遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

27 / 125
turn27 サムライ

保険医のシャマルと、体育教官のシグナムは管理局員――

 

そう言った紫苑に剣を向けたシグナム、そして保健室で寝ているシゲルに危機が迫っていると知った剣都――

 

同じ島の中で起こった2つのデュエル。

シゲルのカードを盗もうとしたシャマルと戦った剣都は間一髪で奪還に成功した。

 

そして――紫苑VSシグナム

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

―紫苑のターン―

 

紫苑はカードを引く前に泣き崩れてしまったツバキを見た。

ツバキはこの学園が好きだった。様々なつながりをくれた学園が――

シグナムもシャマルもその一つだった。だが――

 

 

「…ツバキを…お姉ちゃんを泣かした貴女に湧きあがる…これが怒りなんですね…」

 

そう呟いて紫苑はカードを引いた。

 

 

「手札からE・HEROフォレストマンを守備表示で召喚、カードを2枚伏せてターン終…了…っ!!」

 

フォレストマン/DEF2000

 

 

紫苑がターン終了を宣言しようとした週間3人の周囲の空気が変わった。

 

 

「やはり…結界を…」

 

「貴様を逃がすわけにはいかない。また闇を作りだす貴様を…!!」

 

 

紫苑

LP4000 手札3枚

フォレストマン/DEF2000

伏せカード2枚

 

―シグナムのターン―

 

「私のターン!!」

 

引いたカードを見たシグナム――だがその眼は目の前の敵(シュテル・ザ・デストラクター)を倒すことしか見えてなかった。

 

 

「手札から六武衆ザンジを攻撃表示で召喚!!」

 

 

フィールドに雷を纏った刀を持つ武士が現れた。

 

ザンジ/ATK1800

 

 

「そしてこのモンスターは自分フィールド上に六武衆と名のついたモンスターがいる場合特殊召喚できる!!六武衆の師範を特殊召喚!!」

 

 

フィールドに白髪の厳格な老人が現れた。

 

六武衆の師範/ATK2100

 

 

「バトル!!六武衆の師範でフォレストマンに攻撃!!」

 

「リバースカード、ヒーローバリアを発動します。自分の場にE・HEROがいる場合、相手の攻撃を一度だけ無効」

 

 

フォレストマンと師範の間に光の壁が現れた。その壁が師範の攻撃を防いだ。

 

 

「まだだ!!ザンジでフォレストマンに攻撃!!」

 

「っ!?フォレストマンの方が守備力が上なのに…」

 

 

ザンジがフォレストマンに斬りかかるが、フォレストマンはそれを防いだ。

 

「クッ…!!」

 

 

シグナム/LP4000→3800

 

 

「肉を切らせて骨を断つ…その言葉があるのがこのザンジだ!!場にザンジ以外の六武衆がいる時、戦闘を行ったモンスターを破壊する!!」

 

「効果破壊…!?」

 

 

突如としてフォレストマンの体から電撃が走り、それがもとでフォレストマンが発火した。

 

 

「うっ…ダメージ覚悟でフォレストマン破壊に来るとは…」

 

「フォレストマンは貴様のターンで融合を手札に加える効果がある。そのデッキの機動力を消す為には安い代償だ」

 

 

その時ツバキはシグナムの言葉に違和感を覚えた。

どうしてシグナムはフォレストマンの効果を知っているのか。しかも正確に。

 

メジャーなモンスターなどは効果を知られていることが多いが、それにしても正確すぎる。

 

 

「ターンエンドだ」

 

 

シグナム

LP3800 手札4枚

ザンジ/ATK1800 師範/ATK2100

伏せカード0枚

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、手札から魔法カード融合を発動!手札のレディ・オブ・ファイアとオーシャンを融合、燃えろ、E・HEROノヴァマスター!」

 

 

ノヴァマスター/ATK2600

 

 

フィールドに炎のヒーローが現れた。運よく融合を引けて召喚出来たのだが、紫苑はどうも六武衆というシリーズが気になっていた。

 

 

「(六武衆…6人の武人…それに何か意味があるのでしょうか…?)バトル、ノヴァマスターで六武衆の師範に攻撃!エクストリームフレイム!!」

 

 

ノヴァマスターの炎が一本の槍となって六武衆の師範へと飛んで行った。

 

 

「くぅ…!!」

 

 

シグナム/LP3800→3300

 

師範は燃え尽きた。それと同時にノヴァマスターは一掃燃え上がった。

 

 

「ノヴァマスターの効果発動、戦闘で相手モンスターを破壊した時に1枚ドローします」

 

 

引いたカードはモンスターだ。まだ召喚権は残っているが相手の出方を伺うかどうか一瞬迷った。しかし、効果的に牽制という意味で召喚したほうがいいと判断した紫苑はそれを出した。

 

「メインフェイズ2、エアーマンを召喚!」

 

 

エアーマン/ATK1800

 

 

「エアーマン第二の効果発動、デッキからフリーズ・レディを手札に加える。ターン終了です」

 

 

紫苑

LP4000 手札2枚

ノヴァマスター/ATK2600 エアーマン/ATK1800

伏せカード1枚

 

 

―シグナムのターン―

 

「私のターン!!手札から紫炎の狼煙を発動!デッキからレベル3以下の六武衆と名のついたモンスターを手札へ加える!!」

 

 

フィールド中央から狼煙が上がるとそこから弓矢を持った武人が現れた。

 

「今手札に加えた六武衆―ヤイチを攻撃表示で召喚!!」

 

ヤイチ/ATK1300

 

ヤイチが召喚されると同時に紫苑の伏せていたカードに矢が刺さった。

それはヤイチが放ったものだった。

 

 

「ヤイチの効果発動!!このカードの攻撃を放棄する代わりに相手の場の伏せカードを破壊することができる!!」

 

 

伏せてあるカードはフリーチェーン、なら破壊される前に使用しておいたほうが得だろうと判断した紫苑は伏せカードを発動させた。

 

 

「だったら破壊される前に使います、チェーンでリバースカード、エレメンタル・チャージを発動!自分の場のE・HEROの数×1000ライフを回復します!」

 

 

紫苑/LP4000→6000

 

 

「くっ…かわされたか…バトル!!六武衆―ザンジでノヴァマスターに攻撃!!」

「!?攻撃表示モンスターに攻撃…!?」

 

 

先程のフォレストマンなら守備表示で、戦闘破壊されることはなかった。だが今は攻撃表示のノヴァマスターへ攻撃を仕掛けに来た。

 

 

「手札から紫炎の寄子の効果を発動する!!手札からこのカードを墓地に送り自分の場の六武衆は戦闘で破壊されない!!」

 

 

シグナム/LP3300→2500

 

 

「うっ…ザンジの効果発動!!ノヴァマスターを破壊する!!」

 

「ノヴァマスターが…!!」

 

 

体をマヒしたノヴァマスターがに更にザンジがきりかかった。それによりノヴァマスターが爆散した。

 

 

「クッ…ですが、これで貴女の場のモンスターは全て…」

 

「まだ私のバトルフェイズは終わらない!!手札から速攻魔法、六武の書を発動!!場の六武衆と名のついたモンスターを2体リリースし、デッキから六武衆の主を召喚する!!場のザンジとヤイチをリリース!!現れろ、大将軍紫炎!!」

 

 

紫炎/ATK2500

 

 

シグナムの場の2人の武将が消えると、モンスターゾーンの一角から炎が上がった。その中から赤い鎧に身を包んだ将軍が現れた。

 

 

「バトルフェイズ中に現れた紫炎にはまだ攻撃権が残っている!!紫炎でエアーマンに攻撃!!」

 

「きゃぁ!!」

 

 

紫苑/LP6000→5300

 

 

切りかかった紫炎から逃げるようにエアーマンが避けるが、すぐさま追撃をしてきた反しについて行けずエアーマンが破壊された。

 

「私はカードを伏せてターンエンドだ」

 

シグナム

LP2500 手札2枚

紫炎/ATK2500

伏せカード1枚

 

―紫苑のターン―

 

 

「私のターン、ッ…フリーズ・レディを召喚!ターン終了!」

 

フリーズ・レディ/ATK1200

 

フィールドに氷の女性が現れた。だがそれは時間稼ぎということが見て取れた。

 

 

紫苑

LP5300 手札2枚

フリーズ・レディ/ATK1200

伏せカード無し

 

 

―シグナム―

 

「私のターン!!六武衆―イロウを召喚!!」

 

 

紫炎の横に黒いコートの様な物を着て、細長い刀を持った武士が現れた。

 

イロウ/ATK1700

 

「バトル!!イロウでフリーズ・レディへ攻撃!!」

「フリーズ・レディの効果発動!!相手の攻撃宣言時、自分の場のモンスターの表示形式を変更する!!」

 

 

フリーズ・レディ/ATK1200→DEF1500

 

そして防御の体勢になったフリーズ・レディごとイロウは切り裂いた。

 

 

「さらにフリーズ・レディは破壊された時、魔法をデッキの一番上に乗せる!!」

「だが貴様の場はがら空きだ!!紫炎の直接攻撃!!」

 

 

場にモンスターが居らず、そのまま真っ直ぐ紫炎は紫苑を切り伏せた。

 

「うぐっ…!!…ま、まだです…!!」

 

紫苑/LP5300→2800

 

 

まだ紫苑のライフは多く残っており、次に引くカードでまだ望みはあった。

 

 

 

「リバース罠発動!!六武衆推参!墓地の六武衆と名のついたモンスターを特殊召喚する!!現れろ!六武衆の師範!!」

 

しかし、それ自体シグナムは打ち砕きに来た。

 

「っ…!!また…!!」

 

 

六武衆の師範/ATK2100

 

 

フィールドに白髪で髭の生やした老人が現れた。そして、紫炎の時と同じ『バトルフェイズ中の特殊召喚』なので――

 

 

「六武衆の師範で直接攻撃!!」

 

「っぁあ!!」

 

 

 

紫苑/LP2800→700

 

 

 

師範の一閃に紫苑は片膝をついた。実際のダメージが蓄積していくこの状況で普通よりライフを多くした紫苑のダメージは通常より多くなっていた。

 

 

「エンドフェイズ、六武衆推参!で特殊召喚された師範は破壊されるが、代わりに他の六武衆を破壊することでその破壊を無効にすることができる。イロウを破壊、これでターンエンドだ」

 

 

シグナム

LP2500 手札2枚

紫炎 /ATK2500 六武衆の師範/ATK2100

伏せカード無し

 

―紫苑のターン―

 

「私の…ターン…!!」

 

 

力の入らない指先に喝を入れてカードを引いた。先程フリーズ・レディの効果でデッキの一番上に置いたカードを引いた。

 

 

「私はホープ・オブ・フィフスを発動!!墓地のフォレストマン、レディ・オブ・ファイア、ノヴァマスター、オーシャン、エアーマンをデッキに戻してカードを2枚ドローします!」

 

 

引いたカードはミラクルフュージョンと新たなHEROだった。

 

 

「私は手札から魔法「無駄だ!!」っ!?」

 

手札から魔法カードを発動しようと、セットしたが発動しなかった。

 

 

「紫炎が場にいる時、貴様は魔法・罠を1度しか使えない!!そして紫炎にも身代わりの効果を持っている!!」

 

「っ…!!カードを2枚伏せてモンスターをセット、ターン終了です!!」

 

 

紫苑

LP700 手札1枚

伏せモンスター

伏せカード2枚

 

―シグナムのターン―

 

「私のターン!!六武衆―カモンを召喚する!!」

 

カモン/ATK1500

 

紅い鎧を着た武士が現れた。ちなみに刀や弓を持っておらず、何故か炎の玉を操っている。

 

 

「これで幕引きだ!!カモンでそいつに攻撃!!」

「っ…!!」

 

 

破壊されたのはアイスエッジだった。直接攻撃のできるこのモンスターでシグナムのライフを削れたが、その後の守りができない。

 

だが、この後もギャンブルでしかない。

 

 

「リバース罠、ヒーロー逆襲を発動!!場のE・HEROが破壊された時、手札のカードを相手は一枚選択しそのカードがE・HEROだった場合場に特殊召喚し、相手のモンスターを破壊します!!」

 

 

そう、紫苑は発動しようとした魔法を伏せたのは、このカードの発動範囲を狭めるためだ。

 

 

「貴様の手札は…1枚…!!」

 

「そう、手札は1枚!!からE・HEROネクロ・リターナーを特殊召喚!!」

 

 

フィールドに骨の様な仮面を被った巨体のHEROが現れた。

 

ネクロ・リターナー/DEF900

 

 

「そして紫炎を破壊します!!」

 

「紫炎の効果発動!!カモンを破壊し紫炎は守られる!!」

 

 

透明な衝撃が紫炎に向かっていたが、カモンがそれから紫炎を守った。

 

 

「師範でネクロ・リターナーを攻撃!!」

 

「ッ…!!」

 

 

真っ二つにネクロ・リターナーがぶった斬られた。それを見て紫苑は苦虫を噛んだような顔になっていた。

 

 

「最後だ!!紫炎で直接攻撃!!」

 

「紫苑!!」

 

 

 

場にモンスターがいない紫苑にツバキが叫んだ、このままだと紫苑が負けてしまう。

 

だが、紫苑はまだ勝負をあきらめてなかった。

 

 

 

「墓地のネクロ・リターナーの効果発動します、戦闘で破壊された時、墓地のHEROを特殊召喚する!」

 

 

E・HEROネクロ・リターナー

効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/ATK1200/DEF900

戦闘でこのカードが破壊された時墓地の「E・HEROネクロ・リターナー」以外の、

「E・HERO」と名のついたモンスターを特殊召喚することができる。

このカードは墓地から特殊召喚できない。

 

 

そう言った瞬間、紫苑の場の一角からスゥーっとフリーズ・レディが現れた。

 

 

「クッ…小細工を…!!紫炎でフリーズ・レディに攻撃!!」

 

 

再びフリーズ・レディが破壊された。そして紫苑はデッキを見た。

 

 

「(1ターンに一度しか魔法が使えない…けど伏せカードを使えば…)デッキトップにカードを置く!!」

 

「(魔法を置いた…つまり、あのカードかあの伏せカードが逆転の手…なら)カードを伏せ、ターン終了!!」

 

 

シグナム

LP2500 手札1枚

紫炎/ATK2500 六武衆の師範/ATK2100

伏せカード1枚

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、リバースカード発動します!ミラクルフュージョン、墓地に存在するアイスエッジとフリーズ・レディを融合!!」

 

「やはりアブソルートZeroか!!(だが私の伏せカードは六尺瓊勾玉!!これでカード破壊を無効にすることができる!!)」

 

 

だが、シグナムの言葉を聞いて紫苑はにやりと笑った。

 

 

「残念ながら違います、融合召喚!!ダイヤモンド・ダスト!!」

 

「なっ!?(私の知らないモンスター!?)」

 

 

ダイヤモンド・ダスト/ATK2700

 

フィールドにフリーズ・レディよりも大人の氷の女性が現れた。

それを見てシグナムは目を見開いた。

 

 

「驚くのはまだ早いです、ダイヤモンド・ダストは融合召喚に成功したターン、相手のモンスターの効果を無効にする!!」

「なに!?」

 

 

E・HEROダイヤモンド・ダスト

融合モンスター

星6/水属性/戦士族/ATK2700/DEF1500

「E・HEROアイスエッジ」+「E・HEROフリーズ・レディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが融合召喚に成功したターン、

相手フィールド上のモンスターの効果を無効にする。

 

 

「これで私はまだ魔法を使える、魔法カードディメンション・ヒーローを発動!!除外されているHEROの数だけカードをドローできる!!」

 

 

ディメンション・ヒーロー

通常魔法

自分フィールド上に「HERO」と名のついた

融合モンスターがいる場合のみ発動できる。

除外されている「E・HERO」と名のついたモンスターの数だけドローできる。

発動ターンの終了時、この効果でドローした枚数手札を捨てる。

 

 

「除外されているHEROはアイスエッジとフリーズ・レディの2体なのでカードを2枚ドロー!!(これは…!!)…やはり、私も『世界の矛盾』なんですね」

 

「なにを…言っている?」

 

 

紫苑の言葉にシグナムはそう聞き返した。『世界の矛盾』の事はシグナムも知っていた。

 

ロストロギアの様な存在。だが危険性はロストロギアより低いと。

紫苑は元々はロストロギアの一部だ。

 

 

 

「私は手札からE・HEROシンクロンを召喚!!」

 

 

シンクロン/ATK0

 

 

「シンクロン…?だが、そいつはチューナーじゃないはずだ!!それに攻撃力0とは…馬鹿にしているのか!!」

 

 

フィールドに小さな剣を持った勇者が現れた。そしてシグナムの言う通りだった。シンクロンは効果モンスターで、チューナーモンスターではない。

 

 

「…この子をあまりなめない方がいいですね。小さな力は確かに弱いです…ですが、それはやがて大きな力へと進化します」

 

「なに…?」

 

 

紫苑の言葉にシグナムは眉をひそめた。

 

 

「レベル6のE・HEROダイヤモンド・ダストにレベル1のE・HEROシンクロンをチューニング!!」

 

「っ!?」

 

 

効果モンスターであるシンクロンからシンクロ召喚時に出る緑のリングが現れた。

 

 

「闇を切り裂く光の心…その全てを具現化せよ!!シンクロ召喚!!」

 

☆6+☆1=☆7

 

「光と共に舞え!!ファントム・ブルース・ドラゴン!!」

 

 

 

ファントム・ブルース・ドラゴン/ATK2800

 

フィールドに淡い青い龍が現れた。その色は紫苑のディスクの色とお揃いだった。

 

 

「馬鹿な…なぜシンクロ召喚を行える…!?それになんだその龍は!?」

 

「E・HEROシンクロンはフィールド上に融合モンスターが存在する時チューナーとして扱います!!」

 

 

E・HEROシンクロン

効果モンスター

星1/光属性/戦士族/ATK0/DEF0

自分フィールド上に融合モンスターが存在する時

このモンスターはチューナーとして扱う。

このカードがシンクロ召喚の素材となる時、他のカードは「E・HERO」と名のついたモンスターでなければいけない。

1ターンに1度、自分フィールドの融合モンスターのレベルを2つ下げることができる。

この効果を受けたモンスターは攻撃宣言できず、効果も無効化される。

 

「そして貴女の最後の質問…この龍は『世界の矛盾』と共にいる龍…簡単に言いますと『世界の矛盾の証』です」

 

「な、なにを言っている…貴様は闇の書の闇(シュテル・ザ・デストラクター)…世界の矛盾では…」

 

 

 

「はぁ…」

 

 

シグナムの言葉に紫苑は一つ大きなため息をついた。そしてちらりと紫苑はツバキを見た。

 

 

「私は…今の私は闇の書の一部でも、星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)でもないです。私は姫野紫苑…姫野椿の妹です!!

ファントム・ブルース・ドラゴンの効果発動!!手札のカードを一枚墓地に送ることで、墓地から送ったカードと同じ種類のカードを回収する、墓地に送ったのは死者蘇生!!よって墓地から魔法カードを手札に加えます!!」

 

 

ファントム・ブルース・ドラゴン

シンクロモンスター

星7/光属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF1600

チューナーモンスター+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに一度手札のカードを1枚墓地に送る。

その後、墓地に送ったカードと同じ種類 (モンスター・魔法・罠)のカードを1枚手札に加える。

このカードが相手のモンスターを戦闘で破壊した時、

相手に500ポイントのダメージを与える。

 

 

「そして手札に加えたミラクルフュージョンの効果発動!!墓地のネクロ・リターナーとシンクロンを除外!!現れて…E・HEROシャイニング!!」

 

 

フィールドに光のHEROが現れた。これまでに除外されているのはアイスブリザードを出す為に除外したアイスエッジとフリーズ・レディ、そしてネクロ・リターナーとシンクロンの4体――

 

 

シャイニング/ATK2600→3800

 

「バトル!!シャイニングで師範に攻撃!!オプティカル・ストーム!!」

「くぅっ!!」

 

 

強力な光に包まれた師範は焼けつきた。そしてその余波がシグナムを襲った。

 

シグナム/LP2500→800

 

「これで最後です!!ファントム・ブルース・ドラゴンで紫炎に攻撃!!イリュージョン・ダスト!!」

 

 

ファントム・ブルース・ドラゴンの周囲から虹色の霧が発生し、それが紫炎を包んだ。そしてその霧が晴れると紫炎は消えていた。

 

 

「っ……!!だ、だが!!私のライフはまだ――」

 

「ファントム・ブルース・ドラゴンの効果発動、戦闘で相手モンスターを破壊した時相手に500ポイントのダメージを与える!!霧に迷い込め、ファントムガスト!!」

 

「な…あ、がぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

 

 

シグナム/LP800→500→0

 

シグナムのライフが0になった瞬間、シグナムはばたりと倒れてしまった。それと同時に紫苑も膝をついた。

 

 

「紫苑、大丈夫?」

 

「だ…大丈夫です…すこし…疲れてしまいました…」

 

 

そういうが紫苑の顔色が悪かった。どうも体は本調子じゃないらしく、体力も完全に戻っているわけではなかったみたいだ。

 

 

「それよりも…シグナムを拘束…しなくては…!!」

 

そう言って紫苑は無理やり体を立たしてシグナムのもとへ行こうとした。

 

 

「拘束されるのは君の方だ」

 

「なっ!?」

 

「しまった!!」

 

 

そこに入った第三者の声と共に2人の体が光の輪によって拘束されていた。

そこに降り立ったのは足に包帯を巻いた少年――

 

 

「ようやく捕まえたぞ、それに闇の書の残骸が残っていたとはな…!!」

 

 

クロノだった。しかもクロノは紫苑を睨んでいた。

 

 

「ロストロギア所持、及び公務執行妨害で姫野椿、君を捕縛する。そしてロストロギア闇の書の残滓、星光の殲滅者、君を逮捕する」

 

 

「うっ…(どうしよう…ディスクまで手が届かない…)」

 

「拘束ですか…管理局は無関係な人を巻き込みますね」

 

 

ツバキの焦りもつゆ知らず、紫苑はクロノをそう挑発した。そう言われたクロノは怒りの目をして紫苑を睨んだ。

 

 

「貴様!!管理局を愚弄するな!!」

 

「愚弄?私は事実を述べたまでですよ。無関係の9歳の子を言葉巧みに管理局の駒とした事を言っているだけですが?そう…貴方の母親のような――」

 

「黙れ!!」

 

 

等々クロノの堪忍袋の緒が切れたのか、紫苑の顔を思いっきり殴っていた。

 

 

 

 

いた、殴ろうとしていた。

 

 

 

「そこまでにしてもらおうか」

 

「っ!?」

 

 

クロノの手を止めたのは――

 

 

「丸藤さん!?」

 

 

丸藤亮――通称カイザーだった。

亮は紫苑に向けられたクロノの腕を掴んだまま足払いでクロノを倒した。

 

 

「何か騒がしいと思って来てみたら…どういった状況だ?」

 

「え、あ、その…」

 

 

ツバキは説明に困っていた。十代達なら以前説明したのだが、その中に翔もいたのが問題なのだ。もしかすると亮は翔が関わっている事を酷く咎めるかもしれない。

 

 

「…話したくないのならまあいい……こいつ等は校長に話して特待生寮にでも閉じこめておこう」

 

「っ!?」

 

 

特待生寮が何なのか分からないが、確実に身動きが取れ無く事を悟ったクロノは必死に思考を張り巡らせていた。

 

 

「紫電一閃!!」

「「「!?」」」

 

 

そのクロノの思考を遮ったのはシグナムの声だった。3人の視界は砂煙にまぎれてしまった。

 

 

 

「クッ…一体なんだ…!?」

「あの技…シグナムですね」

 

 

紫苑の言葉でツバキはシグナムの倒れていたところを見た。そこにシグナムはおらず、クロノも消えていた。

 

 

「(魔力反応が消えている…)逃げられましたね」

「…そうか。事情を聞きたいところだが…なにかに巻き込まれてるのだろう?」

 

「…そうです」

 

 

流石のカイザーは2人を見てそう言った。亮自身にも何か確信が持てる何かがあったのだろう。

 

 

「まあいい…今度全て話してもらう…今は来週の対抗デュエルの事を考えておけ」

 

 

亮はそう言い残すとその場を去った。

 

 

「…助けられましたね、彼に」

「そうだね…」

 

 

 

―数日後―

 

 

「姫野紫苑です」

「羽黒剣都」

 

全校生徒の前で紫苑と剣都が転校生の挨拶していた。だが紫苑は無表情で、剣都はダルそうにしていた。しかも剣都はAW社の総帥というのは伏せているが、見た目が見た目だけに男子生徒達の印象が悪かった。

 

 

「2人ともツバキちゃんの兄弟みたいなものだニャ。それでは、席は紫苑君は十代君の横、剣賭君はユウ君の横だニャ」

 

 

大徳寺先生が席の場所を言うと2人は無言でそこへ座った。

その後、シャマルとシグナムが退職という形で学園を去った事を伝えた。

 

 

―その後の休み時間―

 

 

「紫苑さん!!ボクと付き合って「断ります」あぅ…」

 

紫苑は様々な男子生徒から告白されたが、紫苑はそれを全て断った。

端から見れば美少女とも言える容姿の紫苑だから無理もないが、恋愛に興味ない男子生徒以外の生徒はほぼ壊滅した。

 

 

 

「なあ、紫苑。お前E・HEROデッキなんだよな?」

 

「そうです。お姉ちゃんから聞きましたが十代は私と違うE・HEROなんですよね?」

 

 

 

紫苑の言葉に十代はサムアップしながら「ああ!」と答える。

そして無理やり十代が今度デュエルの約束を取り付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ノース校対抗戦:当日―

 

ホプロムスを見てリンディは驚いていた。ただの人間であるはずのシゲルが召喚術を行ったのだ――

 

 

「な…なんなの…それは…」

 

「話すことなんてない。さっさと消え失せろ!!来い、ダーク・ガブリアス・ドラグ―ン!!」

 

 

シゲルは黒いディスクにあるシンクロモンスターをセットした。

それと同時に闇に染まった龍が現れた。

 

 

「ダーク・ガブリアス・ドラグーン!!デリート・フィールド!!」

 

「っ!!撤退!!」

 

 

 

ダーク・ガブリアスの攻撃が届く前に局員は一斉に撤退した。

それを見たシゲルは一つため息をついてディスクを収めた。

 

 

 

「…行くか」




シゲル「どういうことだ?」
忘れてる人もいるかもしれないけど、ここまでの精霊界の話は回送です。
剱都「そうなのか?」
turn18の序盤から回送でした、ずっと
ツバキ「長かったね…」

デュエルの解説に入るとシグナムのデッキは『六武衆』ですね。
???「ヤリザ殿ォォォォォォォ!!!!」
剱都「………おい、なにか通過したぞ」
読者の気持ちを察した何かだろうね。旧六武は全部出たのにヤリザだけでなかったよ。
紫苑「旧?」
知っての通り、真六武と旧六武とあるからね。
まあ、そこらへんは今後の展開に関わるからスルー。

紫苑「ファン…私のシンクロモンスターについては」
ファントム・ブルース・ドラゴン。紫苑のデッキ唯一のシンクロモンスターだね。
召喚方法は彼女のデッキではシンクロンを使うしかない。
ユウ「そういえば、シンクロンの効果変えた?」
レベル変更に関しての効果は改訂にあたって追加した。
流石にガイアやオリカだけでレベル7にするのは無理だった。
ちょうど改定だから心機一転という感じで追加することにした。
それぞれのドラゴンのイメージは以下だね。

スピット・シルバー・ドラゴン=スターダスト・ドラゴン
ソウル・ブラック・ドラゴン=ブラック・ローズ・ドラゴン
カオス・レッド・ドラゴン=レッド・デーモンズ・ドラゴン
クロック・ゴールド・ドラゴン=パワー・ツール・ドラゴン
ファントム・ブルース・ドラゴン=エンシェント・フェアリー・ドラゴン

剱都「ある程度予想通りだな」

シゲル「それと…シグナムが紫苑のデッキを知ってた理由は?」
それも今度。そして管理局が今回の件で介入する理由がある程度わかるかもね。

次回予告
ノース校との交流試合。
だがそれに向かっていたシゲルの前に一人の生徒が倒れていた。
その犯人を探す前に代表としてのけじめを付けるはずが予想外の展開に

そして、学園に潜入する怪しい影。
その目的はかつての『約束』だった。

次回turn28 怒りと処刑
最強カードは「デスカイザー・ドラゴン」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。