遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn23 戦いの女神

―魂の聖地―

 

ルナに連れてこられた7人+チビ龍3匹はある場所に辿り着いた。そこは神殿の様な場所で、巨大な柱が多くある所だった。

 

 

「カルマ様、アナト様、お連れしました」

 

『御苦労じゃったの』

 

 

 

そう言ったのは巨大な銀色の体と銀色で青い体の入った龍だった。どこかしらスピットに似てる気がするが――

 

 

「ガァ♪」

 

 

するとスピットが楽しそうにその龍の頭の上に乗った。すると銀色の龍は優しそうにスピットを抱えた。

 

 

『久しぶりじゃの、スピット』

 

「えっと…スピットと知り合いですか?」

 

 

ユウが聞くと龍の近くにいた真っ黒で灰色のラインの入った狼の様なモンスター(こっちも結構でかい。もしかしたらレッド寮よりはるかに大きいかもしれない。)が当たり前のように答えた。

 

 

『そりゃそうだ。スピット坊はカルマの子だ』

 

「え…?スピットの…お父さん?」

 

 

ツバキがシゲルの後ろで隠れるようにして驚いていた。いつもながらの人見知りだ。

それに狼――消去法でアナトが足元で顔をすりすりしているソウルの頭を撫でた。

 

 

『ソウルは我の息子の子……つまり我の孫だ』

 

「……なんでもありだな」

 

 

ソウルのマスターであるシゲルはそう呆れるように言った。魂の聖地(この場所)へ飛ばされる前に紫苑に渡したカード――

 

 

 

「まさかスピットとソウルが――『神の子』だとはな」

 

 

神のカードであるカルマとアナトの子だからだ。すると地面にスピットを降ろしたカルマが7人を見下ろした。

 

 

ちなみにカルマは学園にある謎のモニュメント(突起した塔の様な物)よりも大きい。

 

 

 

『お主たちの戦いは見ていた…時空管理局という組織の事もな…そして奴らと対峙することもな』

 

『だが、お前達は戦う事が出来ん。奴らが強行手段に出れば確実に存在そのものを消される』

 

 

そう言った2体の神。たしかに今はむこうが組織という立場で強硬手段を用いていないが、そうしてきた場合勝てる見込みがなかった。

 

 

 

「それがどうかしたの」

 

 

だが3人の人間はそれを聞いても揺らがなかった。そう、3人は勝てないとしても逃げることは考えてなかった。

 

 

『負けると分かっていながら逃げることはせんのか?』

 

「逃げたら精霊に危害が加わる。ならば俺達が精霊の盾になってやるよ」

 

「精霊だって生きているはず。それなのにゴミ扱いする人たちには容赦はしないよ」

 

「皆…!!」

 

 

イナが3人の言葉に目をウルっとさせていた。

 

シゲルとツバキの言葉に黙っていた2体の神は――

 

 

 

『『――ハハハハハハハハハ!!!!!』』

 

 

 

突然笑い出した。それに7人が顔を見合わせると神の姿が変わっていく――

 

 

「えっと…カルマ?アナト?」

 

「クククッ…お主等はワシらのはるか上をいく心持の様じゃの」

 

「故に我らもこうして試す機会があるという訳だな」

 

 

小さくなった2体の神――カルマはユウと同じぐらいの真っ黒で長い髪の少年に、アナトはシゲルより少し背の高いナイスバディな女性になった。

 

 

 

「ってアナト、女だったの!?」

 

「我は女神だぞ。別に不思議でもないだろう」

 

 

ユウがその言葉に納得するとシゲルがカルマを見た。

 

 

 

「試すってことは…俺達と勝負するってことか?」

 

「そういうことじゃの…わしはユウと、アナトはシゲルと戦うことになるの」

 

 

「我らが認めた褒美は我ら…我とカルマのカードの解放と、新たな力への手掛かり…そして世界の矛盾の事をお主らに話すということ。だが試練で我等を認めさせることが無かったら……その時は後で話すとしよう」

 

 

 

実を言うと3人の持つカードは使うことができなかった。カードの絵図もテキスト表示の部分はまっさらで、名前すら入って無かった。

 

 

だが、其々そのカードの名を知っていた。理由は分からないが頭の中にイメージが浮かんでくる感じで知っていたのだ。

 

 

「世界の矛盾について何か知っているの?」

 

「うぬ…じゃが、そのことを含めワシらに力を見せることができぬのなら…お主等が管理局に勝つなぞ、到底無理な話じゃ。その時は決めてもらうぞ」

 

 

カルマがそう脅かすように言うも、ユウとシゲルはもう戻ることはしない。

 

 

「勝ってやるよ、そして教えてもらうぞ!」

 

「ほう…我らに対してその様な強気でいられるとはの」

 

 

そう言って各々デュエルの準備を始めようとしていた。だが、ツバキが手を上げて聞きたい事を聞いた。

 

 

 

「ちょっと待って、コスモスは?私のカードの…」

 

「コスモスか…実はのう…コスモスは200年近く前に何者かによって封印されておるのじゃ」

 

「封印?」

 

 

精霊で封印とはどういうことなのか、ユウが聞き返すとそれに答えたのは予想外にダークだった。

 

 

「精霊達は生まれるときに自身の力を引き出す為にカードと共に生まれるのだ。だが最近…200年の間に精霊のカードに特殊な力を発動させ、カードに精霊を閉じ込める事件が起こっておるのだ」

 

「なるほどな…その力はたとえ神と言えど抗えないということじゃの…」

 

 

ウリィの言葉にダークが頷いていた。するとカルマとアナトの腕にデュエルディスクが現れた。しかもデッキはセット済みだった。

 

「初めは我とシゲルだ。そして――メインデッキはシゲルのと同じモノを使う」

 

「メインデッキはってことは……エクストラは――」

 

 

ユウがそこまで言った時、アナトは一枚のカードを取り出した。

 

 

「我等ののエクストラは其々一枚だ」

 

「なっ…融合主体の剣闘獣でたった一枚のエクストラだと…!!」

 

 

剣闘獣のデッキを持つシゲルは、剣闘獣の長所を知っていた。それは融合を使わない融合モンスターだった。その戦法で、時には意表を突く戦法も取ることができる。

 

だが、それをアナトはしないというのだ。

 

 

―アナトのターン―

 

「我のターン!!剣闘獣ラクエルを召喚!!」

 

 

ラクエル/ATK1800

 

ラクエル――シゲルのデッキでは比較的召喚されるモンスターだ。

 

 

「更にスレイブタイガーを特殊召喚!!効果は知っておるな?」

 

「ああ…場に剣闘獣がいる時特殊召喚できるモンスター…デッキから何かを出す気だな」

 

 

そう言うと、ラクエルはスレイブタイガーに乗っかると何処かへ行ってしまった。

 

 

「その通り。ラクエルをデッキに戻してセクトルを特殊召喚する!!」

 

 

セクトル/ATK400

 

 

「カードを2枚伏せて、ターン終了!!主のターンじゃ!!」

 

 

アナト

LP4000 手札2枚

セクトル/ATK400

伏せカード2枚

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン!!(セクトルを攻撃表示…あれは確か俺のデッキと同じものだったはず。だったら…伏せカードは攻撃反応型のディフェンシブ辺りか…?)手札から剣闘獣ダリウスを攻撃表示で召喚!!」

 

 

場に馬の頭の獣人が現れた。

 

ダリウス/ATK1700

 

 

「更に剣闘の威嚇(グラディアル・バーツ)を発動!!手札のバウンドをデッキに戻し、相手の魔法・罠を一枚破壊する!!」

 

 

 

剣闘の威嚇(グラディアル・バーツ)

通常魔法

手札の「剣闘獣」と名のついたモンスターをデッキに戻して

相手の場の魔法・罠カードを一枚破壊する。

このカードを墓地から除外することで

手札から「剣闘獣」と名のついたモンスターを特殊召喚することができる。

 

 

「チェーンだ、ディフェンシブタクティクスを発動する。効果説明はいらないはずだろう?」

 

「ああ。カードを伏せてターン終了だ」

 

 

シゲル

LP4000 手札2枚

ダリウス/ATK1700

伏せカード1枚

 

―アナトのターン―

 

「我のターン!では我はバトルを行う!!」

 

「なに…?攻撃力が低いセクトルでだと……まさかそのカード…!!!」

 

 

 

シゲルが気になっていたもう一枚の伏せカード――ブラフでなければ剣闘獣の戦車やパリィの様なカウンターか――

 

 

「そのまさかだ…ディフェンシブタクティクスを発動!!」

 

 

2枚目の守りのカード――ディフェンシブタクティクスだ。シゲルのデッキにディフェンシブタクティクスは2枚入っている。そしてアナトのデッキはシゲルと同じだ。

 

だが、それが同時に手札に来ることは全くと言っていいほどない。

 

 

「セクトルによって我が受ける戦闘ダメージを失くし、破壊されない!!そしてバトルフェイズ終了時セクトルの効果発動!!デッキより現れろ!!ムルミロ!オクタビウス!」

 

ムルミロ/DEF400

オクタビウス/ATK2500

 

 

アナトの場に魚の様なモンスターと鳥人が現れた。するとムルミロの生み出した泡がダリウスを包み込んだ。

 

 

「ムルミロの効果…フィールド上の表側モンスターを破壊する!ダリウスを効果発動前に破壊する!!」

 

「クッ…更にオクタビウスの効果もある…だろ?」

 

 

そう、オクタビウスの効果はシゲル自身もよく知っていた。ウリィと同じ魔法・罠破壊効果がある。

 

 

魔法・罠を破壊する――ならば、

 

 

「伏せカード発動!!音程調律!!手札を一枚捨て、リゾネーターと名のついたモンスターを特殊召喚する!!」

 

 

音程調律

速攻魔法

手札を一枚捨て発動する。

デッキ・手札から「リゾネーター」と名のついたモンスターを1体特殊召喚する。

このカードを発動したターン、自分は通常召喚ができない。

 

 

「効果により、フレア・リゾネーターを特殊召喚する!!」

 

 

シゲルの場に炎の音叉を持った悪魔が現れた。一先ずこれで、次のターンシンクロを行うことができる。

 

 

「ふむ…我はこのままターンを終える」

 

アナト

LP4000 手札3枚

セクトル/ATK400 オクタビウス/ATK2500  ムルミロ/DEF400

伏せカード無し

 

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン!!俺は剣闘獣アンダルを攻撃表示で召喚!!」

 

 

フィールドに鎧を身に纏った大きなクマが現れた。

 

アンダル/ATK1900

 

 

「レベル4、剣闘獣アンダルにレベル3チューナーモンスター、フレア・リゾネーターをチューニング!!獣の命を喰らいし者よ、今ここに全ての魂を喰らい尽くせ!!」

 

☆4+☆3=☆7

 

「響き渡れ…ソウル・ブラック・ドラゴン!!」

 

「グアァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

 

チビ龍だったソウルは、シゲルの場に来ると巨大なドラゴンへと変わった。それを見たアナトは嬉しそうに笑っていた。

 

 

「ほう…少し見ない間に凛々しい姿になったのう」

 

「すっかりお婆ちゃん顔じゃねぇか…フレア・リゾネーターの効果発動!!このカードを素材としたシンクロモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる!!」

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400→2700

 

 

「バトル!!ソウルでセクトルに攻撃!!ブラック・シュート!!」

『グアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』

 

 

オクタビウスではなく、セクトルを狙った理由はアナトが予想以上に剣闘獣の使いに慣れていた。展開力のあるセクトルがいれば、更に不利になる可能性があった。

 

黒い炎がトカゲの様なモンスターを包み込んだ。そしてセクトルは破壊された。

 

 

アナト/LP4000→1600→1300

 

 

効果を含めて大ダメージを与えることができた。だが、何処か腑に落ちない――

アナトの戦術は、デッキを含め自信と同じ毛色になるはずだ。だが、セクトルを守る手も無くそのまま放置したとは考えにくい――

 

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターン終了だ」

 

シゲル

LP4000 手札0枚

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2700

伏せカード2枚

 

―アナトのターン―

 

「我のターン!!ククク…ソウルを出して、我のライフを削った事は認めてやろう…だが、我の試練は此処からだ!!手札からコール・リゾネーターを発動!!デッキからレベル・リゾネーターを手札に加える!!そしてレベル・リゾネーターの効果発動!!場のレベル5以上のモンスターのレベルを2つ下げることで特殊召喚できる!!」

 

 

レベル・リゾネーター

効果モンスター・チューナー

星2/闇属性/悪魔族/ATK1800/DEF900

このモンスターは通常召喚できない。

自分フィールド上のレベル5以上のモンスターのレベルを2つ下げることで、

手札からこのカードを特殊召喚できる。

この効果を発動したターン、自分は通常召喚できない。

このモンスターは攻撃することができない。

 

レベル・リゾネーター/ATK1800

 

アナトの場に星のマークの入った甲羅の様な物を背負った悪魔が現れた。

 

 

「レベル合計…5か7…ソウルを召喚する気か…!?」

 

「残念だ。一つだけ言い忘れていたが…エクストラは貴様のカードではない」

 

「「「!?」」」

 

 

シゲルのカードではない――つまり、見たことの無いカードが出てくる可能性があった。しかも、出されるカードはエース級のカード――

 

 

「(待てよ…確かこれは『アナトの試練』のはず…そして…アナトは…!!!)まさか…あれを…!!」

 

「どうやら気付いた様だな。それでは行くぞ…レベル3剣闘獣ムルミロとレベル5となった剣闘獣オクタビウスにレベル2レベル・リゾネーターをチューニング!!」

 

 

「「合計レベル10!?」」

 

 

ユウと神楽が驚いていると周囲に強力な風が吹いた。

 

 

それをユウは知っていた。そう、研究所で戦ったあの女性がシンクロ召喚を行った時と同じ――

 

 

「全てを統一すべし神よ、争う者達を鎮め新たな力を導け!!」

 

 

☆3+☆5+☆2=☆10

 

 

「シンクロ召喚!!降臨せよ…アナト!!」

 

 

アナトの持っていた『白い絵柄とテキストの無いカード』に絵柄とテキストが浮かび上がった。

 

 

Annatto - god of war -

Synchro Effect Monster

star10/ATK4000/DEF4000/Phantom Beast God/God attribute

Tuner + 2 or more non-Tuner monsters

This card can not be subject to any opponent's Spell and Trap and effect monsters.

When they are taken away from the field by the effect card

Special Summon 1 monster from the Graveyard body that was used to Synchro Summon.

If this monster is destroyed a monster in battle,

Special Summon a monster from your Deck.

Monster summoned by this effect is the effect of the monster Special Summoned himself,

It will be treated as a Special Summoned.

Once, I can return to the deck of the cemetery monster per turn.

I can End Phase of the turn this card is sent to the graveyard by the effect card, you can Special Summon it.

 

 

フィールドに先程と同じ様な巨大な狼が現れた。

 

 

アナト/ATK4000

 

 

「攻撃力…4000…!!!」

 

「バトル!!アナトでソウルに攻撃!!ゴッド・クロウ・スラッシュ!!!」

 

 

アナトは振り上げた爪でソウルを切り刻んだ。その余波は大きく――

 

 

「グオォォォォォォォ!!!!」

 

 

「キャア!!」

「うわぁ!!」

 

「きゃあ!!」

「うわぁ~!!」

「グリ~!!」

 

シゲルだけではなく、ユウとツバキ――精霊達にもその余波が伝わった。

 

 

シゲル/LP4000→2700

 

 

だが、『神のカード』の力はまだ使われてもいなかった――

 

 

「アナトの第一の効果発動!!このカードが相手のモンスターを戦闘で破壊した場合デッキからモンスターをそのカード自身の効果で特殊召喚する!!剣闘獣ディカエリィを特殊召喚する!!」

 

ディカエリィ/ATK1600

 

「その召喚に対して伏せカード剣闘同調を発動!!墓地のレベル3、フレア・リゾネーターとアンダルをゲームから除外して墓地のソウルを再び特殊召喚!!」

 

 

剣闘同調(グラディアル・シンクロ)

速攻魔法

相手がモンスターの特殊召喚に成功した時発動することができる。

墓地のシンクロモンスターを選択し、そのモンスターと同じになるように

墓地のチューナーモンスター1体とチューナー以外のモンスター1体以上除外する。

選択したモンスターを特殊召喚する。(この特殊召喚はシンクロ召喚扱いとなる)

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400

 

 

「ほう…これをかわすとは…カードを3枚伏せ、アナト第二の効果発動!!墓地のモンスターを一体デッキに戻すことができる!セクトルをデッキへ!!これでターンを終える!!」

 

アナト

LP1300 手札0枚

アナト/ATK4000 ディカエリィ/ATK1600

伏せカード3枚

 

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン!!(ソウルの効果でバーンダメージを与えれば奴を倒せる…だが、あいつの表情…確実に何かを狙ってる)」

 

 

引いたカードを確認しながらチラリとアナトの表情を見た。だが、あれこれ考えていても始まらない――

 

 

「手札から剣闘獣ベストロウリィを通常召喚!!」

 

『うむ、些か今までよりも強力な敵じゃの…』

 

 

ベストロウリィ/ATK1500

 

 

ウリィがそういいながらアナトを見上げた。その大きさと、威圧感に2人とも押されぎみだった。

 

 

「更に異次元からの帰還を発動!!ライフを半分払い、除外されているフレア・リゾネーターと剣闘獣アンダルを特殊召喚!!」

 

 

シゲル/LP2700→1350

 

アンダル/ATK1900

フレア・リゾネーター/DEF1300

 

 

「更にベストロウリィとアンダルをデッキに戻し、剣闘獣ガイザレスを特殊召喚する!!」

 

『力がみなぎるぞ!!!』

 

 

ウリィに鎧が纏って行き、そしてガイザレスとなった。それと同時に強力な風が吹いた。

 

ガイザレス/ATK2400

 

 

「ガイザレスの効果発動!!召喚成功時、フィールドのカードを2枚まで破壊することができる!!アナトと真ん中の伏せカードを破壊する!!」

 

 

そう宣言した瞬間ガイザレスが翼をはためかせ、強力な風が巻き起こった。

それがアナトの巨大な体と一枚のカードを包んだが――

 

 

「残念だが…アナトの第三の効果は相手のカード効果の対象にはならない」

「ッ……不発か」

 

 

そう言っているうちに、伏せられていた『眠る魂の咆哮』が破壊されていた。

その時、ふとシゲルは気付いた――

 

 

「(まずったな…メインは同じだから眠る魂の咆哮は入っていてもおかしくない…エクストラに融合体がいなくても…)」

 

 

ブラフのカードを破壊してしまったのに気付いた。正直意味の無い状態でも入れなくてはいけないカードがある。その中の一枚が眠る魂の咆哮だ。

 

上手い具合にブラフに引っかかってしまった。

 

 

「なら…墓地のスレイブ・ワームの効果発動!!フィールドの融合モンスターのレベルを2つ下げ、このカードを特殊召喚する!!」

 

「ほう…音程調律の効果のときか」

 

 

そう、フレア・リゾネーターを召喚した際に墓地へ送ったカードだ。

 

 

スレイブ・ワーム

効果モンスター

星1/地属性/昆虫族/ATK600/DEF0

このカードが墓地に存在する時、

自分フィールド上の融合モンスターのレベルを2つ下げることで

このカードを特殊召喚することができる。

この効果で特殊召喚に成功した時、フィールド上のカードを破壊することができる。

 

 

「スレイブ・ワームの効果発動!!特殊召喚成功時、フィールドのカードを破壊する!!(アナトは対象に取れない…ならば…)その伏せカードを破壊!!」

 

 

スレイブ・ワームがアナトの場の伏せカードを食べ始めた。そのカードは剣闘力――またもやブラフだった。

 

 

「ククク…さあ、どうする?もうネタ切れか?」

 

「っ…レベル4となった、剣闘獣ガイザレスとレベル1のスレイブ・ワームにレベル3、フレア・リゾネーターをチューニング!!獣の魂を受け継ぐものよ、仲間と共に新たな力となれ!!」

 

 

☆4 + ☆1 + ☆3 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚!!闇に染まれ…剣闘龍(グラディアル・ドラゴン)ダーク・ガブリアス・ドラグーン!!」

 

 

フィールドに細い体の黒いドラゴンが現れた。

その姿はソウルにそっくりだった。

 

 

ダーク・ガブリアス・ドラグーン/ATK2700→3000

 

 

その時、セメタリーに送られたウリィはシゲルの瞳が赤色に代わっている様な気がした――

 

 

「ダーク・ガブリアス・ドラグーンの効果発動!!召喚成功時、フィールドのドラゴン族1体につきカードを1枚ドローする!!ソウルとガブリアスがいるから2枚ドロー!!」

 

 

剣闘龍 ダーク・ガブリアス・ドラグーン

シンクロモンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/ATK2700/DEF2300

チューナーモンスター+チューナー以外のモンスター2体以上

このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、

フィールド上のドラゴン族1体につき、カードを1枚ドローできる。

このカードがカード効果で墓地に送られた時、

相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。

 

 

「……(テイク・オーバー・ファイブとイージーチューニング…クッ…引き運が悪かった…)テイク・オーバー・ファイブを発動!!デッキの上からカードを5枚墓地に送る!!」

 

墓地に送られたカードに今の状況で有効に使うことのできるカードはなかった。

 

 

「っ…ソウルの効果発動!!ダーク・ガブリアス・ドラゴンをリリースし、その攻撃力…3000ポイント攻撃力を上げる!!」

 

 

ソウル/ATK2400→5400

 

 

「そしてガブリアスの効果発動!!カード効果でフィールドを離れた時、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!!選択されない効果だと、アナトも破壊できる!!」

 

 

そう宣言した時、ダーク・ガブリアス・ドラグ―ンが翼を広げ、アナトとディカエリィへと突っ込んだ。

 

 

「そうか!それなら向こうの場はがら空きに――」

 

 

ツバキがそこまで言った瞬間、アナトのフィールドはなにも『無くなるはず』だった。

 

 

「残念だがアナトの第四の効果、効果で破壊された場合墓地のモンスター1体を特殊召喚する!場に戻れ!オクタビウス!!」

 

 

オクタビウス/ATK2500

 

 

「クッ…だがこの攻撃が通れば終わりだ!!ソウル・ブラック・ドラゴンでオクタビウスに攻撃!!メガ・ブラック・シュート!!」

 

 

ソウルの放った漆黒の炎がオクタビウスへと向かっていた。が――

 

 

 

 

「残念だがそうもいかん!!伏せカード発動、ディフェンシブタクティクス!!」

 

「なっ…デッキに戻ったカードを引いていたのか…!!」

 

 

オクタビウスの前方に現れたバリアに阻まれ、攻撃が止まった。

ダメージも与えれず、攻撃モンスターもいないためもう打つ手はない。

 

 

 

「カードを伏せターン終了!!」

 

ソウル・ブラック・ドラゴンの攻撃力が元に戻り、オクタビウスよりも下になってしまった。

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK5400→2400

 

 

シゲル

LP1350 手札0枚

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400

伏せカード1枚

 

 

―アナトのターン―

 

アナトの手札はなく、場にはオクタビウスだけだった。一方シゲルの伏せカードはイージーチューニングなので、オクタビウスで攻撃してくれば効果も含めてシゲルの勝ち――のはずだった。

 

 

「クックック…」

 

 

だが、アナトの顔は明らかに勝ちを確信していた顔だった。

 

 

「我のターンを迎える前にアナトの最後の効果が発動する!!」

「っ!?…まだ効果があるのか…!!」

 

 

効果の多さにシゲルは顔をしかめた。神のカードと言われてる『オシリスの天空龍』や『オベリスクの巨神兵』、そして『ラーの翼神龍』でも多くて3つか4つ…だがアナトは第五の効果を発動させた。

 

 

「このカードがカード効果で墓地に送られた時、そのターンのエンドフェイズ自分フィールドのモンスターをリリースすることで特殊召喚される!!場に戻れ、アナト!!」

 

「クッ…自己回復効果……どんだけって言う話だ…」

 

シゲルの言葉に反応するようにオクタビウスが消え、フィールドに再び巨大な狼が現れた。

 

 

「我のターン!!バトル!!アナト…我自身でソウル・ブラック・ドラゴンに攻撃!!」

 

 

アナトが腕を振り上げ、ソウルに向かって振り下ろした。

 

 

「…こいつが、最後のあがきだ!!リバースカード、イージーチューニングを発動!!墓地のレベル・リゾネーターを除外して攻撃力を吸収する!!」

 

 

テイク・オーバー・ファイブの効果で墓地に送られたレベル・リゾネーターが現れ、そして消えた時に現れた炎がソウルに纏わりついた。

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400→4200

 

 

これでソウルの攻撃力が神を超えた。

 

 

「ソウル、最後の迎撃だ!!メガロ・ブラック・シュート!!」

 

 

口に漆黒の炎を貯めてそれをアナトに向けて放った。

 

 

 

 

 

 

「ならば我もそれに応えようとするかの…速攻魔法イージーチューニング!!」

 

「なっ…!?」

 

 

まさかアナトもイージーチューニングを使うとは思っていなかったシゲルは驚きの声を上げていた。

 

 

「墓地のレベル・リゾネーターを除外し、その攻撃力1800ポイントアップする!!」

 

「…………………」

 

 

アナト/ATK4000→5800

 

更に攻撃力の上がったアナトを見て言葉を失ったシゲル。この状況で、もう打つ手も何もなかった。

だが――

 

 

 

「………っ…はははははははははははは――!!!!!!!!」

 

 

突然笑い出した。それにユウもツバキもイナもダークも驚いた目でシゲルを見た。

 

 

 

「はぁ…完封負けか。来いよ神…その攻撃…受け止めてやる」

 

アナトの言葉にシゲルは笑いながら返した。

 

 

 

「ほう…覚悟は良いと見る…バトル続行!!ゴット・クロウ・スラッシュ!!」

 

『ガァァァァァァアァァァァァ!!!!!!!!!!!!!』

 

 

シゲル/LP1350→0

 

「ッ……」

 

 

アナトの攻撃の余波で片膝をついたシゲル。そこに傷付いたチビソウルが飛んできた。そして心配そうにシゲルを見上げた。

 

 

「……悪いな…ソウル…痛い目にあわせて…勝てなくて」

 

「ガァ……」

 

 

シゲルの言葉に残念そうにソウルが俯いた。その1人と1匹を尻目に今度はカルマがディスクを構えた。

 

 

「さて…次はワシとユウのデュエルじゃ」




作中、英文で出てきたアナトの効果は以下です。

戦いの神―アナトー―
シンクロ・効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/ATK4000/DEF4000
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
このカードは相手の魔法・罠・モンスター効果の対象にはならない。
このカードが相手によってフィールドから離れた時
シンクロ召喚に使用したモンスターを1体墓地から特殊召喚する。
このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、
自分のデッキからモンスターを特殊召喚する。
この効果で召喚したモンスターは特殊召喚したモンスター自身の効果で、
特殊召喚した扱いになる。
1ターンに一度、墓地のモンスターをデッキに戻すことができる。
このカードがカード効果で墓地に送られたターンのエンドフェイズ、
自分フィールドのモンスターをリリースすることで特殊召喚することができる。

ユウ「すごい効果だね…」
解説すると一番最初の対象にならない効果は原作神をリスペクト、破壊された時の効果と戦闘破壊した時の効果は神として他には無い効果で。
最後の効果は極神をイメージだね。
シゲル「種族と属性があれなのは、神をイメージか?」
まあ、そうだね。

ツバキ「デッキ内容が…全く同じって」
そういう戦いも面白そうだけど、もはや3人のデッキはコピー不可能だからね。
ベストロウリィやガイザレス、そしてシンクロ系統は全部3人しか持ってないから。
シゲル「使い慣れすぎだろ…」
いろんな意味で『神』だからね。
そしてこの神たちは言わずもなが、ストーリーに深く関わってくるよ。

次回予告
次に行われたカルマの試練。
その戦いでユウは持てる全ての力を神に向けた。

だが、カルマは予想外のコンボを繰り出した――


次回turn24 生命の小神
最強カードは「God of Life - Karma - 」
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