遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn40 拠点準備 仮面の魔物

「剱都、結局このアジトにどれぐらいの金かかってんだよ…」

「プライスレス」

 

 

シゲルの言葉も尤もだった。まず周囲の鉄の壁も特注品で圧力でつぶれない強度で地震にも強い優れモノだ。

さらにこの箱庭の周囲には振動緩和の特殊素材が撒かれているため、ここで『闇のゲーム』をしても外には響かない。

そして世界でもそれほどの数が無いスーパーコンピューターにその他必要なソファ、テーブル、電話などの家具etc...

 

 

「けど、ここに来るためには私達はどっちかの部屋に行く必要があるの?」

「ん?いや、秘密裏にブルー女子の近くの茂みから行ける通路が通ってるぞ」

 

「「「「「( ゜д゜)」」」」」←女子生徒組

 

「あ、向こうサイドにもここと同じ暗証機器があるし、通過記録も残るぞ」

 

 

剱都の言葉にホッとした女子メンバー。すると次は十代が手を上げた。いつの間にかアジトについての質問コーナーが始まっていた。

 

 

「5人はカードがあるから楽に来れるけど…俺達は入る事ができないのか?」

「ああ、それな。一応ブルー女子寮と同じ様にPDAをUSBで接続すれば出入りできる…が、お前ら非常時以外ここに来ること無いだろ」

 

「剱都、サーバーとカメラの接続もうすぐ終わるよ」

 

 

コンソールを操作していた紫苑がそう言った。すると先程までAWの社長室を映していたディスプレイがなにかのグラフを表示していた。

 

見たところなにかの消費量とかそう言う様な感じがするのだが――

 

 

「サーバーって言ってたんだが、何のサーバーなんだな?」

「ああ、海馬コーポレーションのデュエルリンクサーバーだ。俺達のデュエルディスクやデュエルリングでの対戦成績やそのデッキの持ち主、決闘者をサーチするためのサーバーだ。これを使えば…」

 

「そうか!あいつらがデュエルすれば居場所が分かる!!」

 

 

そう、海馬の持ってきた資料にディラとの戦いで検出されたエネルギー――よく調べてみれば今までの戦いでも同じような現象が起こっていたのだ。

それを追えば出現した場合足が分かる。

 

「カメラって何なのよ?」

「学園校舎の更衣室・トイレ以外の監視カメラだ。一応プライベートな事は立ち入る気は無いから録画映像は数分で消去されるがリアルタイムで表示されるぜ」

 

「……そんなことしていいのかしら?」

 

 

ももえが心配してもおかしくない。学校サイドが許可を出すにしても鮫島校長と交渉するにしても無理があると思ったからだ。まさかハッキングなわけ――

 

 

「安心しろ、海馬コーポレーション社長からの許可がある」

「瀬戸さんから!?」

「ああ。お前によろしくだとよ」

 

 

一応ユウが海馬と関係があるという事を簡潔に説明した。そしてサーバーへのアクセスも海馬が許可をしたという事をつけ足した。

 

 

「それとここで紫苑がデュエルディスクのメンテナンスをやる事もできる。一応今戦場を監視するためのAW社の静止衛星をアカデミア上空に移動中だし…それが完了すれば完成だな」

 

 

「「「「「「「「「( ゜д゜)」」」」」」」」」

 

 

最早やる事がでかいAW社。そのことに9人がポカーンとしていた。

 

………前回より紫苑と剱都を除いて一人足りない。その理由は――

 

 

 

―購買―

 

「ここはこうすればいいのね?」

「そうだよ。呑み込みが早いね~じゃあ明日からローテーションに組んでも問題無いわね」

 

 

購買でトメさんに購買でのレジ打ちのやり方や売り物の並べ方などならっていた。

そう、剱都の思いついたアカデミアにいるための名目は――売店の店員だ。

 

これなら免許や経験がなくてもできる――そして海馬(オーナー)からの許可も出ていた。

 

 

―再び戻ってアジト―

 

「さてと、三沢が鍵取られたんなら俺がイエローに留まる理由もないからな、今日からレッドへ戻ることになる」

 

「剱都、その通路の先はどこに繋がってるの?」

 

そう言いながら剱都はレッド・ブルー女子とも違う3つ目の通路へ向かった。それに明日香が剱都に聞いた。方向的には校舎と思われるが――

 

 

「学園の教室の教壇の裏だ。まあそこはどちらかが施錠されてたら空かない様になってるがな」

「………いつからこのアジト用意してたの…」

 

 

ユウの呆れている様に、確実に一日二日で出来様な規模ではないのだ。ちなみに距離の離れてるブルー女子と教壇したまで、エレベーターの様な箱で運ばれるのだ。

 

そして電力は小型自家発電装置がいたる所に配置されている。そしてその発電で余った電力は学園で使用されるという条件で海馬も黙認している。

というよりも余った発電機の使用用途がこうなると本人も満足していた。

 

「あ、じゃあ私も行くわ。兄さんの様子をね…」

 

 

そう言って明日香と剱都は学園行きのエレベーターに乗った。

 

『頼りになるというか、やはり剱都はすごいね』:イナ

『剱都は昔からああなのか?』:ウリィ

『ああ、思いついて即実行というタイプだ…父親が亡くなり、多少は考えるようになったのだが…』:ダーク

『流石我が主』:ブルース

 

↑の精霊の様に呆れたり、感心したり、呆然したりと様々だ。ちなみにチビ龍5匹と2匹のクリボーは神楽と遊んでいる。なぜかこの面子で人語を話せる精霊で神楽が一番子供っぽかったのは内緒だ。

 

―保健室―

 

「………はぁ…」

 

 

明日香は保健室でため息をついていた。それはセブンスターズの初戦として現れたダークネスが彼女の兄である天上院吹雪だったからだ。

 

闇のゲームの影響で意識を失ってもう二週間が経過している。

そんな兄の容体が心配でならないのだ。

 

「にいさ――――」

 

 

明日香が兄を呼ぼうとした瞬間――いつかのカイザーの様に目から光が消えた。

その背後に――仮面を付けた大柄の男が――

 

―ブルー女子寮前―

 

「剱都のやる事は大きいわね…」

「そうだね…」

 

ツバキと紫苑は女子寮の出入り口(ターミナル)――というか、女子寮の少し外れの茂みの中から現れた。アジトから女子寮のターミナルへ行くためにはこの茂みへ入る必要があるのだ。

 

 

「……………」

「お姉ちゃん?どうかしたの?」

 

 

急に黙ったツバキに紫苑が心配そうに振り返った。ツバキは通り抜けた森の中を眺めていたがなんでも無いように紫苑に微笑みかけた。

 

 

「ごめん、ちょっと忘れ物しちゃった。先に戻ってて」

「…うん……」

 

 

何か嫌な予感がしたが紫苑はツバキは単独で無茶をする事はしないと思っていた。その為、ツバキを一人にしてしまった。

 

 

 

「………そこにいるのは誰?」

 

 

―アジト―

 

 

「さてと、そろそろ私達も戻りましょうか」

「そうね、もうこんな時間だし」

 

 

ももえとジュンコがそう言って立ち上がった。既に時間はブルー女子寮の門限30分前だった。ギリギリに戻るわけにもいかないので余裕を持って戻ろうとした。

 

 

-pi pi pi pi-

 

その時、アジトのコンソールが電子音を発した。全員が見るとあるボタンが`メルしており、『通話』と書いてあった。

 

 

「通話?誰からか通信が?」

 

「あ、おいバカ」

 

 

そう言いながら十代がボタンを押してしまった。もしかしたら罠かもしれないのに押したのをシゲルが咎めたが、既に遅くディスプレイの画面が暗闇から剱都の顔へと変わった。

 

 

「剱都?」

 

『やっと繋がったか!』

 

PDAのテレビ通信だ。だが剱都はどこか急いでいるようだった。周囲の風景を見る限り保健室の様だった。

 

「どうかしたんっすか?」

 

『ツバキと明日香が行方不明だ!!保健室にも自室にもいないし繋がらないんだ!!』

「なに!?」

『紫苑が言うには女子寮のターミナルの近くの森で別れたきりらしい。アジトから向かった方が早いから何人かはそっちを探してくれ!!残りは手分けして探すぞ!!』

 

 

―保健室―

 

「ツバキはユウ達に任せて…俺は校舎を調べるか」

「う…ぅ…」

 

 

剱都が保健室を出ようとしたら吹雪がゆっくりと目を開けた。そしてゆっくり辺りを見渡してギリギリ焦点の合った目で剱都を見た。

 

 

「あ…すかは……とく…たいせい…りょうに…」

「特待生寮…分かった、あんたは寝て――」

 

 

剱都はそう言って扉を開こうとした――が、振り返った。剱都の袖を吹雪が握っていたからだ。

 

 

「僕…も…」

「…ボロボロのあんたを連れて行って危険が増す。悪いが――「妹の…場所に…」……チッ、しっかり掴まってろ!!」

 

 

妹を守る兄――その姿が自分と重なってしまった剱都。いつか幼い彼女を守る自分と――

 

 

―森―

 

「ツバキ~!!」

 

其々手分けして島中を探していた。ユウはターミナルからツバキが紫苑と別れた森の中を探していた。

 

ツバキは女子寮の中を、シゲルはアジトで待機、ジュンコとももえはイエロー寮の周辺、十代と翔、隼人は剱都からの連絡で先に特待生寮へ向かった。

 

 

「紫苑の話だと…確かこっち…――!?」

 

 

走り回って疲れてきたユウは前方に何かを見つけた――それは人影だ。

 

 

「ツバ……!!」

 

 

こんな時間で出歩いているとしたらツバキと思っていた。だが違う――

 

 

 

『聖牙夕』

 

 

 

それどころか―――学園の生徒ですらない

 

 

『あなたを拘束する』

 

 

 

黒い管理局の服に身を包んだ――少女?がそう言った。だがフードを深く被っており顔が見えず、更に声も編成期で変えたように何処か不自然だった。

 

 

「管理局…!!(まさかツバキも…!?)」

 

 

局員がいるということはツバキまで捕まった可能性がある。そう考えたユウはPDAをとり出した―――

 

 

『無駄。この周囲一帯に結界を貼った。内側から救援を呼ぶ事はもうできない』

「っ…!!けど捕まるわけにはいかない!!抵抗さしてもらうよ!!」

 

そう言ってデバイス代わりの自身のデュエルディスクを起動させた。それを見た局員も真っ黒のデュエルディスクを展開させた。

 

 

『時空管理局特別執務官アイリス・イヴ・バラスティラ』

 

「――デュエルアカデミア一年レッド生、聖牙夕!!」

 

 

『「デュエル!!」』

 

―ユウVSアイリス―

 

「僕のターン!!僕はスピリット・ディフェンダーを守備表示で召喚!!」

 

スピリット・ディフェンダー/DEF1000

 

明らかに相手は相当な腕前――もしかするとなのは達以上なのかもしれない。

その相手にまず初手としては守りから入るのが定石だ。

 

「更にカードを伏せターンエンド!!」

 

 

ユウ

LP4000 手札3枚

スピリット・ディフェンダー/DEF1000

伏せカード2枚

 

 

―アイリスのターン―

 

『私のターン…私は、フィールド魔法――SinWorldを発動』

「シンワールド…?」

 

聞いた事のないフィールド魔法が発動されると同時に周囲の光景が変わった。ただの森だったのが機械的な都市へと変わっていく。

 

 

『そして私はデッキに存在する青眼の白龍をゲームから除外する』

「!?ブルーアイズ!!?」

 

 

ユウの頭の中がさらに混乱して来た。青眼の白龍はユウもよく知ってる海馬瀬戸しか持っていないはずだ。

 

あまりに強力なカードとして製造中止になり、4枚しか存在せず――残り一枚も使用不可になるほどの破損状況に陥り、海馬瀬戸以外に持つ者はいないとされているカードだ。しかも、そのカードをデッキから除外したのだ。

 

 

『罪深き世界から現れよ…Sin青眼の白龍!!』

「っ!?」

 

 

SinWorldのビルの上――そこに一体の見覚えのある龍が襲来して来た。

だが顔には仮面の様な物を嵌め、体や翼に似たような装備をしている――

 

 

「ブルーアイズ…!!なんで…なんで、海馬さんのカードを持っているんだ!!」

『あなたは何か勘違いしてるようですが、これは別の世界にはブルーアイズのカード。この世界に一人しか持っていないカードでも他の世界にも存在する』

 

 

そう聞いた時確かにAOJは聞かないシリーズだったが、逆に向こうもユウやシゲルが持つカードで知らないカードがあった。

 

 

『更にデッキの真紅眼の黒竜をゲームから除外し、Sin真紅眼の黒竜を特殊召喚!!』

 

 

今度はダークネスのエースである真紅眼の黒竜がSin青眼の白龍と同じ仮面を嵌めた状態で現れた。青眼の白龍と同じように異世界の真紅眼の黒竜だろう。

 

『バトルフェイズ、Sin青眼の白龍で攻撃!!破滅のバーストストリーム!!』

「クッ…!!だけどスピリット・ディフェンダーは一度だけ戦闘では破壊されない!!」

 

そう言ったが内心ユウは焦っていた。想像以上にアイリスの戦術が奇抜――さらにSinという一期に強力なモンスターを呼べるカード――油断する隙もなかった。

 

 

『Sin真紅眼の黒竜で攻撃!!闇炎弾!!』

「リバース罠、くず鉄のかかし!!戦闘を一度だけ無効にする!!」

 

ボロボロのかかしが闇の様に黒い火球を受け止めた。しかしアイリスは予想通りの様に手札からカードを抜いた。

 

 

『カードを伏せ、ターンエンド』

 

アイリス

LP4000 3枚

Sin青眼の白龍/ATK3000 Sin真紅眼の黒竜/ATK2400

伏せカード1枚

SinWorld

 

―ユウのターン―

 

「僕のターン!!(手札の雷帝神と組み合わせてスピットを呼べる…けど、それじゃあ勝てない…)フィールドのスピリット・ディフェンダーをリリース!!手札から砂塵の悪霊をアドバンス召喚!!」

 

フィールドに赤い体の悪霊が現れた。それと同時に周囲に砂煙が立ち込めて――辺りを包み込んだ。

 

 

「砂塵の悪霊の効果発動!!アドバンス召喚成功時、このカード以外フィールドの表側表示モンスターを破壊する!!」

 

 

そしてフィールドに砂塵の悪霊しか残っていない。

 

 

「バトルフェイズ!!砂塵の悪霊で直接攻撃!!」

『クッ…!!』

 

 

アイリス/LP4000→1800

 

 

一気にアイリスのライフを半分以上削ることに成功した。スピリット・フィールドも伊弉凪も来ていないため、フィールドをがら空きにしてしまうが問題無かった。

 

 

「ターンエンド!!」

 

 

ユウ

LP4000 手札4枚

モンスター無し

伏せカード2枚

 

―アイリスのターン―

 

『私のターン、ドローフェイズSinWorldの効果発動!!』

「ドローフェイズに…?」

 

 

ユウが一体どういう効果なのか気になっているとアイリスのデッキの中間ほどから一枚のカードが飛び出した。

 

そのカードを指で挟んだアイリスはカードの説明に移った。

 

 

『SinWorldはドローをスキップする代わりにデッキのSinと名のついたカード1枚をランダムに手札に加える効果、そしてSin streamを発動!!フィールドにSin Worldが存在する時、Sin World以外の魔法・罠を破壊する!!』

「っ!!」

 

アイリスのフィールドに巨大な竜巻が現れた。その竜巻がゆっくりとユウの場へと向かって行った。が――

 

 

 

「リバース罠発動!!」

 

 

ユウが伏せていたカードを発動させたと同時にSin streamが四方に千切れ、中から一体のドラゴンが現れた。

 

 

「スピット・スピリット!!相手のフィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、手札のスピリットモンスター砂塵の悪霊と雷帝神を除外してエクストラデッキからスピット・シルバー・ドラゴンを特殊召喚する!!」

『ガアアァァァァァァァァァ!!!!!』

 

スピット・シルバー/ATK2500

 

 

スピット・スピリット

通常罠

相手が魔法・罠を破壊する魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した場合のみ発動することができる。

手札のスピリットモンスター2体をゲームから除外してエクストラデッキから

「スピット・シルバー・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

 

しかし、スピット・スピリットは破壊を無効にする効果ではないのでもう一枚の伏せカードのくず鉄のかかしが破壊されてしまった。

 

『私はエクストラデッキのスターダストドラゴンを除外し、Sinスターダスト・ドラゴンを特殊召喚する!!』

「エクストラからも…!!」

 

 

今度はエクストラデッキのシンクロモンスターが除外され、フィールドにそのシンクロモンスターが現れた。何処となくスピットに似てる気がした。

 

Sinスターダスト・ドラゴン/ATK2500

 

「攻撃力は同じ…!」

『Sinパラレルギアを守備表示で召喚し、カードを伏せターンエンド』

 

 

アイリス

LP1800 手札3枚

Sinスターダスト・ドラゴン/ATK2500 Sinパラレルギア/DEF0

伏せカード1枚

 

―ユウのターン―

 

「僕のターン!!(同じ攻撃力…手札のスピリット・バードがあるから破壊効果を無効にできる…なら…)バトルフェイズ!!スピット・シルバー・ドラゴンでSinパラレルギアに攻撃!!」

 

白銀の炎が小さな歯車のモンスターへ向かって放たれた

 

 

 

『リバースカードSin dummy guardを発動!!相手モンスターの攻撃を他のモンスターへ移し替える!!』

 

「なっ!!(破壊カードじゃない!!?)」

 

 

予想していた効果と違うカードが発動されたのにユウは驚きを隠せなかった。しかも攻撃力は同じ――このままでは――

 

『ガァァァァアァァァァァ!!!!!』

「スピット!!」

 

 

なにもできないユウは自身のエースモンスターが破壊されるのを眺めることしかできなかった。それとアイリスのSinスターダストも破壊された。

 

だがアイリスにはまだ手札も多く、ユウには哀しむ余裕すらない。

 

 

「クッ…手札からモンスターを裏側守備で召喚!!」

 

ユウ

LP4000 手札4枚

モンスター1体

伏せカード無し

 

 

―アイリスのターン―

 

『私のターン、SinWorldの効果でカードを1枚手札に加える!そしていま手札に加えたSin Drawを発動!!フィールドのSinパラレルギアをリリースしてカードを2枚ドロー!!Sin Selector発動!!墓地のSin青眼の白龍とSin真紅眼の黒竜を除外し、デッキからSinと名のついたモンスター2体を手札に加える!!』

「ヤバイ…!!」

 

 

見る限りSinは召喚条件が特定のモンスター除外というだけだ。ならばこのまま大量展開される可能性があった。それは手札にSinモンスターがいる場合だった――が、手札に加えられた。

 

 

『そしてエクストラデッキに存在するサイバー・エンド・ドラゴンを除外し手札のSinサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚!!』

「亮さんのサイバーエンドも…!!」

 

 

見覚えのある三つ首の機械龍が異次元へと消えて行った。そしてフィールドには仮面を嵌めたサイバー・エンド・ドラゴンがユウを敵視するように現れた。

 

「更にデッキのレインボー・ドラゴンを除外し、Sinレインボー・ドラゴンを特殊召喚!!」

「っ…!!」

 

 

Sinレインボー・ドラゴン/ATK4000

 

 

今度はサイバー・エンド並の大きさの仮面の白い龍が現れた。そしてそのモンスターの攻撃力は両方共に4000――

 

 

「バトルフェイズ!!Sinサイバー・エンド・ドラゴンで伏せモンスターを攻撃!!プログラス・エヴォリューション・バースト!!」

 

 

三つ首の機械龍の口に赤黒い光線が集まり、ユウのセットモンスター目掛けて発射された。

 

 

 

 

「神楽!!」

『ごめん、マスター!!』

 

くず鉄のかかしが破壊されては守りに徹する事も出来ない。そして壁となっていた神楽が破壊された。

 

「っ…あああああああああああああああ!!?」

 

ユウ/LP4000→450

 

 

神楽に襲いかかった赤黒い光線がそのままユウにのしかかった。

 

 

『Sinサイバー・エンド・ドラゴンには貫通能力がある!!そしてこれで最後だ!!Sinレインボー・ドラゴンで直接攻撃!!プルトゥル・ザ・レインボー!!』

 

 

仮面の白龍が虹色の光線をユウに向けて放つ――

 

 

「っぁ…神…楽の…効果発…動…!!このカードが…破壊された時、バトルフェイズを終了する…!!」

 

『これ以上は…!!』

 

 

虹の光線を自身の力で明後日の方向へ反射した神楽はそのまま墓地へ送られた。

 

アイリス

LP1800 手札4枚

Sinサイバー・エンド・ドラゴン/ATK4000 Sinレインボー・ドラゴン/ATK4000

 

 

―ユウのターン―

 

 

「…ボク…のターン…!!(攻撃力4000が…2体…!!)」

 

スピットも、しかもフィールドのモンスターも無しとなると既に打つ手がなかった。

そして引いたカードを見たが逆転できるカードではなかった。

 

 

「うっ……カードを伏…せ、モンスターをセット…ターンエンド…!!」

 

ユウ

LP4000 手札3枚

モンスター1体

伏せカード1枚

 

 

―アイリスのターン―

 

 

『私のターン、SinWorldの効果で一枚手札に加える…そして――』

 

既に勝ち目は残されていない。その事に打ちひしがれるように眼を伏せていたユウだったを尻目にカードを手札に加え、次なる動きを宣言しようとして――止めていたのだ。

 

「…?」

 

不審に思い眼を開けたユウが見た光景は、デッキからモンスターを除外しようとしたアイリス。だがその手を止めていた。

 

すると――

 

 

「―――ゥ――!!」

『仲間か…これ以上は無理か』

 

「なっ!?逃げるのか!!」

 

 

今目の前にいる管理局員は自信の目標がいて、更には勝てる状況で撤退すると言い出したのだ。そのことにユウは驚いていると近くの茂みが揺れた。

 

 

「ユウ!!」

「ツバキ!?無事だったの!?」

 

アイリスに捕まっていると思っていたツバキが無事だった――いや、もしかするとユウの勘違いのだけなのかもしれない。

 

するとツバキはアイリスに気付いた。

 

 

「管理局!!」

『姫野椿――今あなたと勝負するつもりはない。特に獣斬繁と戦う訳にはいかない…ここは引かせてもらう』

 

 

そう言い残すとアイリスはその場から消えた。以前紫苑に教えてもらった転移という魔法だろう。

 

 

「ツバキ、大丈夫だったの?」

「うん…さっきの人、何者…?」

 

 

ツバキの言葉にユウは何も答えれなかった。見た事のない、見覚えのあるはずのモンスターに並ではないプレイング――終わりを考えただけでゾッとした。しかし――

 

 

「あの人、なんで……」

 

 

――なぜシゲルと戦う訳にはいかなかったのか。ただ単にシゲルが強いから――それだけの理由ならそれで終わりだ。だがそれ以外になにか重要な理由があるとしたら――

 

 

―アジト―

 

「そうか…こっちのコンピューターはまだ完全にサーバーにアクセス出来ないからな…無事でよかったぞ」

『うん…ねえシゲル』

 

 

PDAでユウと通話していたシゲルはその片手間にコンソールを叩いていた。ある程度のやり方は紫苑に習っていたので閲覧ぐらいはできていた。

 

だがインストール率はいまだに63%ほどなので上手く作動していないのだ。心配だったがツバキと明日香を発見し、ユウも戦闘を行っていたが無事というのを聞いてほっとしていたのだ。

 

「どうした?なんかあったのか?」

『アイリス・イヴ・バラスティラって名前に聞き覚えがある?』

「っ!!?」

 

その言葉を聞いた時シゲルの目が見開いた。画面の向こうのユウがその光景に納得している様な顔をしているのにシゲルは少し冷静になった。

 

「…何て名前だって?」

『アイリス・イヴ・バラスティラ』

 

 

もう一度聞いてその言葉を頭の中で復唱して、高まる鼓動を抑え一言一言ハッキリと言った。

 

 

「…ユウ、ツバキに明日…世界の矛盾全員アジトに来るように言っといてくれ」

『分かった…』

 

 

通信を切ったシゲルの背後にウリィが佇んでいた。シゲルがアイリスの本名を聞いた辺りからいたのだが――そのシゲルの意図に気付いていた。




さてと、やっと半分だ…
ユウ「半分?」
すぴばる小説部に投稿しているのは80話。
今やっと半分ぐらいになった…
といっても幕間が何話かあるから正確にはもう少し先だけどね。

剱都「俺達のアジトが完成か…!」
内容を説明すると広さは小学校の体育館並。
振動対策、地震対策、騒音対策が施されており、地下にある自家発電で電力をまかなっている。
通行には認証システムが必要でそのアカウントがあるのは世界の矛盾に十代、翔、隼人、明日香、ジュンコ、ももえ、カミューラだけだね。

紫苑「カミューラが…購買員…」
半笑いで言うな、分かりにくい。
まあ、設定上そうなるけどカミューラが売店でそんな感じのことをしてる描写は今後皆無。ただ『学園にいる名目上』売店で働いているだけ。
後でちょうどいい役どころにつくけど

ツバキ「森の中にいたのは…だれ?」
それはまだ…すぴばる小説部でも明らかにされてない。
シゲル「なんだ、ただ単にフラグ回収を忘れてるのかと思った」
自分のフラグの中にはタイミングと出番の2つがある。
出番はその名のとおり、出現フラグ。そしてこっちが結構忘れる。
タイミングはまあ物語の分岐点とか「過去のあれで今の状況になった」という感じ。
簡単に言えば「シゲルが管理局と決別するかしないか」でその後の物語はガラッと変わるからね、そういうの。
ユウ「じゃあ…ツバキがこの森の中で誰かに会ったから今後の展開が変わったの?」
まあ、多分そうなるね
剱都「歯切れが悪いな」
正直に言うとこのフラグ、今じゃなくても立ってたね。
必ずどこかでツバキは誰かと遭遇していた。

ユウ「次はデュエルの解説」
Sinデッキです。
剱都「なんだよ…あの化けモンみたいなモンスターは…」
リアルで今現在作者が使っているサブデッキだね。
当時からSinを出すキャラを考えていたんだけど、どうせなら『敵』で出したかった。
ちなみに作中のSinはOCGと原作効果を混ぜた感じにしました。
ツバキ「どうして?」
原作効果だといろいろと都合が悪かったり、微妙な感じがするところがあった。それにSin青眼やSin真紅眼にそれぞれ効果を与えてみたいってのもある。
それとOCGだと展開できないからはじめから無理だった。

紫苑「ですが、どうしてアイリスは撤退を…」
それはだいぶ後で判明するね。

次回予告
管理局の特別執務官『アイリス』に敗北したユウ。
だが彼女の言動は謎を残すばかりだった。しかしシゲルの過去にある答えがあった。

明かされた獣の過去。

そして、彼の本当の目的とは?

すべての決意が交差するとき、新たな力が芽を出す。


次回turn41 獣の過去 新たな芽
最強カードは「剣闘獣ベストロウリィ」

次回はデュエルなしです。
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