遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn18 異世界?チビ龍?そして精霊の絆

―ノース校対抗戦:当日―

 

「いよいよ今日だね…」

「なんだ?緊張してるのか?」

 

 

海岸でのんびりと待ち時間まで釣りをしているユウとシゲルがそう言っていた。

 

どうもユウはタッグデュエルが苦手らしく、誰かとコンビになると足を引っ張るかもしれないというプレッシャーで上がってしまうようだ。

 

 

「まあ、あの時と違って負けても心配ないからな。気楽に行こうぜ」

 

「うん…」

 

「2人とも~ノースの人たち来たよ~!!」

 

 

 

遠くの方でツバキが2人を呼んでいた。それを聞いたシゲルは手早く道具をかたずけるとユウを先に港に行かせた。

 

 

―レッド寮:物置―

 

 

道具を置いて、腰に付けたデッキケースを確認したシゲルは外に出て――身構えた。

 

 

「たく…これから学校行事でダルイってのに…なんのようだ…?」

 

「いい加減協力して貰うわよ…獣斬君」

 

 

 

そこには数人の時空管理局局員と共にいたリンディがいた。だが、全員デバイスを持っており、それをいつでもシゲルに向けて攻撃をできるようにしてあった。

 

 

「生憎だが断る。俺はお前達に協力する気は無い。そしてカードも渡す気は無い」

 

「そうじゃないわ…シンクロモンスター…それについてね」

 

「…どういうことだ?」

 

 

ピクリとシゲルの眉が動いた。

 

「シンクロモンスターは今現在様々な世界で見られるカードなのよ。中にはあなたが大怪我をしたように巨大な力が宿っている。そしてこの世界でペガサス・J

・クロフォードが製作し、そのカードをあなたに送ったってことはあなたも関わってると思っているわ」

 

 

リンディの予想通り、ペガサスはシゲルが話したカードを元に作った。

 

だが、リンディの説明に一つの仮定が浮かんだ。

 

 

「一つ聞きたい。『この世界の生みの親』ってことは他の世界にもデュエルモンスターズがあるってことか?」

 

「ええ…其々作った人や由来は違うけど…以前あなたが戦ったエピックという少年が使ってたカードはミッドチルダ…私たちの世界でメジャーなカードよ」

 

「メジャー?シンクロモンスターは普通に出回っているのか?」

 

 

そう聞いたリンディは少し説明しずらそうに言葉を摘んだ。

 

 

「実を言うと…シンクロモンスターは市場に出回っているわ。だけどその大半は本物のシンクロモンスターのカードをコピーした偽物よ。本物のシンクロモンスターはとてつもない力を秘めているの」

 

 

そう聞いてシゲルは納得した所があった。エピックとの戦いのときに奴の切り札のレヴァアタンの攻撃だけ、本能的に危険だと察知した。だがレイジオンやヴァルキュルスにはそれが無かった。

 

おそらくレヴァアタンはその『本物の』シンクロモンスターのだったのだろう。

 

 

 

「私達の目的はその本物のシンクロモンスターを探すこと。そしてこの世界でシンクロモンスターの作成に関わった貴方に協力を――」

 

「嘘をつくな」

 

「え…?」

 

 

シゲルはリンディにそう切り捨てた。元から協力する気のない彼は相手の狙いや嘘をすぐに見抜くことができるのだ。

 

 

「俺がシンクロモンスターの制作に関わったのが確かだ…が、初めは違う理由だった。ユウの持つロストロギアを奪うために、そして次に俺とツバキのロストロギアを奪うために俺達の前に現れた…つまりお前らは――」

 

「黙れ!!」

 

 

そこまで瞬間リンディの周りにいた局員がシゲルに向かって魔法を放った。それによりシゲルの姿が砂煙に覆われ見えなくなった。

 

 

「っ!?」

 

「提督、ロストロギアは直ちに回収しなくてはいけません」

 

 

リンディは驚いていたが、ため息をつくとまだ姿の見えぬシゲルの元へと歩いて行った。

 

シゲルの傍らに落ちているはずのロストロギアとシンクロモンスターの回収にへと――

 

 

 

 

「あぶねぇ……ウリィのサポートが無かったら死んでたな…」

「「「なっ!?」」」

 

 

 

何故かホプロムスに守られていたシゲルがいた。しかもその周りに膜状のドーム――ディフェンシブタクティクスの様な物が張ってあった。

 

 

「な…なんなの…それは…」

 

 

 

―選考会:夜 ユウとシゲルの部屋―

 

 

「ごめん…このカード…返すよ」

 

「あ~…構わねぇよ」

 

 

交流試合のデッキ調整の為にツバキが2人の部屋に来た時、デッキに代表選考戦でシゲルから『無断で』借りたクリエイト・リゾネーターのカードがまだあったので返そうとしていた。

 

 

「それに…『そいつ』もツバキの所に行きたがってるみたいだしな」

 

「え?」

 

 

そう言ったシゲルの目線――ツバキの腰の後ろには――クリエイト・リゾネーターがいた。

 

 

「あ…かわいい…」

 

『グリ?』

 

 

今にも抱きつきそうなツバキを愛くるしい表情でクリエイト・リゾネーターが見上げていた。

 

その2匹の生物に――2匹?

 

 

『キュア?』

 

「「…はぁ」」

 

 

クリエイトの横に赤いチビ龍が浮かんでいた。その姿を見てユウとツバキが大きなため息をついた。

 

ちなみにユウの膝の上には白い…いや、銀色のチビ龍が、シゲルの肩の上には黒いチビ龍がいる。

 

『グァ?』

 

『ガァ?』

 

 

3人のメインデッキにこの3匹の精霊と思われるドラゴンはいない。エクストラには――

 

 

『スピット・シルバー・ドラゴン』

 

『ソウル・ブラック・ドラゴン』

 

『カオス・レッド・ドラゴン』

 

 

 

この3体しかいない…が、どうして精霊になっている。そしてなぜデフォルメなのか…

 

 

 

「……まあ、できる限りクリエイトのやりたいようにさせたいし…お前が持っといてくれ」

 

「分かった。名前…どうしよう」

 

 

「クリエイト・リゾネーター」は流石に長すぎるから、ツバキはイナやダークの様に名前をつけようとして考えていた。

 

 

「う~ん……名前…」

 

『グリリ?』

 

「グリリ…グリ……うん、『グリ』、これが貴方の名前『グリ~♪』良かった」

 

 

グリという名前が気にいったのか、クリエイト・リゾネーター(グリ)は喜んでいた。

 

で、次の問題は――なぜデフォルメになったのか分からない3匹のチビだ。

 

 

 

「……ウリィかダークはいないの?」

 

「……俺のデッキには今いないな」

 

「私も…精霊界に戻ってる―――」

 

 

ユウは精霊界にや、精霊に詳しい2体に聞こうとしたが、生憎留守の様だった。イナも神楽も精霊界に戻っており、ツバキもデッキを取り出してそう言おうとした――が、

 

 

 

「「「えっ!?/なっ!?/きゃ!?」」」

 

 

突然ツバキの周囲が輝いた。

 

 

あまりの眩しさに3人と4匹の聖霊は目を瞑ってしまった。

 

 

数十秒後、光がおさまったが何故かそこには誰の姿も無かった。

 

 

―アースラ―

 

「あれ…?」

 

「どうかしたのかしら?」

 

 

リンディにコーヒーを渡したエイミィが首を傾げていた。

 

そう、エイミィの見た反応は見間違いではなかった。だが、そのことを管理局が知ったのは大分後だった。

 

 

―????―

 

「っ…!?…ここは…どこ…!?」

「何なんだ…!?」

 

 

ユウは眩しさが無くなるのを確認して目を開けると何処かの街中の路地にいた。

そこには全員――同じように驚いているシゲルとツバキ、グリと黒と銀のチビ龍が2匹――

 

 

 

 

「カオス何処行った?」

 

「キュア!!!!!」

 

 

少し離れたところでカオスらしき鳴き声が聞こえた。

 

 

「あっちだね」

 

「て言うか…何かに襲われてないか?」

 

「行ってみようよ」

 

 

そう言って3人は移動した。ちなみに精霊達は3人の肩か頭の上に乗っている。

 

 

―????―

 

「クッ…お姉ちゃんの帰りまで…私が此処を守る役目…なのに…」

 

「グガガガガ……いい加減諦めな…今なら我の専属のペットとして飼ってやる」

 

 

3人が向かった先にはカオスを守るように一人の少女が得体のしれない悪魔と対峙していた。だが少女一人に対し、悪魔は10体以上いた。

 

 

「断ります!!私はあなたたちには屈しません!!」

 

「そうか…ならば…やれ!!!」

 

 

先頭の悪魔の言葉に促されるように他の悪魔たちが少女に襲いかかった。

少女はもう戦う力が無いのか、カオスを抱きかかえると悪魔に背を向け、自身の体を盾にした。

 

 

「グガガガガガ「うぉらぁァァァァ!!!!!」がぁ!?」

 

 

少女に襲いかかっていた一匹の悪魔が誰かに蹴り飛ばされた。そこにいたのは赤い服を着た少年――シゲルがいた。

 

少女の方に心配そうにユウとツバキが近寄っていた。すると3人を見た少女は驚いた声を上げていた。

 

 

 

「なんで…此処に人間が…?」

 

「「え?」」

 

 

少女の言葉の意味が分からなかったが、とりあいずは悪魔たちをどうにかするのが先決だった。

 

 

「グガガガガガ…さて…どう料理するかな…」

 

「グダグダ言ってねぇでかかって来い!」

 

 

「「「グガガガガガ!!!!」」」

「危ない!!」

 

 

シゲルの言葉に触発されたのか3体の悪魔が襲いかかってきた。それに少女が助けに行こうとするが――

 

 

「え…?」

 

「あっけねぇ、っらぁ!!」

 

 

3体の悪魔が倒れていた。全部シゲルがひざ蹴り、回し蹴り、肘打ちで倒したのだ。

 

 

「ほう…いい腕だな…が、人間ごときが我に歯向かうな!!!」

 

「っ!?」

 

 

悪魔が何か天を仰ぐような仕草をして、それと同時に不穏な空気が漂った。

それに嫌な予感を感じたシゲルはすぐにその場を離れるとそこに、雷が落ちた。

 

 

「あぶねぇ…気づくの遅れたら死んでたか…テメェが『スカル・デーモン』だってな…」

 

 

その言葉にユウとツバキが驚いた顔をしていた。そう、その先頭に立っていた悪魔はスカル・デーモンだ。だが雷やそこら辺に転がっている悪魔は実体がある。

 

精霊は悪さをしようにも実態を持たない、いわば幽霊の存在のはずだった。

 

 

 

「ほう…よく気が付いたなと言いたいが、我は『デーモンの召喚』だ」

 

「………見分けがつきにくいんだよ。両方」

 

「黙れぇ!!!」

 

「「「グギャァァァアアァァァッァ!!!!!!!!!!!!」」」

 

 

シゲルの言葉に少し苛立っているのか、デーモンは更に雷を落とした。

その最中倒れている悪魔に雷が落ちた。

 

 

「おいおい…仲間は大切に…って、悪魔には関係ないか」

 

「よく分かってるなぁ…おい!!」

 

 

そう言って2人は対峙した。流石に攻撃力が2500を超えるモンスターを倒せる自信はシゲルには無かった。

 

すると少女がツバキに何か耳打ちをしていた。

 

 

「さて…これでくたばれ…魔「威嚇する咆哮!!」な!?グッ…体が…!!」

「ツバキ?何したんだ?」

 

 

動かなくなったデーモンを見て、威嚇する咆哮を発動させたツバキの方を振り向いた。

 

ツバキはデュエルディスクを展開させ、魔法・罠ゾーンに威嚇する咆哮を発動させていた。

 

 

 

「此処では使ったカードが現実に発動されるらしいの」

 

「なるほど…じゃあ…」

 

 

そう言ってシゲルはデーモンを見ると効果が切れたのか、再び攻撃を行おうとした。

 

 

「こざかしい真似を…魔降雷!!!」

 

「来い!ホプロムス!!更にディフェンシブタクティクス!!」

 

 

デーモンの落とした雷とホプロムスの張ったバリアがぶつかり合うとで辺りに砂煙が立ち込めた――

 

 

「行けぇ!!紅蓮滅殺拳!!」

「グオォ!!!」

 

 

が、砂煙の奥から右手に炎を身に纏った火之迦具土がデーモンに襲いかかっていた。

 

 

「クッ…この借りは必ず返すぞ…!!!」

 

 

そう言い残しデーモンの召喚は部下を引き連れて撤退した。無理に追撃する必要も無いので3人はデュエルディスクを治めると少女の方へと歩いて行った。

 

 

「大丈夫?」

「あ、ありがとうございます!!」

 

「…?…マジシャンズ・ヴァルキュリア?」

 

 

ツバキが少女がマジシャンズ・ヴァルキュリアだと気が付いた。言われてみれば確かにその通りだった。

 

 

「え…えと…とりあいず私の家に行きましょう」

 

 

―ヴァルキュリアの家―

 

「キュアァ♪」

 

「こら、カオス!」

 

 

カオスはヴァルキュリアの膝の上が気にいったのか降りようとしない。それにツバキがカオスと叱ると、少ししょんぼりしたカオスはトコトコとスピットとソウルのところに行って戯れていた。

 

 

 

「…所でヴァルキュリア…此処は?」

 

「此処は魔法都市エンディミオンの下町です。それと私はルキと呼んでください」

 

 

ルキの説明で此処が精霊界だと確定した。しかしなぜエンディミオンに飛ばされたのか分からなかった。

 

 

「ねえルキ、あいつらはなんなの?」

 

「…最近エンディミオンの外れに謎の建造物が現れたんです。そこから最近デーモンの召喚の様な悪魔が…。悪魔族のその集団は町に現れては悪さをするので…町から調査団として強力な魔導師達が向かったのですが…」

 

 

そこまで言ってルキは言葉を閉ざした。おそらく先程の状況、そしてこの家にある写真に映った多くの魔導師達、町の様子――

 

 

「なあ、ルキ」

「どうかしましたか…?」

 

 

シゲルの言葉に顔を上げたルキの目には涙が溜まっていた。誰か――家族の誰かがその建造物に向かったらしい。そのことを思い出していたのかもしれないが、3人はそんなルキに声をそろえて言った。

 

 

 

「「「その建造物はどこ?」」」

 

「え…?も、もしかして行くんですか…!?」

 

 

「うん、その精霊達を助けたいんだ」

 

 

ルキの言葉にユウは頷き、微笑んだ。だがルキはそれに反対した。

 

 

「でも!あそこに行けば確実に殺されて――」

 

「ルキ…私にとって…精霊を見捨てるのは…私の家族を見捨てるのと同じ感じがするの…」

 

 

必死に止めようとするルキにツバキは一枚のカード――闇紅の魔導師のカードを取り出した。そしてそのカードをルキに見せた。

 

 

「これは…闇紅の魔導師?」

「うん…私の…大事な家族なの」

 

 

その言葉の意味をルキは分からなかった。なぜカードが家族ということなのか、そしてなぜこの3人が精霊に手を貸そうとするのか。

 

 

「私…昔から一人ぼっちだったの。家族がいなくて…寂しかったの。そんな時ダークがいてくれたから」

 

「ダーク…もしかして闇紅の魔導師の精霊のダークですか!?」

 

 

ルキの言葉に3人は顔を見合わせた。ダークの事を知っているらしい。もしかするとダークの他にイナやウリィの事も知っているかもしれなかった。

 

 

「ダークの事…知ってるの?」

「…はい。実は…先程言っていた調査団の指揮を執っているのが…ダークさんなんです」

 

「「「…え?」」」

 

 

ダークが調査団の指揮官だった。だが、ダークはそのことを一度も話していなかった。するとルキは何か思い出したように室内から1枚の手紙を取り出した。

 

 

「実は…ダークさんが…誰かが自分達を訪ねたらこれを渡せと…」

「ダークが…?」

 

 

手紙を受け取ったツバキはその紙に書かれている文章を読み上げた。

 

 

『これを読んでいるということはこちらの世界に来てしまっている様だな。

今私達が置かれている状況を時間が無いから簡単に書き遺しておく。

此処、エンディミオンは私の故郷だ。度々マナから連絡が来ていたのだが、最近エンディミオンで不穏な空気が流れていると聞く。調べるために私と、イナ、ウリィ、神楽を中心に調査団を派遣することになった。だが、街外れで奴らを見かけたのでこれを残すことにしておく。詳しいことはルキに聞いてくれ。』

 

 

ただそれだけしか書いていなかった。だが、ダークの他にイナ達が此処に訪れていたようだ。ユウはその手紙を聞き終えてルキの方を向いた。

 

「ウリィとイナ…神楽まで此処に来てるのか…」

 

「……ルキ、一体何が起こってるの?ダークの言う『奴ら』って…?」

 

 

「…ダークさんが言うには…『時空管理局』という組織だと」

 

 

「「「管理局!?」」」

 

 

 

ルキの言葉に3人は大きな声を上げてしまった。人間界で自分達に構ってくる『敵』――それがまさか精霊界にもいるというのだ。

 

 

「…奴ら絡みか、完全に関わらないわけにはいかないな」

 

「そうだね」

 

「まさか…本当にあそこに行くんですか!?あそこに行ったら殺される可能性だってあるんですよ!!!なのにどうして――」

 

 

ルキは必死に3人を呼びとめようとしていた。だが、3人は止まることはできない。何故なら――

 

 

 

「「「家族が待ってる」」」

 

「か…ぞく」

 

 

「精霊だの人間だの、そういう問題じゃない。家族がそこで戦ってるなら助けに行く」

「まぁ、そういうこった。場所を教えてくれ」

 

「………………分かりました」

 

 

ユウとシゲルの言葉にルキは決意したのか、自身の杖を持つと先導して行った。

 

―???前―

 

「此処か…」

 

ユウがそう言って見つめてる先には、平べったく大きな建物があった。見た感じが家やビルというより研究所の様な感じだった。

 

 

「さぁて…所でチビ共は、カードに戻れるのか?」

 

 

シゲルが準備体操の様に体の関節を伸ばしていると、自身の背にくっついているソウルを見てそう聞いた。ソウルは愛くるしい表情で「グァ?」と首を傾げている。

どうやらできない様だ。

 

『グリ~』

 

「あれ?グリはカードに戻れるの?」

 

 

訂正、どうやらメインデッキに投入されているグリは戻れるようだった。

が、スピットも戻れないとこを見るとどうやらエクストラのモンスターはデッキに戻ることはできないようだった。

 

 

「仕方ないね…ルキさん。この子たちをお願いします」

「前から来るやつは俺とユウで潰す。後ろからはツバキ、ルキはチビ龍の護衛ってとこか」

 

 

4人がどうするのか話し合っていると前方の扉から誰かが飛び出してきた。

 

 

「此処は立ち入り禁止だ!今すぐここから立ち去れ!!」

 

「?あなた「あぁ?立ち入り禁止?管理局が精霊界で何をしてんだ?」(シゲル?)」

 

ユウが出てきた人に誰なのか聞こうとしたのだがシゲルはそれを手で押さえてその管理局員に聞いた。

 

 

「悪いが秘密事項で話せない!此処は管理局の魔法研究所「嘘よ!!」っ!?」

 

 

今度は管理局員の言葉にルキ被せた。そう、魔法使い族であるマジシャンズ・ヴァルキュリアには分かっていた。『この研究所に魔力が感じられないのが――』

 

 

「お姉ちゃん達は何処!?此処にいるはずよ!!」

 

「っ!何の事か分からんな…さっさと「「スピリット・バーン/ラカン、やれ」」グオォォォォ!!?」

 

 

必死にルキが涙を流しながら声を荒げるが、管理局員は白を切っていた。それに少し苛っとしたユウとめんどくさそうにシゲルがカードを発動させていた。

 

そして気絶寸前の倒れた管理局員を踏みつけ――

 

 

「「邪魔」」

 

と言い残し中に入って行った。それにルキは驚いて呆けていたが、ツバキがルキを引っ張る形で中に入って行った。

 

 

―内部―

 

「侵入者だ!!」

 

「捕えろ!!」

 

 

 

「多いね…来て、阿修羅!ネファルロ!」

「ウザったいんだよ…来いディカエリィ!ラクエル!」

 

 

前方から現れた管理局員は2人が蹴散らしていた。できるだけ複数回攻撃ができるモンスターを並べて道を切り開いていた。

 

 

ちなみに後方はというと――

 

 

「魔導騎士ディフェンダー!アーカナイト・マジシャン!!」

 

 

ツバキ一人で十分だった。ちなみにエンディミオンを発動させているので、局員が魔法で攻撃しようとするとカウンターが乗っていた。それによりディフェンダーの効果で守りは万全だった。

 

ルキはそんな3人に守られるようにして必死に仲間たちの魔力を探していた。

 

 

―一方―

 

 

「はぁ…はぁ…も~う!!多すぎだよ!!」

 

「愚痴を言ってどうにかなるもんかの?」

 

「ウリィの言うとおり、一体でも多く倒すのが先決の様だな…」

 

 

イナが自身の杵を持って攻撃しようとした局員の背後から攻撃をし、ウリィが局員の杖を破壊しダークが止めを刺す――

 

 

その様な連携でもうどれほどの時間がたったのだろうか。3人?の他の調査団の仲間達は2日前に行動を開始した。

 

 

襲撃をしてなんとか半分の区画を制圧したが罠にかかって多くの仲間が負傷、そして捕らわれてしまった。

 

何とか逃げ延びた者達の多くは動く事もままならない怪我を負っていたため一先ず近くの洞窟に避難させた。

 

 

だが、捕まっている者も多く3人はその救出の為に収容部屋を目指していたのだが、待ち伏せされていた。

 

 

「これでくたばれ!!ディスターショット!!」

 

「これしきッ(グッ…体が…!!)」

 

「「ダーク!!!」」

 

 

 

局員の攻撃からイナを守ろうとしていたダークだが、腕がもう動かなかった。腕だけではなく体も動かなくて、そのまま攻撃を受けそうになった。

 

 

 

 

「ホプロムス、ディカエリィよ一体になり現れろ!!マキロ!!」

 

「「なっ!?」」

 

 

ウリィに向かっていた攻撃を防いだのは巨大な要塞――マキロがその攻撃を防いだ。

そして出入り口には――

 

 

「薙ぎ払え、闇斬審!!」

 

「吹き飛ばせ!バーストブレイカー!!」

 

「いっけぇ!!マジック・テンペスト!!」

 

 

今ここにいる精霊のマスターである3人――闇刀神を召喚して敵を切り伏せているユウ、ヘラクレイノスを召喚し、衝撃波で敵を殲滅してるシゲル、マジックテンペスターを呼び出し撃ち落としててるツバキがいた。

 

 

「な、なんで此処に!?」

 

「水臭いよイナ!!どうして相談してくれなかったの!?」

 

 

精霊たちはなぜここにいるのか分からなかった。ダークの予想ではまだ2日ほど先だと予想していたのだ。

 

 

 

「とにかく、まずは此処をかたずけるぞ、ウリィ!!」

 

「了解…ラクエルよ…我に鎧を授けたまえ!!」

 

 

ウリィがそう言うとユウ達を守っていたラクエルがウリィと一体化する。そして辺りを吹き飛ばす風を纏ったウリィ――ガイザレスが現れた。

 

 

「行くよ、ダーク!!」

 

「分かった…テンペストよ、我に力を…」

 

 

ダークの言葉に反応するようにマジック・テンペスターとダークが一体となり、黒い服を身に纏った魔法神官――マジック・ハイエロファント・オブ・ブラックが現れた。

 

 

「イナ、結構派手に行くよ!!」

 

「うん、マキロ!闇刀神!一緒に行こう!!!」

 

 

イナの言葉に頷く様に顔を動かしたマキロとただ無言で立ち上がった闇刀神は共に光の粒子になると一つの合わさった。そしてかつてシゲルとユウの切り札として危機を救ったモンスター――戦いの精霊(ヴァルキリー)が現れた。

 

 

この時、局員は嘗めていた。たった3人+4体の精霊相手に余裕だと――




ツバキ「あれ…交流試合は?」
その前に最後の導入、そして5人目の仲間の登場。
あとは後々の敵の影がチラリと
ユウ「なんか忙しいね…」
これを書いてた当初、本当に手探りであれこれ手を出してたよ。

ユウ「精霊界…」
この手の作品としては定番と言える精霊界での危機。
ちなみにエンディミオンの理由は3人の持つフィールド魔法のどれかをモチーフにした結果、やりやすかったのがこれだった。
シゲル「それだけなのか?」
まあ、ほかにも理由はあるけど一番の理由はそこ。

ツバキ「みんな…大変なことに…」
まあ、管理局のやることでこんな感じかなって。
よくある『管理局の闇』の一部が出てくるよ。
シゲル「にしては臭うな…ただの研究所じゃないんだろ」
まあ、詳しくは次回以降だな。

次回予告
精霊達の救出に奮闘するユウたちだったが此処でのそれぞれの役割を決めることになった。そしてそれを知ってか知らずか囚われていた精霊は脱走を試みていた。
その救出をツバキ、調査をユウ、そしてシゲルは退路を確保する役目になった。

そんな時、襲撃してきたのはあの悪魔のさらなる姿だった――

「帰る道は、俺が守る。」

次回turn19 帰路確保 ライフポイントの恐怖?

最強カードは「剣闘獣フレイム・ファング」
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