遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn42 古の魔法 剱都VSはやて

―修行室―

 

「あれから一年近くか」

 

 

そう言ったのは剱都だ。寝起きの様に体の間接を伸ばしならが4人にいった。いや、その周囲に浮かんでいる各々の精霊達にもだ。

 

 

ユウがアイリスに敗れてから、アイオーンの作りだした空間で修行すること1年の月日が流れた。だがそれは修行室の中で、実際は数日過ぎたぐらいだ。

 

 

『すまないね。これだけの人数を時間流から外すのは無理だったんだ…外の情報だとセブンスターズとの戦いも、最後のアムナエルを十代が倒したらしいよ。そしてその正体は案の定大徳寺と言う人だったらしい』

 

「やっぱり先生が…」

 

ダークネスこと、天上院吹雪がかつての出来事で大徳寺に嵌められていた事を明かした。それにより行方不明になった大徳寺を探しているうちに最後のセブンスターズ―アムナエルと十代が戦い、勝利したのだ。

 

 

『その出来事が今から約20時間前、今は朝のの10時。何だから知らんがブルー女子寮の森が騒がしいのだ。おそらく…』

 

「管理局の可能性が高い…ですね」

 

 

紫苑の言葉に全員が顔を見合し…そしてニヤリと笑った。

5人が修行で手に入れた新たな力――それを試す良い機会だ。

 

 

―森―

 

「大徳寺先生…ありがようございました!!」

 

 

十代が大徳寺の残したカード「賢者の石 サバティエル」を身に宿したエリクシーラーで幻魔皇ラビエルを戦闘破壊した。だが「賢者の石 サバティエル」は光の粒子となって空へ舞い上がった。

 

 

そして首謀者の影山理事長はその後の成り行きで腰を痛めてしまい、ヘリで本島の病院に運ばれた。

 

 

「さて、校長。この三幻魔のカードをお願いします」

 

 

そう言って三沢は影山が残したデュエルディスクから3枚の幻魔のカードを引き抜いた――のだが

 

 

 

「ラグナロクブレイカー!!」

 

『っ!!!!???』

 

「危ない!!」

 

 

三沢に襲いかかった灰色のビーム状の攻撃。

 

それに間一髪気付いたジュンコが三沢を突き飛ばしその攻撃から身を守る事が出来た。だがその衝撃で3枚のカードが宙を舞った。その先に赤髪の女性が浮かんでいた。

 

 

 

「貰った!!」

「危ないっす!!」

 

 

が、寸前で翔がそのカードをキャッチした。そしてようやく十代達は周囲に4人の少女、女性が浮かんでいた。

 

 

「な、なんだこいつら!?」

 

「ま、不味いんだな…ユウ達もいないんだな…!!」

 

 

唯一彼女達に対抗できる力を持っている5人は何故か此処2、3日アジトから出てこないのだ。そんな状況で管理局の介入があれば彼らが間に合わない。

 

 

「翔、こっちに来い!!」

「兄k!!!?」

 

 

十代の呼びかけに翔は全員の元へ走っていた――が、

 

 

「逃さん!!」

 

 

シグナムが翔の首根っこを掴んだ。そして持っていた剣を翔の首元へ持っていく。

 

 

「そのカードを「兄貴!!」っ!?」

 

 

翔は自信が捕まっているのにもかかわらず三幻魔を十代に向けて投げた。若干狙いが逸れたが、それを受け取ったのは明日香だ。

 

 

「シグナム先生!?どうして…!!」

 

 

事情を知らない三沢は驚きを隠せなかった。ちなみに学園を去った後に潜入し、戻ってくる前に逃亡してたため万丈目はシグナムを知らなかった。

 

 

「こいつらは人の物を奪う強盗だ!!」

 

「十代…人聞きが悪いな」

 

 

十代の言葉に低いトーンではやてが反論した、が、問題はそこではないと言うようにフェイトとはやては持っていた杖を十代達に向けた。

 

ちなみに何故か此処にいるのはなのはではなく、リンディだった。彼女はまだ紫苑との戦いのダメージを抜けずに待機を命じらているのだ。

 

しかしそれではユウ達を抑えれる可能性が低いので、リンディ自身がやってきたという訳だ。

 

 

「翔を離せ!!」

 

「ならばそのカードをこちらに渡してもらおうか」

 

 

シグナムの言葉に其々苦虫を噛んだ顔になっている。奴らの狙いはそのカード、そして渡すと言う事はユウ達の敗北を意味していた。

 

もしもこのカードを奴らが使用したら――十代でさえ賢者の石がなければ勝てなかった相手に勝てる確率は低い。

 

 

「クッ…どうすれば…!!」

 

 

「こうするよ、スピット!!」

『ガァァァァァァァァァァァ!!!!』

 

『『『!!??』』』

 

 

突如として白銀の龍が襲来した。そしてそのまま翔を抱えているシグナムに向かってスピットが突進した。

 

 

「クッ…レヴァンティン!!」

 

 

シグナムは翔を投げ捨て、持っていた剣でスピットの突撃を受けとめようとした。

 

「スピット、今だ!!」

『ガァ!!』

 

「!!」

 

 

が、スピットはシグナムではなく翔を咥えるとそのまま高く飛び上がり、十代達の元へと飛んで行った。そう、『翔を咥えたまま空を飛んで――』

 

 

「イヤァァァァァァァァァァッスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!」

 

 

最早ジェットコースター状態。

 

そんな翔を尻目に森の中から4人の男女が現れた。が――

 

 

「さて」

 

「4人か…」

 

「ってか、大将(リンディ)まで居るとなると…」

 

「総力戦だね」

 

 

上から順に紫苑、剱都、シゲル、ツバキが現れた。しかし――スピットを召喚したはずのユウがいない。

 

しかし4人は其々別れて局員――

シゲルはリンディ、ツバキはフェイト、紫苑はシグナム、剱都ははやてと向かい合うように立った。

 

 

「皆~がんばって~!!」

「あ、ユウ」

 

 

そしてユウはスピットの背中に乗っていたのだ。奇襲が失敗した場合、さらなる奇襲として隠れていたのだ。

 

「ひ、ひどいっすよユウ君…あんな動きするなんて…」

 

「ごめん。けどああするしかなかったんだ…それより」

 

 

そう言ってユウは4VS4が始まろうとしてる場所とは違う場所を睨んでいた。その姿を見て十代がふと思った。

 

 

「(ユウ…なんか頼もしくなった?)」

 

 

一年間の修行は新たな力だけではなく、心身ともに強くなっているのだ。だがそれを知らない十代は首を傾げていた。

 

 

 

「そこにいるの、出てきたら」

「………………」

 

 

ユウの言葉に従うように出てきたのは――

 

 

―剱都VSはやて―

 

 

「テメェが八神はやてか」

 

「…AWの総帥…そしてツバキの兄…羽黒剱都…!!」

 

 

互いに互いの情報を持っていた。剱都は捕えた夜神志度と紫苑から情報を手に入れていた。

そしてはやては管理局のデータベースからAW社の事を調べ上げていたのだ。

 

 

「一つ聞きたい、なぜユウ達を…俺の妹(ツバキ)を裏切った?」

「…それがわたしの仕事だから。そしてツバキちゃん達が敵だったから」

 

 

淡々と会話してデュエルディスクを起動している2人。だが、その眼には目の前の相手の喉元に食いつく闘志――その様なモノが見え隠れしていた。

 

 

「あれこれ言うのは趣味じゃねぇんだよ…」

 

「そうやな、うちも言うよりもこうしたほうが楽やからな…」

 

 

そしてディスクを構え、シャッフルしたデッキをセットした。それと同時に例のドームが2人を包み込んだ。これで――もう『逃げられない』

 

 

「「デュエル!!」」

 

―はやてのターン―

 

「うちのターン!!(データによるとパワーと展開を兼ね備えたマシンナーズデッキ…やけど、うちもなのはちゃんに負けないパワーデッキや!)うちはダーク・クリエイターを手札から捨ててダーク・グレファーを特殊召喚!!」

 

 

フィールドに暗黒に身を染めたダイ・グレファーが現れた。それを見て剱都の頭の中の本にある言葉が浮かび上がった。

 

 

『八神はやては元闇の書の主』

 

『闇関係のカードを使ってパワーで攻めてくる』

 

 

紫苑とツバキが言っていた情報だ。しかし紫苑はともかくツバキはアカデミアの月一試験でのデッキの情報だ。それから既に半年近くの月日が流れているため、デッキの内容を変更した可能性もあったが――

 

 

「(恐らく聞いた通りの闇デッキ…なら、あのカードのお披露目にちょうどいい)」

 

 

思惑通りに事が運んで不意に剱都の口に笑みが浮かんだ。それに嫌な予感したはやては念の為に手札のカードを一枚墓地に送った。

 

 

「手札の闇属性の黒耀岩竜を墓地に送り、デッキからネクロガードナーを墓地に送るで!!」

 

「(ネクロガードナー…おっと、顔に出ちまってたか…)」

 

 

急な防御策に剱都は不意に笑ってしまった事に気がついた。しかしはやてはカードを一枚伏せた。予想ならあれも攻撃反応系や防御型の罠だろう。

 

「そしてダブルコストンを守備表示で召喚!!ターンエンドや!!」

 

「(ダブルコストン…手札に上級モンスターがいるっつうことだな)」

 

 

フィールドに2つの玉状の人魂の様なモンスターが現れた。ダブルコストンの効果はジェルエンデュオの様なダブルコストモンスターだ。

 

 

はやて

LP4000 手札2枚

ダークグレファー/ATK1700 ダブルコストン/DEF1650

伏せカード1枚

 

―剱都のターン―

 

「俺のターン!!(まあ、ちょうど良いつっても、『あのカード』が来てないなら今まで道理だな)

相手フィールド上にのみモンスターが存在する時、手札のマシンナーズ・エアレイドを特殊召喚!!

そして手札のカーネルはマシンナーズと名のついたモンスターが特殊召喚に成功した時、こいつも特殊召喚することができる!!」

 

 

一気に手札から2体のモンスターを並べた。しかしまだまだ剱都は止まらない。

 

「手札からマシンナーズ・キッズを召喚する!!」

 

 

マシンナーズ・キッズ/ATK400

 

今度は野球帽の様な物を被り、双眼鏡と虫網、虫籠を持った機械少年が現れた。

 

 

「!!」

 

 

ブルースの横に似たような恰好の機械武士が現れた。

すると突然はやての伏せカード――炸裂装甲が表になった。

 

 

「なんや!?」

 

だが攻撃を行った訳でもなく、また効果が発動する様子もなかった。

すると勿体ぶるように剱都は手札のあるカードを見せた。

 

 

「マシンナーズ・キッズは相手のフィールドの魔法・罠を一枚このターンのエンドフェイズまで表側にすることができる!!そしてそのカードはこのターン発動する事が出来ない!!」

 

 

マシンナーズ・キッズ

効果モンスター・チューナー

星3/地属性/機械族/ATK400/DEF200

このカードが召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カード一枚を選択することができる。

そのカードをこのターンのエンドフェイズまで表側表示にし、効果を発動する事が出来ない。

 

 

表になった罠に合計レベル8のチューナーとチューナー以外のモンスター――

 

 

「マシンナーズ・エアレイドとマシンナーズ・カーネルにマシンナーズ・キッズをチューニング!!」

 

そうなれば剱都の独壇場だった。

 

「機械の魂を持つ翼竜よ、その鋼鉄の翼で仲間を敵の脅威から守りたまえ!!」

 

☆3 + ☆2 + ☆3 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚!!撃ち抜け、クロック・ゴールド・ドラゴン!!」

『グルゥゥゥァァァァァァァ!!!!!!!』

 

 

クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300

 

 

フィールドに機械の銃身を体に生やした巨大な龍――クロックが現れた。

それと同時にその銃身が表になっている炸裂装甲に向いた。

 

 

「クロックの効果発動!!シンクロ召喚成功時相手フィールド上の表側表示の魔法・罠を全て破壊する!!オートファイア!!」

 

 

「クッ…!!(シャマルはこの効果でやられたんや…!!それに僅か1ターンでフィールドをそろえる技術…嘗めていたら勝てへん!!)」

 

「バトルフェイズ!!クロックでダーク・グレファーに攻撃!!ジェノサイド・イグニッション!!」

 

 

クロックの全身の銃身から放たれた弾丸がダーク・グレファー――ではなく、墓地にいたネクロガードナーを打ち抜いた。

 

 

「ネクロガードナーの効果!!墓地のこのカードを除外することで相手の攻撃を一度だけ無効にする!!」

 

「予想通りなんだよ!!手札のダブル・アップ・チャンスを発動!!自分のモンスターが戦闘を無効にされた時、そのモンスターの攻撃力を倍にして再び攻撃できる!!」

 

「なんやて!!?」

 

 

発動したカードで再びクロックに弾丸が装填され、ダーク・グレファーを照準に入れた。

 

 

クロック/ATK2300→4600

 

 

「ジェノサイド・イグニッション・セカンド!!!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

はやて/LP4000→1100

 

 

「カードを伏せ、ターンエンド!!」

 

 

クロック/ATK4600→2300

 

剱都

LP4000 手札1枚

クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300

伏せカード1枚

 

―はやてのターン―

 

 

「うちのターン!!(一気にライフを半分以上削られてもうた…これ以上は危険やな…)魔法カード闇の誘惑発動!!カードを2枚ドローし、その後闇属性モンスターを除外する!!」

 

 

デッキの上から2枚カードを引いた。(ダーク)デッキではこのカードのコストに困ることはなかった。

 

 

「うちは手札のダーク・パーシアスを除外!!そしてフィールドのダブルコストンを2体分のリリースとして手札からダーク・ネオ・パーシアスをアドバンス召喚!!」

 

 

フィールドに彼女のエースモンスターが現れた。本来ならダーク・パーシアスをリリースすることで召喚するモンスターだが、ダブルコストンが場にいるとそれは意味がなかった。

 

ダーク・ネオ・パーシアス/ATK2300→4500

 

 

「攻撃力が上がった…?」

 

「ダーク・ネオ・パーシアスは墓地の闇属性モンスター1体につき、攻撃力が300アップ!!墓地には4体の闇属性モンスターがおるから1200アップするんや!!バトルフェイズ!!

ダーク・ネオ・パーシアスでクロック・ゴールド・ドラゴンに攻撃!!ダークネスパーシア!!」

 

 

ダーク・ネオ・パーシアスが持っていた剣でクロックの首元目掛けて真っ二つにしようと振り下げた――

 

 

「リバース罠!!タイムレスポンス!!自分フィールド上のクロック・ゴールド・ドラゴンが存在する時、デッキから通常魔法を一枚手札に加えてバトルフェイズを終了させる!!俺は古の対価を加える!!」

 

 

タイムレスポンス

通常罠

自分フィールド上に「クロック・ゴールド・ドラゴン」が存在する場合、

相手の攻撃宣言時発動する事が出来る。

自分のデッキから通常魔法を一枚手札に加え、バトルフェイズを終了する。

 

 

「(タイムレスポンスに古の対価…?今までに使った事のないカード…)ならうちはカードを伏せてターンエンドや!!」

 

 

はやて

LP1100 0枚

ダーク・ネオ・パーシアス/ATK4500

伏せカード2枚

 

 

―剱都のターン―

 

「俺のターン!!(さてと…攻撃力4500…俺のデッキの最大攻撃力は通常ならバーサーカーの3500…破壊するにしてもリィアバー並じゃねーと……っと、前なら考えるがちょうど手札にあるし…)さてと、俺の新たな力を見せてやるぜ!!」

「!!(来る!!)」

 

 

剱都はそう言うと手札のカードを一枚フィールドに出した。

 

 

「手札からマシンナーズ・キャンセラーを召喚!!効果により自分フィールド上のシンクロモンスターをゲームから除外し、そのモンスターのレベルと同じになる様に墓地のモンスターを召喚する!!」

 

 

マシンナーズ・キャンセラー

効果モンスター

星3/地属性/機械族/ATK1000/DEF500

1ターンに1度分フィールド上のレベル8以上のシンクロモンスターを選択する事が出来る。

選択したモンスターをゲームから除外し、そのモンスターと同じレベルになる様に墓地からモンスターを特殊召喚する事が出来る。

この効果を発動した場合次の自分のターンのエンドフェイズまで、

自分はシンクロ召喚を行う事ができない。

 

マシンナーズ・キャンセラー/DEF500

 

フィールドのクロックが異次元に消えるとフィールドに3体のモンスターが並んだ。

 

 

「ただしこのターン、俺はシンクロを行うことができない」

 

マシンナーズ・エアレイド/DEF1000/☆3

 

マシンナーズ・カーネル/DEF100/☆2

 

マシンナーズ・キッズ/DEF200/☆3

 

 

「やけどシンクロを行わない…ならどうしてシンクロモンスターを除外して…」

 

 

そう、既に召喚権も行使してたとえマシンナーズ・バーサーカーを召喚したとしてもダーク・ネオ・パーシアスに勝つ事が出来ない。

 

 

 

「これが俺の新たな力だ!!ライフを半分払い、魔法カード古の対価!!」

「古の…対価?」

 

剱都/LP4000→2000

 

見知らぬカードが発動した剱都にはやては首を傾げた。

 

 

「フィールド上のマシンナーズエアレイド、カーネル、キャンセラーを生け贄に捧げる!!」

 

 

すると剱都のフィールドのモンスターが次々に消えてゆく。だが古の対価は儀式でもなく、どうやら手札のカードも違うようだった。

 

 

「飢えた亡者の魂が暴食の意思に司る、喰いつくせ!!」

 

 

フィールドの3体のモンスターが消えると剱都のフィールドに魔法陣が出現した。その中央、一体の石像が赤く光りだした。

 

 

「エンシェント・ベルゼ!!」

 

「な、なんや…そのモンスターは…!!」

 

 

そう宣言した時、フィールドの石像が砕け散り赤い体の悪魔が現れた。だが剱都の手札が減っておらず、デッキからカードを出した様子もない。

 

また、シンクロを行った様子もなかった。

 

 

 

エンシェント・ベルゼ/ATK1000/☆8

 

 

「エンシェント・ベルゼの効果発動!!召喚成功時、自分フィールド上のモンスター1体と相手フィールド上のモンスターを1体破壊する!!カースド・バック!!」

 

 

剱都の場のマシンナーズ・キッズと共にダーク・ネオ・パーシアスが炎に包まれた。

 

 

「クッ……!!エンシェント・ベルゼなんてモンスター…聞いたことあらへん…!!一体どうやって…!!」

 

 

攻撃力1000にリィアバーの下位互換の様なモンスター破壊効果――それに召喚に使用した魔法「古の対価」――

明らかに普通のモンスターではない。

 

 

「クックック…そろそろ種明かししてやろう。古の対価は自分のエクストラデッキのエンシェントモンスターを特殊召喚する為のカードだ!!」

 

 

古の対価

通常魔法

このカードは自分のライフを半分支払い、

自分のエクストラデッキの「エンシェント」と名の付くシンクロモンスターを

1体選択し、発動する事が出来る。

そのモンスターとレベルが同じになる様に

記されている素材をリリースし、選択したモンスターを特殊召喚する。

墓地に存在するエンシェントモンスターを除外することで

このカードを手札に加える事ができる。

この効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

レベルを合わせてモンスターをリリースして召喚する。それはまるで儀式召喚だがエクストラデッキ、そしてシンクロモンスターを召喚する点だと本当に――

 

 

「チューナーを使用しないシンクロ召喚…!!そんな方法聞いたことあらへん!!」

「ああ、これは俺が作り上げた戦い方だ!!エンシェント・ベルゼのもう一つの効果!!このモンスターの効果で破壊したモンスターの攻撃力分、ベルゼの攻撃力をアップさせる!!カースド・チャージ!!」

 

 

エンシェント・ベルゼ

シンクロモンスター・エンシェント

星8/炎属性/悪魔族/ATK1000/DEF1000

モンスター×3体以上

このモンスターは「古の対価」の効果でエクストラデッキから特殊召喚することができる。

このモンスターの特殊召喚成功時、

自分と相手のフィールドのモンスターを1体ずつ選択する事が出来る。

選択したモンスターを破壊して、そのモンスターの元々の攻撃力分攻撃力がアップする。

このモンスターが破壊された場合、デッキからカードを1枚ドローできる。

 

 

エンシェント・ベルゼ/ATK1000→3700

 

 

「そんな…うちのエースが…」

 

「バトル!!エンシェント・ベルゼで直接攻撃!!カースド・バースト!!」

 

 

エンシェント・ベルゼの右腕から放たれた炎が真っ直ぐはやてに向かって放たれた――

 

 

「リ、リバースカード!!ガード・ブロック!!戦闘ダメージを0にしてカードを一枚ドローする!!」

 

 

炎がはやてを避けるように真っ二つに分かれた。

 

 

「チッ…かわしたか…カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

剱都

LP2000 手札0枚

エンシェント・ベルゼ/ATK3700

伏せカード1枚

 

 

―はやてのターン―

 

はやては目の前の悪魔に震えながらデッキの一番上に指を置いた。

 

 

「う、うちのターン!!(ダーク・ネオがやられてもうた…もううちのデッキに…)」

 

 

震えている指ではデッキからカードを引きぬきことは――いや、もうはやてに戦う意思はなかった。もうこのままデッキの上に手を置いて戦いをおこうとも考えていた。

 

 

『はやてちゃん!!』

 

『主!!』

 

「っ!!リイン!?」

 

「なに!?」

 

 

突如として響いた幼い少女の声と凛とした女性の声が響いた。よく見るとはやての右に人形ぐらいの大きさの少女が、背後にその少女を成長させたような女性が立っていた。

 

 

「精霊…なのか…?」

 

『いえ、あの者達に精霊の力は感じられません。おそらく…カミューラ殿の持つヴァンパイア・ロードの様な別の力かと』

 

 

剱都の言葉にブルースがそう応えた。するとその2人の少女と女性が消えると、はやての手の震えが無くなった。

 

 

「…負けられてへんねや、うちは。管理局員、八神はやては負けれへんのや!!うちのターン!!ドロー!!」

 

「(目つきが変わった…来るか!!)」

 

 

引いたカードを見たはやて、そして手札・墓地・フィールド状況を冷静に分析して最良かつ、最善の方法――

 

 

「リバースカード闇次元の解放を発動!!除外されている闇属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!!来てや、ダーク・パーシアス!!さらに手札からリインフォース・ツヴァイを召喚!!」

 

『はいです~!!』

 

 

フィールドに闇の天使と先程の人形の様な少女が元気いっぱいに現れた。見た感じがなんとなく以前ツバキが使ったサニーピクシーに似ている気がした。

 

 

ダーク・パーシアス/ATK1900→2400

 

リインフォース・ツヴァイ/ATK1200

 

 

「そしてレベル5のダーク・パーシアスにレベル3のリインフォース・ツヴァイをチューニング!!

夜天の主の名において、新たな名を送る――強く支える者に吹き荒れる幸運の追い風となれ!!」

 

『いきますよ!!』

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「シンクロ召喚!!祝福の風――リインフォース!!」

 

『行きますぞ、我が主』

 

 

リインフォース/ATK2700

 

フィールドに先程の女性が現れた。どうやらこの女性――リインフォースが――

 

 

 

「テメェの切り札か…!!」

 

「そうや、リインフォースの効果発動!!シンクロ召喚成功時、相手モンスターの効果を無効にし、その効果を得る!!それにチェーンしてリインフォース・ツヴァイの効果発動!!」

 

『はい、はやてちゃん!!』

 

 

するとはやての場に再びリインフォース・ツヴァイが現れた。

 

 

「ツヴァイはリインフォースのシンクロ素材になった時、墓地から特殊召喚してカードを1枚ドローできる!!」

 

 

リインフォース・ツヴァイ

効果モンスター・チューナー

星3/闇属性/魔法使い族/ATK1200/DEF1000

このモンスターが「祝福の風ーリインフォース」のシンクロ召喚の素材として墓地に送られた場合、墓地からこのカードを特殊召喚することができる。

その後自分はカードを1枚ドローできる。

「リインフォース・ツヴァイ」はフィールドに1体しか存在できない。

「祝福の風ーリインフォース」が戦闘で破壊される時、代わりにこのカードを破壊する事が出来る。

 

 

「ドロー!!そして、リインフォースの効果でエンシェント・ベルゼの効果を無効にする!!」

 

 

祝福の風―リインフォース

シンクロモンスター

星8/闇属性/魔法使い族/ATK2700/DEF1800

「リインフォース・ツヴァイ」+チューナー以外のモンスター1体以上

このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターを選択する。

選択したモンスターの効果を無効にし、その効果を得る。

このカードが破壊された場合、

自分の墓地のシンクロモンスター以外のモンスターを1体特殊召喚する。

このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「リインフォース・ツヴァイ」は攻撃対象に選ばれない。

 

 

「チッ…俺がまだこのカードに扱いきれてないか…」

 

 

エンシェント・ベルゼ/ATK3700→1000

 

剱都は古の対価とエンシェントモンスターを完全にとは使い切れてなかった。

 

しかもタイミングを逃して効果が発動できないとしても、攻撃力1000となったベルゼに相手のリインフォースとツヴァイの2体のモンスターの攻撃を喰らえば――

 

「バトル!!リインフォース・ツヴァイでエンシェント・ベルゼに攻撃!!終焉の笛、ラグナロク!!」

 

「クッ…!!エンシェント・ベルゼの効果でカードを1枚ドロー!!」

 

 

 

剱都/LP2000→1800

 

先程三沢を襲ったのに似た攻撃によってベルゼが破壊されてしまった。

このままはやての切り札(リーンフォース)の攻撃を受ければ負けてしまう。

 

 

「リバースカード時の解放を発動!!エンシェントモンスターが戦闘で破壊された時、ゲームから除外されているモンスターを特殊召喚することができる!!来い、クロック!!」

 

『グルァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

クロック/DEF2500

 

 

「構わへん!!リインフォースでクロック・ゴールド・ドラゴンに攻撃!!デアボリック・エミッション!!」

 

『闇に染まるがいい!!』

 

 

女性の伸ばした両手から漆黒の球体が放たれた。

 

 

 

しかし、消えたはずのエンシェント・ベルゼがその間に割って入った。

 

 

「クロックはやらせねぇよ!!時の解放で特殊召喚したモンスターはこのターン戦闘で破壊されない!!」

 

 

時の解放

通常罠

エンシェントモンスターが戦闘で破壊された時、

ゲームから除外されているモンスターを1体選択して特殊召喚する。

この効果で召喚されたモンスターはこのターンのバトルフェイズ中は戦闘では破壊されない。

 

 

「うちはターンエンド!!(クロックは確か直接攻撃ができる…やけど、うちの手札はバトルフェーダー!!直接攻撃を仕掛けたらうちの勝ちや!!)」

 

 

はやて

LP1100 手札2枚

リインフォース/ATK2700 ツヴァイ/ATK1200

闇次元の解放(対象無し)

 

―剱都のターン―

 

 

「俺のターン!!ドロー!!(…これは…よし!!)クロックを攻撃表示に変更!!」

 

『グルゥァァァァァァァ!!!!』

 

「攻撃表示に…やけど!!リインフォースがいる限りツヴァイに攻撃することはできひん!!クロックやとリインに勝てへんで!!」

 

 

そう、はやての言うとおりただのクロックならリインフォースに勝つ事なんて無理だ――

 

 

「死者蘇生を発動!!墓地に存在するマシンナーズ・キャンセラーを守備表示で召喚!!さらに手札からマシンナーズ・リサイクラーを召喚!!」

 

マシンナーズ・キャンセラー/ATK1000

 

マシンナーズ・リサイクラー/ATK500

 

「レベル3のキャンセラーにレベル2のリサイクラーをチューニング!!

鋼鉄の鼓動が合図となる、駆動音と共に走り抜けろ!!」

 

 

☆3 + ☆2 = ☆5

 

 

「シンクロ召喚、マシンナーズ・ラピッド!!」

 

 

剱都のフィールドに地中から大型バイクにまたがったマシンナーズ・スナイパーが飛び出した。

 

 

マシンナーズ・ラピッド/ATK2100

 

 

「さらにリサイクラーの効果発動!!素材となったとき墓地のマシンナーズ・エアレイドとマシンナーズ・カーネルを除外、カードを2枚ドロー!!」

 

引いたカードを剣都は赤い目でジッと見た。そしてニヤリと笑った。

 

 

「けど、ラピッドの攻撃力もクロックの攻撃力もリインには届いてない…」

 

 

だが、剱都の本当の狙いはそこではなかった。

 

 

「墓地の古の対価の効果発動!!墓地に存在するエンシェントモンスターを除外するとでこのカードを手札に加える!!」

 

「古の対価…!?またエンシェントモンスターを!?」

 

 

そう、ただのシンクロモンスターでは勝てない、だが――

 

 

「ライフを半分払い古の対価を発動!!フィールドのラピッドをリリース!!

他の嫉妬を持つ愚者に欲望の囁きが聞こえる、飛べ、エンシェント・ヴィアタ!!」

 

「不死鳥…!!」

 

 

そこには同じように鳥のような石像があり、それが砕ける紫色の炎を身に纏った鳥が羽ばたいていた。

 

 

剱都/LP1800→900

 

 

「エンシェント・ヴィアタはフィールドのモンスター1体を選択し、そのモンスターの効果と攻撃力を得る!!お前の場のリインフォースを選択する!!」

 

 

エンシェント・ヴィアタ

シンクロモンスター・エンシェント

星5/闇属性/鳥獣族/ATK 0/DEF 0

モンスター×1体以上

このモンスターは「古の対価」の効果で特殊召喚する。

1ターンに1度、自分、または相手のメインフェイズ時相手フィールド上のモンスターを1体選択し、選択したモンスターの効果と攻撃力・守備力を得る。

このモンスターが破壊された時、相手の手札を1枚捨ててもよい。

 

エンシェント・ヴィアタ/ATK0→2700/DEF0→1800

 

「やけどツヴァイは、リインフォースは破壊される時代わりに自信を破壊する効果があるんや!!」

「ならそれを止めるまでだ!!時の禁忌を発動!!自分フィールド上にエンシェントモンスターが存在する時、相手のモンスター効果を無効にする!!こいつでテメェのツヴァイの効果を無効にする!!」

 

 

時の禁忌

通常魔法

自分フィールド上にエンシェントモンスターが存在する時発動する事が出来る。

相手フィールド上のモンスター1体の効果を

このターンエンドフェイズまで無効にする。

選択したモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

「そんな…!!」

『は、はやてちゃん…苦しい…です…!!!』

 

 

赤黒い鎖に縛られたツヴァイは苦しそうにはやてに助けを求めた。しかし、もう――

 

 

「バトルフェイズ!!エンシェント・ヴィアタでリインフォースに攻撃!!」

『グッ…あ…るじ…!!!』

「リインフォース!!」

 

 

銀髪の女性は体に火を灯した鳥と共に燃え上がった。その姿を涙を流しそうになっていた。カミューラと同じ様に何か思い入れがあるのだろう。

 

 

「最後だ!!クロック・ゴールド・ドラゴンでツヴァイに攻撃!!ジェノサイド・イグニッション!!」

「リイン!!」

『は…や……』

 

 

クロックが全身の銃身でツヴァイを総攻撃した。

その光景にはやてが静かに涙を流した――

 

「リイン…リインフォース…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

「おいおい…殺してねーぞ」

 

剱都の言葉に一瞬だけはやてがきょとんとした。すると剱都は自分のデュエルディスクから一枚のカードをとりだした。

 

 

「時の禁忌で効果を無効にしたモンスターは戦闘では破壊されねーよ。今はダメージで寝てるだけだろうな」

「グス…どうして……うちはあんたと…」

 

 

そう、はやては分からなかった。今まで世界の矛盾と敵対していて、実質リーダー格だった剱都は完膚なきまでにはやてを責めてもおかしくなかったはずだ。

 

 

「俺とテメェの戦いにその2体のモンスターは関係ないからな。うちのメンツには大切なもん無くした奴が多いからな…そいつみたいになってほしくねェんだよ…」

「剱都…」

 

 

「が、次はねぇからな。その時はテメェの大切なものでもぶっ壊s…!!?」

「………?」

 

 

剱都はディスクを片づけながらはやての方を向いて固まった――いや、はやての後方を見て固まった。

 

 

「……???(なんや?うちの後ろになんかあるんやr…!!!??)」

 

 

はやても振り返って固まった。




剱都「エンシェントモンスター…」
『一年修行』で剱都が手にした新たな力。『時の対価』の効果で特殊召喚するシンクロモンスター。イメージというか元になったのは『ジェムナイト』だね。
シゲル「分類的には『スピリットモンスター』みたいなものか?」
だね。『エンシェントモンスターを~』みたいな感じの効果だとその分類のカードになる。
ユウ「そういえば、最後に出てきた『エンシェント・ヴィアタ』って名前変えたの?」
前までは『エンシェント・ルシファー』ってなってたけどね。
まあ、調べたらわかると思うけど元ネタは『七つの大罪』
『ヴィアタ』は嫉妬の『レヴィアタン』から取って。『ルシファー』は怠惰だったんだけど効果的に嫉妬の方が近いかなって思って変えた。

紫苑「これは…最終局面という感じですかね」
だね。『第二章』はもうすぐ終わる。そしてやっと全員の切り札が出てくる。
ツバキ「切り札?みんなのドラゴンじゃないの?」
5D’sの『シューティング・スター』や『スカーレッド・ノヴァ』みたいなさらに上、そういうのを出したかった。

そしてデュエル内容として、前回の最後にリンディが渡していたカードがリインフォースとツヴァイ、そしてフェイトのカード。
ユウ「改定前になんか手にするシーンがなかったって言ってたね」
加えるの忘れてた。応急処置のように

次回予告
三幻魔を狙って襲来した管理局。その中のフェイトはツバキに『戦いたくない』と声を出した。
だがそれを切り捨てるツバキ。始まる戦いでフェイトが覚悟を決めた。

そんな中、ツバキの新たな力がフェイトに牙を向ける。

「本当の世界に帰りたくないの!?」

「勝手に人の過去に土足で踏み込んでこないで!!」

そして――

「現世に生ける魔導師が祈りがささげる時、魔の扉は開かれる」

「我の言葉を聞きし従者よ、我を守り我と生き続けろ」

次回turn43 ダブル ツバキVSフェイト
最強カードは「魔導龍パイルドラグーン」
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