遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn20 正体不明 風を纏いし者

―B-2地区―

 

「バニッシング・バスター!!」

「コールドブレイカー!!」

 

 

管理局員が先の放送を聞いてB-2地区で脱走者を――殺していた。

元々此処は違法研究所だった。目撃者を捕えるよりも殺す方が情報流出につながることはない。

 

 

「クッ…ひるむな!!俺達の力を見せつけろ!!」

 

「「「「ウォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」

 

 

アーカナイトマジシャンの掛け声とともに他の魔法使い族モンスターの精霊も自身を奮い立たせた。だが数も戦力も管理局側の方が上だった。

 

 

―おまけ:天空翼さんの感想―

 

「…やれ」

 

「イエス、マスター」

 

 

蟹のような髪型の男性がそう命令すると銀髪でメッシュの少年が頷いた。

 

―ミッドチルダ:管理局本部―

 

「!!」

 

 

突如として響いたアラートに司令室が慌ただしくなった。

 

 

「じょ、状況は!?」

 

「突如として出現したエネルギーがまっすぐこっちに…!!?エネルギー、増幅、5つに増えました!」

 

「なんだと!?」

 

その数十秒後、本部の訳4割が瓦礫と化した。

 

―精霊界:研究所:詰所―

 

 

「増援は?」

 

「本部が謎の攻撃を受けて機能してないらしい。一応一個中隊が来るって話だが…」

 

―おまけ終了―

 

 

徐々に精霊側に負傷者が増えて行った。脱走メンバーの指揮を執っていたアーカナイトはどうやって此処を切り抜けるのか考えがまとまらず焦っていた。

 

 

 

「ゴミどもを抹殺しろォォ!!!」

 

 

 

管理局側の一人の言葉が響いた瞬間、突然その場の空気が一気に冷めた。

 

 

「ゴミって…なに?」

 

 

ドス黒い声が響き、それに一瞬辺りに緊張が走った。それほどまでこの越えの威圧感がすごかったのだ。そしてその声の元は――

 

 

 

 

 

「ゴミって…精霊の事?」

 

 

 

 

青い服を着て白い髪の――

 

 

 

 

「じゃあ、あなたたちは…ゴミ以下ね」

 

 

 

 

周囲から瘴気が出ているツバキ(闇椿:命名シゲル)だった。

 

 

 

「な、人間!?」

 

「馬鹿な!?精霊界に人間がいるだと!?」

 

 

管理局側の人間は驚いていた。見たところ魔導師ではない少女がこの場にいたのだから――だが、そんな事は些細のことだった。

 

 

「ダーク、思いっきりやっちゃって★」

 

「(…どこで育て方を間違えたかな…)言われなくても…闇紅衝撃波導!!!」

 

「「「グオォォォォオォォ!!!」」」

 

 

ダークの攻撃で管理局員の多くが倒された。ちなみに今現在ツバキのデッキから魔力カウンターを乗せるカード(ほぼ全て)によってダークの攻撃力は既に9000を超えていた。

 

 

「みんな!!」

 

「ルキ!?一体どうして…」

 

 

精霊たちのもとにやってきた少女を見て驚いていた。

だがそれを説明する時間はあまりないようだった。

 

 

「クソ…ゴミがァァァ!!」

 

 

そう言って局員の一人がルキに向かって杖を向けた。気付いた時に既に攻撃がルキに向かっていた。

 

 

「トラップカード、魔法の筒!!それはあなた自身で喰らいなさい!!」

 

「はっぐオオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

 

 

ルキに向かっていた攻撃は謎の筒に吸い込まれ、魔導師の背後に浮かんでいた筒から出てきた。自身の最強魔法を喰らった管理局員はそのままノックダウンだ。

 

 

「クッ…あの服装…デュエルアカデミアの生徒だ!!」

 

「ならデュエルでケリをつけてやる!!!」

 

「ゴミもろともやってやる!!」

 

《《《《《Duel mode on》》》》

 

 

管理局員のデバイスがそう言った瞬間、局員の腕にデバイスが変化したデュエルディスクが現れた。

 

 

「ルキ、みんなを連れて逃げて!!ダーク、カオス、行くよ!!」

 

「分かってる!!」

 

「キュアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』

 

 

こうしてツバキVS管理局員多数が始った。

 

 

 

―通路:ホール―

 

 

「…ぅ…ぁ……?」

 

 

ブラック・デーモンズの戦闘で深手を負ったシゲルは10分後には目が覚めていた。

 

まだ体中が痛むし、意識も朦朧としているが、自身の左腕にデュエルディスクが無いことはわかった。

 

 

「……ウリィ……も…いねぇか…」

 

 

周りにいたのは寝ているシゲルの横で心配そうに見ていたソウルだけだった。

ソウルは今チビ龍の姿――いや、鳥のようにも見える。

普通に考えるとソウルはデッキを取るなんて行動をするのは不可能だ。

 

 

「…ソウル…ウリィは……どこだ?」

 

「グァ」

 

 

ソウルの目線の先はユウ達と共に来た方の道だ。

いないウリィ、無くなったディスクとデッキ。どう考えても――

 

 

「ウリィの野郎……起こせって…言ったのにな…」

 

 

ふらっと立ち上がったシゲルは腰のデッキホルダーからソウル・ブラック・ドラゴンを取り出した。

 

 

「あの馬鹿(ウリィ)を叱りに行くか…ソウル」

「グァ!!」

 

 

大きく頷いたソウルと共にシゲルがその扉の前まで歩いて行った。

 

 

―通路―

 

「グッ…スパルディクスが……」

 

「クックック…俺のカタストルは闇属性以外を効果で破壊する効果を持っている…貴様のモンスターなど「撃ち抜け!!」なぁ!?」

 

 

 

管理局員が自慢している様に見ていた機械のモンスターに黒い炎が襲いかかってきた。

それと同時にウリィに嫌な予感がした。

 

その炎の出どころは――破壊された壁の向こう側だった。

 

 

「おいぃ…ウリィ…何かあれば起こせって言ったよな?」

 

「シ、シゲル…そうじゃが…」

 

「なんだ貴さm…っ!?」

 

 

いきなり現れた黒髪で黒いバンダナをしている少年に管理局員が睨んだが、その少年が出てきた後ろの壁の穴から更に黒く巨大な龍が現れた。

 

 

「たく…約束ぐらい守れ。それにエクストラ持っていかないでどうするつもりだ?ラクエルとスパルディクスだけじゃ心許ないだろ」

 

「むぅ…すまぬ…」

 

「まあいいや…で、テメェ等俺の家族に何してくれてるんだぁ?」

 

 

「グッ…だ、だがその程度の龍…やれ!!」

 

 

一人の局員の指示で《A・O・J》シリーズのシンクロモンスターが一斉に襲いかかってきた。だが――

 

 

「ソウル!ラクエルの力を得て敵を薙ぎ払え!!!」

 

『ガアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』

 

 

ソウルはラクエルの力を得て敵を――一撃で殲滅して行った。

 

「テメェ等なんぞ…ブラック・デーモンズに比べたらただの雑魚だぁぁぁぁ!!!」

 

 

この時ウリィは自分のマスターでありながら恐怖を覚えたらしい。

 

 

 

―実験室―

 

「クソ…この装置でも上手くいかないか…」

「次の奴の準備を早くしろ!」

 

 

そこにいたのは数人の研究員と身に服を纏っていない少女がいた。その少女は十字架の様な物にくくりつけられ、首に小さな機械を取りつけられていた。

 

その装置を取り外すと他の研究員が新しい装置を取り付けた。だが――

 

 

「…ぁ…ぇ……ゃ…………!!!!!!!」

 

 

少女は目を見開くと小さな声で悲鳴を上げた。この様な苦痛にあってどれほど経ったのか、研究室の壁には数えることができないほどの装置の残骸が積み上げられていた。その数は1000を優に超えている。

 

だがこれはほんの一部だった。それほどまでに少女は悲鳴を上げ、そして疲れ果ててしまった。

そして少女の声が枯れてしまったのだ。

 

 

「クッ…これもか……次の「やって、阿修羅!!」なぐぅぉ!!!」

 

 

何処からか少年の声が聞こえた瞬間研究員の腕や背にナイフが刺さっていた。ナイフというよりも短剣に近いそれを投げたのは――6つの手を持つスピリットだ。

 

 

「クッ…侵入者か!!?」

「…阿修羅とスピリット・フィッシュをリリース、来て…八岐大蛇!!!」

 

 

ユウの前に8つの頭を持つ龍が現れた。それを見た研究員は一瞬ひるんだ。あまりにも大きすぎるからだ。するとユウはデッキの一番上のモンスターを2体召喚した。

 

 

「…雷帝神!!伊弉波!!」

 

更に長剣を持った男性と、袖の無い巫女服に身を包んだ女性が現れた。

 

 

「八岐大蛇の攻撃!!屍山血河!!!」

「よけろぉぉ!!!」

 

 

八岐大蛇の攻撃を研究員が必死に避けた。だが、避け切れずに3人ほどぶつかった。

 

 

「「「グオォォオォォォォ!!!!!!!!!」」」

 

「雷帝神!!あの子を助けて!!」

 

 

 

雷帝神は黙ったまま頷くと少女を拘束していた錠を切り刻んだ。その時少女に傷一つ無かったのは流石というべきか。

 

そして拘束から解かれた少女を伊弉波が受け止めた。

 

 

「クッ…貴様…!!来い、A・O「餅つきアタック!!」グォ!?」

 

 

研究員がモンスターを召喚し、伊弉波を攻撃しようとしたが、背後から杵で突撃してきたイナに気付かなかった。

 

ボキボキと嫌な音が鳴って研究員は壁に激突した。

 

 

 

まあ『直接攻撃する』イナに防御は意味は無い。伊弉波は何処からか布を取り出すとそれで少女を包んだ。流石に裸のままでは不味かったので持っていた布を出したらしい。

 

どこにそんなもんを持っていた?

 

 

 

「貴様…!!こんなことをしてどうなるのか分かっているのか!!!」

 

「そっちこそ!!こんな子供を捕まえてどうする気さ!!」

 

「グッ……」

 

 

ユウの言葉に研究員は声を詰まらせた。正直に何かを言うほど馬鹿でもない。

 

 

 

「クスクス…『精霊界の征服』かしら?」

 

「なぁ!?き、貴様…なぜここn―――」

 

 

 

研究員が声の出元が誰なのか分かったのか、驚いていた――が、その研究員はその後の言葉を言うことが無かった。

 

研究員の上半身が無くなっていたのだ――

 

 

 

「え…?」

 

 

その光景に初めは理解できなかったユウも徐々に理解して行った。先程まで生きていた男性が、上半身を失い――――

 

 

「うっ………」

 

 

真っ赤な水を垂れ流す噴水に変わってしまった。

 

 

「うっ……ぅ―――――――――――――」

 

 

頭で理解した瞬間、自らの胃に詰め込まれていたモノが逆流してきた。

そしてその場で全て吐き出してしまった。

 

 

「ユウ!!」

 

「グァ!!」

 

 

 

ユウにとってはトラウマとなるであろう事態にイナとスピットが急いでユウに近づいた。

 

だが、ユウの体は胃の中のモノを全て出したはずなのにまだ出そうとしていた。

 

 

 

「クスクス…まだ子供には刺激が強かったかしら?」

「っ…あ…貴女は……人を殺して…何とも思わないんですか…?」

 

 

回復してきたユウはその女性に対して聞いてきた。その女性は出入り口に立っており、髪が水色で左腕の袖が無いチャイナ服の様な物を着ていた。

 

 

女性は訳が分からないような顔をしていた。

 

 

「なんとも、ってね…そうよ。私の敵は邪魔をさせない様に打ちのめしてるだけだからね。敵を殺すのになにかあるのかしら?それに…私はそこに群がってる下衆が嫌いなのよ」

 

 

そう言った時、逃げ惑っていた研究員全員が――ただの肉片となった。ユウはそれにまた吐きそうになったがなんとか持ちこたえた。

 

 

「グッ…じゃあ…貴女はボク達の敵なのか…!?」

 

 

ユウの言葉に女性は少し考えて面白い事を考え付いた様に笑った。

 

 

「私は強い人の味方よ。貴方が仲間となるのか…見極めてあげるわ」

 

「っ…伊弉波、その子をツバキの元に…イナ!!」

 

「うん!一緒に戦おう!!』

 

 

 

伊弉波は少女を抱えると研究室を出て行き、イナはユウのデッキへと戻った。

 

女性は左腕を掲げるとそこにデュエルディスクが現れた。だがその形がアカデミア一般型や、数年前に開発された初期型と違い、鳥の翼の様な形をしていた。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!!ボクはスピリット・ディフェンダーを召喚!!」

 

 

フィールドに巨大な盾を持ったガラスの戦士が現れた。

 

スピリット・ディフェンダー/DEF1000

 

「更にカードを伏せてターン終了!!」

 

 

ユウ

LP4000 手札4枚

スピリット・ディフェンダー/DEF1000

伏せカード1枚

 

 

―女性のターン―

 

 

「私のターン。私は手札から龍の渓谷を発動するわ」

「龍の…渓谷…?」

 

 

聞き覚えのないフィールド魔法を聞いたユウは周囲を見て驚いた。無機質な真っ白な部屋から何処までも続く渓谷へと変わっていた。よく見ると渓谷の所々に洞窟みたいなのが見える。そこから様々な形の龍が行き来していた。

 

「更に手札抹殺を発動、互いに手札をすべて捨て、カードを引く」

 

「(フィールド魔法の後に手札交換…なにを考えてるんだ…?)」

 

 

ユウも手札を全て墓地に送って4枚引いた。土宮茂が墓地に送られたのは少し痛いがまだ何とかなる。

 

 

 

「龍の渓谷の効果発動。手札のカード…ドラグニティ―アイギスを墓地に送り、デッキからレベル4以下の『ドラグニティ』と名のついたモンスター…レギオンを手札に加える」

 

「ドラグニティ…聞いたことのないシリーズ……」

 

あたりの渓谷から1体の鳥人が飛び出してきた。

だが、女性のコンボはまだ始まってすらいなかった。

 

 

「此処からが本番よ、坊や…レギオンを召喚するわ。レギオンの効果発動、召喚成功時墓地のドラグニティと名のついたチューナーを装備することができる…アイギスを装備!!」

「墓地からモンスターを装備した!?」

 

 

レギオンの横に現れた白い体の龍の背は丸くなっており、レギオンがその龍の腹を持ち、盾の様にした。

 

ユニオンモンスターでもないのにモンスターを装備する効果にユウが驚いていると女性は手札の魔法を発動させた。

 

 

「更に手札から竜操術を発動。ドラグニティと名のついたカードを装備しているモンスターは攻撃力を500上げ、1ターンに1度ドラグニティを装備できる」

 

 

レギオン/ATK1200→1700

 

 

「竜操術の効果で手札のアキュリスをレギオンに装備。レギオンの効果発動…アキュリスを墓地に送ることで相手のモンスターを破壊し、更にアキュリスの効果を発動、墓地に送られた時フィールドのカードを破壊する」

「なっ…1回の効果で2枚のカードを破壊した!?」

 

 

レギオンの腕に装備されていたアキュリスがスピリット・ディフェンダーに突撃すると次に伏せカードに向かって行き爆発した。

 

ユウのディフェンダーと伏せていたくず鉄のかかしが破壊された。

これではユウはいい的になる――

 

 

「バトル、レギオンで直接攻撃!!」

「まだだ!!手札の八岐大蛇を墓地に送ってスピリット・ガードナーを特殊召喚!!」

 

 

スピリット・ガードナー/DEF0

 

 

「たった守備力ゼロで壁にする気かしら?バトル続行!!」

「スピリット・ガードナーの効果発動!!墓地の八岐大蛇を除外して破壊を無効にする!!」

 

 

場に現れた強力な光がスピリット・ガードナーを守った。それを見た女性は納得して笑っていた。

 

 

「なかなかやるわね…ターン終了」

 

 

女性

手札1枚 LP4000

レギオン/ATK1700

アイギス 竜操術 伏せカード

竜の渓谷

 

 

―一方その頃―

 

「ダーク、カオス、止めよ!!」

「了解!!はぁぁぁぁぁ!!!!」

「キュアァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

ダークが最後の局員に向かって魔法を発動させ、カオスは飛び上がり紅き炎を右手に纏わせ局員に攻撃した。そして、敵はそれで全員いなくなった。

 

 

 

「ダークよ、よくやってくれた!!」

 

「皆の者…よく持ってくれたな」

 

 

ツバキが逃げるように促しても、エンディミオンの人たちは逃げようとしなかった。たった一人の少女にまかせっきりにするのはどうしてもできないと言ってツバキの手伝いをしていた。

 

 

 

「ところでダークよ…その子は誰だ?」

 

「私のマスターのツバキだ。なぜかこの世界に迷い込んでしまったが…」

 

「えっと……姫野椿…です…」

「キュア」

 

 

ダークの後ろからツバキが自己紹介をした。最早お約束となってしまった光景だが…ちなみにそのツバキの横にチビ龍になったカオスがいる。

 

 

 

そこに介入者が――

 

 

「むっ!?誰だ!?」

 

 

ブレイカーの言葉に全員がその方向を見ると、少女を抱えたユウのモンスター――『伊弉波』が立っていた。

 

 

「伊弉波…?」

 

「ツバキ殿の知り合い…ですか?」

 

魔法剣士ネオが剣を構えながらそう聞いた。しかしツバキは彼女の持っている布の中身が自分と同じぐらいの女の子だと気付いた。

 

 

「どうしたの…その子…?」

 

 

ツバキの言葉に伊弉波はただ無言に少女をダークに渡した。そして、スゥーっと消えてしまった。

 

ダークは手早く少女の容体を確認した。

 

 

「酷く衰弱している…命に別条はないが…急いで休ませた方がいい」

 

「けど……なんで伊弉波がこの子を…?」

 

 

ツバキはそこが不思議だった。恐らく研究室からする声の正体はこの少女だが、それをなぜ研究室に行ったはずのユウののモンスターである伊弉波が連れてきたのかが――

 

 

「…あの、この子をお願いします、ダーク行こう!!」

 

 

どうしても嫌な予感がしたツバキは研究室へと急いだ。

 

 

―研究室―

 

「ボクのターン!!」

 

ユウが勢いよくカードを引いた。相手のカードは恐らく魔轟神と同じ未知なるカード。だから相手が何かをする前に片づける気だ。

 

 

「手札から死者蘇生を発動!!墓地のスピリット・ディフェンダーを特殊召喚!!」

 

「レベル8…シンクロする気かしら?」

 

 

女性の言葉の通り、ユウは自身の新たな力を出そうとしていた。

 

 

「レベル4、スピリット・ガードナーにレベル4、スピリット・ディフェンダーをチューニング!!天が輝くとき、光と共に天使よ…舞い降りろ!!」

 

☆4+☆4=☆8

 

 

「シンクロ召喚!!聖霊天ルナ!!」

 

 

フィールドに三対の翼を持つ天使が舞い降りた。その姿は神々しく、そして優しい光を持っていた。

 

 

ルナ/ATK2700

 

「ルナの効果発動!!召喚成功時手札のスピリットモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!!ただし効果は無効化される!!」

 

 

聖霊天ルナ

シンクロモンスター・効果

星8/光属性/天使族/ATK2700/DEF2500

チューナーモンスター+チューナー以外のモンスター1体以上

このモンスターはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。

このモンスターのシンクロ召喚成功時手札のスピリットモンスターを

召喚条件を無視して特殊召喚してもよい。

この効果で召喚したモンスターの効果は無効化される。

このカードが破壊された時、このカードのシンクロ召喚に使用したシンクロ素材が一組墓地に揃っていれば召喚条件を無視して特殊召喚することができる。

このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、カードを一枚ドローする。

 

 

「効果により手札の因幡之白兎を特殊召喚!!来て、イナ!!」

『うん、行くよユウ!!』

 

場にイナが現れた。だが効果が使えないため守備表示だが。

 

因幡之白兎/DEF500

 

 

「バトル!!ルナでレギオンに攻撃!!プリズム・ヴェール!!!」

 

 

光の粒がレギオンに襲いかかってきた。だが、装備状態となっているアイギスがその光を受け溜めた。

 

 

「アイギスは装備モンスターが破壊される時代わりに破壊される効果があるのよ。戦闘ダメージは受けちゃうけどね」

 

 

女性/LP4000→3000

 

 

「更にアイギスは破壊された時墓地のチューナーを特殊召喚する…再びアイギスを特殊召喚」

 

 

ドラグニティ―アイギス

チューナー・効果モンスター

星3/風属性/ドラゴン族/ATK900/DEF1500

このカードの召喚に成功した時、手札から「ドラグニティ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備カード扱いとして装備する事ができる。

このカードが装備カード扱いとしてモンスターに装備されている時、そのモンスターが破壊される場合このカードを代わりにこのカードを破壊することが出来る。

このカードが自身のカード効果で破壊された時、墓地に存在する「ドラグニティ」と名のついたチューナーモンスターを1体を特殊召喚することが出来る。

 

 

 

アイギス/DEF1500

レギオン/ATK1700→1200

 

「クッ…まだモンスターが残ってる…カードを伏せて、ターン終了」

 

 

ユウ

手札1枚 LP4000

ルナ/ATK2700 因幡之白兎/DEF500

伏せカード1枚

 

 

―女性のターン―

 

「私のターン。それじゃあ見せてあげましょうか…私の力を――」

 

「え…?」

 

 

 

どういうことなのか、分からなかった。デュエルにおいて力とは一体どう意味なのか――

 

 

「レベル3のレギオンにレベル3のアイギスをチューニング!!」

「っ!?シンクロ召喚!?」

 

 

3つの輪になったアイギスの中をくぐったレギオンは3つの星へとなった。

 

 

「霧満ちたる渓谷より、紅き竜騎士が飛び立つ!!」

 

☆3+☆3=☆6

 

「シンクロ召喚!!魔を払う槍となれ、ドラグニティナイト―ガジャルグ!!」

 

「っ!!」

 

フィールドに赤い体を持った竜が現れた。だが問題はそこではない。

 

ガジャルグが現れたと同時に周囲から強力な風が現れた。それもソリッドビジョンとかそういうレベルではなくまるで台風だ。

 

 

「クッ…なんだ…この風は…!?」

「やっぱり…貴方まだ具現化をしてないのね」

 

 

必死に風を堪えていたユウを見た女性が残念そうにそう呟いた。だがその言葉はしっかりユウに聞こえていた。

 

 

「具現化ってなんのこと…!?」

「…貴方には関係ないわ。手札から魔法カード調和の宝札を発動。手札の攻撃力1000以下の攻撃力を持つドラゴン族チューナーを捨て、カードを2枚ドローする」

 

 

墓地に細長い槍状のドラゴンが墓地に送られた。

 

 

「更にガジャルクの効果発動。デッキからドラグニティ―ドゥクスを加え、ドラグニティ―レヴァンティンを墓地に送る」

 

「手札に…」

 

 

「そしてドゥクスを通常召喚、効果発動…墓地のブラック・スピアを装備する。更にドゥクスは場のドラグニティと名のついたカード一枚につき200、攻撃力を上げるわ」

 

フィールドに指揮棒の様な物を持った鳥人が現れると近くに黒い体の龍が現れた。そして白い竜は体を真っ直ぐに伸びて、槍になった。

 

 

更に竜操術で攻撃力が500上がった。

 

ドゥクス/ATK1500→2600

 

 

「けど攻撃力はルナの方が上だよ!!」

「場に存在するドラグニティと名のついたモンスターを除外することで墓地のレヴァンティンは特殊召喚することができるのよ」

 

 

そう言った時、黒い槍と指揮棒を持った鳥人は異次元へと消えて行った。そしてその場所に巨大な赤い体の龍が現れた。

 

「そしてレヴァンティンは召喚・特殊召喚成功時墓地のドラゴンを装備する…墓地のダーインスレイブを装備!!」

 

「クッ…流れが止まらない…!!」

 

 

ボロボロの剣を装備したレヴァテインに赤い体のガジャルク、そしてユウの場にはルナと因幡之白兎のみだ。

 

 

「ルナは破壊された時、発動する効果がある…なら、それを封じ込めたらいいのよ…バトルフェイズ!!レヴァテインでルナに攻撃!!」

「えっ…攻撃力はこっちが上なのに……っ!?」

 

 

女性/LP3000→2900

 

そう言っていたが、レヴァテインが持っていた剣――ダーインスレイブから異次元の裂け目が現れた。

 

「ダーインスレイブは装備されているモンスターと自身を除外することで戦闘を行ったモンスターを除外することができるのよ。ただし装備モンスターの攻撃力は500下がるわ」

 

 

ドラグニティ―ダーインスレイブ

効果モンスター・チューナー

星3/風属性/ドラゴン族/ATK300/DEF500

このモンスターは召喚成功時、墓地の「ドラグニティ」と名のつくモンスターを特殊召喚し、このカードを装備することができる。

このカードを装備したモンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。

装備状態のこのカードがフィールドから離れたとき、装備モンスターを除外する。

装備モンスターが戦闘を行った場合、このカードと装備モンスターを除外することで、

戦闘を行ったモンスターを除外することができる。

 

 

「クッ…だからレヴァテインを…」

「そう、ルナの効果で墓地からシンクロ素材を出された場合次のターン私が不利になる可能性がある…だったら『破壊しない』…ダーインスレイブの効果でレヴァテインとルナを除外する!!」

 

 

ダーインスレイブから発生した次元の裂け目に巻き込まれレヴァテインとルナが消えた。そして場にはガジャルグと因幡之白兎しか残って無い。

 

 

「バトル!!ガジャルグで因幡之白兎に攻撃!!」

『うわぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!』

「クッ…イナ!!!」

 

ガジャルグがイナを切り裂いた――と同時にさらに強い風が吹いた。

 

 

「…此処の空気は悪いわね…あまりいい風が来ない……カードを伏せ、ターン終了よ」

 

女性

手札1枚 LP2900

ガジャルグ/ATK2400

竜操術 伏せカード2枚

竜の渓谷




ユウ「っ――――」
人の死体を見てグロッキー状態だな。まあただ死んでるじゃなくて胴体真っ二つとかグロいからな…
シゲル「テメェ、何してるんだ…」
今回は少しシリアスを含んでいる。もともとギャグがあったり、シリアスがあったりという作品じゃないからこの時は試行錯誤でやってた。作品に色をつけようとしたら変なバランスになった。
シゲル「慣れないことしてるんじゃねぇよ…」

ツバキ「えっと…私とシゲルの方は…」
シゲルの方は完全ではないけど回復してやってきた局員を抑えている。ツバキは脱走していた精霊達と合流した。
シゲル「じゃあ、俺が今戦ってるのがおまけの『増援の一個中隊』か」
わかりにくいけどそういうこと。

そして謎の女性…使っているカードの中でもしかしたら他サイトの別の人の作品で出ている可能性があります。
ユウ「どういうこと?」
『ドラグニティ―アイギス』『ドラグニティ―ダーインスレイブ』はもともと、ほかの作品の投稿カードとして作ったカードなんだが、この女性がドラグニティを使うに当たり、こっちにも出した。
一応アイギスと次の話で出てくるオリカぐらいだけど別にパクリとかじゃないはずだから言っておく。

次回予告
徐々に収束していく戦い。だが、心配してやってきたツバキを見た女性はただ一言言った――

「久しぶりね…『世界の矛盾』」


この女性は何かを知っている――そう感じたユウはある賭けを持ちかけた。

次回turn21 賭け

次回の最強カードは『ドラグニティパラディン―エクスカリバー』
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