遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

35 / 125
turn34 friend or enemy

―人間界:海岸・カミューラの城―

 

「お兄さん!!」

「サイバー・エンド・ドラゴンで直接攻撃!!」

 

「……………………」

 

亮/LP4000→0

 

カミューラの発動した幻魔の扉。それによって相手のフィールドへ行ってしまった亮の最強カード『サイバー・エンド・ドラゴン』

自身の最強カードによって亮のライフが0になってしまった――

 

「さあ!!私の人形となりなさい!!」

「っ……………!!」

 

 

亮の目から光が消えると、鍵と共に亮の姿が消えた。

それと入れ替わりにカミューラの手には青い髪の小さな人形が現れた。

 

「あははは…アーアッハッハッハハハハハ!!!!!」

 

 

高笑いをしながらカミューラが消えた。

 

 

シゲルがディラと戦った2日後、新たなセブンスターズの一人であるカミューラが現れた。

カミューラはまず、クロノス教諭とデュエルをした――

 

―昨夜―

 

クロノスの場には自身のエースカードである<r古代の機械巨人:アンティーク・ギア・ゴーレム>が1体、対してカミューラの場にはカミューラのエースカードであるヴァンパイア・ジェネシスと復活効果のあるヴァンパイア・バッツと不死のワーウルフがいた。

そしてヴァンパイア・バッツの効果でヴァンパイア・ジェネシスは古代の機械巨人よりも攻撃力が上となっていた。

 

 

「……諸君、よく見ておくノーネ!!そして約束するノーネ!!…例え闇のデュエルに敗れたとしても、闇は光を凌駕出来ない。…そう信じて決して心を折らぬこと。私と約束してくだサーイ!!」

 

「最後の授業は終わったのかしら?クロノス先生!」

 

 

「先生…!?」

「一体何を…!?」

 

 

クロノスの言葉にユウと翔が訳が分からないと言ったようだった。しかし剱都は気付いていた。

 

クロノスが敗北を認めたと――

 

 

「ヴァンパイア・ジェネシスで古代の機械巨人に攻撃!!ヘルビシャス・ブラッド!!」

「ぬうぅぅぅぅぅぅ!!!ま、まだまだなノーネ!!」

 

 

クロノス/LP1700→1500

 

 

巨人のヴァンパイアによってクロノスは自分の場ががら空きとなった。そしてまだ攻撃権のある2体のモンスターがいてもクロノスは闇に屈しなかった。

 

 

「不死のワーウルフで直接攻撃!!吼えよ!ハウリング・スラッシュ!!」

 

「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!」

 

クロノス/LP1500→100

 

 

狼男の発した超音波で更に傷付いたクロノス。しかしカミューラは攻撃を止めない。

 

「止めよ…舞え!!ブラッティ・スパイラル!!」

 

「ボーイ!光のデュエルを…!!」

 

クロノス/LP100→0

 

 

ライフが0になったクロノスはその場に倒れてしまった。

 

その後は翌日戦い、敗れた亮と同じ様に人形になってしまった。ただ「気に入らない」ということでカミューラは人形(クロノス)を捨てて行った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「クロノス先生に続き亮さんまでも…」

 

 

カミューラの城から帰還したユウとシゲルだったが、学園最強とも謳われるカイザーが負けたのにショックを隠せないでいた。

 

「ユウ、シゲル、いるか?」

「剱都?どうかしたのか?」

 

もう消灯間近で寝ようとしていたところに何故か剱都がやってきた。

その顔はどこか心配そうだった。

 

 

「紫苑とまだ連絡が取れないのか?」

「ああ…今は研究所を調べているらしいけどな…ダークが付いているから問題はないと思うが…アレ以外ならな」

 

 

『アレ』――

 

シゲルが渡した紫苑の持っている十代の七星門の鍵の事だ。

別に問題はないが、このままずっと精霊界にいるのなら些か問題があった。

 

 

「まあ、何年もいない訳じゃないだろうし、問題ないだろ」

 

 

―精霊界:違法研究所―

 

「これが例のデータですか?」

 

ダークの案内の元、違法研究所のコンソールを操作して出したのデータを前に紫苑がそう聞いた。

 

 

「そうだ。どうやら何らかのデータらしいが…知らない文字でな。街の考古学者に見せても分からないそうだ」

 

 

そして困り果てたダークは偶然その時エンディミオンの民の様子を見に来たカルマに相談したそうだ。するとカルマは人間界で此処の事を一番知っていた紫苑に白羽の矢を立てたという訳だ。

 

 

「…これはミッドチルダ語ですね。管理局が拠点を置いている世界の言葉です」

 

「…なるほど。精霊界(ここ)とも人間界(むこう)とも違う異世界の言葉か…解読はできるのか?」

 

「問題ありません。ただあまりにも膨大なので全文解読してそれを複写するので少し時間をください」

 

 

紫苑がそう言った――それが二日前だった。

 

それから籠りっきりで紫苑は解読した文章を紙に写していた。しかし、あまりにも膨大な量と、専門的な用語の解読にまだまだ時間がかかりそうだった。

 

 

「このプログラム…夜天の書と同じ…いや、補助プログラム…?」

 

 

そのプログラムの電子番号――大まかに言うとプログラムの指紋が夜天の書と同じだった。しかし、『夜天の書』そのものではなく後から付けるプログラムの様だった。

 

 

「(私の知らないプログラム…分かっているのは…これは――)っ!?」

 

 

紫苑は頭の中で考えを纏めようとした時、何かを感じた。

殺気や雰囲気ではなく、地震の前触れの様な嫌な予感だ。

 

 

「…一体何が…?」

 

 

そう言いながら辺りを見回すがこれと言って変わった事はない。近くに自分が写した紙の束とデータを表示しているコンソール、それと無機質な壁にその壁にかかっている針時計しかなかった。

 

 

「……もう5時間も…」

 

 

時計が目に入って、見ると既に今日は5時間も作業していた。

固まった体を伸ばしながら少し休憩をしようと頭を休め始めた。

 

 

「確か60分が1日だと言っていたので…2時間と少しぐらいですか…」

 

人間界でどのぐらい時間がたったのか考えていた紫苑。その間に一通り体を伸ばしきった紫苑は座っていた椅子の背もたれにもたれかかった。

それと同時にスゥーっと紫苑は眠気に襲われ、夢の中へと潜って行った。

 

 

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

 

「――ぉ――――ぃ―ぉ――」

 

「…ん……?」

 

 

誰かが呼ぶ声がして夢の世界から戻ってきた紫苑は目を開けた。そこには銀髪で赤と黒の服に身を包んだ魔導師――ダークがいた。

 

 

「紫苑、大丈夫か?」

「…ふぇ…?」

 

 

ダークが心配する事が何なのか分からない紫苑は慣れない椅子でガチガチになった体を伸ばし、欠伸をしながら時計を見た。

 

 

「…寝すぎましたね」

 

 

かれこれ6時間きっちり寝てしまっていた。まだ少し眠い目を擦りながらダークが持ってきたコーヒーをちびちびと飲み始めた。一方ダークは紫苑を起こした後、写してあった紙に目を通していた。

 

 

「なるほど…やはりこれは君の過去に関係があったのか」

「ええ…ですが、どこまでが関わりがあるのか判明するのは…最後の部分ですね。もしかしたら夜天の書のバックアップなのかもしれませんし、私の構成プログラムなのかもしれませんね」

 

 

恐らくこれが紫苑の冗談のつもりだったのだろう。しかし確かにこれが悪魔となるのか天使となるのかそれともただの『データ』となるのかだれにも分からなかった。

 

 

「そうか…所で紫苑に一つだけ伝えなければならない事がある」

「なんですか?」

 

 

今の状況でダークが何かを伝えるということは人間界――七星(セブンスターズ)との戦いの事だと思っていた。

 

しかし――状況はより複雑に、より深く変化していた。

 

 

「理由は不明だが…以前この世界の時間と人間界の流れる時間が違うという話をしていたと思う」

 

「ええ……お姉ちゃんに聞きましたが、此処の1日が人間界の60分だと。ですから人間界でまだ1時間20分ほど…」

 

 

と言って紫苑はコーヒーの最後の一口を飲み干した。

 

 

「実は今から6時間ほど前に精霊界全域で謎のエネルギーが観測されてな…ついさっき神楽が人間界からこっちに戻ってきた時、エンディミオンの寄ったのだが妙な事を言ってな…」

 

「妙な事…ですか?」

 

 

そもそも神楽が真面目な事をするとは思えない2人だったのはまあ、置いといて。

 

 

 

「人間界だと6時間ぐらい前…紫苑がこちらの世界に来たはずだと言っていた」

 

「……え…?」

 

 

それはおかしかった。6時間ということは精霊界では6日も経っているはずだった。

 

 

「で、調べた結果だが…ほぼ流れる時間が同じだった…2つの世界の流れる時が全く同じだった…つまり、6時間前から精霊界で何かが起こったということだ」

 

「……………(精霊界で…まさか…『次元震』…)」

 

 

時をも変化させる莫大なエネルギーに一つだけ心当たりがあった。世界を滅ぼすほどのエネルギーを持つ次元震なら時間の流れが変化するのもおかしくなかった。

 

「(ですが、それでもなにも無しで次元震が起こるとも…)…そのことに関しては情報が足りなすぎますね」

 

「確かにそうだな。今も私の部下が他の集落の者と共に調べているが…めぼしい情報はないそうだ」

 

 

そう言ったダークだったが、紫苑はダークに部下がいるのが驚きだった。すると研究室の自動ドアが開き、ひとりの女性がやってきた。

 

 

「ダークさん、居ますか?」

 

 

研究室にルキがやってきた。ルキがやってくるのは珍しく、いつもならダークが研究所と家と往復してるためわざわざダークを訪ねる事もしなくていいのだが…

 

 

「実はエンディミオン周辺の見張りから報告が…」

 

 

先日の世界の矛盾VS管理局のエンディミオンの民救出作戦の後、エンディミオンの周囲には見張りを設けていた。

 

念の為だが、また管理局の襲撃や他の集落――例えばエーリアンやインヴェルズなどの侵略や交戦を好む部族が疲労したエンディミオンを襲わないという事もない。

 

 

「エンディミオンの東側に2人組の人影を見たって。特徴は片方が栗色の髪に白い服、もう片方は赤いゴスロリの服で赤毛…どうおもいます?」

 

「どう考えても精霊ではないな…恐らくは管理局か…「なのはとヴィータ」なに?」

 

 

ルキの報告にダークが考えていた。しかし精霊にその様なモンスターは存在せず、人間だとしたらと口にしていると紫苑がコンソールを叩きながら応えた。

 

 

「恐らく管理局員の高町なのはと鉄槌の騎士ヴィータではないかと思います」

 

「知っていんですか?」

 

 

ルキの言葉に紫苑のコンソールを叩く音が一瞬止まった。しかしまた同じように音が鳴り――

 

 

「私のオリジナル…とでもいいましょうか…彼女は限りなく私に近い…いえ、私が限りなく彼女に近いと言った方が正しいですね。そして、もう一人のヴィータも私と同じ夜天の書のプログラムの一つ…と言っても私は元ですがね…」

 

 

何処か自虐したような口調で紫苑が説明した。

 

 

「彼女達は人間界で何らかの理由で捜査中にこちらの世界に飛ばされた…という所ですね。それか私が此処にいると知って来たか…」

 

 

そう言ってコンソールのキーで「タァン」と心地いい音を立てながら画面に研究所の監視カメラの映像を出した。出入り口のカメラには何も映っておらず、それを見た紫苑は次の画面を映し出した。同じようにエントランス、様々な通路、部屋を次々に表示していると一つの画面で止まった。

 

 

「……どうやら私狙いの様ですね」

 

 

何かに警戒するようになのはとヴィータが通路を進んでいる映像だった。

 

それを見た紫苑は近くに置いていたデュエルディスクを持つと部屋を出ようとした。

 

 

「どこに行く気だ?」

 

「ヴィータはどうであれ、なのはは私に話があるそうです…私の問題なんです」

 

 

 

―研究所:A-3地区・通路―

 

 

「ここが…紫苑ちゃんが捕まってたって言う…」

「気ぃー抜くんじゃねーぞ、どんな仕掛けがあるか分からねぇからな」

 

 

ヴィータがそういいながら自身のデバイスを握りしめていた。

やがて2人のいる地区のホールへと抜けたが、そこには先客――紫苑がいた。

 

 

 

「紫苑ちゃん…!!」

「っ!!闇の書の残滓!!」

 

なのはとヴィータ、それぞれが別々の反応を示した。一方紫苑はディスクを腕に嵌めて、起動させていた。

 

 

「何処まで付きまとう気ですか?いい加減にしてほしいんですがね…」

 

「紫苑ちゃん!!」

 

「お前がこの世にいたらいけないぐらい、自分でも分かってるはずだろ!!」

 

 

ヴィータの言葉に微かに紫苑の目に殺意がこもった。しかしほんの一瞬で、誰も――紫苑すらもそのことに気付いていなかった。

 

 

 

「でしたらそれは、貴女にも言えることでは?元闇の書の騎士」

 

「ッ…テメェ!!」

 

 

ヴィータは紫苑に殴りかかりたい気持ちを必死で抑えた。

すると横にいたなのはが悲しそうな目で紫苑を見ていた。

 

 

「紫苑ちゃん、私の話を聞いて!!」

 

「断ります、私はあなたの仲間にも友達にも…家族にもなる気はないです」

 

 

そう言って突き放した紫苑。だがなのはは違うと言わんばかりに首を横に振った。

 

 

「謝りたいの」

 

「謝る…?一体何をですか?私の苦しみを知らなかった事ですか?貴女の仲間が私に行った事ですか?それとも約束を守れなかった事ですか?」

 

 

紫苑は静かな怒りを込めて言い放った。それも違うと言わんばかりになのはは首を振った。

 

 

「私が…貴女の苦しみを知ろうとしなかった事を謝りたいの」

 

「っ!?」

 

 

なのはの言葉に紫苑は予想外だと言わんばかりに目を見開いた。だが、なのははそれをスルーしてさらに続ける。

 

 

「私の我儘で家族、友達って言っても貴女は納得しない。私があなたの事を知ろうとしなかったから…だから…「だからなんなんですか!!」!?」

 

 

突然声を荒げた紫苑。その眼には怒りとも憎しみとも、悲しみとも言えないような表情がこもっていた。

 

 

「それで全てが許されると思ってるのですか!?それで分かりあう事ができると思っているんですか!?」

 

「紫苑ちゃん!!私は「あなたがすべてを知っても関係ない!!」「「え?」」

 

 

先ほど述べた理由が管理局を嫌う理由だと思っていたなのはとヴィータは呆けた声を出してしまった。しかし歯止めが利かなくなった紫苑は左手でヴィータを指さした。

 

 

「…わたしを紫苑(わたし)だと認めない人がいる…それが管理局だから!私を認めてくれたのがみんなだから!!私は局員の貴女と戦う!!」

 

 

そう言って紫苑はディスクを構えカードを5枚ドローした。

 

「紫苑ちゃん!!」

「なのは!構えろ!!」

 

 

必死に説得しようとするなのはだったがヴィータが自身のデバイスをディスクに変えて構えた。それを見てなのはも同じようにディスクを構えた。

 

 

「デュエル!!」

「デュエル!!」

「…デュエル」

 

 

紫苑、ヴィータは声を張り上げてデュエルを宣言するが、なのははボソリと言った。

 

※1VS2の変則全員LP4000のバトルロワイヤルルールです。順番は紫苑→ヴィータ→なのは→紫苑です。

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、E・HEROフォレストマンを守備表示で召喚!」

 

フィールドに紫苑の戦術の要とも言えるHEROが現れた。

 

フォレストマン/DEF2000

 

「ターンエンド!」

 

 

紫苑

LP4000 手札5枚

フォレストマン/DEF2000

伏せカードなし

 

―ヴィータのターン―

 

「あたしのターン!!手札の俊足のギラザウルスは特殊召喚扱いで召喚できる!!」

 

 

ギラザウルス/ATK1400

 

フィールドにラプトルの様な恐竜が現れた。

ギラザウルスの効果にはさらに続きがあるが、それは紫苑の墓地にモンスターがいなければ発動できなかった。

 

 

「更に大進化薬を発動!!フィールドのギラザウルスをリリースし、これから3ターンの間あたしは恐竜族モンスターをリリースなしで召喚できる!!」

 

 

フィールドのギラザウルスが消えるとヴィータは手札の上級恐竜族モンスターを一枚引っ張り出してきた。

 

 

「手札のジュラック・タイタンをリリース無しで召喚する!!」

 

 

ジュラック・タイタン/ATK3000

 

フィールドに巨大なティラノザウルスが出現した。ステータス的にもこれが――

 

 

「攻撃力…3000!!」

 

「これがあたしのデッキのエースだ!!カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

 

ヴィータ

LP4000 手札1枚

ジュラック・タイタン/ATK3000

伏せカード2枚 大進化薬

 

―なのはのターン―

 

 

「私のターン…コーリング・ノヴァを召喚してターンエンド…」

 

 

コーリング・ノヴァ/ATK1400

 

 

先程ガツンと言われたなのはの覇気はすでになかった。そんな状態で召喚したのは光・天使のリクルーターだった――攻撃表示で。

 

 

なのは

LP4000 手札5枚

コーリング・ノヴァ/ATK1400

伏せカード無し

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン(なのははもう戦う意思はない…なら狙うのは…)スタンバイフェイズにフォレストマンの効果発動、デッキから『融合』を手札に加えます。

手札からE・HEROエアーマンを召喚」

 

フィールドにプロペラのついた風のHEROが現れた。その風が吹いた時、紫苑のデッキのカードの一枚が飛び出してきた。

 

エアーマン/ATK1800

 

 

「エアーマンの効果発動、デッキよりE・HEROオーシャンを手札へ。そして先程加えた融合を発動します」

 

 

紫苑の宣言でフィールドの一角が歪んだ。融合発動の独特の現象だ。

 

 

「手札のレディ・オブ・ファイアとオーシャンを融合、アブソルートZero」

 

 

歪んだ空間に2体のHEROが飛びこむとフィールドに紫苑のデッキで一番効果が強力なモンスターが現れた。

 

アブソルートZero/ATK2500

 

「更に融合回収を発動、墓地のオーシャンと融合を手札に戻し、再び融合を発動!手札のオーシャンと場のフォレストマンを融合、E・HEROジ・アース!!」

 

 

ジ・アース/ATK2500

 

フィールドに白いHEROが現れた。それを見たヴィータの顔が曇った。

 

 

「クッ…ジ・アースってまた厄介な…!!」

 

「(シグナムもそうでしたが、ヴィータも私のカードを知っている…?いや、今はそれどころじゃない)ジ・アースの効果、自分フィールド上のアブソルートZeroをリリースし、その攻撃力分攻撃力をアップさせます。地球灼熱(ジ・アース・マグマ)!!」

 

 

ジ・アース/ATK2500→5000

 

 

ジ・アースの手には溶岩を彷彿とさせる紅い剣が握られた。それと同時になのはとヴィータの場のコーリング・ノヴァとジュラックタイタンが凍りついた。

 

 

「アブソルートZeroの効果発動、フィールドから離れた場合相手フィールドのモンスター全てを破壊すします」

 

 

その言葉と共に2体のモンスターが砕け散った。だがなのははそれを無表情で見ており、ヴィータは必死に次の手を考えていた。

 

 

「クッ…!!リバースカード、ディノクライシス発動!!自分の場の恐竜族モンスターが破壊された時、タイタンを除外してジュラック・ティラヌスを特殊召喚!!」

 

 

ディノクライシス

通常罠

自分フィールド上の恐竜族モンスターが破壊され墓地へ送られた時発動することができる。

そのモンスターを除外して、そのレベル以下の手札の恐竜族モンスター1体を特殊召喚することができる。

 

フィールドに炎を身に纏った巨大なティラノザウルスが現れた。

 

ジュラック・ティラヌス/ATK2500

 

 

「ですが、どちらにしろ貴女はここで終わりです。バトルフェイズ!ジ・アースでジュラック・ティラヌスへ攻撃!地球灼熱斬(アース・マグナ・スラッシュ)!!」

 

「うわぁぁぁぁあぁあぁ!!!」

 

ヴィータ/LP4000→1500

 

 

灼熱の剣を振りかざしたジ・アースの攻撃をティラヌスはモロに喰らってしまった。炎と炎のぶつかり合いで起こった爆発にヴィータが巻き込まれてしまった。

 

 

「っ!?ヴィータちゃん!!」

 

「っ…ハッ…ハッ…!!」

 

 

ハッとしたなのはが吹き飛ばされたヴィータの名を呼んだ。立ち上がったヴィータを見たなのはは息を呑んだ。ヴィータの着ていた服は炎でボロボロになり、いたる所に火傷のあとが見られた。

 

 

「これで終わりです、エアーマンで直接攻撃!」

 

 

上空に飛び上がったエアーマン。

 

この攻撃が決まればヴィータのライフはゼロになる。

 

 

 

「トラ…ップ発動…!!」

 

 

途切れ途切れでヴィータが伏せていたカードを発動させた、と同時に上空に上がっていたエアーマンに隕石が命中した。

 

 

「ジュラシック・インパクト!!」

 

 

息を整えたヴィータの声に反応するように更に多くの隕石がフィールドに降り注いだ。

『流星群』と言えば聞こえがいいが、そんなロマンチックなモノではないモノだった。

 

 

「自分のライフが相手より低い場合発動できる!フィールドの全てのモンスターを破壊し、そのプレイヤーに破壊したモンスター1体につき300のダメージを与える!!」

 

その説明の最中にもジ・アースに隕石が降り注いだ。

 

そしてフィールドは溶岩に覆われた。

 

「そして…次の自分のターン終了時までモンスターを出すことはできない…!!」

 

 

紫苑/LP4000→3400

 

 

「っ…!!なら、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

紫苑

LP3400 手札1枚

モンスター無し

伏せカード2枚

 

 

―ヴィータのターン―

 

「あたしのターン…!!カードを伏せてターンエンドだ!!」

 

 

ヴィータ

LP1500 手札0枚

伏せカード1枚 大進化薬

 

 

フィールドにある大進化薬でもジュラシック・インパクトの効果で召喚ができない。それどころかヴィータのデッキは超上級恐竜にそれのサポートカードを多く入れたパワーデッキだ。

 

一度リズムを崩されると調子に乗りにくくなるのだ。

 

 

 

 

―なのはのターン―

 

「………………………」

 

 

なのはのターンになったがなにも言わず、俯いていた。その間にもジュラシック・インパクトで一面溶岩だったフィールドが冷えて、元通りになっていた。

 

 

「紫苑ちゃん」

「…なんですか」

 

 

ディスクを降ろしたなのはに驚きながら紫苑が聞いた。なのはは泣きそうな――いや、既に泣きながら紫苑に訴えかけた。

 

 

「なんで…ひっぐ…なんで戦わなくちゃいけないの…?」

 

「…………」

 

「なのは…」

 

 

自分が泣いている事に気付いたなのははそれを拭った。しかし壊れた蛇口の様に更に溢れてくる。

 

 

「ひっぐ…だって…私は紫苑ちゃんと戦いたくない……なのに…」

 

「…それがなんですか」

 

「…え…?」

 

 

なのはの質問の紫苑の答え――それは――

 

 

「私は管理局と戦う理由がある…それが復讐だとしても、私は戦う。ただそれだけ、それがあなたと私が戦う理由…それに…」

 

 

そう言って紫苑が威嚇するようになのはとヴィータを見た。ヴィータはその目つきに一瞬ひるんでしまった。

 

 

「貴女達だって…ユウや剱都たちと戦う理由が無かった。ただロストロギアを持っている、それだけで戦った…確かにユウと戦う理由があるかもしれない、けど剱都には無かった。それと何か違いがありますか?」

 

「それは…」

 

 

そう言ってなのははまた俯いた。確かに自分がユウと戦ったのはロストロギア、それだけだった。だが剱都の時はそれも確定して無い時…しかも武力行使でヴィータは襲った。

 

 

「分かってないようなら言いますが…私やお姉ちゃん…それに他のみんなも貴女達は『敵』と思っていますよ」

「っ!?」

 

 

その声が――紫苑の声がツバキに聞こえた。だがツバキは此処には居ない。

しかしツバキに言われてる気がした。

 

 

「貴女がどう思っているのか知りませんが、もう貴女を私達は仲間とは、友人とは見てません。そして…」

 

 

そう言って紫苑は下ろしたディスク――淡い青のデュエルディスクを再び構えた。

 

 

「敵なら、排除します」

 

「………私のターン!!」

 

 

紫苑の言葉に、なのはの心に火がついた。確かに敵としか思っていないならないのなら――

 

 

「(敵らしく、力づくで話を聞いてもらうの!!)」

 

 

余談だがこの時ヴィータはなにかデジャヴを感じ、そしてそのデジャヴに恐怖を覚えたらしい。

 

 

「手札からヘカテリスを墓地に送ってデッキのヴァルハラを手札に加えるの!!そのまま発動!!」

 

 

なのはの背後に神々しい居城が現れた。そしてそれは強靭な天使が現れる前触れだった。

 

 

「ヴァルハラの効果で手札の天使族モンスター、アテナを特殊召喚!!」

 

 

アテナ/ATK2600

 

フィールドに槍と盾を持った戦う天使が現れた。紫苑は以前ユウから聞いて居たアナトバーンの事をしっかりと覚えていた。

 

 

「そしてフレイヤを守備表示で召喚!!」

 

 

フィールドにチアリーダーの様なモンスターが現れた。それと同時にアテナの持つ槍に雷が走った。

 

 

「アテナの効果!!天使族モンスターが出るたびに相手に600ポイントのダメージを与えるの!!」

 

「っ…!!」

 

紫苑/LP3400→2800

 

 

雷が真っ直ぐと紫苑に向かい、そして直撃した。

だが、コンボはまだ始まったばかりだ。

 

 

「アテナの効果発動!!フィールドのフレイヤを墓地に送って再びフレイヤを特殊召喚するの!!そして600ダメージ!!」

 

「っぁ…!!」

 

 

紫苑/LP2800→2200

 

「そしてフレイヤの効果で私の場の天使族モンスターの攻撃力を400上げるの!!」

 

 

フレイヤ/ATK100→500 DEF100→500

アナト/ATK2600→3000 DEF800→1200

 

 

「バトルフェイズ!!アナトで直接攻撃するの!!」

 

「リバース罠、ソニック・マジック発動!!手札の魔法カードを1枚墓地に送り、セット状態の通常魔法を発動することができる!!」

 

 

ソニック・マジック

通常罠

相手の直接攻撃宣言時、

手札の通常魔法を墓地に送ることでこのカードを発動することができる。

自分フィールド上のセット状態の通常魔法を発動する。

発動したカードは効果処理後、除外される。

 

 

「伏せカードはミラクルフィージョン、よって墓地のエアーマンとレディ・オブ・ファイアを除外してGreat TORNADOを融合召喚!」

 

GreatTORNADO/ATK2800

 

 

「GreatTORNADOの効果発動!!」

 

 

そう宣言した瞬間アテナとフレイヤが竜巻に巻き込まれた。

 

 

「融合召喚成功時、相手フィールドのモンスター全ての攻守を半分にします、ダウン・バースト!!」

 

 

「っ!!アナトの攻撃力が…!!」

 

 

フレイヤ/ATK500→250 DEF500→250

アナト/ATK3000→1500 DEF1200→600

 

「っ…バトルフェイズ終了なの!!カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

なのは

LP4000 手札2枚

アテナ/ATK1500 フレイヤ/DEF250

伏せカード1枚 ヴァルハラ

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、手札から並行世界融合を発動します。ゲームから除外されているHEROをデッキに戻すことで融合モンスターを召喚…ディ・オブ・ファイアとエアーマンをデッキに戻し、ノヴァマスターを召喚!!」

 

 

フィールドには彼女の主力の1体である炎のHEROが現れた。

 

ノヴァマスター/ATK2600

 

 

「バトルフェイズ、GreatTORNADOでヴィータに直接攻撃!!スーパーセル!!」

 

 

風の竜巻が真っ直ぐとヴィータへ向かっていた。しかし、突如としてその向きがアナトへと変わった。

 

 

「リバース罠、シフトチェンジ!!攻撃対象をアナトへ移し替えるの!!きゃう!!」

 

 

なのは/LP4000→2700

 

 

「ですがまだノヴァマスターの攻撃が残っています、バトル、ノヴァマスターでヴィータに攻撃!!」

 

今度は炎の槍がヴィータへ飛んで行った。しかしその槍を防ぐように薄黄色のバリアが現れた。

 

 

「罠カード、ガードブロック!!戦闘ダメージを無効にしてカードを一枚ドロー!!」

 

「…ターンエンド」

 

 

紫苑

LP2200 手札0枚

GreatTORNADO/ATK2800 ノヴァマスター/ATK2600

伏せカード無し

 

―ヴィータのターン―

 

 

「あたしのターン!カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

ヴィータ

LP1500 手札1枚

伏せカード1枚

 

 

大進化薬が先程のターンでなくなったが、ほど先程と同じ状況だった。いきなり2600を超えるモンスターを出すのは流石に不可能だった。その為には準備が必要だった。

 

 

―なのはのターン―

 

 

「私のターン!!…手札から光の判定を発動!!私の場のヴァルハラを墓地に送ることでコート・オブ・ジャスティスをデッキから発動する!!」

 

 

光の判定

通常魔法

自分フィールド上に永続魔法が存在する場合発動することができる。

フィールド上の永続魔法を一枚墓地に送りデッキから永続魔法を一枚選択し、

発動することができる。

 

 

なのはの背後の居城が消えると天井近くに光りのリングが現れた。

その周りに小さな天使が飛びまわっていた。

 

 

「私の場にレベル1の天使、フレイヤが存在するから手札から光神機-月光を特殊召喚する!!そして、異次元の精霊を召喚!!」

 

 

光神機-月光

効果モンスター

星6/光属性/天使族/攻2000/守1800

このカードは生け贄なしで召喚する事ができる。

この方法で召喚した場合、このカードはエンドフェイズ時に墓地へ送られる。

このカードがフィールドから墓地へ送られた時、カードを一枚ドローする。

 

 

月光/ATK2000

異次元の精霊/DEF100

 

フィールドに楕円形の光に包まれた妖精と銀色に輝く球体の天使が現れた。

 

「レベル6の月光にレベル1の異次元の精霊をチューニング!!

古より生まれし光よ、悠久の時を得て彼の者を打ち滅ぼせ!!」

 

 

☆6+☆1=☆7

 

 

「シンクロ召喚!!エンシェント・ホーリー・ワイバーン!!」

 

 

フィールドに長い胴体の光り輝く龍が現れた。その姿が神々しく、また光のように明るかった。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン/ATK2100→2500 DEF2000→2400(フレイヤ効果)

 

 

「2500…ですが、私のモンスターよりは低いですが…」

 

「月光の効果で一枚ドロー、さらにこの子は私とあなたのライフ差だけ攻撃力をアップさせるの!!差は500!!」

 

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン/ATK2500→3000

 

 

「攻撃力…3000!!」

 

 

本日2回目の3000との対面に紫苑は苦虫を噛んだ顔になった。いや、さらに状況は最悪だった。

 

 

「バトル!!エンシェント・ホーリー・ワイバーンでGreatTORNADOに攻撃!!ホーリー・シューター!!」

 

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーンの口から光の光線が真っ直ぐとGreatTORNADOに向かって発射された。

 

 

「クッ…!!」

 

守るすべがない紫苑を守るようにGreatTORNADOが光線を受け、消滅した。

それと同時に更にエンシェント・ホーリー・ワイバーンの光が一層強くなった。

 

紫苑/LP2200→2000

エンシェント・ホーリー・ワイバーン/ATK3000→3200

 

 

そう、紫苑のライフが削られていけば行くほど、エンシェントの攻撃力が上がって行くのだ。しかも既に3000超えのこのモンスターをそう簡単に倒すことはできない。

 

 

「カードを伏せてターンエンドなの!!」

 

なのは

LP2700 手札0枚

エンシェント・ホーリー・ワイバーン/ATK3200 フレイヤ/DEF250

コート・オブ・ジャスティス 伏せカード1枚

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、私はホープ・オブ・フィフスを発動します。墓地のフォレストマン、オーシャン、ジ・アース、GreatTORNADO、アブソルートZeroをデッキに戻し、カードを2枚ドロー」

 

 

引いたカードと場のノヴァマスターでこの状況を覆せる方法を必死に考えていた。

3200のモンスターにほぼ毎ターン上級天使を手札から召喚する永続魔法、そして天使のサポートモンスター、その牙城を崩すのは――

 

 

「未来融合フューチャーフュージョンを発動します。デッキからフリーズ・レディとアイスエッジを墓地に送り、2ターン後のスタンバイフェイズアブソルートZeroを特殊召喚します」

 

「2ターンも与えないぜ!!」

 

 

ヴィータの言うとおり、このままだと次のなのはのターンで紫苑は終わってしまう。しかし、紫苑は別の狙いがあった。

 

「2ターンも待つ必要はありません。ミラクルフュージョンを発動、墓地のフリーズ・レディとアイスエッジをゲームから除外してダイアモンド・ダストを特殊召喚!」

 

フィールドに氷で出来た女性が現れた。

 

ダイアモンド・ダスト/ATK2700

 

 

「けど、私の場のモンスターの方が攻撃力が上なの!!」

 

「ダイアモンド・ダストの効果、融合召喚成功したターン相手のモンスター効果をすべて無効にする!」

 

その言葉と共にフレイヤは寒さに身を抱え、エンシェント・ホーリー・ワイバーンはぐったりとしていた。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン/ATK3200→2100 DEF2400→2000

フレイヤ/ATK250→0 DEF→0

 

「そ、そんな…」

「なのは!!」

 

 

ヴィータがなのはに呼び掛けるが、なのはは震えるだけだった。自身の最強カードが破壊されそうなのだ。

 

 

「バトルフェイズ、ダイアモンド・ダストでエンシェント・ホーリー・ワイバーンに攻撃!ダイアモンドブリザード!!」

 

 

ダイアモンド・ダストが生み出した無数の氷の礫が銃弾となりエンシェント・ホーリー・ワイバーンに襲いかかった。

 

 

「きゃあぁぁぁあぁぁ!!!」

 

 

なのは/LP2700→2100

 

 

攻撃を受け切れなかったエンシェント・ホーリー・ワイバーンを狙った氷の弾丸がなのはにも襲いかかった。

なのはの伏せカードは攻撃対象を移し替える2枚目のシフトチェンジだった。

 

しかし紫苑はさらなる攻撃宣言を行った。

 

 

「ノヴァマスターでヴィータに直接攻撃!」

「クッ…リバース罠、化石発掘!!手札のカード一枚を墓地に送って墓地のジュラックティラヌスを特殊召喚!!」

 

 

ジュラック・ティラヌス/DEF1400

 

再びヴィータのフィールドに巨大なティラノが現れた。そしてノヴァマスターの攻撃を受けてティラノは爆散した。

 

 

「…ノヴァマスターの効果で1枚ドロー、今引いたディメンションヒーローを発動、除外されているのは2体…よって2枚ドローします。サイクロンで、コート・オブ・ジャスティスを破壊し、カードを伏せターンエンドです。」

 

 

紫苑

LP2200 手札0枚

ノヴァマスター/ATK2600 ダイアモンド・ダスト/ATK2700

未来融合 伏せカード1枚

 

フレイヤ/ATK0→400 DEF0→400

 

ダイアモンド・ダストの効果が無くなったフレイアが元気になったが、2人の場のモンスターはそれだけだった。

 

流石に自身のエースを失ったのは痛く、2人から闘志が失いつつあった。

 

 

―ヴィータのターン―

 

「あたしの…ターン…(ちくしょう…あいつに勝てない……闇の書の残滓は…全て消さなくちゃならないのに…)……ジュラック・デイノを守備表示で召喚してターンエンド」

 

 

ヴィータ

手札0枚 LP1500

ジュラック・デイノ/DEF800

伏せカード無し

 

 

もうヴィータに打つ手はなかった。たった1体のチューナーで乗り切れるほど紫苑は甘くはなかった。

 

 

―なのはのターン―

 

 

「私のターン!うっ…(神の宣告……来るのが遅すぎた…)」

 

 

引いたカードはライフを半分支払って発動するカウンター罠だった。

しかしもうなのはのライフは2100と、使用すれば確実に敗北が待っていた。

 

 

「……カードを伏せてターンエンド」

 

なのは

LP2100 手札0枚

フレイヤ/DEF400

伏せカード2枚

 

 

―紫苑のターン―

 

既に戦いを投げ出していと言っても良い2人だったが、紫苑は今後の――全ての展開を考えていた。

 

 

「(…もし此処で2人をこのまま逃がせば確実にまたやってくる。なら、いまここでケリを付ける)ドロー!E・HEROボルテックを召喚!」

 

雷を纏ったHEROが現れた。しかもボルテックはダメージを与えると除外されているHEROを特殊召喚する効果もあるため、ほぼこのターンで終わる。

 

 

「バトルフェイズ、ノヴァマスターでジュラック・デイノに攻撃!」

「うッ…!!」

 

 

最後の壁が破壊され、ヴィータの場はなにも無くなった。そして、ノヴァマスターの効果で一枚ドローした。

 

「ボルテックでヴィータに攻撃、ボルテック・サンダー!!」

 

「うわぁぁあぁぁ!!」

 

 

降り注いだ雷に当たり、ヴィータは感電した。しかし攻撃力が低かったためかヴィータが気絶することはなかった。

 

ヴィータ/LP1500→500

 

「ボルテックの効果で除外されているフリーズ・レディを「トラップカード発動なの!!」っ…神の宣告…!!」

 

なのは/LP2100→1050

 

 

なのはの発動した神の宣告――だが代償は余りにも大きく、発動と共にライフを失ったなのはの呼吸がほぼ過去吸みたいに「コヒュー、コヒュー」といっている。

 

 

 

だがまず目標がヴィータの撃破だと判断した紫苑はさらなる攻撃を行った。

 

 

 

「ダイアモンド・ダストでヴィータに攻撃、ダイアモンドブリザード!!」

 

 

無数の氷の弾丸がヴィータに向かっていた。ヴィータは既に打つ手なしと判断し、諦め、衝撃に身を固めていた。

 

 

「リ…バース……ト…ラップ…発動…!!」

 

 

なのはの伏せカード発動宣言。それと同時にダイアモンド・ダストの攻撃が曲がり、フレイヤに向かっていた。

 

 

「シフ…トチェン…ジ……攻撃をフレイヤに…うつしかえるの…」

「……」

 

「なのは…!!」

 

 

息も途切れ途切れでヴィータを守ったなのは。しかし先程から紫苑自身が言っている様に、敵なら排除するまでだ

 

 

 

「リバース罠、異次元からの帰還を発動します。帰還せよ、フリーズ・レディ!アイスエッジ!」

 

 

紫苑/LP2000→1000

 

フリーズ・レディ/ATK1200

 

アイスエッジ/ATK800

 

まだ攻撃権の残っている2体のモンスター――

 

 

「そんな…!!」

「ま…だ……!!」

 

 

「フリーズ・レディでなのはに、アイスエッジでヴィータへ直接攻撃!これで終わりです…アイスパニッシャー!!コールドガン!!」

 

 

フリーズ・レディの右腕が氷の刃へ変わり、アイスエッジの周囲に氷の弾丸が漂った。

 

「きゃぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁ!!!!」

「うわあぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁ!!!!」

 

 

なのは/LP1050→0

 

ヴィータ/LP500→0

 

同時に2人のライフが0になった。それと同時に紫苑の場のモンスターも消えた。

 

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…――」

 

 

だが同時に2人と精霊界で戦った紫苑の精神力も底を尽きかけていた。

だが、それでも2人を拘束しようとしていた。

 

そしてそこで意識途切れた――

 

 

―研究室―

 

「…………ぅ……っ!…ここは…?」

 

 

先程までコンソールを叩いていた研究室のテーブルの上で目を覚ました紫苑。

近くには同じように椅子に座って寝ていたルキと――

 

 

「ん?目が覚めたのか」

 

 

コンソールを叩いて作業をしていたダークがいた。

実は紫苑が2人と戦う前にダークにミッドチルダ語の翻訳表を作っていたのだ。

 

紫苑が戦っている間もダークとルキで例のデータの翻訳を進めていたのだが…

 

 

「私は一体…」

 

「ふむ…君があの2人に勝った後、私とルキであの場所に向かったのだが…」

 

 

―回想―

 

「紫苑、大丈夫か!」

 

 

倒れている紫苑に駆け寄ったダークは急いで容体を確認した。幸い疲労で寝ているだけだと分かり2人は安堵のため息をついた。

 

 

「ルキ、紫苑を研究室の机の上に寝かしてくれないか?研究者の寝室は此処から遠いから研究室の方がいいんだが…」

 

「分かった」

 

 

紫苑を抱えてルキが研究室へと戻って行った。その間にダークはライフがゼロになって倒れていた2人を拘束するために魔法でロープを具現化していた。

 

 

「…此処まで追ってくるとはな…(このままでは…本格的に精霊界が管理局と戦争を起こすことになる…)」

 

 

ダークが今後の事態に頭を悩ませながら気を取り直して2人を拘束しようと2人の元へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「なのは!!」

 

「ヴィータ!!」

 

だが、そこにフェイトとはやてが現れるのにもっとダークは頭を悩ませた。

まさかこうも早く2人の救出が来るとは思いもしなかったのだ。

 

 

「はぁ…仕方が無いか」

 

「っ!時空管理局のフェイト・T・ハラオンです!!動かないでください!!」

 

 

フェイトがダークに気付き、持っていた斧の様な物を向けた。一方はやてはなのはとヴィータの怪我の様子を見ていた。何度も直接攻撃を喰らいボロボロだったが命に別条はないと判断しホッとしていた。

 

 

「管理局か…それで、どうする気だ?また精霊を捕えて実験動物にする気か?」

 

「なっ!?」

 

「そんなことはしません!!」

 

 

ダークの言葉にフェイトは驚き、はやては否定した。しかしダークは持っていたロープを消すと、三日月の様な頭の杖を取り出した。

 

 

「生憎…私の部下は何人もこの研究所で管理局に体を弄られたそうだ。その者にも家族が、愛する人がいた。だが…もう二度とまともな生活を送ることはできない」

 

「う、嘘だ!!」

 

 

フェイトがダークの言葉を否定し、雷を纏った槍をダークに向けてはなった。

しかしダークはその槍を軽くかわすと杖を2人に向けた。

 

 

「ツバキの友人となってくれる人がいると思い喜んだが…君達はその気持ちも踏みにじった」

 

「っ!!」

 

 

その言葉にはやては言葉を失った。はやてが管理局員としてツバキと戦った時聞こえた「信じていたのに」という言葉。

 

その意味は理解しているはずだった――

 

 

「本来なら、侵入者として君たちを殺してもいい。だが…ここで君達を殺しても目覚めが悪い…その2人を連れて二度とこの街(エンディミオン)に来ないというのなら追撃はしない。さっさと立ち去れ」

 

「…………………」

「………………バルディッシュ」

 

 

フェイトが何かを呟くと4人の姿が消えた――

 

―回想終了―

 

 

「という訳なんだ。すまなかったね…街を守るために君の頑張りを無駄にして」

 

「いえ、ただ返り討ちにしただけなので…所で、解読は?」

 

「既に完了しているが……これは一体、何の冗談なんだろうな…」

 

そう言ってダークが紫苑が解読した文章と自身で解読した文章の纏めたレポートを紫苑に見せた。

 

それを見た紫苑の反応は――

 

「……………………………………………」

 

 

困惑していた。




シゲル「早速カイザーの敗北とアニメの名場面か…」
作者のお気に入りでもあるからね。ずっと主人公たちを除け者にしていた先生が全てを託したって、それとライフが0になっても負けない気持ち。

剱都「で、あとは精霊界での出来事か…にしても、しつこいな」
あの2人がどうやって精霊界に行ったのかは次回だね。それとなぜフェイトとはやてがあの場にいたのかも。
作中にあった『時間軸が~』ってのは単純な理由
ユウ「どんな?」
はじめは精霊界での戦いで例えば『1ヶ月の治療で~』とかの時の辻褄合わせに書いたんだけど、ややこしくなるからやめた。
ツバキ「あれ…だったらなんで改訂版なのに削除しなかったの?」
とある理由があるから絶対に外せなかった。その理由はその時が来たらわかると思う。
紫苑「考えてないようで考えているんですね」
ひどい!

次に紫苑の決別の言葉だね。
ユウ「ちょっと前と変わったね。前だとヴィータが紫苑を星光の殲滅者だからって理由だったけど…」
にしては若干強引かなって。だと認めてくれたのがユウたちだからって理由にしたらいいかなと。

最後にデュエルの内容
剱都「ジュラックか?」
ジュラック主体恐竜デッキ。パワーでゴリ押し型だね。主にギラザウルスからの大進化薬での展開だけど一瞬で突破されて押されっぱなし。
紫苑「あの手のデッキは少しテンポを狂わせたらあとは自滅します」
確かにジュラシック・インパクトで自分の首を絞めてたからね。
ツバキ「なのはは…少しデッキを変えた?」
シンクロ導入型、エンシェント・ホーリー・ワイバーン主軸だね。
主にアテナバーンでダメージを与えてライフ差が出来たところにワイバーンのゴリ押し。ちなみにシンクロ口上はとある動画から。
シゲル「そういえばクロノのトリシューラもそんなんじゃなかったか?」
そう。考えるのが大変だからお気に入りの動画とかで使われてるのを流用してる。

剱都「残った問題は例のデータだが…」
それは次の次だね。さっき言ったみたいに次は同時刻の裏の話だから。

次回予告
精霊界に消えたなのはとヴィータの捜索に現れたはやてとフェイト。
そしてその消息にユウたちが関わってると予想して接触してきた。

だが、そこに謎の影が現れた。そのまま始まった謎の戦い。

しかし、あのカードはツバキのデッキに――

次回turn35 魔法使いVS盾の守護獣
最強カードは「波動竜術師―ドラゴフォルテス」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。