遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn21 賭け

「ここはあまりいい風が来ないわね」

 

女性

LP2900 手札1枚

ガジャルグ/ATK2400

竜操術 伏せカード2枚

竜の渓谷

 

ユウ

LP4000 手札1枚

モンスター無し

伏せカード1枚

 

―ユウのターン―

 

「クッ…ボクの…「ユウ!!」え…ツバキ!?」

 

 

ユウがカード引こうとした瞬間研究室にツバキとダークが入ってきた。

だがそれに反応したのはユウだけではなかった。

 

 

「あら?久しぶりね…『世界の矛盾』」

 

「っ!!」

 

 

女性はツバキを見てそう言った。『世界の矛盾』と――

 

 

 

「ぁ…ぁぁ……ぃゃ……いやあぁぁぁぁァァァァ!!!!!!」

「ツバキ!?どうしたんだ!?ツバキ!!」

 

 

その言葉を聞いた瞬間ツバキが叫び出した。ダークもその怯える姿を見てどうすればいいのか分からなかった。

 

 

だが、そのツバキの姿を見て――ユウは女性に対して怒りが湧いた。

 

 

原因や理由は分からないが確実にこの女性がツバキに何かしたという訳だ――

 

 

「……お前…ツバキに何をした…!!」

 

「あらら?怒っちゃった?私は別になりもしてないわ…そうね…あなたたちの世界で10年以上も前、会ったからかしら?」

 

「「なっ!?」」

 

 

ユウとダークは女性の言葉に驚いた。この女性はツバキの記憶を――過去を知っているというのだ。

 

剣賭がツバキを取り戻しに来た時に聞いた、ツバキの過去――見知らぬ森にただ一人孤独に目覚めたツバキ。それが10年前のだっだはず――

 

 

「一体なんでツバキは苦しんでいる!?お前は何を知っている!!」

「貴方には関係の無い事よ。そうね…私に勝てればその子の過去を教えてあげるわ」

 

 

「クッ……俺のターン!!」

 

 

本気となったユウはカードを一枚引いた。今女性の場にいるガジャルグはほっとけば確実に新たなカードを呼び込むため、早めに処理をしなくてはいけなかった。

 

 

 

「手札から永続魔法、受け継がれる聖霊を発動!!墓地の聖霊と名のついたモンスターを除外して同じレベルのスピリットモンスターを生贄なしで召喚できる!!」

 

 

受け継がれる聖霊

永続魔法

墓地に存在する「聖霊」と名のついたシンクロモンスターを除外し、

手札の除外したモンスターと同じレベルのスピリットモンスターを選択する。

そのモンスターを生贄なしで召喚してもよい。

このカードが墓地に送られた時、その召喚したモンスターをデッキの一番下に戻す。

召喚したモンスターが手札に戻った場合2000ポイントのダメージを受ける。

そのモンスターがフィールドから離れた時、このカードを除外する。

 

 

「墓地のルナを除外して手札の火之迦具土を生贄なしで召喚する!!!」

 

 

火之迦具土/ATK2800

 

場に火之迦具土が現れた――だが、それと同時に竜の渓谷を飛んでいたドラグニティが火之迦具土を拘束した。

 

 

「残念だけど永続罠ドラグニティ・バインドを発動させたわ。竜の渓谷が場にある時、墓地のドラグニティと名のつくチューナーを除外して召喚したモンスターの効果を無効化して、攻撃を封じるわ」

 

ドラグニティ・トラップ

永続罠

相手がモンスターを召喚した時、発動することができる。

墓地のチューナーモンスターを除外して召喚したモンスター1体を選択する。

選択したモンスターは効果は無効化され攻撃宣言できず、表示形式の変更ができない。

 

 

そう言って女性は墓地のアイギスを除外した。だがユウの狙いは伏せていたカードを発動させることだった。

 

 

「リバースカード、新たな目覚めを発動!!墓地のチューナーを選択し、自分フィールド上のモンスターのレベルを選択したチューナー分下げて特殊召喚する!!」

 

 

新たな目覚め

通常罠

墓地に存在するレベル3以下のチューナーを1体選択する。

自分フィールド上のレベル7以上のモンスターのレベルを

選択したモンスターのレベルを下げる。

選択したモンスターを特殊召喚する。

 

 

「効果で墓地のレベル1、スピリット・コクーンを選択し火之迦具土のレベルを下げ特殊召喚!!」

「あらあら…手札抹殺のタイミング間違えたかしら?」

 

 

場に小さなさなぎのモンスターが現れた。

 

そう、手札抹殺の時墓地に送られたカードだ。だが、女性はそんな事は些細なことだった――ユウがシンクロするのも。

 

 

「レベル7となった火之迦具土にレベル1のスピリット・コクーンをチューニング!!

大いなる魂よ!砕かれし魂と共に光の風を纏いその身を現わせ!!」

 

☆7+☆1=☆8

 

 

「甦れ…スピット・シルバー・ドラゴン!!!」

「ガァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』

 

 

場に現れたスピット・シルバーはやる気満々だった。更にユウは墓地のスピット・コクーンを取り出した。

 

「スピット・コクーンの効果発動!!素材となったモンスターの効果をシンクロモンスターに付加させることができる!!」

 

 

スピット・コクーン

チューナー・効果モンスター

星1/地属性/昆虫族/ATK200/DEF500

このカードがシンクロ素材に使用された時、このカード以外のシンクロ素材となったカードを1枚選択する。

このカードを素材にしてシンクロ召喚したシンクロモンスターは選択したモンスターと同名モンスターとして扱い、効果を得る。

この効果で効果を得たモンスターは戦闘破壊されず、手札に戻す効果を受けない。

このカードを素材としてシンクロ召喚したモンスターは次の自分のターンのエンドフェイズに除外される。

 

スピリット・コクーンが場に現れると光になり、スピット・シルバーと一体化した。

 

 

「効果でスピット・シルバーに火之迦具土の効果を追加させる!!バトル!!スピット・シルバーでガジャルグに攻撃!!スピリット・ブラスト!!!」

 

女性/LP2900→2800

 

 

「ふふふ、怖い怖い…好きな人を傷つけられて怒ったかしら?」

「黙れ…!!俺が勝ったらお前の知ってる事全部教えろ!!」

 

 

そう言ってユウはチラッとツバキを見た。もう悲鳴を上げていないが、まだ震えているツバキを抱きかかえるダークがいた。

 

ユウ

LP4000 手札0枚

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500

伏せカード無し

 

 

―女性のターン―

 

「私のターン、ドロー前に手札を全て捨てる…でしょ?」

 

「…そうだ。火之迦具土の効果を得たスピット・シルバー・ドラゴンがダメージを与えた」

 

 

そう言って女性は手札を捨てた。だがまだ余裕の表情だった。

 

 

「ふふふ…ドロー前に伏せカードを使う。異次元からの埋葬よ。効果によってダーインスレイブとアイギス、そして貴方のルナを墓地に戻すわ」

 

「…………」

 

 

これで女性の手札と場にカードは竜操術と竜の渓谷だけだ。引いたカードによっては女性は負けになる。だが女性は笑っていたままだった。

 

 

「どうして私が余裕でいられるか分からないと言った顔をしているわね」

 

「……………」

 

 

そう、その通りだ。竜の渓谷でモンスターを手札に加えたとしてもスピットに勝てる確率は低い。破壊されないスピットがいるのにどうやっても――だが――驚きの一言を口にした――

 

 

 

「さっきのターンで私を倒さなかったのは残念だったわね」

 

「っ!?」

 

 

「私のターン、ドロー!!やっぱり私のデッキは応えてくれる…手札から魔法カード、ミラクルシンクロフュージョンを発動するわ!!墓地、もしくは場のシンクロモンスターを素材とした融合モンスターを特殊召喚できる!!」

 

「シンクロの融合モンスター!?」

 

 

驚いているユウを尻目に彼女の墓地のシンクロモンスターであるガジャルグとシンクロ以外のモンスターであるアキュリスが並んだ。

 

 

「ふふふ…これが貴方を倒す…私の切り札よ…墓地のガジャルグと、アキュリスをゲームから除外して――」

 

 

そう宣言した瞬間女性の墓地の赤い2体の龍が異次元へと飛び立った。そして女性のフィールドのモンスターゾーンの空間にひびが入った。

 

それと同時に女性は一枚の融合モンスターを掲げた。

 

 

 

 

「ドラグニティパラディン―エクスカリバーを融合召喚する!!」

 

 

ひび割れた空間から一体の龍が現れた。黄緑色の龍――更にその背には緑の盾と槍を持ち、緑の鎧とマントを身に纏った騎士がいた。

 

 

ドラグニティパラディン―エクスカリバー/ATK3000

 

 

「攻撃力…3000!!」

 

「エクスカリバーの魅力は攻撃力だけじゃないわ…融合召喚成功時、墓地のドラグニティと名のついたチューナーモンスターを好きなだけ装備することができるわ、墓地のダーインスレイブ、アイギス、ブラッティストック、ピルムを装備するわ!!」

 

 

そう宣言した時、墓地から4つの光が飛び出した。その光はエクスカリバーの槍に集うと一掃輝いた。

 

 

「さらに…竜操術の効果で攻撃力が500上がる」

 

「ふふ、そうね。これでエクスカリバーの攻撃力は3500よそれにエクスカリバーは破壊される時、代わりに装備しているドラグニティを2枚破壊する効果があるわ…でも、装備しているモンスターの効果を無効化しちゃうのが残念だけどね」

 

 

エクスカリバー/ATK3000→3500

 

 

「馬鹿な…手札一枚から攻撃力3500のモンスターだと…!?」

 

 

ダークがエクスカリバーの攻撃力に驚いていた。場にあるカードも使わず、たったの手札が1枚――それも来るかどうか分からなかった確率で自身の思ったカードを引いたのだ。

 

 

「そこにいる精霊さんは離れていた方がいいかしら?ちょっと強い衝撃が行くわよ」

 

「っ…でも、ダメージは1000だけ…」

 

 

ユウがそう呟いた。そう、普通ならそうなるはずだった――

 

 

「残念だけどエクスカリバーは装備していモンスターの数だけ追加攻撃できるのよ」

 

「「3500の5回攻撃!!??」」

 

 

そう、エクスカリバーは敵を殲滅する剣――たった一度の攻撃で敵を仕留めるのはかなわない――なら、攻撃を増やす――その願いから生まれたカードだ。

 

ドラグニティパラディン―エクスカリバー

融合・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/ATK3000/DEF2800

「ドラグニティ」と名のついたレベル6以上のシンクロモンスター+風属性・ドラゴン族モンスター

このモンスターは融合召喚でしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

このカードの融合召喚に成功した時、自分の墓地に存在する「ドラグニティ」と名のついたチューナーを任意の数だけ、このカードに装備することができる。

このモンスターはバトルフェイズに、このカードに装備されている「ドラグニティ」と名のつくチューナーモンスターのカードの数だけを通常の攻撃とは別に攻撃することができる。

このカードに装備されたカード効果は無効化される。

このカードが戦闘及びカード効果で破壊される場合、装備されている「ドラグニティ」と名のつくカードを2枚墓地に送ることでこのカードの破壊を無効にする。(この時、装備カード扱いの状態から墓地に送られることで発動する効果は発動しない)

 

 

「バトル…エクスカリバーでスピット・シルバー・ドラゴンに攻撃!!聖なる槍撃1(セイント・スピア・ワン)!!」

 

「グッ…ああ!!!」

 

 

ユウ/LP4000→3000

 

スピット・シルバーが攻撃を受け止めるが、その余波はユウ――だけでなくダークとツバキまで響いていた。

 

だが女性は攻撃を止めようとしない。

 

 

「ツバキ!!」

 

「大切なら守りきってみなさい、聖なる槍撃2(セイント・スピア・ツー)!!!」

 

 

再び槍を構えたエクスカリバー、その攻撃を止める手段はない。

 

「ウッ…カオス!!ダークとツバキを守って!!」

 

「キュアアアアァァァァァァ!!!!!』

 

 

ユウ/LP3000→2000

 

ユウの言葉を聞いたカオスの体が大きくなっていき、そしてその身を呈してダークとツバキを守っていた。だが、それにダークは油断してしまった。

 

 

「ふふふふ…自分の事は良いから好きな子を――まるであの子みたいだね」

「(あの子…?誰の事…?)」

 

 

女性の呟きにユウは考えていたが、それよりも先に次の攻撃が迫っていた。

 

 

 

聖なる槍撃3(セイント・スピア・スリー)!!!!」

「ッ……ウワァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

 

 

ユウ/LP2000→1000

 

 

等々ユウのライフは1000になってしまった。そして次の攻撃で受けるダメージも1000…墓地にも、手札も、フィールドも――もう手詰まりだった。

 

そして、ダメージが限界を超してしまったのか、スピットは倒れてしまった。

 

 

「クッ…スピット…!!!もう、スピットに攻撃するのはやめて!!」

 

「ふふ…じゃあ、最後の攻撃…3500の衝撃を貴方が受けるかしら?」

 

 

悪戯を思いついたように女性がそう聞いた。並の人間がそれほどの衝撃を――精霊界での決闘で受けたのならただじゃすまない。

 

だが、ユウには受ける覚悟があった。精霊――イナも、神楽もスピットも大切な家族だったから、これ以上傷つけられたくなかった。

 

 

「…ボクが受ける。それでいいでしょ」

 

「ユウ、馬鹿な真似はやめろ!!人間のお前がそんな攻撃を受けて無事に済むわけがない!!」

 

 

ダークがそう呼び止めるがユウの目を見た女性はニッコリと笑った。

 

 

「ふふふ……良いわぁ…その大切な物を守る目…その意思に免じて――エクスカリバーよ、最後の攻撃!!」

 

 

エクスカリバーは槍をソウルからそこに佇んでいるユウに向けた。そしてユウはそれに抵抗することもなく、まっすぐと見ていた。

 

 

「ごめん…ツバキ…イナ…シゲル…皆…」

 

 

 

 

「ユウ!!」

 

 

ユウがふっと目を閉じようとした瞬間背後から声をかけられた。

 

それは――

 

 

 

 

「ツバ…キ?っ!!」

 

 

背後にいたのがツバキだと分かった瞬間ユウはツバキを抱きかかえた。それにツバキは初めは呆けていたが、すぐにユウが抱きかかえた理由が分かった。

 

 

 

聖なる槍撃4(セイント・スピア・フォー)!!!!!」

 

 

最後のエクスカリバーの攻撃が迫っていた。その攻撃から守るためにユウが盾になろうとしていた。

 

 

「ユウ!!避けて!!」

 

「ツバキを見捨てるなんてできない…!!」

 

 

自分の体がどうでもいいと思っていたユウに迫る攻撃――だがそれを銀色の炎が防いだ。

 

 

『ガアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

力尽きたと思われていたスピットだった。

 

 

「あらあら…攻撃はもう通ったわ。これで私の勝ちね」

 

 

ユウ/LP1000→0

 

 

完敗だった。ユウの全ての戦法が女性のコンボの完成へとつなげられていた。

 

女性は最後までツバキを離さなかったユウを見て笑った。

 

 

 

「ふふふ…いいわぁ…そう言った熱い関係。だけどね、約束よ。貴女の過去は話せないわ」

 

「………………」

 

 

それを聞いてユウは俯いた。もう少しでツバキの本当の過去を知ることができた。

だが、ツバキは女性を疑問の目で見ていた。

 

 

「じゃあ一つ聞いても良いですか…?」

 

「何かしら?姫野椿?」

 

 

 

女性がフルネームでツバキの名前を言った。

 

 

「…貴女は…私達の敵なんですか……?」

 

 

 

ツバキの質問に女性は一瞬顔をしかめた。するとエクスカリバーを呼び出すと女性は

 

 

「敵ではない…けど、味方でもないわ」

 

 

と、答えた。「そして」と前置きして2人に言った。

 

 

 

 

「一つだけ…私の善意で教えてあげる」

 

 

 

 

女性は悲しそうな目でユウを――ツバキを――スピットを、ダークを、カオスを見た。

 

 

「姫野椿――貴女は仲間と共にいられなくなる時が来る…やがて、全ての人を裏切ることになるわ」

 

「え…!?」

 

「それってどういう――」

 

 

ユウがどういうことなのか聞こうとしたが、それよりも速く女性はエクスカリバーに乗って何処かへ飛び去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「………………」

「…すぅ…すぅ…すぅ……」

 

 

 

女性の言葉がどうしても頭から離れないツバキ、そして疲れたのかツバキに寄り掛かって眠ってしまったユウ、傷付き、チビ龍になったスピットとその治療するダークに呼び掛けているカオスがいた。

 

 

「…ツバキ、スピットを運んでくれないか?ユウは私が運ぶ」

 

「…分かった」

 

 

やがて治療を終わらしたダークとツバキは一人と一匹の龍を背負って仲間達の元へと向かった――

 

 

―???―

 

 

ある男性の前に竜に乗った女性がやってきた。その女性は先程ユウと戦ったあの女性だった。

 

 

「アラエル、一体どこに行っていたんだ?」

「奴らの研究所よ、ザフキ」

 

 

アラエルと呼ばれた女性はそう答えると嬉しそうにザフキという男性にあることを話した。

 

 

「エルを見つけたわ」

「なに!?エルをだと!?」

 

 

ザフキの言葉に周囲にいた3人の男女が反応をした。それを見たアラエルは一枚のカードを取り出した。

 

 

「これで…私達の目的を達成できる」

 

 

 

―???―

 

 

「あれ……?ここは……?」

 

 

ユウが目を覚ますと何処かの屋内の一室だった。どうやら寝室の様で、ベッドの上にいたのだがどうして自分が此処にいるのか分からなかった。

 

確か最後の記憶は女性と戦った所までで途切れていた――

 

 

「あ……ユウ」

 

「え?ツバキ…此処は何処?」

 

 

部屋に入ってきたツバキは何処か元気がなさそうだった。

 

 

「ここは魔法都市の空き家よ。ユウが眠って…10時間ぐらいかな」

 

「10時間!?学校は!?」

 

 

流石に10時間寝ていればもアカデミアを休む事になってくる。だがツバキは疲れたようにクスッと笑った。

 

 

「此処じゃあ人間界の60分が一日らしいよ。だからまだ30分もたってないみたい」

「そ、そうなんだ…」

 

 

どうもツバキの様子がおかしい…そう思ったユウは一つだけ心当たりがあった。

 

 

「ツバキ……ごめん」

「え…!?な、なんでユウが謝るの!?」

 

 

ユウの言葉が予想外だったのか、ツバキはものすごく驚いていた。

そしてユウは俯いたまま言葉を発した。

 

 

「ボクが負けた所為でツバキの過去を聞く事ができなくて…」

「……どうして…ユウが……私に謝るの?」

 

 

再び顔を上げたユウはツバキの顔を見て驚いた。

 

 

 

 

 

ツバキは泣いていた。目から溢れるほどの涙を溜め、それを流して少し震えていた。

だが、ツバキはそれを拭って声を震わせ、手を強く握りしめていた。

 

 

「私は…!!ユウを!!裏切るかもしれないんだよ!!!なのになんでユウが謝るの!!!」

 

「ツバキ…」

 

 

ユウの呼びかけにも無視してツバキはさらに続けた。

 

 

「違うと思いたいよ!!なんであの人はそう言ったのか分かんない!!でも!!!いずれそうなるかもしれないって思うと怖いの!!!」

 

「ツバキ…!!」

 

「いつかそうなってしまう…ユウが…シゲルが…皆が私から離れて行くかもしれないのが!!!私がユウと戦うことに――!!」

 

「ツバキ!!!」

 

 

 

ユウが自分を責め続けるツバキの肩を掴んだ。それにやっとツバキは言葉を止めた。

 

 

「ユウ…!!!」

「ボクはなにがあってもツバキの味方だよ!!たとえ裏切られてもボクはツバキを信じる!!」

 

「ユウ……ぅ…うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」

 

 

等々ツバキは泣き出してしまった。

それをユウはツバキを優しく抱きしめ、ツバキが泣きやむまで一緒にいた。

 

 

―シゲルside―

 

「どうやら吹っ切れたみたいだな」

 

 

ユウが寝ていた部屋の前でシゲルがそう呟いた。研究所から脱出したツバキはどことなく落ち込んでいたが、どうやらもう心配はなさそうだ。

 

 

「よかった…ツバキさんが落ち込んでいるとマスターも悲しみますからね」

 

 

そう神楽が言った。洞窟内に避難していた精霊達も共に魔法都市へ帰還して今は休養中だ。すると近くの階段からルキが上がってきた。

 

 

 

「シゲルさん、あの子の意識が戻りました。でもすぐにまた寝て…」

 

「そうか…ツバキはユウに任せて俺達は休もう。あの子には明日話を聞こう…流石に疲れた…」

 

 

そう言って3人は1階へと降りて行った。

 

 

―寝室1―

 

 

「大丈夫?ツバキ」

 

「うん…ごめんね、ユウ。変なこと言って…」

 

 

泣きやんだツバキはそういってモジモジし始めた。理由としては、普段でも頼りにしているユウに泣きついてデレているからだ。

 

ちなみにツバキをあやしている時、ユウの心臓はバクバクだった。そりゃ自分の胸で好きな女の子が泣いているのだから無理も無い。

 

 

 

 

 

「あ、私何か飲み物とって――きゃあ!!」

「ツバうぐ!!」

 

 

 

 

 

立ち上がろうとしたツバキは――バランスを崩してユウのに上に覆いかぶさる形になってしまった。しかも顔が近く――

 

 

 

 

 

 

「ね、ねぇユウ…////」

「ど、どうしたのツバキ?////」

 

 

どうも付き合う少し前に戻ったみたいになってしまった。すると更に――あの時以上のモジモジ感をただ寄せながら一言一句話し始めた。

 

 

「私……もっとユウの事知りたい////」

 

「……ボクも////」

 

 

そう言ってツバキとユウはともに抱き合うようにベットに横になった。だがユウはまだ疲れが残っていたのか、ツバキは泣き疲れたのかそのまますっと寝てしまった。

 




というわけで謎の女性――アラエルとの戦いでした。
シゲル「その前に最後のなんだァ!?」
恋愛に発展したけど奥手な2人を近づけるためにこうなった。
けど、小説をR18にするつもりもないしこの時はまだ奥手で行きたいから未遂にした。
まあ、グダグダだったけどね。後悔はない!
ツバキ「後悔してよ!!!///」

ユウ「そ、それよりもデュエルの解説!!///」
前回あとがきで言っていたもう一枚の投稿カードは『ドラグニティパラディン―エクスカリバー』です。
その方の小説でもエース級の働きをしていたので嬉しかったな…
シゲル「にじファン閉鎖されるまでに破壊されたのが1回か2回だったんだろ?」
そう。まさにエクスカリバー(約束された勝利の剣)だね。
アラエルがドラグニティを使うにあたってこのカードをエースにすることはまず確定してた。
ツバキ「どうして?」
変に出しにくいモンスターをエースにしたらエース不在で勝負が終わるから。そうなったら面白くないし…だったらこのカードはちょうどいいなって

シゲル「…なあ、ところで精霊達は…全員帰って来れたのか?」
一応全員生還したね。負傷者多数、重傷者も多数だけど
ユウ「そんな…」
まあ、3人が来なかったら確実に全員死亡してたからまだいいほうだね。

ユウ「ところで…保護したあの子は?」
次回出てくる。そしてタグがひとつ増えることになると思う
シゲル「どういうことだ?」
次話追加する予定のタグはあるキャラなんだが、見ての通り…ここまで出てきてない。
ツバキ「つまり…次のメインキャラは何かの作品のキャラってこと?」
流石ツバキ、正解!
このキャラに関して本作と設定が変わると思うからその点注意してくださいとしか言えないね。

次回予告
ユウが保護した少女。彼女はロストロギアの一部だと名乗った。
始まった少女とのデュエル、それはユウにとってリベンジマッチだった――

「『融合を発動!!』」


逆転の手は、経験――?

次回turn22 コンボと経験
最強カードは『銀翼の魂』
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