遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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第一章終幕 夏祭り

「「「夏祭り?」」」

 

 

レッド寮の食堂で十代と剱都とデッキ調整をしていたユウは大徳寺にそう聞き返した。

 

 

「そうだニャ~。明日の夕方6時から島全体で夏祭りをすることになったのニャ」

 

「この島で夏祭りなんかするのか…」

 

 

剣賭の意見も最もだった。大徳寺の説明によると今年度から生徒が売店などの出し物をしてその時の売り上げで新たなパックの資金にするというイベントを今年はするらしい。

 

 

「まぁ2人は代表戦で、剱都君はまだこの学校の学生じゃなかったから知らなかったのニャ。大体代表選考会の日ぐらいから告知してたのニャ」

 

「だから…」

 

 

そう言ってユウはある事を思い出していた。それはルームメイトのシゲルがここ数日何かを作っていたからだ。それは祭りのはっぴだった。

 

 

「明日は一日祭りの準備だにゃ。その為授業は無いんだニャ。あ、そうそう…夏祭りのイベントが書いてるしおりだニャ」

 

「へぇ…どれどれ」

 

 

受け取った剱都は中を見た。十代とユウもそれを覗き込んでいた。

 

 

 

 

 

 

「打ち上げ花火に男女混合タッグデュエル…盆踊りもあるんですね」

 

そう言ったツバキは明日香を見た。同様に代表生徒だったツバキと編入してきた紫苑も3人と同じ様に夏祭りの事を知らなかった。

てか、なぜシゲルは知っていた?

 

 

「そうよ。私はももえとジュンコとあちこち回るけど2人はどうするの?」

「私は…ユウと回るかな?シゲルが祭りの出し物の方に回るんなら」

 

「私はどうしましょう…十代や翔と回りましょうか…」

 

 

とツバキと紫苑はそう言っていた。だがこの時、ほぼ全てのメンバーは知らなかった。

『男女混合タッグデュエル』という意味を――

 

 

―翌日:昼ごろ―

 

 

夕方スタートと言えど既に様々な出店が準備を完了しており、またあちこち回る生徒もグループを作って見て回っていた。

 

 

「うぉ~人がいっぱいだな」

「そうですね」

 

 

その光景を見て真っ赤な浴衣を着た十代と、鮮やかな青い浴衣を着た紫苑は本音を吐露した。ちなみになぜこの2人だけなのかというと――

 

翔はこの後のイベントの手伝いの為、万丈目と何処かに行って隼人は祭りで使用する巨大絵の最終仕上げに取り掛かっていたからだ。

 

ちなみにその事を十代が知ったのは15分前だと言っておこう。

 

 

「それにしても…この浴衣というは動きにくいですね」

「そうか?俺は結構気に入ってるぜ」

 

 

2人の浴衣は学園からの支給品だ。夏祭り参加者は浴衣着用が決められており、またその際参加者には引換券が渡される。

 

 

「…所で十代は、いつの間にそんなものを?」

「ん?」

 

 

十代の今の装備――頭にはひょっとこのお面、右手には綿飴とりんご飴、左手にはタコ焼きと水風船がある。

 

2人があちこち回っているわけでもないのに十代はなぜかこんなに持っていた。

 

 

「まあいいじゃねぇか。ほれ」

「!?」

 

 

そう言って十代は持っていた綿飴を紫苑の口に押し込んだ。ちなみに十代はうっかり忘れていたがその綿飴は一口食べていたのだ。

 

 

「……美味しい」

「だろ!そう固いこと言わずに楽しもうぜ!!」

 

 

―一方:ユウとツバキ―

 

 

「ま、待った?///」

「だ、大丈夫///」

 

 

真っ白な浴衣を着たツバキがレッド寮で待ち合わせをした白に近い灰色の浴衣を着たユウがいた。ちなみに顔が真っ赤なのは2人ともお互いの恰好を見てときめいていた。

 

 

 

「え、えっと…それじゃあ…」

「う、うん…!!」

 

 

2人は顔を真っ赤にしながら手を繋いで祭りへと向かっていた。

だが一番レッドに近い屋台からそれをニヤニヤしている顔なじみがいた。

 

 

「ほぉ~お熱いね」

 

「「シ、シゲル!?」」

 

 

その光景を見ていたシゲルが2人にそう言った。シゲルの出店は焼きそば屋で、長蛇の列ができていた。リーズナブルの値段でありながら結構おいしいのだ。

 

 

「ほい」

「え?」

 

 

シゲルがユウに何かを投げ渡した。それは焼きそばのパックだった。

 

 

「奢りだ。持って行け」

 

「ちょっとシゲル!!料金取らないの!?」

 

 

そう言ったのはなぜか手伝いをしているジュンコだった。

なぜ明日香と共にではなくてシゲルと出店をしている。

 

 

「あれ?ジュンコさん…どうしてここに?」

 

「ん?前にこいつに助けてもらって、その恩返しよ…けど此処まで忙しくなるなんて思わなかったわ…」

 

 

ちなみにその助けてもらった出来事とは――

 

 

―交流試合3日前―

 

「ジュンコさん、起きてますか?」

「…帰って」

 

 

ジュンコの部屋をノックした紫苑にジュンコは冷たくそう言った。この状態が2日ほど続いていた。ただの病気ならまだしも、真面目なジュンコが部屋から出ないのだ。

 

そのことを心配ツバキと紫苑だが、ジュンコは誰とも会いたくないそうだ。

 

昔からの親友であるももえと明日香もこんなジュンコは見たこと無いらしい。

 

 

 

―ブルー寮:紫苑の部屋―

 

「で?なんで俺に頼むんだ?」

 

 

放課後紫苑に呼び出されたシゲルはそう言った。そのまま紫苑の部屋に連れて行かれ事情を聞いたシゲルだが、一体紫苑は何を望んでいるのか分からなかった。

 

 

「恐らくジュンコさんは誰かに嫌がらせされていると思われます。その犯人を突き止めてほしいのですが」

 

「だから、なんで俺なんだ?剱都や先生を頼めばいいじゃねぇか」

 

 

そう言ったシゲル。だがこの時瞬時に嫌な予感がした。

 

 

「…………おい待て紫苑、その後ろに隠してるモノはなんだ?」

 

「…………」

 

「こっち見ろ」

 

 

―その日の夜―

 

 

「……一体何の用なのよ」

 

 

そう言ったジュンコは今現在、人気の無い暗い森の中にいた。嫌がらせをしていると思われる犯人から呼び出されたのだ。

 

 

「いやですね、貴女が邪魔なんですよ」

 

 

そう言ったのはガリガリの眼鏡をかけたイエロー生徒だった。

 

 

「明日香さんの横は貴女ではなく、ボクがふさわしい」

「…その為に、こんな嫌がらせを?」

 

そう言ったジュンコの前には脅迫文ともとれる文面が多くあった。しかも10や20ではない数だった。それが3日間で送られてきたのだ。

 

鬱や人間不信になってもおかしくなかった。

 

 

「貴女が邪魔なんですよ。これぐらい「はぁ…」?」

 

 

イエロー生徒がそう見下したようにジュンコを見ていたが、ジュンコは大きなため息をついていた。すると――

 

 

「馬鹿だろ、お前」

 

 

『ジュンコではない誰か』の声でジュンコがそう言った。それにイエロー生徒が驚いた顔をしていた。

 

 

「たく、どんなことかと思ったらそんな事かよ…そんなんであいつを苦しめるな…」

「なっ!?お、お前は一体誰だ!?」

 

 

だが、イエロー生徒の言葉に『ジュンコ』は応えなかった。いや――不敵に笑うとその眼が――

 

 

「お前を…殺す者だ……!!」

 

 

『シゲル』の目が赤く輝いていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

え?何ですか紫苑さんそのカツラは?

 

いや、別にジュンコさんに化けてくださいと言ってません。ジュンコさん似の誰かに化けてくださいということです

 

え?ちょ、ま、アッーー――

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

そして、『ジュンコに似た格好のシゲル』がこの森にやってきたという訳だ。

 

 

「さて…女子を脅迫するような屑が…この後どうなるか分かってるよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

~中略~

 

 

 

 

 

 

 

 

―回想終了―

てな訳で、嫌がらせがばったりとやんだジュンコは様子を見に来た紫苑に事情説明を求めた。すると↑の事を全てばらしてしまったのだ。

 

 

「まあ、些細な事よ。それよりもこれから大会でしょ?」

 

「あ、もうそんな時間だ…ツバキ、行こう!!」

 

 

ツバキの手を取ってユウは校舎前へと向かった。

するとひとまず人を捌ききったシゲルが一息つきながらジュンコに声をかけた。

 

 

「…お前も明日香と行きたいなら行っても良いんだぞ」

 

「べ、別にあんたの為じゃないわ。気にしないでよ」

 

 

ジュンコの謎のツンデレ化――だがシゲルは特に気にしなかった。

 

 

―校舎前―

 

『それでは!!男女混合デュエル大会を開始する!!』

 

 

マイクを持った剱都の言葉に男女のペアを作った参加者はボルテージが上がった。

ちなみに8ペア16人の参加の中にはユウとツバキ、十代と紫苑もいた。

 

 

『MCはこの俺、羽黒剱都が執り行う!!そして実況は丸藤翔、解説は万丈目準だ!!さて、俺達の説明よりサッサと戦いだろうな!!その前に簡単なルール説明だ!!』

 

 

~LP4000のTFルールなので省きます~

 

 

『さあ!!それでは第一試合!!結城十代&姫野紫苑VS神谷龍&真下汐!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一、第二試合と次々と続いて行き、準決勝第二試合の終盤だった。

 

 

「おつかれさん」

「ん?ああ、あんがと」

 

 

休憩中だった剱都にシゲルが焼きそばのパックを渡した。2人の目線の先にはユウとツバキが自身のエースカードで相手を圧倒している所だった。

 

 

「誰が優勝すると思うか?」

 

「順当なとこだと十代と紫苑だろうな…2人ともE・HEROでなおかつ紫苑は十代のモンスターでも融合できる。逆に十代は紫苑のモンスターを素材にできないが紫苑のサポートカードを使える。他のペアなら自身のデッキかタッグ用のデッキで行くだろうが…慣れてないデッキならミスをするし、タッグ用じゃなかったらうまく捌けないだろうな」

 

 

剱都の言う様に準決勝の2試合は両方ともワンサイドゲームだった。

そして第二試合がちょうど終わった。

 

 

「ゴホン…『では最終試合(ファイナル)!!聖牙夕&姫野椿VS結城十代&姫野紫苑!!この戦いの勝者が優勝者だ!!泣いても笑ってもこれが最後だ!試合開始!!』」

 

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

最初は紫苑のターンからだった。

 

 

「私のターン、フリーズ・レディを攻撃表示で召喚。カードを伏せてターンエンド」

 

フリーズ・レディ/ATK1200

 

十代&紫苑

LP4000

手札5枚 手札4枚

フリーズ・レディ/ATK1200

伏せカード1枚

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!!」

 

 

次はユウのターンだ。ユウは十代と紫苑のデッキ内容を一応は知っていた。

だが紫苑のデッキは属性指定のみなので十代よりもトリッキーな動きをするだろう。

 

 

「手札からスピリットモンスター阿修羅を召喚!!」

 

 

フィールドに6つの腕を持つ天使が現れた。その手には短剣が握られていた。

 

阿修羅/ATK1700

 

 

「バトル!!阿修羅でフリーズ・レディに攻撃!!」

 

 

阿修羅の投げられた短剣がフリーズ・レディに当たる前に奇妙な渦が現れた。

その渦により短剣が弾き飛ばされた。

 

 

「リバース罠、ヒーローバリア。この効果で攻撃を無効にさしてもらいました」

「失敗か…カードを3枚伏せてターンエンド、そして阿修羅は手札へ」

 

 

ユウ&ツバキ

LP4000

手札3枚 手札5枚

モンスター無し

伏せカード3枚

 

 

「俺のターン!!」

 

 

十代は勢いよくカードを引いた。そして引いたカードを見ると口元を緩ました。

 

 

「融合を発動!!手札のフェザーマンとバーストレディを融合!!現れろマイフェイバリットカード…フレイムウィングマン!!」

 

フィールドに竜の頭を持つ右腕を備えたHEROが現れた。

てか、やっぱり最初のターンで融合は…

 

 

「「「(チートだな…)」」」

 

 

今会場の観客の心が一つになった。

 

 

「バトル!!フレイムウィングマンで直接攻撃!!フレイムシュート!!」

 

「リバースカードくず鉄のかかしを発動!!相手の攻撃を一度だけ無効にし、再びセットする!!」

 

 

ユウに迫っていた炎はボロボロのかかしに阻まれ止まった。

 

 

「フリーズ・レディの攻撃!!アイスパニッシャー!!」

 

 

「クッ…!!」

 

 

ユウ&ツバキ/LP4000→2800

 

氷の弾丸に襲われたユウだったが、その瞬間一枚の伏せカードが開いた。

 

 

「リバースカード、ダメージコンデンサーを発動!!手札を一枚捨て、デッキからスピリット・ディフェンダーを特殊召喚!!」

 

スピリット・ディフェンダー/ATK800

 

 

「お、モンスターを場に出したか、俺はカードを伏せてターンエンドだ!!」

 

十代&紫苑

LP4000

手札2枚 手札4枚

フレイムウイングマン/ATK2100 フリーズ・レディ/ATK1200

伏せカード1枚

 

 

「私のターン!!」

 

 

ツバキは引いたカードを見た後、十代と紫苑の場を見た。恐らく今の状況を切り抜けるためには――

 

 

「魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動!!手札の神聖魔導王エンディミオンを墓地に送ってデッキからサニー・ピクシーを特殊召喚!!」

 

 

フィールドに可愛らしい妖精が現れた。

 

サニー・ピクシー/ATK300

 

 

「更に墓地のワン・フォー・ワンを除外してマジックストライカーを特殊召喚!!」

 

フィールドに小さな剣を持った少年が現れた。

 

「戦士族…?珍しいな、ツバキが魔法使い以外を使うなんて」

 

「いや、そうでもないぞ。あのデッキは『魔法使い族デッキ』じゃなくて『魔法デッキ』なんだ」

 

 

シゲルの言葉に剱都がそう応えた。それを聞いてシゲルはどことなく納得したが、ジュンコは納得して無かった。

 

 

「どういうことなのか説明しなさいよ」

 

「つまりだ。確かにツバキのデッキに魔法使い族が多い。だがあのデッキのコンセプトはそこじゃない。エンディミオンや闇紅の魔導師などの魔力カウンターを乗せる事が目的のデッキだ。だから魔法が多く、マジックストライカーも楽に出せるから入れてるんだ」

 

 

そう剱都が説明している間にデュエルは進んでいた。

 

 

「レベル3のマジック・ストライカーにレベル4のスピリット・ディフェンダーをチューニング!!魔導の頂を目指す者、戦士としての加護を受けよ!!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「シンクロ召喚!!マジシャンズ・ディフェンダー!!」

 

 

フィールドに巨大な盾を持った魔導師が現れた。……どことなく顔が魔導戦士ディフェンダーに似てる気がするが…

 

マジシャンズ・ディフェンダー/DEF2500

 

 

「そしてサニー・ピクシーをリリースして闇紅の魔導師を召喚!!」

『久々の出番だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

 

ハイテンションで闇紅の魔導師が現れた。それもそのはず、ものすごく出番が少ないからだ。

 

ウリィはガイザレスとなるために必要、イナはなぜかよくユウが引くため壁として出てくる。神楽は此処という時の守りとして…だが、闇紅の魔導師は最近出番が無かった。

 

 

「闇紅の魔導師の効果発動!!召喚成功時、このカードに魔力カウンターを2つ乗せる!!さらにこのカードに乗っているカウンター1つにつき攻撃力を300ポイントアップする!!」

 

闇紅の魔導師/ATK1700→2300/M0→2

 

 

「バトルフェイズ!!闇紅の魔導師でフレイムウィングマンに攻撃!!」

 

「フリーズ・レディの効果発動!!効果でこのカードを守備表示に変更し、それに対して罠発動!!シークレットミッション!!」

 

 

突如フィールドに霧が発生し、それにより2体のHEROの姿が見えなくなった。

いや、霧の中にうっすらと人影が見えた。だがどっちがどっちなのか分からない。

 

 

「さぁて!!当たる確率は2分の一だ!!」

 

「…右へ攻撃!!闇紅衝撃波導(ダーク・レッド・ショック・ウェイブ)!!」

『はぁぁ!!!』

 

 

右へ赤黒い波動を送ったダーク。そして霧が晴れると――

 

 

 

 

「破壊されたのはフリーズ・レディ!!効果発動!!」

 

外してしまった。そして十代はデッキトップに一枚の魔法を置いた。

だが次は紫苑のターンの為、来るのは更に次のターンとなる。

 

「私はカードを伏せてターン終了!!」

 

 

ユウ&ツバキ

LP2800

手札1枚 手札1枚

マジシャンズ・ディフェンダー/DEF2500 闇紅の魔導師/ATK2300

伏せカード3枚

 

 

 

「私のターン、手札から融合回収を発動。墓地のフェザーマンと融合を回収します」

 

回収された2枚のカードは十代が使ったカードだ。

 

「これは上手いな…相方の使ったカードを回収ってな」

 

「流石にあれこれ考えれる様にしているようだな」

 

シゲルの言うとおり、紫苑は自分でコンボや手段を考えてやっていた。

アカデミアに来て数週間だが、もう十分な経験を積んでいた。

 

 

「手札から融合を発動!!手札のフェザーマンとオーシャンを融合!!現れろ、E・HERO GreatTORNADO(グレイト トルネード)!!」

 

 

GreatTORNADO/ATK2800

 

フィールドに嵐を巻き起こすヒーローが現れた。

 

 

「これが紫苑のHEROか…くぅ~!!!かっこいいぜ!!」

 

「兄貴…そんなこと言ってる場合ではないっすよ…」

 

 

翔が十代の班のにそう呟くと突然フィールドの闇紅の魔導師とマジシャンズ・ディフェンダーが強力な風で体勢を崩した。

 

 

「GreatTORNADOは融合召喚成功時、相手の場のモンスターの好守を半部にする効果があります」

「そんな!?」

 

 

闇紅の魔導師/ATK2300→1150/DEF2200→1100

マジシャンズ・ディフェンダー/ATK1500→750/DEF2500→1250

 

「さらに手札より、ミラクルフュージョンを発動!墓地のオーシャンとバーストレディを除外し、アブソルートZeroを召喚!!」

 

 

フィールドに氷のE・HEROが現れた。

 

それを見たシゲルが横で焼きそばを頬張っていた剱都に率直な疑問を聞いた。

 

 

「なあ剱都」

「なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

「HERO使いは全員チートなのか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

その疑問に剱都は答えれなかった。

 

 

 

「バトル!!アブソルートZeroでマジシャンズ・ディフェンダーへ攻撃!!瞬間氷結(Freezing at moment)!!」

 

「マジシャンズ・ディフェンダーの効果発動!!闇紅の魔導師に乗っている魔力カウンターを1つ取り除き、破壊を無効にする!!」

 

マジシャンズ・ディフェンダー

星7/闇属性/魔法使い族/ATK1500/DEF2500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードはシンクロ召喚に使用したモンスターの種族により以下の効果を得る。

●戦士族

魔力カウンターを1つ取り除く事でモンスターの破壊を無効にする。この効果は1ターンに一度しか使用できない。

また、相手はこのモンスター以外のモンスターを攻撃することはできない。

●鳥獣族

魔力カウンターを1つ取り除く事でフィールド上のカード1枚を手札に戻す。この効果は1ターンに一度しか使用できない。

●天使族

自分フィールドの上の表側表示モンスターの攻撃力と守備力は500上がる。

 

 

闇紅の魔導師/ATK1150→850

 

等々闇紅の魔導師の攻撃力が1000を切ってしまった。しかしツバキには、まだ手は残されていた。

 

 

「ではフレイムウィングマンでマジシャンズ・ディフェンダーへ攻撃!フレイムシュート!」

 

「きゃあ!!」

 

 

ユウ&ツバキ/LP2800→1300

 

 

 

「っ…!!リバースカード、魔導師の術印を発動!!デッキからナイトエンド・ソーサラーを守備表示で特殊召喚!!」

 

ナイトエンド・ソーサラー/DEF400

 

フィールドに鎌の様な物を持った少年が現れた。それと同時にその鎌から次元の裂け目が現れた。

 

 

「ナイトエンド・ソーサラーが特殊召喚に成功した時、相手の墓地のカードを2枚まで除外する!!融合とフリーズ・レディを除外!」

 

 

そう宣言すると紫苑と十代の墓地からカードが1枚ずつ裂け目に吸い込まれていった。

 

 

「GreatTORNADOの攻撃…は、くず鉄のかかしがあるので無意味ですね。ターンエンドです」

 

 

十代&紫苑

LP4000

手札2枚 手札2枚

フレイムウイングマン/ATK2100 アブソルートZero/ATK2500 GreatTORNADO/ATK2800

伏せカード0枚

 

 

「ボクのターン!!」

 

 

ユウは引いたカードを見た。そして手札のカード、場の状況――

 

「ツバキ、借りるよ!!」

「うん!!」

 

 

ツバキの返事を聞いたユウは自身のエクストラデッキからカードを一枚取り出した。

 

 

「レベル6の闇紅の魔導師にレベル2のナイトエンド・ソーサラーをチューニング!!

大いなる魂よ!砕かれし魂と共に光の風を纏いその身を現わせ!!」

 

☆6 +☆2 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚!!スピット・シルバー・ドラゴン!!」

『グァァァァァァァァァ!!!!』

 

ここで召喚されたユウのエースモンスター、それに周りの空気が張り詰めた。ただひとり、デュエルバカを除いて。

 

 

「へへ…来たぜ、ユウのエースモンスター!!」

 

十代のテンションが上がっていた。

 

 

「そして、スピリット・バードを召喚!!効果発動!!」

 

スピリット・バード/ATK0

 

フィールドにガラスで出来た鳥が現れると同時にデッキから一枚のカードが飛び出した。それはスピリット・コクーンだった。

 

 

「リバース罠、シンクロン・スピット・パワーを発動!!墓地のマジシャンズ・ディフェンダーを除外してボクの場のシンクロモンスターの攻撃力を500上げる!!」

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500→3000

 

 

「そしてスピリット・バードを除外して銀翼の魂を発動!!更にスピットの効果でカードをドロー!!」

 

 

引いたカードを見たユウはそのままそのカードを魔法・罠ゾーンに置いた。

 

 

「スピリット・ドローを発動!!墓地の雷帝神を除外してカードを2枚ドロー!!更に手札断殺を発動!!互いに手札を2枚捨てる!!」

 

「(ネクロ・リターナーとシンクロン……ですが、これは好都合ですね)」

 

 

紫苑は墓地に送られたカードを見てそう思っていた。その後引いたカードはエアーマンとフォレストマンだった。

 

しかしもうこのデュエルで使うことの無いカードと直感で感じていた。

 

 

「スピリット・ソウルの効果発動!!墓地に送ってスピリット・フィールドを手札に加えそのまま発動!!墓地の因幡之白兎を除外して神楽を特殊召喚!!」

 

『久しぶり~十代~!!』

 

「お、神楽だ」

 

 

 

現れた神楽を久しぶりに見た気がした十代だった。

 

 

「バトル!!スピット・シルバー・ドラゴンでアブソルートZeroへ攻撃!!スピリット・ブラスト!!」

 

「きゃぁ!!」

 

十代&紫苑/LP4000→3500

 

 

「Zeroの効果発動!!貴女の場のモンスターを全て破壊します!!」

 

「手札のスピリット・フィッシュを墓地へ送り破壊は無効!!そして銀翼の翼の効果で破壊したモンスターの攻撃力…2500をスピットに加算する!!」

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK3000→5500

 

 

「5500!?」

 

「そして第二撃!!GreatTORNADOへ攻撃!!スピリット・ブラスト!!」

「きゃああぁぁ!!!」

 

 

十代&紫苑/LP3500→800

 

 

「ターンエンド!!」

 

ユウ&ツバキ

手札0枚 手札1枚

LP1300

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK3000 神楽/DEF450

シンクロン・スピリット・パワー 銀翼の翼 伏せカード1枚

 

 

このままいけばユウとツバキの勝利――そのはずだった。

 

 

「俺のターン!!」

 

 

そう…十代が主人公(チート)では無かったら。そして――運までも味方に――

 

引いたカードをそのまま発動した。それはフリーズ・レディでデッキトップを操作して引いたカードだ。

 

 

「死者蘇生を発動!!墓地のE・HEROシンクロンを特殊召喚する!!」

 

 

フィールドに小さな勇者が現れた。だがその光景にユウは眉をひそめた。

 

 

「シンクロンはHEROとシンクロするモンスター…けど十代のデッキにはシンクロモンスターはいないはず…」

 

「へへっ。それは…

こういうことだ!!レベル6のE・HEROフレイムウィングマンにレベル1のE・HEROシンクロンをチューニング!!

闇を切り裂く光の心、その全てを具現化せよ!!」

 

「「十代がシンクロ!?」」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

確かにシンクロのエフェクトが発動し、シンクロンが1つのリングへと変わった。

さらにその中で十代のフェイバリットモンスターが6つの光となり、一列に並んだ。

 

 

「シンクロ召喚!!!光と共に舞いあがれ、ファントム・ブルース・ドラゴン!!!」

 

 

ファントム・ブルース・ドラゴン/ATK2800

 

そう宣言した瞬間十代の場にファントム・ブルースが現れた。

その光景に会場にいた全員が驚いていた。

 

あの融合を使いこなす十代がシンクロを行ったのだ。

 

 

 

「へへ…始まる前に紫苑から受け取っておいて正解だったぜ」

 

 

そう、始る前に紫苑が十代に持たせていたのだ。

 

それはある種のギャンブルで、紫苑がシンクロンを出せるチャンスを作らなければファントム・ブルースは確実に出せない。

 

 

「更に手札のスカイスクレーパーを捨てて、墓地からミラクルフュージョンを手札に加える!!そして発動だ!!」

 

 

今十代と紫苑の墓地にはフェザーマン、シンクロン、フレイムウィングマン、アブソルートZreo、GreatTORNADOがいる。

 

恐らく――

 

 

「墓地のフェザーマンとシンクロンを除外して現れろ!!E・HEROTheシャイニング!!」

 

 

シャイニング/ATK2600

 

フィールドに光り輝くモンスターが現れた。するとその周囲から無数の光が現れた。

 

 

「シャイニングは除外されているE・HERO一体につき、300ポイント攻撃力がアップする!!除外されてるのは5体!!よって1500ポイント攻撃力をアップする!!」

 

 

シャイニング/ATK2600→4100

 

 

「攻撃力4100…!!」

 

「これが最後だ!!手札からR-ライトジャスティスを発動!!フィールドのE・HERO一体につき魔法・罠カードを一枚破壊する!!その伏せカード…くず鉄のかかしを破壊だ!!」

 

 

「なっ!?」

「しまった!!」

 

伏せていたくず鉄のかかしが破壊された。

そして――終幕へ

 

 

「バトル!!シャイニングでスピット・シルバー・ドラゴンへ攻撃!!オプティカル・ストーム!!!」

 

「ぐっぅ…スピット…!!」

 

ユウ&ツバキ/LP1300→200

 

「最後だ!!ファントム・ブルース・ドラゴンで神楽に攻撃!!イリュージョン・ダスト!!」

 

「神楽の効果!破壊された時バトルフェイズを――」

 

 

そう言っていたユウだったが、ユウとツバキの周囲に霧が立ち込めていた。

 

 

「ファントム・ブルースは戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手に800ポイントのダメージを与える!!ファントム・ガスト!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!」

「きゃああぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」

 

 

ユウ&ツバキ/LP200→0

 

 

『そこまで!!優勝は…結城十代&姫野紫苑ペアぁぁぁ!!!』

 

「すげぇよ!!あんた攻防初めてだ!!」

「両方とも!!ナイスバトル!!」

「はぅ…十代って案外かっこいいね…」

 

剱都の言葉と共に大歓声が上がった。その中には様々な声が交っていたが中々聞こえなかった。

 

 

『優勝者には大徳寺先生より商品が渡されるぜ!!』

 

「にゃ。2人ともおめでとうだニャ」

「先生!!やったぜ!!」

 

十代の言葉を聞いて何処にそんな元気があるのか大徳寺は苦笑いを浮かべていた。

そして持っていた小さな箱から2つのペンダントを取り出した。

 

「優勝した2人にはこのペンダントが贈呈されるニャ」

「ペンダント?」

 

其々受け取った――十代は青い、紫苑は赤いペンダントを見た。

 

「まあ一種のお守りだニャ(本当は恋愛成就のお守りだけど、2人には関係ないと思うニャ)」

 

 

それを受け取った十代は持っていた青いペンダントをスッと紫苑にかけた。

 

 

「十代…?」

「…へへ。やっぱ紫苑には青が似合ってるぜ」

 

 

はにかんでそう言った十代は若干紫苑の顔が赤くなっているのに気がつかなかった。

一方紫苑もお返しと言わんばかりに持っていた赤いペンダントを十代にかけた。

 

 

「…十代も、赤が似合いますよ」

 

 

『笑顔』でそう言った紫苑の言葉に十代はドキリとしてしまった。

それを見た大徳寺は――

 

 

「(案外必要になるかもしれないにゃ)」

 

 

と思っていた。

 

 

『それじゃあ!!最後に戦ってくれたすべての決闘者に拍手を!!』

 

 

剱都の言葉で大会が閉じた。

 

 

 

―校舎屋上―

 

後数分で花火大会が始まるということでボチボチ人が集まっていた。他には広場、昇降口、浜辺などで人が集まっていた。ユウ達は一番空に近いここに来ていた。

 

「にしてもお前らの浴衣イメージ通りの色だな」

 

話すこともないのでシゲルはそう言っていた。彼は今背中に『祭り』と書かれている法被を着ていて屋台の片づけはひとまず置いてる状態だ。万丈目達はいまだに屋台で買い食いをしており明日香とももえは金魚すくいに夢中になっている。

 

ちなみに剱都は黄土色の、ジュンコは桃色の浴衣を着ている。

 

 

 

「そうだね、特に十代は赤ってイメージだから」

 

「それを言うならユウだって、それなんかスピットみたいなカラーじゃねーか」

 

『ガァ!』

 

十代の言葉にチビスピットは喜んでいた。すると全員シゲルの法被を見た。

 

 

「な、なんだよお前ら」

 

 

よくできており、非常に丈夫だが問題はそこじゃない。もしも今回シゲルが法被じゃなかったら。

 

 

「いえ、シゲルが浴衣を着るのなら……」

 

 

全員が代表して紫苑がそう言って無言で合わせて――

 

「「「「「「黒だな/だね/でしょう/だわ/ね/だろ」」」」」」

 

「なんでハモるんだよ・・・」

 

 

ヒュ~~~~~

 

 

「お、始まったみたいだ」

 

 

シゲルのつぶやきは、花火の中に消えていった。

 

 

「悪いな、一日手伝わせて」

 

「良いわよもう。過ぎた事をうだうだ言ってもしょうがないでしょ…それにしてもおいしいわね」

 

ジュンコはシゲルの焼きそばの売れ残りを食べていた。

他に翔や万丈目に隼人がいた。

 

 

「それに…一日中一緒にいれたからね…」

 

ジュンコの言葉を聞く人はいなかった。

 

 

「綺麗ですね…」

 

レッド寮の前の海が見える崖の上で座って夕陽を見ながら紫苑はそう言った。

その左肩ははしゃいで疲れて寝てしまった十代に貸していた。

 

「…生きることに意味はないと思っていました。ですが…今日は楽しかったです」

 

そう言って紫苑は寝ている十代の頬にキスをした。

 

 

「今日は楽しかったね、ツバキ」

「うん。紫苑に負けたのは悔しかったけどね」

 

 

そういいながらユウは紫苑をブルー寮へ送っている最中だった。

 

 

「ユウ」

「ん?どうしたの?」

 

 

歩みを止めたツバキにユウは振り返った。

 

 

「来年も…祭り行こうね」

 

「…うん。約束だよ」




剱都「いろいろと突っ込ませろ、なんだこれ?」
ちょっとしたブレイクタイム。この時書いてたのが夏だったから夏祭りということで。
名目は『売上は購買のパックにしか使用できない』ということでシンクロ強化を図るイベントとなった。
剱都「そこじゃねーよ。カップリンクについてだ」
ユウ+ツバキはまあ前々からやってるから省くとして。

まずシゲルとジュンコ。
作中にあったようにジュンコに対しての嫌がらせをシゲルが止めたから。
本人はとくになんとも思ってなかったけど、それでジュンコがキュンとなった感じだね。
シゲル「なんぞそれ…」
ツンデレとクールのカップリンク
シゲル「おい」

で、十代と紫苑に関してはまだ友達以上恋人未満というほどでもない。
剱都「は?」
お互いに仲のいい友達とかそういう感じだね。
E・HEROの使いとして交流があるからそれで仲がいい。
恋愛感情はまだないけど、紫苑が世界の矛盾含めて一番いて楽しいと思ってるのが十代だね。
十代にしたら紫苑の過去を聞いて少しほっとけない、守ってやりたいという気持ち。

ユウ「えっと…じゃあ、デュエルの解説を」
と言ってもタッグでやったというぐらいしかないね。
紫苑と十代は奇策として紫苑のエクストラのカードを何枚から十代に渡していた。
出てきてないがいくつかのカードも十代から紫苑に渡されていたりとかもした。

さて、楽しいブレイクタイムは終わり、次は新たな勢力の登場だ

次回予告
徐々に学園へと馴染んでいた剱都と紫苑。
そんな彼ら、世界の矛盾と十代たち合計12人が校長室へと呼ばれた。


「7人が危ないということか」

そして世界の矛盾へと下されたある任務。
そんな時、十代がある約束を果たそうとしていた。

次回第二章turn30 英雄たちの戦い
最強カードは「E・HEROワイルドジャギーマン」
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