遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn47 結成『チーム・ノーバディ』

    ヒカリノサバキヲ

                                     イヤ

                ワレラニハムカムモノニサバキヲ

                              シニタクナイ

                     セイギノナノモトニ

             ヤメテ

            ヒトリノコラズ

             ニゲテ

                     コロセ

 

 

                 タスケテ

 

 

 

 

 

管理局が撤退し約一週間。

 

 

ユウは疲労の為、約2日間寝続けて全開となった。

 

シゲルの検査結果は上腕二頭筋骨折――全治約3週間の大けがだ。幸いなことに右足は筋を痛めただけで数日で普通に歩け様になった。

本人いわく「あの車椅子の世話になるのはもうごめんだ」と言っていた。

 

紫苑、剱都、ツバキはこれと言った怪我や疲労も残っていなかった。

 

この結果にツバキは「毎回シゲルだけ怪我してるような…厄年?」と言ってシゲルが何とも言えない顔になっていたのは言うまでもない。

 

三幻魔は再び七星門の鍵で封印された。しかしそのカギは全て鮫島校長がとある場所へ隠した。なのはのような出来事が二度と起こらない様に――

 

5人はジュンコに其々の精霊を見せた。それに驚いていたが理解し、紫苑のウルクリボーとじゃれ合っていた。

 

だが1週間で全てが収まるとは限らない。

万丈目と三沢に事情説明を求められ、管理局との戦いを見ていた生徒へ言い訳を考え、セブンスターズとの戦いの事後処理。

そして戦いの為に延期になった学園祭の予定とそれに関しての連絡。

 

そしてこれも――

 

 

「チーム大会?」

「そうだよ。なんでも今度プロリーグでチームの部門が出来るからその実習科目として今度チーム大会の行事を行うって」

 

 

休日、剱都はレッド寮で昼飯を食べているとユウからチーム戦の事を聞いた。アカデミアではほぼ誰もそんな事をした事がないから全員盛り上がっているのだ。

 

 

「それで紫苑とボクと剱都でチーム組まないかなって。初めはシゲルって考えてたんだけどあの状態だからね…」

 

「面白そうだな…夜にアジト集合な。一応世界の矛盾全員で」

 

 

―夜:アジト―

 

全員がそれぞれチームを組んで部屋であれこれ話しあっている頃、教師ですらその存在を知らないレッド寮地下に存在するアジトに5人の学生がいた。

 

 

「はい、鮎川先生に言ってもらった大会の規約だよ」

「お、サンキューな」

 

 

ツバキから大会規約の紙を受け取った剱都はその内容を見た。その間にユウは以前の交流試合の時の様な、紫苑はサポートを少し入れたデッキを組み直していた。

 

ちなみにルールは以下の通りだ。

 

 

・1チーム3人

 

・LPは4000で0になれば自動的にそのターンはエンドフェイズとなる(カード効果や罠カード発動などの介入はあり)

 

・フィールドのみ引き継ぐ。

 

・前のプレイヤーの残したカードは使用可能。

 

 

 

「なるほどな…(ってことは…序盤から攻めに向いてる紫苑は最初が良いな…ユウのスピリットは長期戦に向かないから最後…ってことは…必然的に紫苑、俺、ユウだな)」

「できた!」

「私も」

 

 

一人順番を考えてた剱都をよそに2人は調整を終えた。

 

 

「…ん?(よくよく考えればラストのユウはわざわざデッキを変える必要なくないか…?)」

 

 

 

そのことに気付いた剱都がその事を話すとユウがものすごく悲しそうな顔をしていたと追記しておこう。

 

 

―翌日―

 

 

『あ―マイクテステス…デーハ!!これより一回アカデミアチームトーナメントを始めるノーネ!!』

 

「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」

 

クロノスの言葉に集まった面子は熱気を増した。が、突然鮫島校長がマイクをとった。

 

 

『今回のトーナメントですが、聖牙夕並びに姫野紫苑、羽黒剱都のチームは特別チームとして優勝チームとエキシビジョンで戦ってもらいます』

 

「「「…は?」」」

 

初めて聞いたことに3人が同じ様に反応した。だがタッグならまだしもチームでこれといった功績を残した覚えは全くない。

 

すると3人に鮎川先生が近寄った。

 

 

「ごめんなさいね。チーム人数が中途半端でどこか1チームが余るのよ」

 

「どうして俺たちなんだ?」

 

 

剱都の質問も尤もだ。先の説明の通り3人個人の強さはトップだが、それはそれだ。

 

 

「教師全員の投票であなた達がエキシビジョンの方がいいってことになったのよ」

「…そら納得だ」

 

 

道理で先程から鮎川とクロノス以外の教師陣はどこかユウ達を見ておどおどしていた。

 

 

―観客席―

 

 

「で、暇になったと?」

 

 

左腕をギブスで固定し、巻軸帯から吊るしているシゲルが観客席に戻ってきた3人双言った。ちなみに他にはジュンコ、明日香、翔、万丈目、ももえ、隼人がいた「俺もいるぞ!!」

 

 

「三沢君、どうしたんっすか?」

「なんか故意に俺を省かれたような気がしたんだが…」

 

 

地の文に突っ込まないでください。

 

 

「ん?そういや、ツバキは?」

「なんか用事があるらしいんだな。まあすぐに戻ってくると思うんだな」

 

 

剱都の言葉に隼人がそう応えた。もう管理局との介入もないと判断して肩の荷が下りたのだ。

 

 

 

―屋上―

 

『グリ~』

「……………………」

『ツバキ、やっぱり聞くのか…』

 

 

グリを膝に乗せ、頭を撫でいたツバキにダークがそう聞いた。彼女が今からしてる事――それがどうなる事なのか知っているからダークは止めようとしていた。

 

 

「けどダーク、私はもう迷いたくないの。例えそれで…」

「覚悟は良いわね」

 

 

突如として聞こえた声に、ツバキとダークは振り返った。

 

 

―デュエルリング―

 

 

「サイバー・ドラゴンの攻撃、エヴォリューション・バースト!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

神楽坂/LP1500→0

 

 

『決まったノーネ!!これにて優勝はチームGX(ジーエックス)なノーネ!!』

「やっぱ順当にGXか…」

 

 

チームGXは十代・カイザー・万丈目のチームだ。学園最強のカイザーに代表に選ばれた事のある十代と万丈目のチームだ。

 

他にも目ぼしいチームはあったが、チームリーダーでるカイザーがいると言うことでやはりここだろうとなった。

 

ちなみにチーム名は十代が謎の電波をキャッチして「チームGX」と命名した。

 

 

 

『デーハ、エキシビジョンマッチを開始するノーデ選手は準備するノーネ』

「行ってきます」

「いってらっしゃい」

 

ユウ達は観客席から立ち上がると会場に向かって歩き出した。

「それにしても」と言いながらシゲルは会場を見回した。

 

 

「ツバキまだ戻って来ねーな。いくらなんでも1時間は長いな……ちょっと探してくる」

 

 

シゲルはそう言って席を立ちあがった。いくら管理局が来ないと言っても命令違反でやってくる局員もいる可能性があった。

 

 

「まあ、警報がなってねーから問題ないと思うからな」

 

 

アジトにある管理局対策用の侵入者検知装置(アラート)は、アカデミア島内で誰かが未登録のデュエルディスクと戦った場合PDA警告音を発する。しかし今のところそれがないと言う事は問題はないはずだった。

 

 

―デュエルリング―

 

リングで十代達―チームGXとユウ達が集まり、審判役としてクロノスが集まっている。

 

 

「『デーハ、これよりチームGX VS…………』そういえば、チーム名はナンナノーネ?」

「そういえば言ってませんでしたね…」

 

 

―前夜:アジト―

 

「…ん?『チーム名』もいるのか…」

 

 

ユウが再びデッキ構築をしていると剱都が渡されたルールの端に小さく『チーム名も決める事』と書かれていた。

 

 

「…この面子の共通点って何だ?」

 

剱都はそう呟いた。ユウ、紫苑、剱都――なにも共通点がない。

百歩譲って「世界の矛盾」が共通点だが、それも一般生徒には知られてはいけない。

 

 

「なんかいい案あるか?」

「そうだね…やっぱ共通点を言ったら『世界の矛盾』だし…」

 

 

参加しないツバキとシゲルにアイデアを貰おうとしたが、やっぱり行きつき先はこの言葉だ。

 

 

 

「『チーム・ノーバディ』なんてどうだ?」

「「ノーバディ?」」

 

 

シゲルの考えたチーム名は『ノーバディ』という言葉だ。だが聞き覚えのない単語に2人がそう聞き返した。

 

 

「俺の世界の言葉でな、『存在しない人』という意味がある。世界の矛盾は世界からしたらいない人だからな、ちょうど良いと思ったんだが…」

「ん、採用」

「あっさり!?」

 

――――――

 

 

「…ナンナノーネ、そのシニョール剱都のあっさり感は」

「ボクも知りたいです…」

 

クロノスとその時デッキ構築をしていて事情を知らないユウはそう言っていた。

だが気を取り直してクロノスはマイクを持った。

 

 

『『チーム・ノーバディ』のエキシビジョンマッチを開始するノーネ!!一番手、結城十代VS姫野紫苑!!』

 

 

「「…え?」」

 

 

―紫苑VS十代―

 

「まさか相手が十代だとは思いませんでした…」

 

「俺もだ…だけど、この前の決着をつけようぜ!!」

 

 

紫苑VS十代――七星門の鍵を受け取った日に戦った2人。だがその結果はまさかの引き分けだった。再戦を誓うもセブンスターズ・管理局とそれどころじゃない事件が立て続けに起こりその願いはかなえられていなかった。

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン!!手札からE・HEROミストレディを守備表示で召喚!!」

 

ミストレディ/DEF1000

 

フィールドに霧の体で出来たHEROが現れた。ステータスは一番低いが効果は厄介なカードだ。

 

 

「更にカードを伏せ、永続魔法、強欲なかけらを発動。ドローフェイズにカウンターを乗せ、2つのったこのカードを破壊することでカードを2枚ドローします!」

 

 

紫苑

LP4000 手札3枚

ミストレディ/DEF1000

強欲なかけら/C0 伏せカード1枚

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!(確かあのモンスターは戦闘破壊無効効果があったはず…なら)手札からフージョン・サポーターの効果発動!!このカードを墓地に送りデッキの「融合」もしくは「フュージョン」と名の付いた通常魔法カードを1枚手札に加える!」

 

 

フージョン・サポーター

効果モンスター

星2/光属性/魔法使い族/ATK700/DEF550

このカードは手札から墓地に送ることで、デッキの「融合」もしくは「フュージョン」と名の付いた通常魔法カードを1枚手札に加える事が出来る。

この効果を発動したターンモンスターを融合召喚する事が出来ない。

このモンスターは融合素材にする事が出来ない。

 

 

そして十代が手札に加えた魔法カードは融合だ。だがこのターン融合召喚を粉う事が出来ないというデメリットが存在するため、次のターンの布石だろう。

 

「更にE・HEROクレイマンを守備表示で召喚!!」

 

 

クレイマン/DEF2000

 

フィールドに粘土でできたHEROが現れた。しかしステータス的にはフォレストマンと同等だが、あちらは融合を手札に加える強力な効果がある。

 

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンド!!」

 

 

十代

LP4000 手札3枚

クレイマン/DEF2000

伏せカード2枚

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン!!ドロー!!そして強欲なかけらにカウンターを乗せる!!」

 

強欲なかけら/C0→1

 

 

「(融合を手札に加えたと言う事は、次のターンでしかけてくるはずです…あの伏せカードはヒーロ・バリア、ミラーフォース、攻撃の無力の様なカード…もしくはヒーロー・シグナルの様なモンスターを召喚する…なら…)手札から融合!!」

 

「!!(来る!!)」

 

 

紫苑が融合を使った事に観客に緊張が走った。この2人の勝負において融合は攻めには必要不可欠なカードだ。そして先に仕掛けたのは紫苑だったのだ。

 

 

「フィールドのミストレディ、手札のレディ・オブ・ファイアを融合!!」

「水と炎…アブソルートかノヴァマスターか!?」

 

 

普通の組み合わせならその2体のうちのどちらかだ。だが紫苑は修行で手に入れた新たな力がある――

 

 

「融合召喚!!E・HEROスチームレディ!!」

「新たなモンスター!?」

 

 

スチームレディ/ATK2300

 

フィールドに体が水の様になった女性モンスターが現れた。それよりもそのモンスターはツバキでさえ知らないモンスターだったのだ。

 

 

「バトルフェイズ!!スチームレディでクレイマンに攻撃!!」

「リバース罠発動…なに!!」

 

 

そう宣言した――が、罠が発動されない。すると十代のフィールドの魔法・罠に靄がかかっている様にみえる。

 

 

「スチームレディの攻撃宣言時、相手は罠を発動することができません!!」

「なんだと!?」

 

 

E・HEROスチームレディ

融合モンスター

星6/水属性/戦士族/ATK2300/DEF1700

「E・HEROレディ・オブ・ファイア」+「E・HEROミストレディ」

このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このモンスターが攻撃する時、ダメージステップ終了時まで相手は罠カードを発動する事が出来ない。

相手カードの効果でこのカードが破壊された場合、手札から「E・HERO」と名の付いたレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚することができる。

 

 

クレイマンはドロドロの粘土状になって解けていった。するとその場所に巨大なシグナルが現れた。

 

 

「リバース罠、ヒーローシグナル!!ダメージステップの後に発動されるからスチームレディの効果外だ!!フェザーマンを守備表示で召喚!!」

 

フェザーマン/DEF1000

 

「私はこのままターンエンド」

 

 

紫苑

LP4000 手札2枚

スチームレディ/ATK2300

強欲なかけら/C1 伏せカード1枚

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!手札からE‐エマージェンシーコールを発動!!デッキからE・HEROバブルマンを手札に加え融合を発動!!手札のスパークマンとバブルマンフィールドのフェザーマン融合!!」

 

「3体融合…」

 

 

 

迷宮兄弟、カミューラ、影山と強敵を相手にするたびに召喚された十代の切り札――それは十分紫苑にも分かっていた。

 

「テンペスター召喚!!」

 

テンペスター/ATK2800

 

フィールドに現れたのは腕が銃になってバイザーを付けた屈強なHEROだ。カミューラの時では紫苑も使用した最上級HERO

 

 

「バトル!!テンペスターでスチームレディに攻撃!!カオステンペスト!!」

 

「くぅ…!!」

 

 

紫苑/LP4000→3500

 

テンペスターの攻撃によってスチームレディが破壊された。が――

 

「エアーマン!?」

 

何故かフィールドにエアーマンが現れた。文字通り空きな様な男で気付かなかったのか――

 

 

「そんなわけはないです。スチームレディは破壊された時、手札のE・HEROを特殊召喚できます」

 

エアーマン/ATK1800

 

 

「更にエアーマンの効果でデッキからE・HEROシャドーマンを手札に加える!!」

「(シャドーマン…?効果破壊体勢のモンスターだが、何を…)ターンエンド」

 

 

十代

LP4000 手札1枚

テンペスター/ATK2800

伏せカード1枚

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン、ドロー!!そして強欲なかけらに2つ目のカウンターが乗ります!!このカードを墓地に送ってカードを2枚ドロー!!」

 

 

計3枚のカードを引いた。その中に攻撃力2800で破壊体勢のあるテンペスターを倒す方法は――

 

 

「手札の戦士の生還をコストに二重魔法を発動します!十代の墓地の融合を渡しのカードとして扱い、フィールドのエアーマンと手札のシャドーマンを融合!!」

「GreatTORNADOか…新たなHERO…!!」

 

 

この流れだと新たなHEROが出てもおかしくない――が、十代の予想は外れた。

 

 

「E・HEROエスクリダオを召喚!!」

「影の…HERO…!?」

 

 

エスクリダオ/ATK2500

 

フィールドに黒ずくめのモンスターが現れた。十代の言葉通り影の様なモンスターだ。

 

 

「このモンスターは…!?」

 

「夏祭りのタッグの時に見せましたよね。HEROと闇属性モンスターの融合体…けど私のデッキにシャドーマンは修行で手に入れた。簡潔に言うとネクロダークマンとネクロリターナーしか素材にするモンスターがいなかったんです」

 

 

紫苑のデッキは各属性のモンスターが少なくとも2体以上いる。だが風と闇は1種類しか持っていなかった。

紫苑は修行で新たなモンスターだけではなく新たな戦略も手に入れたのだ。

 

しかし攻撃力が足りない――

 

 

「エスクリダオの効果忘れたわけではないですよね?」

「…ああ。墓地のE・HEROの数だけ攻撃力がアップする効果、墓地に5体存在するから500…つまり!!」

 

エスクリダオ/ATK2500→3000

 

その攻撃力――海馬瀬戸の持つブルーアイズと同じ3000をあっさりと召喚した事に会場がざわついた。

 

「さらにR‐ライトジャスティスを発動!!その伏せカードを破壊します!!」

「だったらチェーンでリバースカード、ヒーローバリアを発動!!E・HEROがいる限り戦闘を一度だけ無効にする!!」

 

 

よく勘違いされるが、ヒーローシグナルは攻撃に反応する罠ではなくフリーチェーンの罠カードなのだ。

 

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

紫苑

LP3500 手札0枚

エスクリダオ/ATK3000

伏せカード3枚

 

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!ヒーローの施しを発動!!手札のE・HEROネクロダークマンを除外しカードを2枚ドローする!!(ッ…この手札だとまだ…今は耐えるしかない!!)E・HEROバースト・レディを守備表示で召喚!!」

 

バースト・レディ/DEF800

 

フィールドに炎のHEROが現れた。ちなみにテキストの「紅一点」とあるが、既にレディ・オブ・ファイアやブルーメ等の女性HEROが多く出ている気がすると作者は思う。

 

「お前は帰れ」

「剱都、どうしたの?」

 

 

 

地の文に突っ込むなと何度も言ってる気がする…

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ!!」

 

 

ライフポイント差は十代が上だが状況的には紫苑の方が有利――だが拮抗していると言っても過言ではない。

 

十代

LP4000 手札0枚

テンペスター/ATK2800 バーストレディ/DEF800

伏せカード1枚

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン!!E・HEROフリーズレディを召喚!!」

 

 

フリーズレディ/ATK1200

 

フィールドに氷の体の女性が現れた。紫苑のデッキで反撃の起爆剤となり効果で守備表示になるヒット&アウェイの効果も兼ね備えている器用なモンスターだ。

 

 

「バトル!!フリーズレディでバーストレディに攻撃!!アイススライサー!!」

「バーストレディ…!!」

 

 

右手を氷の刃に変えたフリーズレディがバーストデレィを切り裂いた。この次が問題だ。十代がテンペスターの効果でセットカードを破壊するのかどうかでこの後の流れが変わる。

 

 

「バトル!!エスクリダオでテンペスターに攻撃!!Dark(ダーク) diffusion(ディフュージョン)!!」

「テンペスターの効果は…」

 

 

十代の紡ぎだす言葉に空気が張り詰めている。手札がない状況で効果を発動したら打つ手なし――もしテンペスターを破壊したら一か八か、もしくは伏せカードは逆転の手段と言う事だ。

 

 

 

 

 

「発動しない」

 

 

十代/LP4000→3800

 

 

テンペスターはそのまま破壊された。では伏せカードはそれほど重要なカードか2番手へ残すカードなのか――

 

 

「私はこのままターンエンドです」

 

紫苑

LP3500 手札0枚

エスクリダオ/ATK3000 フリーズレディ/ATK1200

伏せカード3枚

 

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!(ここで何かしなきゃ俺の負けだ…ワクワクしてきたぜ!!)ドロー!!」

 

 

引いたカード――それを見た十代の顔がものすごく輝いているのに紫苑は気付いた。

 

 

「手札からミラクルフュージョンを発動!!」

 

「ここでHERO最強の融合カードが…!!(確か今墓地にいるのはフェザーマン、バーストレディ、バブルマン、スパークマン、クレイマン、テンペスター……この中の組み合わせで効果的なのと行ったらフレイムウィングマンでの突破かマッドボールマンでの防御…それともランパートガンナーのダメージ…いや、何か違う)」

 

どうも十代の狙いが一体どこなのか全く見当がつかない。だが紫苑は重要なことを見落としていた――

 

 

 

 

 

「墓地のE・HEROと名の付くスパークマンと水属性のバブルマンを融合!!」

「HEROと水…!?まさか…!!」

 

 

十代の言った融合条件で召喚できるE・HEROは1体だけだ。

全てを凍らせ、破壊する、絶対零度の最強の効果を持つE・HERO――

 

 

「召喚!!アブソルートZero!!」

「「「アブソルート!!?」」」

 

アブソルートZero/ATK2500→3000

 

十代が召喚したモンスターに会場はざわついた。

 

 

「確かに…この状況でフレイムウィングマンでフリーズレディを狙いに行ったり、マッドボールマンで守備を固めるよりも効果的…だがなんで十代が?」

 

「あ、三沢君いたの?」

 

 

たしかに三沢の言うとおりアブソルートの2つの能力を組み合わせれば何とかできるが、問題はアブソルートを十代が持っている事だ。

 

 

「ペガサス会長が紫苑の属性HEROの融合体の試作カードを紫苑に送ったんだが、それをテストプレイヤーとして十代に渡ったんだ」

 

「あ、シゲル。ツバキもおかえり」

 

 

観客席に2人が戻ってきた。それにシゲルは十代が属性融合HEROをなぜ持っているか簡潔に説明した。

 

セブンスターズと管理局の戦いの事を手紙で説明したらペガサスが紫苑のカードを市販化したいと言って来たのだ。本人に許可を貰い、新たな融合モンスターを作りそれを紫苑に試作品として送ったのだ。

だがエクストラの容量上持っていたカードで十分なので十代に渡したのだ。

 

ちなみに手渡しで十代の元に来たのだが、その時紫苑の顔が若干赤くなってたのはその光景を目撃したシゲルの心の中に納めている。

 

 

「じゃあ紫苑の使ったノヴァマスターやTORNADOも使うってこと!?」

 

 

ジュンコの言葉にシゲルは静かに頷いた。そうなれば十代は更に強力になってくる。

 

 

「だが渡したのは水・炎・風・土の4種類だけだ。シャイニングとエスクリダオはまだ制作段階で十代の手には無い」

 

 

 

 

「バトル!!アブソルートZeroでエスクリダオに攻撃!!瞬間氷結(Freezing at moment)!!」

「反撃のDark(ダーク)diffusion(ディフュージョン)!!」

 

アブソルートZero、そしてエスクリダオが共に自らの力を込めた魔法を放った。

それがフィールド中央で激突した。

 

 

「っ…!!」

「アブソルートZeroの効果発動!!フィールドを離れた時、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!!」

 

 

そう宣言した時、フリーズレディがただの氷へと変わって行った。こうして互いにフィールドには伏せカードがあるだけだ。

 

「ぐっ!?」

 

 

十代/LP3800→1400

 

なんと一気に十代のライフが半分以上も吹き飛んだ。それに驚いていた十代は紫苑の伏せカードの一枚が開いているのに気付いた。

 

「リバース罠、リフレクター・レイ!!戦闘で破壊された融合モンスターのレベル×300ポイントのダメージを与える!!」

 

 

つまりエスクリダオのレベルは8だったためその300倍、2400のダメージを与えたのだ。

 

 

「すっげー!!やっぱり紫苑はすごいな!!ターンエンド!!」

 

十代

LP1400 手札0枚

モンスター無し

伏せカード1枚

 

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン!!(この勝負…先にモンスターを出した方が主導権を握る…)ドロー!!」

 

 

引いたカードを静かに見た紫苑――だが、

 

「クッ…ターンエンド!!」

 

「モンスターを引けなかった!?」

「これは十代君のチャンスだ!!」

 

 

紫苑の反応をみた観客は各々にそう言った。低レベルモンスターで構築されているはずの紫苑がまさかの隙を見せたのだ。

 

 

紫苑

LP3500 手札1枚

モンスター無し

伏せカード2枚

 

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!ミラクルフュージョンを発動!!」

「2枚続けてですか!?」

 

 

まさか十代の引いたカードは前のターン引いたカードと同じミラクルフュージョンだ。

彼ならアフターグローもなにも無しで成功させそうだ。

 

「だからお前は黙ってろ」

「シゲルどうしたの?」

 

 

フィールドに現れた2体のHERO――フェザーマンとバーストレディ。

その2体で出されるモンスターは――

 

「来い、マイフェイバリット、フレイムウィングマン!!」

 

 

フレイムウィングマン/ATK2100

 

フィールドに龍の頭の右腕を持った戦士が現れた。十代のフェイバリットにして切り札のこのカード。

 

 

「バトル!!フレイムウィングマンの攻撃!!フレイムシュート!!」

「キャァァァァ!!!」

 

 

紫苑/LP3500→1400

 

 

「っぁ…戦闘ダメージを受けた時、ダメージコンデンサーを発動!!手札のネクロリターナーを墓地に送って受けたダメージ、2100以下のモンスターを特殊召喚する!!フォレストマン召喚!!」

 

 

フォレストマン/ATK1000

 

 

手札のモンスターは紫苑のデッキ唯一のレベル5モンスターだった。だから展開もできずに十代にターンを渡したのだ。

 

そして召喚したこのモンスター――反撃のキーカードだ。

 

 

「俺はこれでターンエンド!!」

 

十代

LP1400 手札0枚

フレイムウィングマン/ATK2100

伏せカード1枚

 

―紫苑のターン―

 

「私のターン…(せめて…剱都に繋ぐ)ドロー!!」

 

 

引いたカード――ホープオブフィフス

 

「!!スタンバイフェイズにデッキから融合を手札に加える!!そしてホープオブフィフスを発動!!」

 

「此処でドロー強化!?」

 

 

十代が驚いたようにそう言った。いや、あんたも似たようなものだぞ…と観客の殆どが思った。

 

 

「墓地のエアーマン、エスクリダオ、レディ・オブ・ファイア、フリーズレディ、ミストレディをデッキに戻し、カードを2枚ドロー!!

手札から融合を発動!!フィールドのフォレストマンと手札のオーシャンを融合!!E・HEROガイア!!」

 

フィールドに大地のE・HEROが現れた。すると突然地面が揺れた。

 

 

「ガイアの効果発動!!融合召喚成功時相手のフィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値を得る!!」

 

 

ガイア/ATK2200→3250

フレイムウィングマン/ATK2100→1050

 

 

「そして手札からE・HEROシンクロンを召喚!!レベル6のガイアにレベル1のシンクロンをチューニング!!

闇を切り裂く光の心…その全てを具現化せよ!!シンクロ召喚!!」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「光と共に舞え、ファントム・ブルース・ドラゴン!!」

『ピュアァァァァァァァァ!!!!』

 

 

淡い青色の美しいドラゴンが現れた。紫苑のフェイバリットカードだ。

 

 

「ファントム・ブルース・ドラゴンでフレイムウィングマンに攻撃!!イリュージョン・ダスト!!」

 

 

デュエルリングにファンが生み出した霧が立ち込めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このまま十代の敗北で紫苑が勝ち抜くと思われていた。

 

 

 

「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」

 

 

紫苑/LP0

十代/LP1400

 

 

「ど、どうして紫苑のライフが0に!?」

 

 

 

事情がまったくつかめないツバキ、いや、観客や控えている選手は全く理解できなかった。すると霧が晴れて――

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

 

十代のフィールドに鮮やかな青色のドラゴンがいた。

 

 

「十代のフィールドに…ファントム・ブルース…!?」

 

 

更に混乱している会場に十代が説明するようにある伏せカードを見せた。

 

「リバース罠、ミラーゲートだ!これは自分のE・HEROが戦闘を行う時その攻撃モンスターと自分のモンスターを入れ替えるカード!!」

 

 

すると紫苑のフィールドのフレイムウィングマンが、十代のフィールドのファントム・ブルースが戦闘を行ったと言う事だ。

そして1750のダメージを受け、紫苑が敗北した。

 

 

『そ、それでは次に2番手羽黒剱都は準備するノーネ!!』

 

 

 

「すみません…力及ばずでした」

「いや、大丈夫だ。向こうのターンだがお前の切り札(ファン)もあるから何とかなるぜ」

 

 

そう言って剱都はリングを上った。紫苑はそのままユウの待っている場所へ歩いて行った。

 

 

「勝ったって言っても、やっぱ紫苑は強いな」

 

「俺の大事な妹だからな」

 

 

『デーハ、効果処理でシニョール剱都の場にファントム・ブルース・ドラゴンが現れシニョール十代のターンから行うノーネ』

 

「「デュエル!!」」

 

 

だが引き継ぎの為に十代の手札及びフィールドには何も無い。ドローしたカードたった一枚だ。

 

 

「俺はカードを伏せ、ターンエンド!!」

 

 

十代

LP600 手札0枚

モンスター無し

伏せカード1枚

 

 

紫苑と十代の2人、やはりこの2人の実力は拮抗していた。そのため、十代もすでに燃料切れだった。

 

 

―剱都のターン―

 

「俺のターン!!カードを2枚伏せバトル!!ファントム・ブルースで攻撃!!イリュージョン・ダスト!!」

 

「万丈目、後頼むぞ!!」

 

 

十代/LP600→0

 

 

こうして十代は瞬時にやられた。




ツバキ「チーム・ノーバディ…」
実を言うとこの作品のタイトルは初め『精霊の少年と魔導師の少女』だった。
まあ、言わずもながらユウとツバキをイメージしたタイトルだった。
シゲル「まあ、結構ある感じのタイトルだな。で『ノーバディ・レコード』は?」
作中のシゲルのセリフであるように『存在しない=ノーバディ』ってイメージがあるから。それと『記録=レコード』って意味で『ノーバディ・レコード』
今後のストーリーでこの単語が重要になってくる

紫苑「チーム科…ですか」
この時ぐらいから5D’sでのチームでの戦いを見て、結構面白そうだなと思って入れてみた。
チーム科の発足とその編入ということで世界の矛盾がチームになるって感じ。
……言ってたらシグナーとチーム5D’sみたいだな
ツバキ「チームGXは?」
主人公チームって感じでカイザーを大将に十代と万丈目の3人。
実を言うとはじめは『チーム・ワルキューレ』って名前のチームと戦う予定だった。
剱都「ワルキューレ?」
メンバーはカミューラ・紫苑・ツバキの3人
ユウ「なんで!?」
はじめはノーバディはユウのセリフにあるようにユウ・剱都・シゲルの3人だった。
だけどチームGXの方が話を作りやすかったのと、前回シゲルの怪我を大きくしちゃったから無理っぽいなって
で、ツバキは作中のように別行動する予定だったから紫苑を入れた。
シゲル「そーいや、ツバキどこに行ったんだ?」
それはだいぶ後で明らかになる。

さて、デュエルの解説は…
紫苑「十代も属性HEROを…」
といっても4属性だけ。全部となったらひどいことになりそうだったから。
シゲル「今でも十分ひどいけどな…」
で、対戦内容で言うことは最後のあれぐらいだな
ユウ「ミラー・ゲートでファントム・ブルースが…」
まるっきり十代VS万丈目のあれと同じ。
そして満身創痍となった十代に剱都が止めって感じ。

次回予告

十代・紫苑の戦いはほぼ引き分けという結果になった。
第二番手の剱都に対してGXは万丈目だった。

アームドドラゴンを中心に剱都を追い詰めていく万丈目
しかし、紫苑のカードが彼を守った

そして、最後の相手:カイザー
彼のサイバーに追い詰められていくチーム・ノーバディ

残されていた手は――


「ボク達は3人で戦ってるんじゃない…皆で戦ってるんだ!!」

「…見事だ」

次回第二章終幕 turn48 決戦『チーム・GX』
最強カードは「パワーボンド」
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