カードをセット。さあ、エンドフェイズ、まずはお前から消えてもらおうか――!!」
「ツバキ!!」
ライフダメージを回避するコストが残されてない。ツバキ、だが消滅する恐怖の中でもツバキは笑っていた。
「これで、いいんでしょ?」
「えっ…?」
誰に向けた言葉なのかわからない。だが、ツバキはこうなることを覚悟で手札を使ったのだ。
「ああ、これが最後の賭けだ」
そしてツバキの言葉に返したのは、剱都だった。
「リバース罠、プレス・コピーを発動!!手札を2枚相手に渡すことで墓地に存在する魔法・罠を1枚選択してその効果として扱うことができる!!」
「剱…都…?」
プレス・コピー
通常罠
(1)自分の手札から2枚を選んで相手の手札に加える。
自分の墓地の魔法・罠を選択しこのカードを選択したカードの効果として扱う。
発動コストの手札2枚。それはヴェルトのダメージ回避に使われると思ていた。
そしてそれをユウに渡すということは――
「俺が選択するのは古の断罪!!こいつは墓地に存在するエンシェントモンスターのレベル×200ポイントの数値、相手にダメージを与える!!」
古の断罪
通常罠
(1)自分の墓地にエンシェントモンスターが存在する場合のみ発動することができる。
自分の墓地のエンシェントモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手に与える。
(2)自分が「古の対価」の効果で墓地のエンシェントモンスターを除外する場合、
代わりにこのカードを除外することができる。
「俺の墓地にはエンシェント・クロック・ドラゴン、レベルは10…2000のダメージだ!」
「うっ…!!」
ルーラー/LP9200→7200
ダメージを与えたが、致命的なダメージではない。
いや、それよりも――
「剱都…なんで…墓地にある死者蘇生を使えばまだ…!!」
死者蘇生でシゲルの墓地のレッド・リゾネーターを蘇生してライフを回復すればまだ戦えたはずだった。
だが、剱都はそうではなく自らの敗北と一矢報いるダメージを選んだのだ。
「…俺のデッキの特性上、これ以上のエンシェントモンスターを並べても意味はねぇ」
剱都のデッキはダメージと破壊をメインにしたデッキだ。だが盤面を制圧され、手札もないこの状況だとジリ貧になるのは目に見えていた。
「俺が生き残って全員負けるなら、俺が負けてお前に勝つことに賭けてやるよ」
「剱都…!!」
「ユウ、繋いだからね、私たちの――」
ツバキ/LP1000→0
釼都/LP725→0
ツバキがそういう間にも光の矢が二人に降り注いだ。あまりの眩しさに全員が顔を顰め、そして光が無くなるとそこには二人のデュエルディスクだけだった。
「そん…な…」
「く…ククク…アハハハハハハハハハハ!!!こりゃいい、傑作だよ!!」
茫然とするユウに対してルーラーはまるで喜劇を見るかのように高笑いをしていた。
「もっと顔を見せろよ…なあ、その絶望した顔をなァ!!泣いて許しを請うか、それとももう終わりか!!」
仲間を全員失い、それでも戦い続ける意思はないとルーラーは思っているのだろう。
だが――ユウは顔を上げた。戦意を保って、ルーラーを倒すという意思を。
「なっ…なんで、なんで絶望しない…どうして戦おうとするんだ!!」
「…僕は、効果で夜刀神を墓地に送るよ」
ルーラー
LP7200 手札0枚
ヴェルト/ATK4500
伏せカード1枚
ヴェルトの効果処理を淡々とするユウ。それにイラっとするルーラーだが、ユウは4枚の手札を見た。
「なんでって…だって…僕しかいないから」
「……はぁ?」
「みんなの思いを受け取ったのが、僕しかいないから」
仲間を守ったシゲル、仲間を信じた紫苑、仲間に託した剱都、――そして仲間に繋いだツバキ。
もう、残ってるのはユウしかいない。そのユウはみんなの残したものを背負ってるのだ。
「(剱都が渡したこのカード…なんだろう…効果は読めないけど、わかる…何をすればいいのか…)」
剱都から渡された2枚のカード、そして手札の2枚。渡された方の一枚は名前も効果も見たことがない文字だったけど、わかる。
スピット・クロス・ドラゴンやスピリット・シンクロンのような理解するのではなく感じるようにカードの役割が。
「行くよ…これが、僕達が求めたこの世界の答え――」
―ユウ『達』のターン―
『僕達のターン、ドロー!!』
声が、重なった。シゲルが、紫苑が、剱都が、ツバキが。
ユウと一緒にカードを引くかのように。
周りで見ていた皆は幻聴でも聞いたのかと思った。だが、違った。
「おい、あれ…!」
「みんな!?」
ヨハンや十代が見たのはユウに寄り添うようにして立っている4人の姿。
だが、それもすぐに消えた。
「…僕は、スピリットモンスター金華猫を召喚!!」
金華猫/ATK400
「金華猫の効果、召喚成功時に墓地のレベル1のモンスターを蘇生する、スピリット・マターを蘇生!!」
スピリット・マター/ATK100
「レベル1の金華猫にレベル1のスピリット・マターをチューニング!!
決意の意志、祈りと共に聖なる生命よ、天元せよ!!」
☆1 + ☆1 =☆2
「シンクロ召喚!!スピリット・シンクロン!!」
スピリット・シンクロン/ATK200
ガラスでできた猫が飛び出した。
「今更シンクロチューナーを出したところで何ができる!!」
「…確かに、スピットがいない今、出したところで意味はない。けど――」
ユウは静かに、一枚のカードを手にした。
「剱都が託したこのカードを、みんなが繋げた『未来』を僕も繋げる、それがこのカードだ!!魔法カード、ルーツ・レコードを発動!!手札のカードを1枚墓地に送り、墓地に存在するレベル10以上のドラゴン族シンクロモンスターを特殊召喚する!!」
「レベル10…以上!!?」
そういった時、みんなが残した4色のデュエルディスクから光が溢れた。4つのバラバラの光、だけど、それは4人の心だった。
「シゲルの墓地からブラッディ・ソウル・ドラゴンを――!!」
『グアアァァァァァァァァ!!!!』
シゲルの墓地から、薄い膜状の翼に血管のような模様が入った巨大なドラゴンが出現した。
「剱都の墓地からエンシェント・クロック・ドラゴンを――!!」
『グルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』
剱都の墓地からかつてその罪によってその身を鎧に封じられた龍が出現した。
「紫苑の墓地からミラージュ・ファントム・ドラゴンを――!!」
『ピュアアアアァァァァァァァァ!!!』
紫苑の墓地から幻影の力を宿した儚い龍が出現した。
「そして…ツバキの墓地からディープ・カオス・ドラゴンを特殊召喚する!!」
『キュアアアアアァァァァァ!!!!』
そして、ツバキの墓地から光の力を得て更なる闇を得た龍が出現した。
「だが今更そんなドラゴン如きで何ができる」
「ルーツ・レコードで得たスピリット・シンクロンの効果!!シンクロ召喚の素材となるとき、他のモンスターのレベルをエクストラデッキのドラゴン族モンスターを除外してそのモンスターのレベル分下げることができる!!」
「レベル変更だと?」
ルーツ・レコード
通常魔法
自分のフィールドにSモンスターのチューナーを選択し、手札を1枚捨てて発動する。
(1)墓地に存在するレベル10以上ドラゴン族Sモンスターを可能な限り特殊召喚する。
この効果で召喚したモンスターは効果が無効になり、攻撃することができない。
(2)選択したSモンスターのチューナーは以下の効果を得る。
・このモンスターを素材にS召喚をする場合、「ルーツ・レコード」の効果で特殊召喚したモンスターしか素材にできず、他の素材となったモンスターはエクストラデッキへと戻る。
・S召喚の素材となるとき、エクストラデッキのドラゴン族モンスターをゲームから除外することで他の全ての素材のレベルを除外したモンスターのレベル分下げることができる。
「僕はスピット・シルバー・ドラゴンを除外!!スピット、みんなを繋ぐ礎となって!!」
『ガアァッ!!』
スピットがユウのエクストラから飛び出して空に向かうと強烈な光を発した。
その光りを受けた4体のドラゴンはまるで円陣で叫ぶかのように雄叫びを挙げた。
ブラッディ・ソウル・ドラゴン/☆10→2
エンシェント・クロック・ドラゴン/☆10→2
ミラージュ・ファントム・ドラゴン/☆10→2
ディープ・カオス・ドラゴン/☆12→4
「レベルが2となったブラッディ・ソウル・ドラゴン、エンシェント・クロック・ドラゴン、ミラージュ・ファントム・ドラゴンとレベル4になったディープ・カオス・ドラゴンにレベル2のシンクロチューナー、スピリット・シンクロンをチューニング!!」
スピリット・シンクロンが通常のアクセルシンクロの黄金色のリングとは違い、虹色のリングに変わるとその中を潜った4体のドラゴンも光り輝く10の光へとなった。
「この世界に存在するすべての生命が、脈動する新たな時を刻む!!更なる未来へ飛び立て!!」
☆2 + ☆2 + ☆2 + ☆4 + ☆2 = ☆12
「リミット・オーバー・アクセルシンクロ!!導け、テオス・ルーツ・ドラゴン!!」
テオス・ルーツ・ドラゴン/ATK4000
その姿は――表現することができないほどの神々しさだった。
人型の龍の姿をし、その肩には惑星のような球体を携え、6対12枚の色とりどりの翼を羽ばたかせ、スピットに似てるがソウルのような強さ、ファンのような儚さ、クロックのような恐さ、カオスのような無垢な姿を重ねたような雰囲気。
如月が持っていたカメラで写真を撮ることも忘れ、その場にいた全員がその姿を目に焼き付けることだけを頭に入れていた。
「バカな…リミット・オーバー・アクセルだとォ…!!だが、攻撃力はヴェルトの方が上だ!!それに墓地には光の束縛者もある、お前に僕を倒すことはできない!!」
「スピリット・シンクロンの効果でカードを1枚ドロー!!そしてテオス・ルーツ・ドラゴンの効果、シンクロ召喚成功時に、墓地に存在するシンクロモンスターをチューナー以外の素材の数だけ特殊召喚する!!」
「なに!?」
再び、4人のディスクから4つの光がユウのフィールドへと集まった。
「素材にしたモンスターの数は4体、よって4体のモンスターを特殊召喚することができる!!その強者の魂を授けた歴戦の龍の名よここに集え…カオス・レッド・ドラゴン、ソウル・ブラック・ドラゴン、ファントム・ブルース・ドラゴン、クロック・ゴールド・ドラゴンを特殊召喚!!
集え、皆の思い―レディアント・アビス―!!」
カオス・レッド・ドラゴン/ATK3000
ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400
ファントム・ブルース・ドラゴン/ATK2800
クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300
「この効果で召喚したモンスターは効果を使えない。だけどテオス・ルーツ・ドラゴンの効果を発動!!自分フィールドのモンスターをリリースすることでそのモンスターの効果を得る!!」
「効果をコピーだと!?」
そう、効果を使えなくてもその効果をテオス・ルーツ・ドラゴンを経由して使うことができるのだ。
「まずはカオス・レッド・ドラゴンをリリースして効果発動!!手札の古の対価をコストにお前の墓地の光の束縛者を除外する!!」
「なっ!?」
これでユウのモンスターを縛る攻撃封じの効果が無くなった。
「次はファントム・ブルース・ドラゴンをリリースして効果発動!!手札のスピリット・バーンを墓地に送り、墓地のイージーチューニングを手札に加える!!」
最初のヴェルトの効果の時に墓地に送ったカードだ。あの時は墓地に攻撃力が高いチューナーがいなかったため発動できずに手札で腐っていたのだ。
「ソウル・ブラック・ドラゴンをリリースして効果を発動、フィールドのクロック・ゴールド・ドラゴンをリリースしてその攻撃力を得る!!」
テオス・ルーツ・ドラゴン/ATK4000→6300
「攻撃力がヴェルトを上回っただとっ!?」
「バトル、テオス・ルーツ・ドラゴンで光の神ヴェルトに攻撃!!時を刻め、アカシック・ストーリー!!」
「ぐおおおおおおおおおおお!!!」
ルーラー/LP7200→5400
「そして、リリースしたソウル・ブラック・ドラゴンとファントム・ブルース・ドラゴンの効果!!戦闘破壊したモンスターの攻撃力とさらに500ポイントのダメージを与える!!」
「なっ!?うぎゃああああああああああああああ!!!!」
ルーラー/LP5400→400
「よっしゃ!!」
「あと一撃だ、ユウ!!」
「そいつをぶっ飛ばせ!!」
テオス・ルーツ・ドラゴンの肩の惑星から二つの光が吹き飛んだルーラーに襲い掛かった。
劇的な大逆転に回りから歓声が上がった。だが、ユウだけは気を抜かずにルーラーを見据えていた。
「舐めてるんじゃねぇぞ!!ヴェルトの最後の効果を発動!!このモンスターが破壊されたとき、相手フィールドのモンスターを破壊する!!」
先ほどのミラージュ・ファントム・ドラゴンが破壊された時の様にテオス・ルーツ・ドラゴンに光の矢が突き刺さった。
「そんな…!!」
「みんなの思いが…!!」
「さらにっ、リバース罠、シャドーインパルスを発動!!破壊されたヴェルトと同じ種族、レベルのシンクロモンスターを特殊召喚する!!」
今現在、ルーラーのエクストラには表側表示のモンスターが2体。だがシンクロ召喚、融合召喚ができないだけで特殊召喚はできるのだ。
「来い!アルカナフォース
「!!」
アルカナフォース
出現したモンスターに見覚えがあった。かつて斎王がユウと万丈目に襲い掛かった際にユウを仕留めたモンスターだ。
「…そっか、そいつは破滅の光そのもの…持っていても不思議じゃないか」
「そうさ、またコイツでお前を仕留めてやる!!」
勝ち筋が見え、歪んだ笑みを浮かべるルーラー。周りもユウの敗北を疑った。
「テオス・ルーツ・ドラゴンの最後の効果!破壊されたときエクストラデッキの同じ種族・属性・レベルのモンスターを召喚する!!」
「なに!?」
テオス・ルーツ・ドラゴン
シンクロモンスター
星12/光属性/ドラゴン族/ATK4000/DEF4000
Sモンスターのチューナー+チューナー以外のSモンスター2体以上
このモンスターはS召喚でしか特殊召喚できない。
(1)このモンスターがS召喚に成功したとき、チューナー以外の素材の数だけ墓地のモンスターを選択して特殊召喚することができる。この効果で召喚したモンスターの効果を無効化される。
(2)自分フィールドのSモンスターをリリースして発動する。リリースしたモンスターの効果をこのモンスターの効果として扱うことができる。
(3)このモンスターが相手によって破壊された場合、エクストラデッキから同じレベル・属性・種族のSモンスターを1体特殊召喚する。
シャドーインパルスと同じ効果。そしてユウのデッキのレベル12の光属性ドラゴン族のSモンスターと言えば――
「――破滅に囚われし命を救うために、ここに再び調和の力よ!!
みんなを助けるために、また力を貸して…!コスモ・クロス・ドラゴン!!」
コスモ・クロス・ドラゴン/ATK4000
聖和の塔でユウの覚悟で覚醒したコスモスのカードだ。
「コスモスッ…!!貴様が持っていたのか…!!」
「コスモ・クロス・ドラゴンで
コスモ・クロス・ドラゴン/ATK4000→4200
「ぬおぉぉっ!!」
ルーラー/LP400→200
状況が逆転、さらにユウのフィールドには攻撃力4200のコスモ・クロス・ドラゴン。
対してルーラーの手札もフィールドにもカードはない。
「カードを伏せてターンエンド!!」
ユウ
LP1000 手札0枚
コスモ・クロス・ドラゴン/ATK4200
伏せカード1枚
―ルーラーのターン―
「クソガキがっ、調子に乗ってるんじゃねぇ!!」
初めの紳士的な化けの皮が完全に剥がれて醜く喚くルーラーに周りの生徒は怯えたように引いた。
「そこまで死にたいのなら望み通り殺してやる!!魔法カードを発動!!裏側で除外されてるモンスターの中でレベル1から12のモンスターを墓地に送ることでエクストラデッキの融合モンスターを召喚する!!」
「なっ!?」
裏次元融合
通常魔法
自分フィールドと手札にカードが存在しない場合のみ発動することができる。
(1)自分の裏側でゲームから除外されているカードの中からレベル1~12のモンスターを1体ずつ選び、墓地に送る。
エクストラデッキの融合モンスター1体を特殊召喚する。
ルーラーの裏側で除外されているカードは20枚近くある。その中から12枚のカードが墓地へと送られた。
「12次元の始祖となる破滅の光よ!!再び我の元に集え!!滅光神ルーラー!!」
最後のエクストラのカード、本来なら融合召喚できないカードだがこの裏次元融合は融合召喚する効果ではないため召喚できるのだ。
するとどこからともなく集まった12の光に包まれたルーラーがその姿を変えた。
「なっ…」
「うげっ…」
変わり果てた姿を見た周りの生徒たちは一様に口元を抑えて吐き気をこらえていた。
醜悪、その一言に尽きる姿だった。先ほどのテオス・ルーツ・ドラゴンが【神】を象徴してるとするなら【滅光神ルーラー】は【悪】を象徴してるようだった。
光の名を持つはずのモンスターだが、包帯のようなボロボロの布が体中に巻き付きその裂け目からは火傷のように爛れた体と腐臭を発し、顔と思わしき部分には大小さまざまな目玉がギョロギョロと動き回り、体のバランスもおかしい。
右腕は普通の人ほどの太さに対して左腕はツバキや紫苑のような小柄な女性ほど――しかもそれが3本も生えており足に至っては右足は像のようにゴツイのに対して左足は蛇のように脚とは言えない者だった。
まるで子供がそういうおもちゃを組み合わせて作った【生き物】だが、当のルーラーは高笑いをしていた。
『くハハはハは!!見ヨ、ボクの本当ノすガタを!!』
ガシャガシャと骨が擦れ合うような音とともに聞こえる耳障りな声。これが、ルーラーの本当の姿だというのだろうか。
だが、嫌悪感に染まる一同の中でただ一人だけ別の反応をした人がいた。
「なんで…」
『マキ?』
驚いた表情をする如月にNeptuneがどうしたのか聞いた。するとどういうわけか、如月は手にしていたカメラをルーラーへ向かって投げた。
「如月!?」
「おまえ、どうした?」
今にも殴り掛かりそうな如月を万丈目と荒木が捕まえた。
「なんで、お前から圭ちゃんの声がするんだ!!」
「えっ…」
圭ちゃんとは如月の弟のことだ。彼女がこの世界に転生する前に意識不明となったはずだ。
その後、アンゲロスが転生者の故郷の世界は滅んだと聞いていた。
もしかしたら、自分の世界もと不安になったところをダークネスに付け込まれて敗北したのだが、それは今はいい。
『え~?なんデって、『私』のかラダノ中に取りコんダからですヨ』
「なっ…吉屋…!?」
一瞬だけ聞こえた声、間違いなく荒木の親友で木田に殺されたはずの吉屋の声だった。
「そうか…だからコスモスは死んでるはずの吉屋さんを助けたかったらこの世界の戦いに加わる提案を…」
アンゲロスとの戦いで生まれた疑問だが、その理由が今わかった。
異世界でルーラーが関わり、そして死んだり意識を失った人の魂を取り込んでいたのだ。
「…なら、絶対に負けられない理由が一つ増えたね」
『へェ?勝てルって本キで思ってルの?僕ノ、コうか!墓地のモンすターのレべるがぼクの攻げキ力にナル!!』
滅光神ルーラー
融合モンスター・効果
星12/光属性/天使族/ATK?/DEF?
レベル1~12のモンスター1体ずつ
(1)このモンスターの攻撃力と守備力は自分の墓地のモンスターのレベル×200ポイントとなるとなる。
(2)このモンスターは効果で破壊されず相手の効果を受けない。
墓地には
その合計は102、その200倍となるとーー
滅光神ルーラー/ATK?→20400
「攻撃力、20400…!?」
そんな数値、見たことも聞いたこともない。かつてカイザーが十代との卒業デュエルで爆発的な攻撃力をたたき出したことがあるが、その時と違いルーラーは永続的にこの攻撃力なのだ。
たとえユウが攻撃をかわしたとしてもこの攻撃力越えなければならないのだ。
『ばトル!!死ねェ、ユゥウ!!!』
「ユウ!!」
「リバーストラップ発動!!」
『何をシようとモ無ダ!!僕ニかテルわけがない!!』
そういってる間にもコスモ・クロス・ドラゴンへ攻撃が通った。
『ハははハは!!かっタ!!これでわカっただロう、こすモス!!せかイは終わリだ!!』
「それはどうかな?」
攻撃を受けてダメージを負ったはずのユウの声に高笑いをしていたルーラーは驚愕して固まった。
『ば、ばカな!!?なんデ、生きテ…』
「発動したカード、ノーバディ・レコードの効果で僕のダメージは0だ!」
そう宣言した時、確かにまた見えた。ユウの背後に、まるで後押しするかのようにツバキと紫苑が控え、そしてユウを守るかのようにシゲルと剱都がユウの前にいるのが。
「これが
ノーバディ・レコード
通常罠
(1)相手の攻撃で自分のモンスターが破壊されるダメージ計算時に発動することができる。
その戦闘ダメージを0にする。
(2)発動後、自分のフィールド、手札に他のカードがない場合以下の効果を発動することができる。
・自分の墓地の光属性・ドラゴン族Sモンスター2体とSモンスターのチューナーを除外することでエクストラデッキからSモンスターとSチューナーを素材とするSモンスターを1体特殊召喚する。
その後、このカードを装備する。
(3)このカードが装備カードとなったとき、自分の除外してるモンスターの攻撃力の合計を装備モンスターに加える。
(4)このカードがフィールドに存在する限り、装備モンスター以外のモンスターは攻撃できない。
「そして除外されている僕のモンスターの攻撃力をスピット・クロス・ドラゴンに加える!!」
スピット・クロス・ドラゴン/
ATK3000→5100→6000→6800→9800→10000→10200→14200→18200→20700
『コ、こウ撃力…20700だとォ!?』
「すげぇ…」
「ルーラーを…超えた…!!」
―ユウ『達』のターン―
「これがノーバディ・レコードが示した答え…僕たちの…
『や、ヤメ――!!』
「バトルフェイズ、スピット・クロス・ドラゴンで滅光神ルーラーへ攻撃宣言!!」
ユウの攻撃――その刹那が永遠の時間となってユウに降り注いだ。
10年前の悪夢――父の瞬火と母の沙奈絵を失い、地獄のような日々を送ることになった誕生日。
アカデミアの入試でツバキが自分の未来を賭けて与えてくれたチャンス。
入学して初めてできた親友ともいえる頼れる兄のような存在のシゲル。
どこか惹かれて意気投合した十代、そしていつしか頼れる仲間となる翔達。
殴り合いのように戦い、そして心から信頼できる存在となった剱都。
精霊界で囚われた、かつての自分を見るかのように孤独な存在だった紫苑。
いろんな思惑が、思いが、絆が交差して年齢という壁を無くして背中を預けるようになった後輩たち。
管理局、光の結社、プラネットモンスター、アンゲロス――昨日のように思い出す『戦い』
楽しいことも、悲しいことも、苦しいことも、思い出したくもないこともあったユウの『
「…今残ってる
その想いを込めたスピットの一撃。
「ノーバディ・クロス・ロード!!」
『う、うギゃああぁあアあああアァあアぁああぁ!!!』
ルーラー/LP200→0
ユウ「勝った…の…?」
うん、とはいえあとは突然最終決戦に移行したから前振りなしのエンディングがあるぐらい。
ツバキ「前振りなし?」
原作であった万丈目のプロへの挑戦だったり翔の新リーグの設立だったり…オリジナル設定での前振りがないから突然話が入るね。
シゲル「で、まずは剱都がユウに渡したあれはなんだ?」
アイオーンの神のカードみたいなものだね。実は5人それぞれに神のカードかそれに準ずるものを使う予定だったんだけど、剱都の場合それが出るところがカットしたから…
剱都「カットなのか?場面的にはアンゲロス戦後の幕間あたりの話っぽいけど」
回想シーンで差し込む予定だったから。で、もう一つは紫苑はそれを持ってないんだよね
紫苑「ええ、他の4人と違って神との繋がりがありませんし…」
本当は『一年修行』での阿曇磯良がかかわる予定だったんだけどね、ファントム・ブルース・ドラゴンもそれに関係してる、みたいな感じにする予定だった。
実をいうと、このルーツ・レコードからの流れは大分前から考えていた。
シゲル「そうなのか?」
にじファン閉鎖してすぴばる小説部に移動するぐらいに設定一覧表みたいなのを作ったんだけど、その時に遊び心で…
その頃5D'sが終わるぐらいで遊星のリミット・オーバー・アクセル・シンクロに震えてました。
さて、では次回 Turn End ノーバディ・レコード
お楽しみに!