―アカデミア港―
「ここがアカデミアか…」
「結構いい所ですね」
アカデミアの港に降り立った剱都と紫苑はそう言った。
ちなみになぜ紫苑だけでなく、剱都までいるのかというと――
―2時間前―
「俺達が世界の矛盾と呼ばれてるいる理由は…分かった…」
シゲルの言葉に他の4人は何も言えなかった。シゲルもその言葉の先が出なかった。あまりにも5人のとって大きすぎる話だったのだ。
『
それがユウ、ツバキ、シゲル、剱都の事だった。山本や他の人たちは別の生活を行っていたのがアカシックレコードに書かれていた。
だが、どこを探しても5人の事が書かれてなかった。
そして、紫苑はアナトが言っていた『死亡した者』だった。
つまり紫苑も世界の矛盾の一人といっても良い。
『それと…我が来たのはもう一つ理由がある。奴らがお主等を責めてきた時の対処法が無かろう?』
「あ、ああ…俺はともかく、4人は…」
剱都は護身用に柔道と合気道を取得している。だがそれでも――
『奴らを甘く見ない事じゃな。スポーツや競技ではない。殺し合いなのだ』
アナトの言葉がツバキに深く響いた。誰かを傷つけたり、傷つけられたりするのに心が苦しめられていたのだ。
だが、それを知ってか知らずかアナトは5人の目の前に何かを転送した。
『突貫工事だが、急いで作ったのだ』
そして転送されたソレは5人には見覚えのある物だった。
今現在客室と剱都の自室に置かれているデュエルディスクとほぼ同じ形の――
『精霊界での現象を人間界でも起こすことのできるモノだ。それがあれば戦うことはできる』
デュエルディスク――それも其々ユウは深い銀色、ツバキは明るい赤色、シゲルは薄い黒色、紫苑は淡い青色、剱都は暗い黄色のカラーリングだった。
『それにカードをセットすると精霊化でも使えた実体化する力が働く。奴らの言う『デバイス』と同じものと考えた方がいいかの』
奴ら――時空管理局の事だ。3人は実際のその力を目にして、かつて紫苑はそれを手にしていたことがある。
遠く離れた気が真っ二つに折れ、辺りを焦がす力――普通に考えれば勝てる可能性はない。
しかし、
『む、そろそろ限界かの…我らは基本精霊界を離れることはできぬ、此処から先人間界での事はお主等に任せるぞ』
―1時間後―
「それじゃあ、そろそろ俺達はアカデミアに戻った方がいいな」
時刻はそろそろお昼時、フェリーの数はそう多くないため早めにアカデミアに向かった方が良かった。
すると剱都は――
「よし、じゃあ山本。車回してくれ。あとしばらくの間会社頼むぞ」
「畏まりました」
剱都の言葉に4人は首を傾けた。別に車を回せというのはおかしくない。しかし会社を頼むとは――?
「俺も今日からアカデミアに向かう。既に校長と理事には話を通してある」
「「…はぁ!?」」
「嘘よね!?」
「手際が良いですね」
―回想終了―
それぞれがディスクを持ってアカデミアに戻ってきたのだ。その間会社の意向はほぼ山本がすることに――が、戻ってきて早々問題が――
「………うぉぇ…」
「シ、シゲル…大丈夫?」
シゲルが船酔いしたのだ。実を言うとシゲルは船の揺れが大の苦手で入学日も保健室で少し休んだのだ。
そして酔い止めもないため酔ってしまったのだ。
「あ~もう!!ツバキはシゲルを保健室に運んで行け!ユウは事情説明の為に紫苑と俺と校長室に行くぞ!」
剱都の号令の元、其々そういう行動をすることに――
―保健室―
『いない?』
「ええ。朝早くから室内にいなかったわ。デッキもロストロギアもね。けど昨夜から今朝私が行くまで魔力反応も無かったから誰かの所に行ったと《コンコン》あら?誰か来たわ。続きは後で」
クロノとの通信を切ったシャマルは扉を開けて入ってくる生徒を注目し、驚いた――
いまさっき会話に出していた3人のうちの2人、シゲルとツバキだったのだ。
だがシゲルの様子がおかしかった。
「えっと…獣斬君どうしたの?」
「…それ…うぷ…」
「えっと…私の家族がこの学園に来るんだけど、その迎えに本島の港まで行ったたら、その時シゲルが酔っちゃって…」
尤もらしい嘘をツバキが言った。剱都がそう言うように言ったのだ。
「(なるほどね…だから朝早くからいなかったのか…)酔い止めを出すわ。少しはましになるでしょ。あとそこのベットで寝ときなさい」
保健室のベットを指さしたシャマルは棚から酔い止め薬を取り出しに行った。シゲルはベットに寝っ転がると腕で目を覆った。昔から船だけは酔うのだ。
車や飛行機はともかく船だけは――
「はい、酔い止めよ。これを呑んで寝てなさい」
薬とグラスの水を受け取ったシゲルはそれを一気に飲み干すと横になったって寝息を立てた。
「えと…みんなを探しに行くので…シゲルをお願いします」
そう言うとツバキは保健室を出て行った。シャマルは寝ているシゲルを一瞥し、その横の黒いデュエルディスクを見た。
「(このディスク…昨日まで無かった…いえ、今はそれどころじゃない。寝ている間にロストロギアの回収を…)」
そう思ってシャマルはシゲルの腰のデッキケースに手をかけた。
―校長室―
「精霊界ですか…ですが、その様子では嘘ではない様ですね」
鮫島校長はユウ達の説明にそう言った。粗方剱都が船に乗る前に説明していたのでスムーズに説明することができた。すると鮫島校長はデスクの引き出しの一番下からある物を取り出した――
「これは本校の生徒手帳です。肌身離さず持っていてください」
「「ありがとうございます」」
それを受け取った2人は持っていたバックにそれを入れた。ちなみに2人の恰好は私服で、制服は後日届けられる予定だった。
「では部屋ですが…剱都君はレッド寮の空き部屋…詳しくは管理人の大徳寺先生に聞いてください。紫苑さんはブルー女子寮、こちらは鮎川先生に聞いてください。詳しい話は後日するとしましょう」
鮫島校長の言葉に3人は一礼すると校長室を出た。ちなみに既に其々のカラーのディスクの使用許可は貰っていた。
―エントランスホール―
「なあ、保健室ってどこだ?シゲルの様子を見に行きたいんだが」
校長室から昇降口に向かう最中に剱都がそう言った。確かに船から降りたシゲルの様子は普段の姿を知っていると考えれないぐらい弱っていた。
「えっと、保健室は…「ん?聖牙か?どこに行っていたのだ?」え?」
保健室の場所を説明しようとするとそこにピンクのポニーテールの女性が来た。
体育教師のシグナムだった。
「あ、シグナム先生。ツバキの親戚の人を……!?」
ユウが剱都の考えた嘘を述べようとした瞬間、辺り一帯の雰囲気が変わった。
そして、その発生源は――
「ユウ、剱都。その人から離れてください」
紫苑だった。紫苑は淡い青いデュエルディスクを構え、シグナムを睨んでいた。
一方いきなりの展開についていけないユウと剱都は取りあえず言われた通りシグナムから離れた。
「貴様……!!闇の書の残滓がなぜここにいる!!」
シグナムがそう言って紫苑を見ていた。その手にはいつの間にか西洋の剣みたいなのが握られていた。
「この人はヴォルケンリッター烈火の将……つまり、管理局の一員です」
「なっ!?」
紫苑の説明にユウは驚いていた。まさかなのは達以外に管理局員が紛れこんでいるとは思っていなかったからだ。
「闇の書の残滓…いや、星光の殲滅者!!一体何の目的だ!?」
「目的…昔なら自らの使命に捕らわれていました…が、今は目的なんてありません」
そう言って紫苑はディスクを腕に嵌めた。それを見たシグナムは剣をデュエルディスクに変形させると同じように腕に嵌めた。
「みんな~どうし…一体どういう状況?」
「ツバキ…シゲルは?」
保健室からやってきたツバキが対峙してる紫苑とシグナムを見てそう言った。シゲルがいないことに首を傾けたユウは聞いてみた。
「保健室で寝たからシャマル先生にお願いして「シゲルが危ないです」え?」
いきなり声を荒げた紫苑に3人は目を丸くした。
「恐らくシャマルというはヴォルケンリッターの一人です」
「っ!?ユウ、案内しろ!!」
紫苑の言葉を聞いた剱都はユウの首元を掴んでツバキの来た方向へ走って行った。残されたツバキは混乱した目で紫苑を見た。
「え、ええと…?紫苑、どういう状況?」
「教師の中に管理局員が紛れこんでいたんです。このシグナムもその一人…」
そう聞いてツバキは驚いたようにシグナムの方を見た。今までとは違う雰囲気のシグナムに、信じられない様にツバキが聞いた。
「シグナム先生……嘘ですよね…?先生が管理局の一員なんて…」
「…姫野。本当だ。私は…私とシャマルはお前達を騙していた」
その言葉に――ツバキは静かに涙を流した。
―保健室―
寝ているシゲルの腰のデッキケースを外したシャマルは目的のカードを探した。
「…ガイザレス、ベストロウリィ…見たことの無いカードだけど違うわね……ん?何も書かれてないカード…?まさか…」
エクストラデッキスペースのカードを見ていたシャマルはそのカードが目的のカードだと判断し、そのカードを白衣の懐に――
「「シゲル!!」」
入れたと同時に剱都とユウが保健室に入ってきた。一瞬焦ったが、シャマル平常心を保って2人を見た。
「聖牙君、保健室は静かに。それにそちらの子も「先生…もう芝居は止めてください」え?」
芝居といわれて一瞬カードを抜き取ったのを見られたのかと思っていた。だが剱都はシャマルを睨んでいた。
「テメェ…管理局のスパイなんだろ!!シゲルのカードを懐に入れてるのも知ってんだ!!」
「ちょっと、一体何の事?いきなり管理局なんて…」
と、シャマルが2人から目を離して椅子から立ち上がった。が、殺気の様なものを感じてシャマルが振り返ると――
「とぼけてんじゃねぇ!!ゴタゴタ言ってないで懐に入れたシゲルのカードを返せ!!」
暗い黄色のデュエルディスクを構えた剱都が殺気を放っていた。それも尋常ではないほどの量だった。
「ク、クラールヴィント!!」
《Duel mode on》
シャマルの呼びかけに応えるように腕にデュエルディスクが現れた。
それと同時にシャマルの服が白衣から緑の魔導服へと変わった。
「ユウ!!お前はシゲルを起こせ!!」
「う、うn「無駄よ。服用させたのは睡眠薬…恐らく後1時間は寝たままね」っ!?」
先程シゲルに渡したのは酔い止めではなく、強力な速攻性の睡眠薬だった。
その為シャマルが慌てることなくじっくりデッキを見る事が出来たのだ。
『まあ、ワシらにはじっくり見えておったがの』
しかし
「「デュエル!!」」
―剱都のターン―
剱都がカードを引こうとした瞬間、シャマルの周囲から例の『ダメージを実体化するドーム』が辺りを包んだ。
「たく…囲いなんてしなくても逃げねぇよ…俺のターン!!俺はマシンナーズ・ソルジャーを攻撃表示で召喚!!」
狭い保健室内に片腕が剣の機械の兵士が現れた。
ソルジャー/ATK1600
「更にマシンナーズ・ソルジャーが召喚に成功した時、ソルジャー以外のモンスターがいない場合マシンナーズを1体特殊召喚することができる!!マシンナーズ・シールダーを特殊召喚!!」
ツギハギの巨大な盾を持った機械の兵士がソルジャーの呼びかけにこたえて現れた。
マシンナーズ・シールダー
効果モンスター
星4/地属性/機械族/ATK1000/DEF2100
自分フィールド上の地属性・機械族モンスターが破壊される時、
このカードを墓地から除外することで破壊を無効にする。
シールダー/DEF2100
「カードを2枚伏せターン終了!!」
剱都
LP4000 手札2枚
ソルジャー/ATK1600 シールダー/DEF2100
伏せカード2枚
―シャマルのターン―
「私のターン!!私はビックバンガールをで召喚!!」
フィールドに炎を纏った女性が現れた。
ビックバンガール/ATK1300
「更にカードを3枚伏せてターン終了よ!!」
シャマル
LP4000 手札2枚
ビックバンガール/ATK1300
伏せカード3枚
―剱都のターン―
剱都はシャマルの場のカードを見て眉をひそめた。相手の場のカードはビックバンガール、そして伏せカード。おそらく…
「(キュアバーン…か?)俺の「伏せカード発動!神の恵み!私がカードを引くたびにライフを500回復する!!」…そしてビックバンガールの効果でその時俺にダメージか」
これでシャマルの狙いが剱都の予想通りだと証明された。
「俺のターン!!(だったら速攻でケリを付ける!!)手札からマシンナーズ・ギアフレームを召喚!!効果によりデッキからマシンナーズ・リペアを手札に加える!!」
ギアフレーム/ATK1800
「二重召喚を発動し、フィールドの3体のマシンナーズを墓地に送り、マシンナーズ・バーサーカーを召喚する!!」
フィールドにユウとの戦いで召喚された
バーサーカー/ATK3500
「更にバーサーカーの効果発動!!墓地のギアフレームとソルジャーを除外し、フィールドのカードを1枚破壊する!!(キュアバーンなら、その要はあのモンスターだ!)ビックバンガールを破壊する!!」
そう宣言した瞬間バーサーカーの前に機械の残骸が集まり、それがビックバンガールに向かって飛んで行った。
「リバース罠、ライフエフェクト!!ライフを任意の数値支払うことで効果の変わる永続罠よ!ライフを3000払い、自分フィールド上のモンスターはカード効果で破壊されないわ!!」
ライフエフェクト
永続罠
発動時ライフを任意の数値(1000単位)支払うことで以下の効果を得る。
●1000
相手の効果で手札のカードを捨てなくてもよい。
また相手はドローフェイズ以外にカードをドローできない。
●2000
自分のフィールド上の「ライフエフェクト」以外の魔法・罠は相手のカードは破壊されない。
●3000
自分フィールド上のモンスターはカード効果では破壊されない。
飛んで行った残骸はシャマルの体から現れた光の壁に阻まれた。
シャマル/LP4000→1000
「うぅぅ………」
「一気にライフを3000まで…」
「それほど
シャマルの戦法について考えていた剱都は手札を確認して首よ思いっきり左右に振った。
「あぁ!!あれこれ考えるのはガラじゃねぇ!!バトル!!バーサーカーでビックバンガールに攻撃!!バーサークラッシュ!!」
バーサーカーがビックバンガールに向かって機械の残骸で出来た腕を振り上げた。
だが、その攻撃は緑の網みたいなものに阻まれた。
「攻撃宣言前にリバース罠、グラヴィティ・バインド-超重力の網-を発動したわ!レベル4以上のモンスターは攻撃を行えない!」
「なっ…ロックキュアバーンデッキだと…!!」
ロックバーンとキュアバーンの利点を合わせたデッキ――ロックバーンは相手を封じるために自分のライフを減らしたり、モンスターが少ない傾向がある。
逆にキュアバーンはモンスターを守るカードをあまり入れず、ライフ回復カードを多く入れる傾向がある。
そのメリットの部分を合わせたデッキ――それがロックキュアバーンだ。
「クッ…ターンエンド!!」
剱都
LP4000 手札2枚
バーサーカー/ATK3500
伏せカード2枚
―シャマルのターン―
「私のターン!ドロー!!神の恵みの効果でライフを500回復!!そしてビックバンガールの効果で500ダメージ!!」
「クッ…」
シャマル/LP1000→1500
剱都/LP4000→3500
初めて実体化するダメージを受けた剱都だったが、500だったためそれほど苦にはならなかった。
「更に盗人ゴブリンを発動!!相手に500ダメージを与え、私はライフを500回復する!!更にビックバンガールの効果で500ダメージ!!」
「っ…!!」
シャマル/LP1500→2000
剱都/LP3500→3000→2500
どんどん剱都のライフが削られていってる。しかももう2人のライフ差は無くなっていた。
その上苦痛がどんどん蓄積されているようだった。
「カードを2枚伏せてターン終了!!」
シャマル
LP2000 手札0枚
ビックバンガール/ATK1300
伏せカード2枚 神の恵み ライフエフェクト グラヴィティ・バインド
―剱都のターン―
「俺のターン!!(クソ…チューナー以外で網を抜けれて、チューナーの中にあれを倒せるモンスターがいない…)俺は
剱都は引いたカードを見てこの場を切り抜ける方法を思いついた。
「(だがその為には…あのカードが…)俺はマシンナーズ・ドッグを守備表示で召喚!!」
剱都の場に新たに機械で出来た犬が現れた。見た感じ狩猟犬の様なフォルムで背に小さなバルカンが付いていた。
マシンナーズ・ドッグ/DEF1000
「ターン終了!!」
剱都
LP2500 手札2枚
バーサーカー/ATK3500 ドッグ/DEF100
伏せカード2枚
―シャマルのターン―
「私のターン!!(上手くいけばこのターンで…)リバース罠、シモッチによる副作用を発動!!」
「な!?キュア・ロックに続いてシモッチバーンだと!?」
恐らくシャマルのデッキは…
有名な『ロックバーン』『キュアバーン』『シモッチバーン』――恐らく他にもあるだろう。
しかもその手段はロックバーンで相手の動きを封じ、シモッチバーンで相手の回復を封じ、キュアバーンでライフを回復する。
そのコンボに他のバーン系統のコンボ…そう考えるだけでえげつない。
「そしてドローフェイズ、ドロー!神の恵みとビックバンガールのコンボで回復とダメージ!!」
「うぁ!!」
シャマル/LP2000→2500
剱都/LP2500→2000
とうとう2人のライフが逆転した。だがまだ一度も攻撃が成功していないのにここまで削られたのだ。
「クッ…!!オールバーンなんて聞いたこと無いぞ…!!」
「更に伏せカード、成金ゴブリンを発動!!私はカードを1枚ドローし、相手のライフを1000回復する…けど、シモッチの効果でダメージへと変わる!!」
ここでシモッチバーンで有名な成金ゴブリンのコンボだ。
だがそのコンボよりも今の状況は一歩上を行く。
「グッ…うわぁぁあぁあぁ!!!!」
剱都/LP2000→1000
「更にドローしたことにより、神の恵みとビックバンガールの効果発動!!」
「なっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
シャマル/LP2500→3000
剱都/LP1000→500
ドローしたことによる回復に反応して発生するバーン。どれもがうまくかみ合っているように見える。
既に3500のダメージを受けている剱都は見た目より精神的にダメージが大きかった。
着ている服がヨレヨレで全身が小刻みに震えているが、それ以上に息をするのがしんどくなっていた。
「(…引いたカードは2枚目のシモッチ…残念ね)カードを伏せて、ターン終了」
シャマル
LP3000 手札1枚
ビックバンガール/ATK1300
伏せカード シモッチによる副作用 神の恵み グラヴィティバインド ライフエフェクト
―剱都のターン―
シャマルのコンボはすでに完成しており、このままだと剱都が負けていた。
「俺の…ターン…!!」
だが、シャマルは2つミスを犯した。一つは攻撃はないと思いビックバンガールを攻撃表示にしていたこと。
もう一つは――
「ドロー!!(来た!!)」
剱都を一般人だと思って油断していたこと。
「リバースカードオープン!!死者蘇生!!墓地のマシンナーズ・ブレードを特殊召喚!!」
マシンナーズ・ブレード/ATK2200
フィールドに巨大な剣を持った機械の兵士が現れた。しかしシャマルのカードで身動きができない。
「そしてリバースカード、
「残念ね。手札断殺、魔法カードよ」
そう神の恵みとのコンボの為のカードだが、シャマルの手札は1枚、発動できないカードだった。
「…場のマシンナーズ・ドッグを除外する」
「ふふ…これでますますあなたが不利に「ならねぇよ」え?」
確実に今現在の状況は剱都の不利だった。だが剱都は勝負を諦めたような眼や、焦っている目をして無かった。
「これで安心して…勝ちを狙いに行ける」
むしろ、勝ちを確信した眼だった。
「除外されたマシンナーズ・ドッグの効果発動!!カード効果によってこのカードがフィールドから離れた時、デッキから地属性・機械族モンスターを手札に加えることができる!!マシンナーズ・スナイパーを手札へ!!」
マシンナーズ・ドッグ
効果モンスター
星3/地属性/機械族/ATK800/DEF1000
このカードがカード効果でフィールドから離れた時、
デッキから「マシンナーズ・ドッグ」以外の地属性・機械族モンスターを手札に加えてもよい。
「そんなモンスター手札に加えたところで何も変わらないわ!!」
そう、シャマルは自身の勝ちを疑って無かった。なにがあっても場のカードで勝てるはずだった。
「マシンナーズ・リペアを攻撃表示で召喚!!」
マシンナーズ・リペア
効果モンスター(チューナー)
星2/地属性/機械族/ATK200/DEF500
このカードが表側表示で存在するとき1ターンに一度
カード効果で破壊された機械族モンスターを特殊召喚できる。
マシンナーズ・リペア/ATK200
「そして…これが俺のデッキのエースだ!!レベル6のマシンナーズ・ブレードにレベル2、マシンナーズ・リペアをチューニング!!
機械の魂を持つ翼竜よ、その鋼鉄の翼で仲間を敵の脅威から守りたまえ!!」
☆6 + ☆2 = ☆8
「シンクロ召喚!!吹き飛ばせ、クロック・ゴールド・ドラゴン!!」
『グルルルルルァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!』
場にチビ龍だったクロックが、本来の姿――鋼の鎧に身を包んだ翼竜へと変わった。
その体からは無数の銃身が生えており、背には巨大なガトリングがシャマルを狙っていた。
クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300
「シンクロ召喚…けど、レベル8なら攻撃は――」
「クロックに見え見えの罠は通じない!!シンクロ召喚成功時、相手の場の表向きの魔法・罠カードを全て破壊する!!オートファイア!!」
クロック・ゴールド・ドラゴン
シンクロモンスター
星8/地属性/ドラゴン族/ATK2300/DEF2500
チューナーモンスター+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手の
魔法・罠ゾーンで表側表示で存在するカードをすべて破壊する。
フィールド上のモンスター2体をリリースすることで
このカードは直接攻撃することができる。
クロックの全身の銃の砲口がシャマルの場の4枚のカードに向けられると一斉に発射した。
「なっ…!!シモッチだけじゃなくてグラヴィティバインドまでも…!!」
「そして、手札のマシンナーズ・スナイパーとマシンナーズ・ピースキーパーを墓地に送ってマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚する!!」
「っ…!?上級モンスターが…3体も…!?」
クロック、バーサーカー、フォートレス。剱都のデッキの最強軍団とも言える3体がフィールドに揃った。
「う、うそ…残り1ターンから…逆転したというの…!?」
「残念だが俺は手を抜く気はない。そして…テメェみたいな野郎に慈悲を与える気もない…!!!バーサーカーの効果発動!!墓地のスナイパーとブレードを除外してビックバンガールを破壊する!!」
2ターン目の様に機械の部品がビックバンガールに飛んで行った。そしてビックバンガールに纏わりつくと爆散した。
「バトル!!クロックで直接攻撃!!ジェノサイドイグニッション!!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
シャマル/LP3000→700
なぜバーサーカーで直接攻撃しなかったのか。残りライフが3000だったからバーサーカーの攻撃でライフは無くなるはずだった。
「うっ…!?どうして…」
「言っただろ。俺は慈悲を与える気はないとな!!仲間に手を出したテメェをすぐに眠らせる気はない!!」
つまり――ユウ(処刑モード)と剱都(今の状態)が同じだっただけだった。
「マシンナーズ・フォートレス!!あの
「ウゴっ……!!」
フォートレスの放った実弾がシャマルの喉元へ命中した。それにより一瞬でシャマルは気を失った。
シャマル/LP700→-1800
しかし、怒りに満ちた剱都はもうだれにも止めれない。
「マシンナーズ・バーサーカー!!奴をぶっ壊せ!!!バーサークラッシュ!!」
「――――――ァァァァァァァ!!!!!!!!」
気を失ったシャマルに手を抜く事なくバーサーカーの腕が振り下ろされた。
シャマル/LP-1800→-4300
――OverKill――
その言葉がふさわしいという様にシャマルはボロボロになった。
着ていた緑の服は所々が破け、体の至る所から血が流れていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…たく…実際のダメージはこんなにしんどいのか…」
「大丈夫?剱都」
ユウが片膝をついて息を整えているとユウが剱都に呼び掛けた。
剱都は荒い息を整えながら何かを指さした。
そこにはシャマルの盗んだシゲルのカードが落ちていた。
バーサーカーの攻撃で敗れた衣服から落ちたのだ。
「これ…うん、間違いない」
「はぁ…はぁ…ふぅ……それを証拠にこいつを警察に引き渡そう。そうすれば奴らの――」
とそういかけた瞬間、剱都はユウを突き飛ばした。
―ドゴォン!―
それと同時に保健室の壁から鈍い音が聞こえた。ユウと剱都が底を振り向くと、鉄球がぶつかった様に壁が抉れていた。
「っ!?一体なんだ!?どこから飛んできた!?」
「ちっ…外したか…『アイゼン』!!」
室内にいる誰でもない声が響いた。そこにいたのは赤いゴスロリの――
《Hammer Forumu》
「っ!!」
ハンマー型のデバイスを持った少女が立っていた。
しかも明らかに話し合う雰囲気ではなく、叩きのめしに来ていた。
「クッ…新手かよ…しかも強行手段とは…」
「一度しか言わねーからよく聞け…ロストロギアを渡せ」
有無も言わせないような少女の雰囲気に流石のユウも背筋が凍った。
『ユウ!!しっかりして!!』
「(イナ!?って、そうか!!)」
イナの呼びかけにユウが何かに気付いた。一方剱都もそのことに気付いており、問題はそのタイミングだった。
「(仕方ねぇ…)たく…それは要求じゃなくて脅迫じゃないのか?あ~あ、こんなガキのバカな親の顔が見てみたいぜ~」
「な!?テメェはやてを馬鹿にするんじゃねぇぇェェェェ!!!!!」
剱都が少女からユウが死角になる様に挑発すると少女は怒りの表情で剱都に突っ込んできた。
紙一重で剱都がそれを避けると少女の視界からユウが消えるように回り込んだ。
「はっ!ガキはガキらしくママの待つ家でも帰ってろ!!」
「っ!!!!テメェぇ!!アイゼガッ!?」
少女が持っていたハンマーに呼び掛けようとすると、背中に強力な衝撃が襲った。
「グッ…!?な、なんd「油断大敵って言葉知ってるか?」!!」
少女がゆっくりとその方を無効とした瞬間、剱都が少女の腕を掴み、足払いをし、思いっきりほおり投げた。背中から壁に激突した少女は意識を手放した。
「…危なかった…」
「そ、そうだね…」
ちなみにこの一連の動きを文で説明すると
剱都が少女を挑発し、引きつける。
↓
ユウが瞬時にディスクを起動させ、イナを召喚する。
↓
イナ「(餅つきアタック!!)」
↓
少女がそっちを向く。
↓
剱都の背負い投げ。
という感じだ。だがこれが成功する確率は低く、運よく全て上手くいったようだった。
「見たところあいつも管理局だろ…此処に来て形振り構って無いな…」
「そうだね…前なら色々要求だけだったけど今回は剱都のデッキから抜いたり、襲ってきたり…あれ?」
ユウがふとシャマルの倒れている所を見て首を傾げた。
剱都もそこを見るが特に何ともなって無かった。ゴミ一つない床の上には『なにも』無かった。
「クラールヴィンド…転移…」
「!しまった!!」
剱都が気付いた時には遅く、シャマルは少女を抱えて消えている所だった。
「チッ…逃がした…」
「うん…油断した…」
剱都とユウがそう残念そうにつぶやいた。と、ユウが保健室に行く前に紫苑と対峙していたシグナムを思い出した。
「…2人とも大丈夫かな…?」
剱都「今回は俺の戦いか…」
剱都のデッキはマシンナーズを中心とした機械デッキ。大半がオリジナルカードだね。
ユウ「そうなの?」
「マシンナーズ」と名のついたモンスターは8種類のみ。しかもフォースとかは使わないことが多いから少なすぎる。チューナーもいるからね。
シンクロ浸透後に登場してたらスクラップを使ってたと思う。
シゲル「オールバーンってなんだ?」
シモッチバーン、ロックバーン、キュアバーンなどのバーン系統が全部入ったデッキ。
おそらくリアルでやるとすごい事故る。
シゲル「なんでそんなもの作った…」
イメージで考えたのがキュアバーンだけど、そっからどうなったのかこうなった。
紫苑「つまり自分でもわからないと…」
そうだね。
ツバキ「剱都と紫苑が学園に転入…」
剱都はイエローのイメージがあったが、レイの時に転入者は全員レッドということを言ってるセリフがあったからレッドになった。
まあ、そのことに関しての話は次回だろうね。
次回予告
ヴォルケンリッターの将、シグナムとの戦い。その力はまさに驚異的だった。
なぜか紫苑のデッキを熟知していたシグナムはその対策を打ってきた。
身動きが取れなくなっていく紫苑、だがただ一枚、逆転のモンスターが存在した。
「E・HEROシンクロンを召喚」
次回turn27 サムライ
最強カードは『ファントム・ブルース・ドラゴン』