―アースラ―
「クロノ君!!新たな時空犯罪者が出てきたよ!!」
「なに!?クッ…仕方ない、なのはとはやてを「クロノ、少し待ちなさい」かあ、艦長?」
クロノが現場になのはとはやてを送り出そうとしたが、それをリンディが引きとめた。
そしてメインモニターにはユウがディスクを構えて立っていた。
「…彼に任せましょう」
―海岸―
ユウと対峙してるクラウトのデッキはさっき神楽坂から奪った武藤遊戯のデッキだ。だが、神楽坂以上の戦術を行ってくるとユウは感じていた。
「「デュエル!!」」
掛け声と共にクラウトの周囲からうすい膜状の何かが出てきた。エピックの時と同じ『ダメージが実体化する』物が現れた。
「このドームの意味は知っているな?」
「っ…ボクのターン!!」
ユウの手札…あまり好ましくなかった。スピリットの最大のデメリットである『手札へ戻る』効果を無効化にするスピリット・フィールドや伊弉凪等の補助カードが無い。
ということはスピリットは毎ターン手札に戻る。
「裏守備モンスターを召喚し、カードを2枚伏せてターン終了!!」
ユウ
LP4000 手札3枚
裏守備モンスター
伏せカード2枚
―クラウトのターン―
「俺のターン!!手札から魔法カード融合を発動!!手札のブラックマジシャンとバスターブレイダーを融合!!」
「っ!?」
初っ端から融合を行った。だが素材がキマイラではない。
「融合召喚!!超魔導剣士ブラック・パラディン!!」
―最強の龍破壊の魔導師だ。
ブラック・パラディン/ATK2900
「バトル、ブラック・パラディンで攻撃!!超魔導無影斬!!」
「っ…!!」
いとも簡単に壁モンスターが破壊されてしまった。流石にスピリット単体ではきつい相手だろう。
「カードを2枚伏せターン終了だ」
クラウト
LP4000 手札1枚
ブラック・パラディン/ATK2900
伏せカード2枚
―ユウのターン―
「ボクのターン!!手札からテラ・フォーミングを発動し、スピリット・フィールドを手札に加えてそのまま発ど――!?」
一瞬だけ、フィールドの様子が由来だと思ったが、何も起こらなかった。
「ブラック・パラディンの効果発動!!手札のカードを墓地に送り魔法カードの発動を無効にする!!」
「っ…!!」
最悪のパターンだった。スピリット・フィールドは一枚しか持っていないため、もうデッキには残っていない。
そうなれば、ユウのデッキだと行動は制限されてしまう。
「相手の場にしかモンスターが存在しない時、手札のスピリットモンスター
スピリットモンスター
星5/炎属性/ドラゴン族/ATK1500/DEF2000
このカードは特殊召喚できない。
相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、
このモンスターはリリース無しで召喚することができる。
このモンスターの召喚成功時、デッキ・手札からレベル3以下の
チューナーモンスターを特殊召喚することができる。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
この効果を発動したターン、このモンスターはシンクロ召喚の素材にはできない。
神龍/DEF2000
「だが、ブラック・パラディンの効果でドラゴン族が現れたことにより攻撃力が上がる」
ブラック・パラディン/ATK2900→3400
「神龍の効果発動!!召喚成功時、デッキか手札からチューナーを特殊召喚できる!!スピリット・フィッシュを守備表示で召喚!!ターン終了!!」
スピリット・フィッシュ/DEF1000
ユウ
LP4000 手札3枚
神龍/DEF2000 スピリット・フィッシュ/DEF1000
伏せカード2枚
―クラウトのターン―
「俺のターン、俺はこのままバトルフェイズに入る。ブラック・パラディンでスピリット・フィッシュに攻撃!!超魔導無影斬!!」
ブラック・パラディンの杖の先から発生した衝撃波がスピリット・フィッシュへ放たれたが――
「伏せカード発動!!」
「っ!?消えた!?」
攻撃が当たる瞬間スピリット・フィッシュが消え、更には神龍も何処かへ消えていた。
「緊急同調!!このカードはバトルフェイズ中のみシンクロ召喚を行うことができる!!レベル5の神龍にレベル2、スピリット・フィッシュをチューニング!!」
空中に飛び上がっていた神龍は2つの緑のリングをくぐると体が透け始めた。
「精霊に仕えし魂よ、今ここに聖霊として呼び覚ませ!!」
☆5 + ☆2 = ☆7
「シンクロ召喚!!導け、聖霊師 ネファルロ!!」
場に真っ白の修道服に身を包み、細長い杖を持った白い長髪の美女が現れた。
ネファルロ/ATK2700
だが、攻撃力はブラック・パラディンに届かない。しかしユウにはある狙いがあった。
「……(あの伏せカード、恐らく攻撃力上昇系のカード)…だが、バトル続行!!ブラック・パラディンで攻撃!!」
「伏せカード、聖地の守護陣を発動!!墓地にフィールド魔法が存在する時、そのフィールド魔法をゲームから除外してモンスター1体の攻撃力を800ポイントアップする!!」
聖地の守護陣
通常罠
自分の墓地にフィールド魔法があり自分フィールド上に
レベル6以上のモンスターが表側攻撃表示で存在する時のみ発動することができる。
墓地のフィールド魔法を除外し、自分フィールド上のモンスターの装備カードとして扱う。
装備されたモンスターは攻撃力が800ポイントアップする。
装備モンスターが破壊される時、代わりにこのカードを破壊する。
その後、自分のデッキからカードを一枚選び、墓地に送る。
ネファルロ/ATK2700→3500
ネファルロの攻撃力がブラック・パラディンを越えた――だが、クラウトはそれを予測していた。
杖の先に魔力を溜めた魔法をネファルロが放つが――
「伏せカード、融合解除を発動!!ブラック・パラディンをエクストラデッキに戻し、墓地よりブラック・マジシャンとバスター・ブレイダーを特殊召喚する!!」
龍破壊の魔導師が消えた。そしてブラックマジシャンとバスターブレイダーが現れた。
ブラック・マジシャン/ATK2500
バスター・ブレイダー/ATK2600→3100
ドラゴン族モンスターはユウの墓地に1体だけいるため、バスター・ブレイダーの攻撃力は500ポイントアップした。
「けど、ネファルロには勝てない!!」
「もう一枚の伏せカードを発動!!ディメンション・マジック!!」
フィールドに魔法使いをモチーフにした棺が現れると、そのカードを見たツバキの顔色が変わった。
「ユウ!!そのカードは、自分の場の魔法使い族モンスターを生贄に手札の魔法使いを特殊召喚するカードよ!!」
「なんだ?それだけだらまだ…」
ツバキの言葉に十代が何処が脅威なのか分からない様に言った。だが横にいた三沢が更なる補足をした。
「いや、それだけではなくその後、相手のモンスターを破壊する効果もある…!!」
「え!?それって…!!」
翔がこの後どうなるのか分かった様だ。
「場のブラック・マジシャンを生贄に手札のブラック・マジシャン・ガールを特殊召喚する!!」
場に現れたブラック・マジシャン・ガールは何処か元気が無い様に、うつろな表情をしていた。おそらく――精霊と似た何かが宿っているのだろうか。
「う~!!ボクのアイドルっす!!」
「翔、殴られたくなかったら黙ってろ」
「これから『覗き君』って呼ぶよ」
「ごめんなさいっす!!」
シゲルとツバキの言葉に翔は土下座をする勢いで2人に謝った。
「そしてディメンション・マジックの効果でネファルロを破壊する!!」
「聖地の守護陣の効果発動!!装備されたこのカードを破壊することで、装備モンスターの破壊を無効にする!!そして効果で夜叉を墓地に!」
なんとか、ディメンション・マジックの破壊を回避したが聖地の守護陣が無くなったネファルロは弱体化した。
ネファルロ/ATK3500→2700
「墓地にブラック・マジシャンとマジシャン・オブ・ブラックカオスがいるためブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は300ポイントアップする!!」
ブラック・マジシャン・ガール/ATK2000→2600
「っ!?いつの間に!?」
「先程のブラック・パラディンのコストでな。バトル、バスター・ブレイダーでネファルロに攻撃!!破壊剣一閃!!」
バスター・ブレイダーが大剣を振り上げてネファルロに襲いかかった、だが
「ネファルロの効果発動!!1ターンに一度、墓地のカードを一枚除外することで効果が変化する!!墓地の聖地の守護陣を除外する!罠カードは相手の攻撃を無効にする!!」
効果・シンクロモンスター
星7/光属性/魔法使い族/ATK2700/DEF2000
チューナーモンスター+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度墓地に存在するカードを除外し以下の効果を得る。
●モンスター
手札のモンスターを任意の枚数デッキに戻してシャッフルし、その後デッキに戻した数と同じ枚数ドローできる。
●魔法
相手魔法・罠ゾーンに存在するカードを1枚破壊する。
●罠
相手モンスターとの戦闘を1度だけ無効にする。この効果は相手ターンでも発動することができる。
ネファルロの周囲に紅いバリアが現れた。それがバスター・ブレイダーの攻撃を防いだ。
「なんだと…!!クッ…俺はこのままターン終了!!」
クラウト
LP4000 手札0枚
バスター・ブレイダー/ATK3100 ブラック・マジシャン・ガール/ATK2600
伏せカード無し
―ユウのターン―
「ボクのターン!!ネファルロの効果発動!!墓地の神龍を除外して、手札のモンスターを任意の枚数デッキに戻してシャッフル!その後同じ枚数ドローする!!」
デッキに2枚戻したユウだが、別に手札が悪いという訳じゃなかった。問題は墓地のドラゴン族を減らすことだった。
「墓地のドラゴン族が減った事によってバスター・ブレイダーの攻撃力は下がる!!バトル!!ネファルロでバスター・ブレイダーに攻撃!!
「クッ…!!」
バスター・ブレイダー/ATK3100→2600
クラウト/LP4000→3900
ネファルロの掲げた杖の先から一筋の衝撃波がバスター・ブレイダーを切り裂くと悲鳴を上げてバスター・ブレイダーは消滅した。
そして、ドームの影響かクラウトの服の一部が焦げていた。
「更にカードを伏せ、ターン終了!!」
ユウ
LP4000 手札3枚
ネファルロ/ATK2700
伏せカード1枚
―クラウトのターン―
「俺のターン!!ブラックマジシャンガールを守備表示に変更し、カードを伏せターン終了!!」
ブラック・マジシャン・ガール/ATK2600→DEF1700
流石に攻撃力2800のネファルロを越えるモンスターはそうそういないはずだ。
それに伏せカードがあったとしても心配ないからだ。
クラウト
LP3900 手札0枚
ブラック・マジシャン・ガール/DEF1700
伏せカード1枚
―ユウのターン―
「ボクのターン!!ネファルロの効果発動!!墓地のテラ・フォーミングをゲームから除外してその伏せカードを破壊する!!」
「伏せカードはブービー・トラップだ!!このカードがカード効果で破壊された場合、デッキからカードを一枚セットする!」
ブービー・トラップ
通常罠
セットされたこのカードが相手のカード効果によって破壊された場合、
自分のデッキの通常罠を一枚裏向きのままセットする。
そのカードが発動に成功した場合カードを一枚ドローする。
「っ…かわされた…(伏せられたカードが何かわからない…今は引かずに突き進む!)バトル!!ネファルロでブラック・マジシャン・ガールに攻撃!!
先程と同じ様に一筋の衝撃波がブラック・マジシャン・ガールへ向かった。だが当たる寸前に薄い膜状のガラスに当たった。
「残念だが、ブービー・トラップで伏せたカードは聖なるバリア・ミラーフォースだ!!効果によりネファルロを破壊する!!」
「ネファルロ!!」
バリアに当たった衝撃波は暴発するとネファルロまでその余波が届き、破壊された。
さらにブービー・トラップにはもう一つ効果があった。
「伏せた罠カードが発動に成功した場合、俺はカードを一枚ドローできる」
「クッ…スピリット・ディフェンダーを守備表示で召喚!!ターンを終了する!!」
スピリット・ディフェンダー/DEF1000
スピリット・ガードナーによく似た騎士が現れた。
ユウ
PL4000 手札3枚
スピリット・ディフェンダー/DEF1000
伏せカード1枚
―クラウトのターン―
「俺のターン!!」
スピリット・ディフェンダーは1ターンに一度、戦闘では破壊されない効果を持っている。その為このターンはダメージは無いと思っていた。
スピリット・ディフェンダー
効果モンスター・チューナー
星4/炎属性/戦士族/ATK 800/DEF1000
このモンスターは1ターンに1度戦闘では破壊されない。
「手札から魔法カード、テイクオーバー・ファイブを発動!!デッキからカードを5枚捨てる!!」
「墓地にカードを送った…!」
墓地にカードを置くのがこのカードの狙いだった。落とされたカードはクイーンズ・ナイト、
「手札から魔法カード、貪欲な壺を発動!!墓地のバスター・ブレイダー、クイーンズ・ナイト、磁石の戦士γ、翻弄するエルフの剣士、マジシャン・オブ・ブラックカオスをデッキに戻し、カードを2枚ドロー!!」
そしてクラウトの引いたカードはまずまずだった。
「ブラック・マジシャン・ガールを攻撃表示に変更し、ビッグ・シールド・ガードナーを守備表示で召喚」
ブラック・マジシャン・ガール/DEF1700→ATK2300
ビッグ・シールド・ガードナー/DEF2600
「カードを伏せ、ターン終了!」
クラウト
LP3900 手札0枚
ブラック・マジシャン・ガール/ATK2300 ビッグ・シールド・ガードナー/DEF2600
伏せカード1枚
―ユウのターン―
「ボクのターン!!スピリットモンスター、雷帝神を攻撃表示で召喚!!」
「かかったな!!伏せカードオープン!!」
場に長剣を持った精霊が現れるが、その瞬間クラウトの伏せてあったカードが発動された。
場に現れたのは赤い棺の様なものだった。
「あれは…黒魔術復活の棺!!」
「それって…さっき言ってたやつか」
棺を見たツバキはそう声を上げるとシゲルがそう言った。
「相手がモンスターを召喚した場合、そのモンスターと自分の場のモンスターをリリースし墓地の魔法使い族モンスターを特殊召喚する」
「……またブラック・マジシャンが現れるか」
場に現れた雷帝神とビッグ・シールド・ガードナーが光の球体となって棺に吸い込まれていった。そして棺が閉まる。
「俺の場のビック・シールド・ガードナーとお前の場の雷帝神をリリースしてブラック・マジシャンを特殊召喚!!」
開いた棺の中に腕を胸の前に組んでいるブラック・マジシャンが現れた。
そしてブラック・マジシャン・ガール墓地のブラック・マジシャンが居なくなったため攻撃力が元に戻った。
ブラック・マジシャン/ATK2500
ブラック・マジシャン・ガール/ATK2300→2000
「っ…死者蘇生を発動!!ビッグ・シールド・ガードナーを特殊召喚!!」
ユウの場に先ほど棺桶に引きずり込まれた巨大な盾を腕に装備した戦士が現れた。
ビッグ・シールド・ガードナー/DEF2600
「場のレベル4、ビッグ・シールド・ガードナーにレベル4、スピリット・ディフェンダーをチューニング!!」
巨体の戦士が緑の輪に、巨大な盾を持つ戦士が4つの星へと変わった。
「大いなる魂よ!砕かれし魂と共に光の風を纏いその身を現わせ!!」
☆4 + ☆4 = ☆8
「甦れ…スピット・シルバー・ドラゴン!!」
場に現れたユウの新たなエースモンスター――その姿はシンクロモンスターの中でも群も抜いて美しく輝いている。
「手札からスピリット・ドローを発動!!墓地の雷帝神をゲームから除外してカードを2枚ドロー!!」
だが、スピット・シルバーの攻撃力はブラック・マジシャンと同じだ。あとは相手との出たとこ勝負しかない。
「バトル!!スピット・シルバー・ドラゴンでブラック・マジシャン・ガールに攻撃!!スピリット・ブラスト!!」
「クッ…!!」
クラウト/LP3900→3400
スピット・シルバー・ドラゴンの放った白銀の炎にブラック・マジシャン・ガールは包まれて破壊された。
ちなみにクラウトの視界の隅に、残念そうな顔をしてる翔を睨んでいるシゲルがいたのは気のせい――ではないな。
「カードを伏せ、ターン終了!!」
ユウ
LP4000 手札2枚
スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500
伏せカード2枚
―クラウトのターン―
「俺のターン!!俺はテイクオーバー・ファイブの効果発動!!ドローフェイズ時にこのカードを除外し、カードを1枚ドロー!!」
クラウトはカードを補充した。が、ユウは少しやばい状況に陥っていた。流石に簡単にライフを0にされることは無いだろうが、すぐにでも自軍のモンスターがやられる可能性があった。
「手札から装備魔法、
ブラック・マジシャン/ATK2500→3200
「そして魔導師の宝札を発動!!墓地のブラック・マジシャン・ガールをデッキに戻し、カードを2枚ドロー!!」
魔導師の宝札
通常魔法
フィールド上に「ブラック・マジシャン」が存在する時のみ発動できる。
墓地の「ブラック・マジシャン・ガール」もしくは「マジシャン・オブ・ブラックカオス」をデッキに戻し、シャッフルする。その後2枚ドローする。
「魔道士の宝札」は1ターンに1枚しか発動できない。
「カードを伏せ、そして手札にこのモンスターしか存在しない場合、リリース無しで召喚することができる!!疾風の暗黒騎士ガイアを攻撃表示で召喚!!」
疾風の暗黒騎士ガイア/ATK2300
フィールドに漆黒の馬に跨った騎士が現れた。
さらにブラック・マジシャンの攻撃力も上がっている。まさに絶体絶命だった。
「バトル!!ブラック・マジシャンでスピット・シルバー・ドラゴンに攻撃!!
「うわぁああぁ!!!!」
ユウ/LP4000→3300
場の白銀の龍が破壊され、その余波でユウにダメージが及んだ。
そして結構やばい状況だ――もう壁モンスターはいない。
「行けぇ!!疾風の暗黒騎士ガイアの直接攻撃!!
「ぐっああああああああああああああ――!!!!!!!!!」
「「「「「ユウ!!!」」」」」
ユウ/LP3300→1000
疾風の暗黒騎士ガイアの放った槍の攻撃でユウの小さい体は吹き飛ばされてしまった。しかもダメージの余波か、服がボロボロになっていた。
「俺はこれでターン終了だ!!」
クラウト
LP3400 手札0枚
ブラック・マジシャン/ATK3200 疾風の暗黒騎士ガイア/ATK2300
魔術の呪文書 伏せカード1枚
―ユウのターン―
ユウのターンになったが、立ちあがったユウはフラフラだった。一気にライフを大幅に削られ、実際のダメージとして受けた量は半端無かった。
だが、その眼にはまだ闘志が残っていた。
「ボクのターン…!!(これで…何とか勝てる…!!)ボクは…ぅ…!!」
手札のカードを発動させようとするが、指先に力が入らなかった。ダメージが思っていたよりもひどく、立っているのがやっとだった。
その様子を見たクラウトは大きなため息をついた。
「はぁ…どうやらもう限界の様だな。…興ざめだ…まあ、次は『あの女』を狙うとするか」
「(『あの女』…?)
今この場にいる女は――ツバキしかいない。
そして狙うということは、ツバキとこの『実際にダメージを負うドーム』で戦うということだ。
自分やシゲルだけでもフラフラになるこの戦いで――下手をしたら死ぬ確率だって――
「……ぇ…」
「ん?なんか言ったか?」
そう考えている途中だったが、考えよりも言葉が先に出た。
「だまれ…!!ツバキに…手を出させない…!!」
「ッ!?(何だ…この威圧感は…あの『赤い目』は!?)」
ツバキを守るために、自分の体力を考えると――今ここで、このターンでケリをつけるしかなかった。
「手札からスピリット・バードを通常召喚!!スピリット・バードの効果発動!!」
そう宣言した時、デッキから一枚のカードが飛び出した。
スピリット・バード/ATK 0
「墓地の阿修羅をゲームから除外して今手札に加えた大和神を特殊召喚!!このモンスターは墓地のスピリットモンスターをゲームから除外して特殊召喚することができる!!」
大和神/ATK2200
「そしてレベル6、大和神にレベル3、スピリット・バードをチューニング!! 魔に潜む聖なる魂よ、光を闇に染め、この場に降臨しろ!!」
☆6 + ☆3 = ☆9
レベル9――ユウのデッキの最上級モンスターがこの場に現れる――
「シンクロ召喚!!聖霊魔ルシア!!」
フィールドに4つの腕を持つ巨大な悪魔が現れた。その大きさはいつか見たビッグ・コアラ並の大きさだ。
ルシア/ATK2800
「攻撃力2800…だが俺のブラック・マジシャンには及ばないぞ!!」
「リバースカード!!
通常魔法
自分の墓地に存在するシンクロモンスターを1体選択し発動する。
選択したモンスターと同じレベルになるように、
墓地に存在するチューナーモンスター1体とスピリットモンスターか「スピリット」と名のついたチューナー以外のモンスターを任意の枚数除外する。
選択したシンクロモンスターを特殊召喚する。
場に再び、ユウのエースモンスターである銀色のドラゴンが現れた。
スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500
「スピリット・フィッシュの効果発動!!墓地の大和神を除外し特殊召喚!!!!」
『グォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!』
ユウが効果を発動した瞬間、ルシアが咆哮を上げた。それと同時にスピリット・フィッシュが消えた。
「ルシアは僕のライフを800ポイントとフィールド上のチューナーをリリースすることで、相手フィールドの一番攻撃力の低いモンスターを破壊する!!ガイアを破壊!!」
シンクロモンスター・効果
星9/闇属性/悪魔族/ATK2800/DEF2300
チューナーモンスター+チューナー以外モンスター1体以上
このモンスターはシンクロ召喚でしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
自分のメインフェイズ1で
自分フィールド上のチューナーモンスターをリリースし、
ライフを800ポイント払うことで
相手フィールドの攻撃力の一番低いモンスターを破壊する。
この効果は1ターンに1度しか発動できない。
「聖霊魔ルシア」がフィールド上に存在する限り、
自分は他に「聖霊」と名のついたモンスターを特殊召喚することはできない。
ユウ/LP1000→200
「ッ…!!だが俺の場には攻撃力3000のモンスターがいる!!それにお前のライフは残り200だ!!」
そう、もうユウのライフは風前の灯だ。恐らく次にダメージを負えばユウのライフは無くなってしまう。
「スピリット・フィッシュは自身の効果で特殊召喚した場合フィールドから離れる時除外される!!!スピット・シルバー・ドラゴンの効果でドロー!!手札の竜宮之姫を除外し伊弉凪を特殊召喚!!」
伊弉凪/ATK2200
「バトル!!ルシアでブラック・マジシャンに攻撃!!」
「血迷ったか!?ブラック・マジシャンの攻撃力との差は400!!お前のライフはこれで無くなる!!」
そう、これでユウのライフは無くなってしまう。だが、先程から伏せられているブラフは本来の使い方があった。
「最後の伏せカード、アタック=ダメージ&アタックを発動!!フィールド上のモンスター1体と攻撃力と同じにするように攻撃力を上げる!!
そして、エンドフェイズに上がった攻撃力と同じ数値ダメージを受ける!!」
「なっ…!!」
アタック
速攻魔法
自分のライフが1000以下の時、
自分のモンスターが相手フィールド上の攻撃力の高いモンスターを攻撃する時、
そのモンスターと攻撃力と同じにするように攻撃力を上げる。
エンドフェイズに上がった攻撃力と同じ数値ダメージを受ける
つまり――
ブラック・マジシャン/ATK3200=ルシア/ATK2800→3200
「ごめん…ルシア…バトル続行!!
「っ…向かえ撃て!!ブラック・マジック!!」
ルシアとブラック・マジシャン――2体は相打ちになる。
そして魔術の呪文書の効果でクラウトのライフは1000回復する。
クラウト/LP3400→4400
「行けぇ!!伊弉凪で直接攻撃!!」
「クッ…伏せカード炸裂装甲を発動!!攻撃モンスターを破壊する!!」
炸裂装甲が発動され、伊弉凪に向かって衝撃が飛んで行った。
「スピット・シルバー・ドラゴンの効果発動!!」
が、途中でスピット・シルバー・ドラゴンが立ち塞がった。そして炸裂装甲の衝撃はスピット・シルバー・ドラゴンがかき消した。
「手札のチューナーモンスター、スピリット・マターを墓地に送ってモンスターを破壊する効果を無効にする!!バトル続行!!」
「ぐうぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
クラウト/LP4400→2200
伊弉凪の巻き起こした突風でクラウトの体はボロボロになった。
クラウトに手札も、伏せカードも、壁になるモンスターもいない。そして――これで終わりだ。
「スピット・シルバー・ドラゴンで直接攻撃!!スピリット・ブラスト!!」
「うわぁあああああああああぁぁああぁ!!!!!!!!!!!!!」
クラウト/LP2200→0
白銀の炎に包まれたクラウトは倒れた。
シゲルが急いで近付き確認すると、クラウトは衰弱しているが気を失っているだけだった。
「はぁ…はぁ…つ、…疲れた…」
「ユウ~!!!」
「ツバゴフっ!?」
何とか立っているユウにツバキがタックルもとい、抱きついてきた。
ツバキは泣いているが、ユウは体が折れそうになっている。てか、ユウの顔がツバキの胸に押しつけられている。
「心配したよ~!!!」
「ツ、ツバキ!!(あ、当たってる!ってツバキ思いのほか胸ある!?)」
胸に当たっているのを気にして無い、てか気付いていないツバキは更に泣いていた。
「無茶しないでよ…」
「…ごめん」
一先ず謝ったユウは限界だったのかスッと寝てしまい、静かな寝息を立ててしまった。
「で、どうするんだ?こいつ」
「もちろん、引き渡してもらう」
十代が倒れているクラウトを見てそう言った言葉に返した――誰が?
「やっぱり来やがったか…管理局」
シゲルがそう言った先に黒い服に身を包んだ――クロノがいた。
シゲルの言葉を聞いたクロノは苦虫をつぶしたような顔になった。
「…無関係な人間に僕らの存在を話すってどう言うつもりだ?」
「それを言うならお前達だろ。関係ない俺やツバキ達を巻き込んだのはテメェらだろ」
「ッ…!!公務執行妨害及び、名誉棄損、ロストロギアで貴様を逮捕する!!」
「おうおう、立場が悪くなると自分を正当化って、ガキか」
そう言いながらシゲルはクロノを無視してクラウトを拘束するために神楽坂が身につけていたマフラーで縛ろうとしていた。
「スティンガーレイブ!!」
「シゲル!!」
だが、その行為を行っていたため、クロノの行動が見えなかった。
彼が構えた杖のの先から白い光線の様な物が伸びてくる。
「ッ!!」
間一髪でシゲルは避けた、が後ろにあった木が音を立てて折れた。十代の言葉に気付かなかったらまともに当たっていたが、当たれば「痛い」ですまなさそうだった。
「大人しく捕まることをお勧めするが…」
「断る…それに、お前の負けだ」
―バァン!!!―
シゲルがそう言った時、一発の銃声が響いた。その音は海の方から聞こえ、そこに一隻の船が浮かんでいた。甲板には5~6人の男に見覚えのある老人がいた。
「グッ…だ、誰だ…!!?」
足に銃弾を受けたクロノは持っていた杖を支えにその船を見た。と、老人が手で銃を降ろすジェスチャーをする。その老人は――
「山本さん!?」
AW社総帥である剣賭の執事である山本だ。山本はいつもの様な優しい笑みを浮かべていた。
「ほっほっほ…時空管理局という組織は聞いただけでは判断にしにくかったですが…お嬢様の言うとおり碌でもない組織の様ですな」
「…なんであの人がいるんだな?」
隼人が今この場にいる人間が全員聞きたい事を代表して言葉にした。
それに応えたのは予想外にシゲルだった。
「俺が呼んだんだよ。クラウトがもしも暴れ出したら止める手立てが無いからな…まぁ…こうなるとは思わんかったけどな」
「さてさて…少年、いかがしますか?このまま我々と争うのであれば…」
山本がそこまで言った瞬間周囲の男性が銃をクロノに向けた。レーザーサイトが装備されたその銃は全てクロノの頭、胸、目、胴体――確実に致命傷を負う場所に向けられていた。
それだけでも彼らがプロだということははわかった。
「クッ…」
「一つ言い忘れておりました。総裁である剱都様より…『舐めた真似はするな。これ以上変なことをするのならAW社としてそれ相応の対応をさせてもらう』と」
「ッ…!!!」
剱都――すぐにクロノはあの時の少年の事だと気付いた。そして彼がAW社という巨大な会社のトップだということは、場合によったら時空管理局の存在が広まってしまうということだ。
そう考えたクロノは転移魔法で撤退した。少年の姿が消えて他の男性達は驚いているが、山本はそれをスルーした。そして、倒れているクラウトを見た。
「この少年ですか?」
「ああ…頼む。できる限り情報を引き出しといてくれ」
そう言うと、山本の指示で男達はクラウトを連れて船は島から離れて行った。
「剣賭にあいつの尋問を頼んでいる。俺達は待つしかないな…」
「そうか…所で…神楽坂どうするんだ?」
いまだに目が覚めない神楽坂を見て三沢が聞いてきた。一先ずツバキが保険医であるシャマルと鮎川を呼ぶことにしたのだが、クラウトの事やデッキを盗んだことについては――
―翌日 校長室―
「彼には罰を与えるノーネ」
そう言ったのはクロノスだ。居るのはツバキ、シゲル、十代、翔、三沢の5人と神楽坂がいる。6人の前にはクロノスと、椅子に腰かけている鮫島校長だ。
「けど先生「俺はどんな処罰を受けます」神楽坂…」
十代が口を挟もうとしたが、神楽坂はそれを遮った。ツバキとのデュエルで何がいけなかったのか、どうすればいいのか、神楽坂なりに考えた様だ。
「どうであれ、俺はデュエリストとして最低な行動を行った。その罰は受けます」
「良い心がけですね。では神楽坂君、これを…」
鮫島校長がそう言って取り出したのは一つのデッキだ。神楽坂はそれを受け取って中を見て驚いていた。
「こ、校長先生!!これ武藤遊戯のデッキじゃあ!?」
「「「「「…はぁ!?」」」」」
珍しく5人の反応が被ってしまった、が鮫島校長はニコニコしながら一枚のチラシを取り出し説明を始めた。
「実は展示会のイベントとして、学園祭でそのデッキを使用するデュエルマシンと勝負するイベントがあったのですが…時に機械よりも人間が予想外の方法でデッキを駆使することもあります。その為、誰かこのデッキを使用してイベントを行うことにしたのですが…やってくれますか?」
「ちなみに、参加人数は少なくとも数十人から百人近くになるノーネ」
百人近く――いくらデュエル好きの十代でも顔を青くしていた。
が、神楽坂は――
「分かりました!!」
了承した。どれだけきつかろうが、罰ならば受ける気らしい。それからしばらくの間、神楽坂はそのデッキで出来るありとあらゆるコンボを研究したのは、誰も知らない。
―レッド寮・食堂―
「そうなんだ」
先程まで部屋で寝ていたユウはツバキとシゲルから話を聞いていた。
十代がこの場にいない理由は――
「スカイスクレーパー・シュート!!」
「手札からクリボーの効果発動!!戦闘ダメージをゼロにする!!」
「フレイム・ウィングマンの効果発動!!デーモンの召喚の攻撃力分のダメージを与える!!」
「なんだと!?うわぁあぁああぁ!!!!!!!!!!」
今現在、フライングで神楽坂と勝負をしていた。ちなみに三沢や明日香も並んでいる。
「で…問題は管理局だ。クラウトの引き渡しを拒否の上だしAW社の介入もあったからな……もしかしたらめんどい事になるかもな」
―アースラ・医務室―
前日銃弾を脚に受けたクロノはベッドに寝て――居ない。ブリッジにいるリンディに報告をしに行こうとするのだが、同僚のエイミィに止められていた。
「クロノ君、安静にしてなきゃだめだよ!」
「大丈夫、もう痛みも引いてるし…」
そう言って医務室を出ようとしたクロノだが、突然目の前の扉が開いた。
そこには緑髪の女性――リンディがいた。そして部屋を出ようとしたクロノを見て――
「クロノ?少しO☆HA☆NA☆SIしましょうね」
「母さ艦長!?」
若干白い悪魔が見えたクロノだった。
数分後、訓練室より少年の叫びこえが響いた。
そして数日後、島の停泊所に一人の少年?が立っていた。
「…此処にいらっしゃるのね……亮様」
ユウ「今回結構綱渡りだった気がする…」
確かにいろいろと危なかったね。特に最後のアタック=ダメージ&アタックは外せばデュエル終了するかもしれないからね。
シゲル「にしても、出てくるモンスターが少なくないか?」
いやぁ…実を言うと遊戯デッキってリアルだとあんまり回すことができないんだよね。
アニメ的な感じにするとしても今回の話のテーマ的な感じでスピリット・フィールドは使えないからほぼ不可能になった。
ツバキ「えっと…テーマって…?」
毎回の話でこれをやろうってのと、決まり手を決めてるからね。
今回は『ユウがスピリット・フィールドを使えなくて苦戦する』って感じ。
ユウ「な、なるほど…」
ちなみにどうでもいいネタがひとつ
ツバキ「?」
ネファルロとルシアの攻撃名はテイルズのキャラの攻撃名から取った。
シゲル「どうでもいい」
(´・ω・`)
次回予告
レッド寮に転入生がやってきた。
それと同時に通達されたノース校との交流試合のルール変更。
男子、女子、タッグの計4人で行われる戦いに静かに闘志を燃やす生徒たち。
そんな時に始まったシンクロモンスターを持つ生徒同士のデモンストレーション。
リングに上がったのはなんと――
そして、何故か開始したユウと転入生のデュエル。だがその結果は予想通りの…
次回turn16 初の戦い…ではない? 精霊VS獣VS恋する少女?
最強カードは「恋する乙女」