遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn22 コンボと経験

―寝室1―

 

「………………………………///////」

 

「………………………………///////」

 

 

ユウとツバキは起きると共に顔を真っ赤にした。理由は昨夜、お互いに心身ともにボロボロになってそれを埋め合わせるようにお互いを求めようとして力尽きた。

 

しかし、就寝し、回復した思考力で考えると恥ずかしいのだ。

 

 

そして2人は起こしに来たルキが来るまで顔が真っ赤だった。

 

 

―リビング―

 

 

「よお、よく眠れたか?」

 

「う、うん///」

 

「ぐ、ぐっすりと眠れたよ///」

 

 

「(……風邪か?)」

 

 

ユウとツバキの顔が若干赤っぽいのに気付いたが、勝手にそう結論付けたシゲルだった。まあいいと思ったシゲルは口を開いた。

 

 

「まあ、ユウが寝ている間にあった事を説明するぞ」

 

「あ、うん…みんな無事だったの?」

 

 

そうユウはルキを見た。ルキは優しそうに微笑んでいる。

 

 

「みんな無事でした。重傷者や怪我人も多くいましたが幸い死亡者はいません」

「そうなんだ…よかった」

 

そう言ってユウは目の前のグラスに入っていたジュースを一口飲んだ。

次に口を開いたのはツバキだった。

 

 

「そういえば…あの子は?」

 

「大丈夫じゃ。衰弱していたが、今はぐっすり眠っている」

 

 

そう言ったのはウリィだった。その手には洗面器とタオルが乗せられていた。今イナ、ウリィ、ダーク、ルキがローテーションで少女の看病をしていた。

 

 

 

と、その時ユウはシゲルが左腕を無意識に庇っている様に見えた。

 

 

「シゲル…腕どうかしたの?」

 

「ん?あ、ああ…ちょっと強い奴とやり合ってな…まあ問題な「嘘じゃな」ッ」

 

 

ウリィの言葉とルキに腕に掴まれたのにシゲルは顔を顰めた。

それにウリィはため息をつきながら説明をした。

 

 

「お主等が皆の者を救出に向かった後にのぉ…融合したデーモンが現れたのじゃ」

 

「デーモンって…デーモンの召喚の?」

 

「そうじゃ、ソヤツと闇のゲームをしてな…ライフが200まで減ったのじゃ」

 

「「200!?」」

 

 

ライフポイント200というと、エピックの戦いの時のライフが1000だった。それであの大怪我だったが、普通に考えると今回の方がダメージが多いはずだった。

 

 

「だ、大丈夫なの!?」

 

「いやー、一瞬逝きかけた。全身やけどに打撲、俺じゃなかったら死んでたと思うぞ」

 

 

そういったシゲルはなぜかそういうことに慣れているようだった。そのことをユウが聞こうとするがなんて言えばいいのか分からず、言葉を詰まらせた。

 

 

「気にすんなって言っても気になるか…」

 

「う、うん…大丈夫なの?」

 

 

シゲルからそういう言ったから2人は先ほどよりも楽に聞くことができた。

 

 

「ま、なんていうか…特異的な体質だ」

 

「特異的?」

 

 

その言葉にユウが首をコテンと傾げた。というのも言葉の意味がわからないようだ。

 

 

「普通と違うってことだ。俺はなぜか死にかけるほど体の回復力が上がる」

 

「「????」」

 

 

どういうことなのか分からないといった様子の2人。いや、イナやダークもわからないという感じだった。

 

 

「簡単に言うと、俺は死にかけると火事場の馬鹿力みたいに生命力が溢れ出す。そのおかげで火傷や傷口が数時間から数十分で完全に治る」

 

「…それって不死身ってこと?」

 

 

ツバキの言葉にシゲルは少し困ったように苦笑いを浮かべた。

 

 

「さあな。死んだこともねーし、おそらく昨日が一番死にかけたから何とも言えない。なんでそうなのか原因や理由もわからないけどな…」

 

「にしても、今回は一段とおかしかったの。あんな大やけどが5分で完治するとは」

 

 

ウリィの言葉にシゲルはひとつため息をついた。どうやら今回、精霊界での戦いだとその体質がいつも以上に稼働していたようなのだ。

 

 

あれこれ考えているとイナがスゥーっと入ってきた。

 

 

「あの子が起きたよ~」

 

 

 

―寝室3―

 

 

目が覚めた少女はベットの上で上半身を起こしていた。だが、自分の置かれている状況が理解できなかった。

 

 

最後に覚えているのは管理局員が自分の体で実験をしていた時だったはず。

それで意識を失った後、気付けば何処かの家の寝室にいたのだから無理も無い。

 

―コンコン、ガチャ―

 

 

「目が覚めたみたいだな」

 

「……は…………い………」

 

 

入ってきたシゲルの言葉に少女が返そうとしたが、声が掠れてて途切れている。その為話すことができなかった。

 

 

「無理して喋ろうとするな」

 

「これを使って」

 

 

そう言ってルキが人間界の五十音表を持ってきた。流石に会話するのになにも無しならやりにくいということで、何故か魔法都市にあった五十音表を持ってきたのだ。

 

 

「色々聞きたいが…まあ、まずお前の名前はなんだ?」

 

 

シゲルの言葉に少女は五十音表の一文字一文字を指さして言った。

 

『わたしになまえはないです』

 

「名前が無い…?それってどういこと?」

 

 

次にツバキがそう聞くと少女は黙々と表の文字を指さして行った。

 

『わたしはもともとひとではないです』

 

「人じゃない…?じゃあ精霊なの?」

 

 

ユウの言葉に少女は首を横に振った。どういうことなのか説明するために文字を指さした。

 

 

『ろすとろぎあおしつてますか』

 

 

ろすとろぎあおしつてますか→ロストロギアを知ってますか

 

脳内でそう変換したシゲルはある一枚のカードを取り出した。それを見た少女は驚いていた。

 

 

「ロストロギアなら俺達も持っている。それがどうかしたのか?」

『わたしはやみのしよというろすとろぎあからうまれました』

 

 

「やみのしよ…闇の書?」

 

 

ツバキの言葉に少女は頷いた。そしてされに文字を指さした。

 

 

『ですがわたしをふくめたまてりあるというそんざいは たかまちなのはたちによってけされたはずなのです』

 

 

「…ん?たかまちなのは…?高町って管理局のあいつか?」

 

 

シゲルの言葉に少女は少し驚いた顔をしたがすぐに何故か納得した。

 

 

『あなたたちはかんりきよくいんなのですか』

「ううん、ボク達は管理局とは敵対関係にあるの。ボクやシゲル、ツバキのカードを無理やり取ろうとして…」

 

 

ユウの説明の途中に少女の口が少し動いた。その動きは「シゲルとツバキ?」と言っている感じがして、すぐにツバキは自己紹介をしてないのに気付いた。

 

 

「私は姫野椿っていうの。それでこっちが聖牙夕で…この眼つきの悪そうなのが獣斬繁っていうの」

「おいこらまて、誰が目つきが悪そうな奴だよ」

 

 

シゲルの言葉にツバキはゴメンゴメンという感じで苦笑いをしていた。

すると少女は新たな言葉を指さした。

 

 

『わたしはせいこうのせんめつしゃ しゅてるざですとらくたーというこたいめいしょうです』

 

星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)って…なんか物騒な名前だな」

 

 

シゲルの言葉に少女は「違いないですね」という口の動きをした。すると、ウリィが「言い難い名前じゃの」とボソッとつぶやいた。

 

 

『よければつばきがなまえをつけてくれませんか』

 

「え?私が…貴女の名前を?」

 

 

 

ツバキの言葉に少女は頷いた。他の2人や精霊達もツバキをじっと見ていた。ツバキは何かいい名前が無いかどうか考えていたが、先程の「星の殲滅者」という単語で一つの名前が浮かんだ。

 

 

「じゃあ紫苑……姫野 紫苑ってのは?」

 

『しおんですか いいなまえですね』

 

少女――紫苑はそう指差した。彼女も納得したようだが、ユウがひとつ気になったことをツバキに聞いた。

 

 

「ねえツバキ、どうして紫苑なの?」

 

「私の名前を山本さんが付けてくれたんだけど、その時見せてくれた本であった花言葉で…確か紫苑は『君を忘れない』だったから。それに紫苑は別名『アスター・タータリアン』って言われてるの」

 

 

それを聞いたシゲルは納得した。

 

 

「アスターはギリシャ語で星型のという形容詞だ。確かにあってるな…」

 

「へぇ…じゃあ椿の花言葉は?」

 

 

それを聞いた時、ツバキ顔を薄らと紅くしていた。その理由が少女――改め紫苑は分かっていた。チョイ、チョイとシゲルの服を引っ張り、こっそりと文字を指さしていた。

 

『つばきはかんたんにいうとあいじょうです』(椿は簡単に言うと愛情です)

「……まさにツバキだな」

 

 

そうシゲルは呟いた。ちなみにツバキは顔を赤くして「知らない!!」と首がもげるほど横に振っていた。

 

 

「で、姫野にするってことは…」

 

「剱都に頼んで私の姉妹にしてもらうの。そうすればAWが関わることになって奴らが手出しできなくなると思う…」

 

 

確かに管理外世界である地球のAW社によって秘密を暴露されればたまったものじゃない。

 

 

「そういや…お前…紫苑ってデュエルできるのか?」

 

『はい』

 

 

そう指差して、自身の左手の上に右手を添えるとマジックの様にデッキが現れた。

 

 

 

『いまはこえがでませんし でばいすもないですが しようぶしますか』

 

「勝負?」

 

 

 

 

ということで  

 

               ―ユウVS紫苑―

 

 

一先ずベッドサイドに小さなテーブルを持ってきた。消去法でシゲルは腕を痛めているため勝負できない、そしてあまりツバキは勝負に乗り気じゃなかっただったため必然的にユウになった。

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン、ボクは火炎車を攻撃表示で召喚!」

 

火炎車/ATK7900

 

「そしてカードを伏せてターン終了!そしてエンドフェイズ火炎車は手札に戻り、効果発動!デッキからカードを1枚引く」

 

 

ユウ

LP4000 手札6枚

モンスターなし

伏せカード1枚

 

 

―紫苑のターン―

 

一先ず喋れない紫苑に代わってツバキが宣言を行うことになった。まあディスクを使っておらずカードを出すだけなのでゆったりとしている。

 

 

「ドロー!…え…このデッキ…」

 

 

宣言した後そうツバキが呟いた。手札のカードがあまりにもあいつのデッキのカードと似ていたのだ。不思議そうにツバキを見ていた紫苑だったが、それに気づいたツバキは微笑んだ。

 

 

「ユウ、結構しんどいと思うよ」

 

「え?」

 

「ふふ…紫苑、続けよう」

 

 

ツバキの言葉に紫苑は頷くと、一枚の魔法を声が出ないが口を動かして宣言した。(※これより先、『』がツバキが言った紫苑の代訳です)

 

 

「『手札から魔法カード融合を発動!手札のE・HEROオーシャンとE・HEROザ・ヒートを融合!E・HEROノヴァマスターを召喚!』」

 

 

そう言って出したのは紅い、炎の戦士だった。

 

 

ノヴァマスター/ATK2600

 

「ってHEROって…」

「十代と同じ…HEROデッキ…!!」

 

 

ユウとシゲルはそう驚いていた。HEROを使う奴は他に知らないが、オーシャン、ザ・ヒート、ノヴァマスター……十代が使うカードとは違うデッキ。

 

すると紫苑はノヴァマスターを指さし、その後ユウを指さした。初めは意味は分からなかったが、ツバキは理解した。

 

 

「『ノヴァマスターでユウに直接攻撃!』」

 

「伏せカード、くず鉄のかかしを発動!攻撃を無効にし、再びこのカードをセットする!」

 

 

それを見た紫苑は少し残念そうな顔をした。そしてカードを伏せて、「どうぞ」というように手を差し伸べた。

 

 

紫苑

LP4000 手札2枚

ノヴァマスター/ATK2600

伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!」

 

流石に紫苑がHEROを使うのに驚いたが、それでもユウは慌てず次の手を考えていた。火炎車によって一つ多くなった手――

 

 

「因幡之白兎を攻撃表示で召喚!」

 

いつもならイナが元気いっぱいに出てくるのだが、今回は立体映像(ソリッド・ビジョン)を使っていないため、カードのみだ。

 

 

因幡之白兎/ATK700

 

 

「因幡之白兎は相手にしか攻撃しかできない!攻撃!」

 

 

紫苑LP4000→3300

 

ディスクではないため、PDAの計算機能を使ってライフ計算をしている。

ツバキが紫苑の、シゲルがユウのライフ計算を担当している。

 

「カードを伏せてターン終了。そして因幡之白兎は手札に戻る」

 

ユウ

LP4000 手札6枚

モンスター無し

伏せカード2枚

 

―紫苑のターン―

 

「『ドロー!E・HEROエアーマンを召喚!』え?効果?」

 

エアーマン/ATK1800

 

 

紫苑が指差した所にはエアーマンの効果表示だった。そこにはエアーマンには2つの効果があった。そして片方の効果を指さし、そしてユウのくず鉄のかかしを指さした。

 

その意図が分かったユウはエアーマンをモンスターゾーンに戻すと説明を始めた。

 

 

「『エアーマンの効果発動!召喚成功時、2つの効果を選びどちらかを発動することができる!一つ目の効果を発動!!エアーマン以外のHERO一体につき、フィールドの魔法罠を破壊することができる!』」

 

「ってことは…!!」

 

 

そう、ユウの守りの要が破壊されたのだ。

 

 

「『バトル!ノヴァマスターで攻撃!』」

 

「手札の黄泉之英雄(ヨミノエイユウ)を墓地に送ってスピリット・ガードナーを特殊召喚!さらに黄泉之英雄の効果発動!手札から墓地に送られた時、このカードをデッキに戻してシャッフルする!」

 

 

壁が現れた、が――

 

 

「『バトル続行!ノヴァマスターでスピリット・ガードナーに攻撃!』」

「墓地にスピリットがいないから効果は使えない…破壊される」

 

 

そう言ってユウがスピリット・ガードナーをセメタリーゾーンに置いた時、紫苑はノヴァマスターのカードを指さしてカードを一枚引いた。

 

 

「えぇと…『ノヴァマスターの効果、戦闘で相手モンスターを破壊した時、カードを一枚引く』…でいいのかな?」

 

「…は……ぃ…(コク)」

 

 

ツバキの質問に紫苑は頷いた。先程から言葉を出そうとするのだが、どうしても掠れて言葉が出ない。

 

寝ている間に調査団の衛生兵に診てもらったら、幸い軽症だったため、回復薬を投与して、今日か明日には日常会話に支障が無いぐらい回復するだろうとのこと。

 

 

「『エアーマンで直接攻撃!』」

 

 

ユウ/LP4000→2200

 

 

「『ターン終了!』」

 

紫苑

LP3300 手札3枚

ノヴァマスター/ATK2600 エアーマン/ATK1800

伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!手札抹殺を発動!互いに手札全て捨て同じ枚数カードを引く!」

 

 

1ターン前に来ていたらスピリット・ガードナーが破壊されることはなかった。そこは少し運が悪かった。

 

 

「スピリット・ドローを発動!墓地の因幡之白兎を除外してカードを2枚引く!手札から雷帝神を召喚!」

 

 

雷帝神/ATK2000

 

 

「さらに八汰鏡を装備!これで雷帝神はエンドフェイズ時に手札に戻らなくてもよくなる!バトル!!雷帝神でエアーマンに攻撃!」

「えっと…『ヒーロ・シグナルを発動!モンスターを戦闘で破壊された時、デッキからレベル4以下のヒーロを特殊召喚する!…E・HEROフォレストマンを特殊召喚する!』…で、雷帝神の効果でダメージは100だね」

 

 

紫苑/LP3300→3200

フォレストマン/DEF2000

 

 

「そしてスピリット・バーナーを雷帝神に装備する!効果で守備表示に変更できる!」

 

 

「雷帝神を守備表示に変更してターン終了!」

 

 

雷帝神/ATK2000→DEF1600

 

 

ユウ

LP2200 手札4枚

雷帝神/DEF1600

スピリット・バーナー 八汰鏡 伏せカード2枚

 

 

―紫苑のターン―

 

「『ドロー!墓地のテイク・オーバー・ファイブの効果でさらにドロー!!』」

 

 

手札抹殺で送られたカードだったが、ある意味だと好都合だった。

このカードは墓地にあるとき、除外することでカードを1枚ドローすることができる。

 

 

「えっと…フォレストマンの効果?」

 

「………は……い…」

 

徐々にだが言葉が戻って来ていた。だが、まだ掠れており、紫苑はしんどそうに言っていた。一先ずフォレストマンの効果処理が始まった。

 

 

「『デッキ・また墓地から融合を手札に加えることができる。…デッキから融合を加える。さらに融合回収を発動!墓地の融合とオーシャンを手札に加える』」

 

「こいつぁ…ヤバイな」

 

 

シゲルがそう呟いた理由は2つある。一つ目はノヴァマスターの素材はHEROと帆の属性モンスター――明らか今までではない素材指定だ。シゲル自身の剣闘獣もそうだが指定されてない融合モンスターは展開がしやすい。

 

もう一つは十代のHEROでもそうだが、大量展開するためには融合が無いと始らない。それにシゲルの剣闘獣は融合が必要ない。そのため指定された剣闘獣だけで十分展開できるが、融合はデッキに最大3枚、補助カードも入れても6枚だがフォレストマンはデッキ・墓地から融合を回収できる。

 

 

 

「フォレストマンを早く何とかしないとやられるぞ…」

 

「『手札から融合を発動!手札のアイスエッジとシャインを融合!融合召喚…アブソルートZero!』」

 

 

アブソルートZero/ATK2500

 

 

「『更にE・HEROレディ・オブ・ファイアを召喚しフォレストマンを攻撃表示に変更!』」

 

 

レディ・オブ・ファイア/ATK1300

 

フォレストマン/DEF2000→ATK1000

 

 

「『バトル…アブソルートZeroで攻撃!』」

 

「装備されている八汰鏡を破壊することで戦闘破壊を無効にする!」

 

 

そう言って八汰鏡をセメタリーゾーンに置いたが、どうしようかと悩んでいた。伏せカードはスピット専用の罠カードでブラフで伏せていたのだ。だがどうも紫苑はそのことを気にもかけてなかった。

 

「『ノヴァマスターで雷帝神に攻撃!戦闘破壊時カードをドロー!』」

 

 

これでユウの場はがら空きになってしまった。2体の直接攻撃を喰らえばおしまいだ。

 

 

 

「『レディ・オブ・ファイアで直接攻撃!』」

 

「ヤバッ!!」

 

ユウ/LP2200→900

 

 

「『フォレストマンで攻撃!』」

 

 

この攻撃が通ればユウのライフは無くなる。だが、ユウは慌てることなく墓地のカードを取り出した。

 

 

 

「まだ!墓地のスピリット・リカバリーの効果発動!このカードを除外して、手札のレベル4以下のスピリットモンスターを墓地に送り、そのモンスターのレベル×400回復する!磨破羅魏(マハラギ)を墓地へ送り、1600回復!」

 

 

スピリット・リカバリー

効果モンスター

星2/光属性/天使族/ATK200/DEF500

このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚ができない。

墓地に存在するこのカードを除外して、手札のレベル4以下のスピリットモンスターを墓地に送り、そのレベル×400ポイントライフを回復する。

 

 

ユウ/LP900→2500→1500

 

「えっと…『カードを伏せ、ターン終了時レディ・オブ・ファイアの効果発動!エンドフェイズ時に自分の場のHERO一体につき、200ポイントダメージを与える!計800のダメージ!』」

 

「え、残り700!?」

 

 

 

ユウ/LP1500→700

 

 

紫苑

LP3300 手札1枚

ノヴァマスター/ATK2600 アブソルートZero/ATK2500 フォレストマン/ATK1000 レディ・オブ・ファイア/ATK1300

伏せカード2枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン、ドロー!来た!手札に加わった黄泉之英雄の効果発動!!デッキに戻ったこのカードが手札に加わった時特殊召喚することができる!」

 

黄泉之英雄

スピリットモンスター(制限)

星7/闇属性/戦士族/ATK2500/DEF1700

このモンスターは通常召喚できない。

このカードは、このカード自身の効果でしか特殊召喚できない。

自分また相手のカード効果によってこのカードが墓地に送られた時、このカードをデッキに加えてシャッフルする。

この効果でデッキに加わったこのカードをドローした時、特殊召喚することができる。

このモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキから「エンシェントスピリット」と名のついたモンスターを1体手札に加えることができる。

このモンスターは特殊召喚したターン除外することはできない。

 

 

「黄泉之英雄の効果発動!!デッキからエンシェントスピリット―闇刀神を手札に加える!そしてモンスターの特殊召喚に成功した時、墓地のスピリット・マターは特殊召喚できる!」

 

 

スピリット・マター

効果モンスター・チューナー

星1/風属性/悪魔族/ATK600/DEF0

レベル6以上のモンスターが特殊召喚に成功した時、

このカードを墓地から特殊召喚することができる。

 

 

スピリット・マター/DEF0

 

 

「さらに黄泉之英雄のレベルを下げて新たな目覚めを発動!墓地のスピリット・フィッシュを特殊召喚!」

 

 

黄泉之英雄/☆7→5

 

スピリット・フィッシュ/ATK300

 

 

「…(いつの前に…あ、そうですか…手札断殺の時に…」

 

 

紫苑がそう呟いた――言葉を発して。しかもはっきりと。

 

 

『『『『「「「…あれ?」」」』』』』

 

 

それに他のメンバーがワンテンポ遅れて反応すると紫苑も「あれ?」と言わんばかりに口を押さえていた。

 

 

「しゃべれ…ますね」

 

「良かった…」

 

 

紫苑の言葉にツバキが嬉しそうにそう呟くと紫苑は不思議そうにツバキを見た。

 

 

「どう…して…ですか?別に…私が喋れなくても…心配することは…」

 

「…ううん、そうじゃないの。初めて貴女の声が聞こえたから…」

 

 

そう、ユウが助けた時から先程まで眠り続けていた。そして掠れてまともに声が出なかったため、初めて紫苑の声を聞く事が出来たのだ。

 

 

「…そう…ですか…それより…続きを…」

 

「あ、うん。レベル5になった黄泉之英雄にレベル1、スピリット・マターをチューニング!」

 

 

ディスク無し・立体映像無しなので口上省略。

 

 

「聖霊鳥シルフィをシンクロ召喚!!」

 

 

シルフィ/ATK2500

 

 

「更に手札のスピリットモンスター、闇刀神を墓地に送って相手の場のモンスターを手札に戻す!ノヴァマスターを手札へ!!」

 

「っ…流石ですね」

 

 

そういいながら紫苑はノヴァマスターをエクストラデッキに戻した。ルールではメインデッキ以外のカード…つまり融合モンスターやシンクロモンスターを手札に戻す場合、エクストラデッキへと戻るのだ。

 

 

「更にシルフィにスピリットフィッシュをチューニング!!シンクロ召喚!!スピット・シルバー・ドラゴン!!」

 

「ガァガァ♪」

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500

 

 

スピットのカードを出すと、チビ龍だったスピットは思いっきり喜んでいた。

 

 

「スピットのシンクロ召喚成功時、墓地のスピリット・マターを特殊召喚!さらに墓地の闇刀神を除外してスピリット・フィッシュを特殊召喚!」

 

 

スピット・マター/ATK600

 

スピリット・フィッシュ/ATK300

 

 

更にユウは伏せていたカードを使う。

 

 

「リバース罠銀翼の魂を発動!フィールド上に存在するレベル7以上のドラゴン族のシンクロモンスターの装備カードとなり、さらにスピリットと名のつくモンスターを任意の枚数除外して発動する!マターとフィッシュをゲームから除外!さらにスピットの効果で2枚カードを引く!」

 

 

そう言って引いたカードはスピリット・バードとスピリット・ディフェンダー――これで保険が掛けれるが、ユウはもう止まるつもりはなかった。

 

 

「バトル!スピットでレディ・オブ・ファイアへ攻撃!!」

 

 

紫苑/LP3200→2000

 

 

「伏せカード発動します、ヒーロー逆襲。戦闘でE・HEROが破壊された時、相手は私の手札を選択します。それがE・HEROだった場合、相手のモンスターを破壊して選択したモンスターを呼び出します。ですが…」

 

 

そう言った紫苑の手札の枚数は――1枚のみ。

 

 

「E・HEROオーシャンを守備表示で特殊召喚します」

 

 

オーシャン/DEF1500

 

 

そう、融合回収で手札にあったカードだ。だがユウは慌てることなく手札のモンスター1体を墓地に送った。

 

 

「スピット・シルバー・ドラゴンの効果発動!手札のチューナーを墓地に送ることでモンスターを対象とした破壊効果を無効にする!!更に銀翼の魂の効果発動!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、その攻撃力を装備モンスターに加える!!そして装備モンスターは除外したモンスター分攻撃を行える!!」

 

 

銀翼の魂

永続罠

自分フィールド上のレベル7以上のドラゴン族・シンクロモンスターを選択して発動することができる。発動時、選択したモンスター以外のモンスターを任意の数除外する。

このカードを装備したモンスターは戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力をこのカードを装備したモンスターに加える。

また、このカードを装備しているモンスターは、発動時除外したモンスターの数だけ、通常攻撃とは別に相手モンスターに攻撃することができる。

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500→3800

 

 

「スピットでフォレストマンに攻撃!」

 

「まだです!伏せカード、シークレット・ミッションを発動!攻撃を受けるモンスターはランダムになります!」

 

そう言って紫苑は3体のモンスターを裏向きにシャッフルし、並べた。

 

「さあ、どれを選びます?」

 

そしてユウは一つのカードを選んだ。

 

 

「真中を攻撃!」

 

「…選ばれたのは…アブソルートZero!」

 

 

紫苑/LP2000→700

 

 

「アブソルートの効果発動します!フィールドから離れた時、相手フィールド上のモンスター全て破壊します!」

 

「まだ!手札のディフェンダーを墓地に送って破壊を無効にする!」

 

 

「…私の負けですね」

 

 

そう紫苑が呟いた。そう、まだ攻撃が行えるスピット、耐えれないライフ――

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK3800→6300

 

「スピットでフォレストマンに攻撃!」

 

 

紫苑/LP800→0

 

 

間一髪ユウが勝った。だが実際はユウは負けていた。そのことを聞くためにツバキが聞いた。

 

 

「紫苑…なんで手を抜いたの?」

 

「…?本気でやりましたけど…」

 

 

紫苑の反応にツバキは最終的な紫苑の手札を広げた。

 

『融合』『魔法石の採掘』『平行世界融合(パラレル・ワールド・フュージョン)

 

 

魔法石の採掘は墓地に魔法カードで有効なカードは無く、並行世界融合は除外されているHEROがいないため使えない。だが――

 

 

「属性指定のHEROはいるんでしょ?だったらアブソルートZeroにフォレストマンとかで召喚したらユウのモンスターがいないくて総攻撃で倒せれたんじゃないの?」

 

「…あ…そ、そうですね…」

 

 

指摘されて、初めて気づいたようだったがそんなコンボは見てるだけでも思いつく。

 

 

「…お前、デュエルは何回した?」

 

「………今日が初めてです」

 

 

どうやら紫苑は根本的な戦術やルールはわかるが、それを複雑にするコンボなどは経験を積んでないせいかわからないようだ。

 

「…あ、そうだ!紫苑、アカデミアに入学しよう!」

 

「…私が…アカデミアに…?」

 

 

驚いたように紫苑がユウに聞き返した。それにシゲルとツバキも納得した。

紫苑の戦術はまだ粗削りだったが、経験と実績を詰めば良い決闘者になる。

 

 

「ですが…私がいれば彼女達が出てくると思います…皆さんに迷惑がかかると…」

 

「いや、それなら逆に好都合だ。奴らを捕まえて情報を引き出すこともできるし、それに奴らも下手に手を出せない。無関係な奴が自分達の事を知られるのを嫌う。そうやすやすとは出てこれないはずだ」

 

 

シゲルの言葉に紫苑は悩んでいた。確かに自身はさらなる高みへと行きたかった。だがそれでもこの3人に迷惑をかけたくなかった。するとシゲルの持ってるカードが目に入った。

 

 

「…シゲル。それは確かロストロギアですよね」

 

「ん?ああ、とは言っても俺達からしたらただのカードだけどな」

 

 

そう言ってシゲルはカードを紫苑に渡した。同じようにユウとツバキもカードを渡し、紫苑はそのカードに手を翳し目を瞑ると何かを喋るように口を動かした。

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

するとそのカードが光り輝いた。人間の3人は驚いているが、精霊達は驚くより身動きが取れない様になっていた。

 

 

 

「このロストロギアは…今まで眠っていました。ですが、今起こしたことでその力を発動します」

 

「力…?」

 

 

ツバキが分からない様に聞き返すと、更に強い光が辺りを包み込んだ。

 

 

「ええ、『神々の試練』です」

 

 

そこにいた紫苑以外は手で目を覆っていた。すると優しく紫苑の言葉が聞こえた。

 

 

「頑張ってください」

 

 

そしてその光がおさまると――

 

 

 

「…………………あの、紫苑さん……皆さんは…?」

 

「心配無いですよ。」

 

 

 

紫苑とルキしかいなくなっていた。ユウも、ツバキも、シゲルも、イナやスピットと言った精霊達もいなかった――

 

 

―???―

 

「ぅ…ここはどこ…?」

 

 

ユウが当たりの光が消えたことを確認すると、目を開けた。そこは青い光が立ち込める『聖地』とも呼べる場所だった。

 

 

「あのカードが何かやったってとこだよな…」

「うん…けど…ここって…?」

 

 

ツバキの言葉に他の6人も気になった。此処にいた全員が、確実にこの場所を知っていた。そう――いつもユウが――

 

 

 

「【魂の聖地】だよ…ボクの…ボク達の故郷の」

 

 

 

イナがそう言った。神楽も同じように驚いていた。ちなみにスピットは何処か喜んでいる様子だった。すると7人の目の前に一人の女性が現れた――

 

 

 

「お待ちしていました。選ばれた世界の矛盾達よ」

「え…?って君は…ルナ?」

 

 

ユウが聞いたようにそこにいた女性はユウのシンクロモンスター【聖霊天ルナ】だ。

その質問にルナは頷くと招くようにある場所へと手を差し伸べた。

 

 

 

「こちらに…カルマ様とアナト様が待っておられます」

 

「カルマと?」

 

「アナトが?」

 

 

ユウとシゲルがルナの言葉に引っかかった。だがルナが先導で魂の聖地の奥へと向かった。




シゲル「あの紫苑ってのはなんだ?」
知らない人に説明すると紫苑は、なのはPORTABLEの『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』です。
ちなみに作者はゲームをあまりしてないから詳しくは自分で調べてください。

ツバキ「シゲルの特異的な体質って…?」
ダメージや怪我の大きさに比例して傷が治りやすくなる。体力などは戻らないから、例えば右足が動けなくなるような骨折などのダメージを食らって回復しても右足は動かせないね。
シゲル「俺は化物か」
本人も子供の頃にそれで自分は人間のかどうか悩んでいたという。
今だと思考も大人になって特に気にしてない。
原因・理由は不明だね。長いこと一緒にいるウリィも知らないし
ユウ「けど、なんで…」
ちなみにこの設定は怪我をいつもしてるシゲルだから付けた設定です。
シゲル「どういうことだ?」
いつもユウやツバキ守ってすぐに回復してるから何か違和感があったけど、これだと問題ないでしょ?
ユウ「いや、問題あると思うよ…」
まあ、これものちのちの設定で生かせるから大丈夫だと思うけど。

ユウ「それで…デュエルの解説は?」
まず、紫苑のプレミは作中言ってるようにアブソルートを素材にガイアやシャイニングを出せば勝っていましたが、本人はそのことを考えていませんでした。
また、ユウの伏せカードも警戒せずに突っ込んでいます。
シゲル「それが経験の差ってことか?」
そういうことだね。もう少し慎重に動いたり、考えたりするためにアカデミアに入学することにしたってこと。

ツバキ「紫苑…ね。作者はこの名前にした理由って何かあるの?」
オリキャラの名前は自分がゲームとかで付ける名前、好きなキャラクターの名前、雰囲気的に付ける名前で考えてる。
例えばユウとツバキはキャラで付ける名前、シゲルと紫苑は好きなキャラ、剱都は雰囲気だね。
ユウ「へぇ…好きなキャラって?」
シゲルはポケモンのオーキド・シゲル。紫苑はキングダムハーツのシオンだね。2人の漢字は適当に決めたけど。

次回予告
魂の聖地へと足を踏み入れた世界の矛盾。
そこで待っていたのは2体の『神』だった。

すべてを知るために始まった神の試練。だが、神の使うデッキは――

次回turn23 戦いの女神
最強カードは『God of War - Anat -』
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