遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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今回から4話幕間が始まります。
また内容的に『アザー・レコード』の「精霊の出会い」を読んでいただく必要があります。


~幕間:カリーヌ教会~
幕間第一話~精霊と声の無い少年~


「「孤児院?」」

 

 

レッド寮の食堂でシゲルのご飯を食べていたツバキと紫苑はそう聞いた。

ちなみに休日で世界の矛盾のメンバーはシゲルにご飯を集るのだ。

 

 

「そう。明日から長期休みでしょ?それで少しだけ里帰りって感じかな」

「俺達も暇だからな。付いていくことにした」

 

 

使った道具を右手のみで洗ってるシゲルとジュンコを尻目にユウと十代はそう説明した。ちなみに今日のメニューはドリアだ。そして何故かジュンコもいるのはスルーしておこう。

 

 

「いや、突っ込めよ」

「どうかした?」

 

 

―翌日:アカデミア港―

 

目的の港行きの船を待ってるうちにチーム・ノーバディと十代、ジュンコの7人が集まった。

 

 

 

「あれ?翔達は来ないのか?」

 

「ああ、なんでも明後日カイザーと一緒に里帰り、隼人は出来上がり間近の絵を完成させるってさ」

 

「明日香様も吹雪さんの無事をご両親に報告しに、ももえは用事があるとか何とか」

 

 

つまり見事に小説の主要メンバーしかいないのだ。

 

 

「メタ発言はやめろ…」

 

 

 

「そういえばその孤児院って言うのは?」

 

「『カリーヌ教会』っていう教会だよ。僕が昔いた場所」

 

 

―船内―

 

 

「……………《チーン》」

 

「しっかりして!!」

 

 

「ね、ねえ…シゲルどうかしたの?」

 

 

船室でシゲルが(船酔いによって)死にかけているのを必死にツバキが必死にとどめていた。

一方ジュンコは目の前の状況が理解できなかった。

 

それに剱都は以前のシグナム、シャマルと戦った日の状況を教えた。

 

 

 

「シゲルにも苦手な事があったんだ…」

 

「まあな…けど、あいつ確か酔い止めを呑んだはずだよな…普通の10倍」

 

「死ぬよ!?」

 

 

十代の言葉にユウはそう言って突っ込んだ。一方のシゲルは首に剱都の一撃を喰らい気を失っている。

 

 

―ドミノ港―

 

 

「…なあ、船に乗ってからの記憶がないんだが…」

「気のせいだ。それよりも来てねーな…」

 

 

港で首を鳴らしながらシゲルが皆にそう聞いた。だが剱都以外は遠い目をしていた。一方の剱都は持っているPDAを見ながらそう悪態をついていた。

 

 

「ん?」

 

 

そうこうしてるうちに若い男性が大型車から降りて、剱都の元に歩いてきた。そして一礼をした。

 

 

 

「お待たせしました、剱都様」

 

「東田、待ちくたびれたぞ。今度はできる限り早くな」

 

 

その言葉に男性はまた一礼をするとその大型車の前に止まっていた車の助手席に乗り込み、去って行った。

 

 

「誰だ、さっきの」

 

「AWの専務の人よ。私も何回かあった事がある」

 

 

十代の言葉にツバキがそう言った。だからツバキの人見知りスキルが発動しなかったのだ。

 

 

「まあとりあえず行こうぜ」

 

 

そう言って剱都は荷物を持って残された車の方へ歩いて行った。それに顔を合わせた6人は各々荷物を持って車に向かった。そしてトランクに荷物を押し込んでシートに座った。

 

 

「…ん?」

 

 

ちなみにこの車は最大7人乗りだ。一番後ろに2人、真ん中に3人、そして運転席と助手席で――

 

 

一番後ろには十代と紫苑が、真ん中には運転席側からユウ、ツバキ、ジュンコ。そして助手席にはシゲル。そこまでは問題無い。

 

 

 

「しっかりシートベルトしろよ」

 

「「「「「おい待て」」」」」

 

 

なぜ剱都は運転席に座ってエンジンを吹かしているんだ。しかもツバキだけ何事もないようにシートベルトを締めようとしている。

 

 

「どうした?なんか忘れものか?」

 

「「いや、なんでお前が運転するんだよ!!」」

 

 

十代とシゲルが同時に突っ込んだ。それにツバキが「え?」と反応をしている。

 

 

「「なんでツバキ/お姉ちゃんも当たり前でしょみたいに反応したの!?」」

 

「だって…剱都は免許所持ってるよ?」

 

「え!?」

 

 

 

初耳だった5人に剱都は財布から免許証をとりだし、それを横にいたシゲルに見せた。それに後ろにいたジュンコとユウが覗きこむように見た。

 

 

「ほらよ。問題無いだろ?」

 

「…ちょい待て、これ操船免許だぞ」

 

 

 

それを聞いた剱都は「あちゃー」という顔で別の免許所をとりだしかけた。それをちらっと見たユウはジュンコに聞いた。

 

「ジュンコさん、自家用操縦士って何の事?」

 

「ぶっ!?それはヘリコプターの免許よ!!一体あんたいくら免許持ってるの!?」

 

 

すでに免許を探しだす事をあきらめてゆっくりと車を発進させた剱都の代わりにツバキが数えていた。

 

 

「え~っと…大型・中型・普通、大型二輪・普通二輪、原付、自家用操縦、小型船舶だったかな…」

 

「そんなもんだ」

 

「…いろいろとあると必要がない免許があるんですが……」

 

 

羽黒3兄妹の言葉をBGMに車はすいすい進んでいく。

 

 

「所でいくつか年齢制限届いていない奴があるのは大丈夫だったのか…」

 

「親父のコネ」

 

「楽な答えだな…」

 

 

珍しく十代が剱都にツッコミを入れた場面だった。

 

 

―カリーヌ教会:門前―

 

 

カリーヌ教会は海馬コーポレーションが作った孤児院の一つだ。海馬瀬戸自身もそうであったためそういった孤児院は数多くある。カリーヌ教会はその中の一つだ。

 

 

「へ~その徹ってのと澪は今どうしてるんだ?」

 

「徹は確か海馬コーポレーションで働いているって。澪はカリーヌ教会で修道女(シスター)の修行中って聞いたよ。…あれ?」

 

 

行くまでにカリーヌ教会での出来事などを話していると教会の門が見えてきた。だがそれを見たユウは首を傾げた。

 

だが剱都はそのまま車を門の前まで走らせた。すると門に隣接してある建物から男性が出てきた。

 

 

 

「ここはカリーヌ教会だ。一体どのような御用件で?」

 

「あ、徹!?」

 

 

 

そこにいたのは今話題になっていた『福本(ふくもと) (てつ)』だ。ユウがカリーヌ教会を出た時よりも髪が長く、警備員の服装をしていたので気付かなかったのだ。

 

 

「ん?ユウじゃねーか。じゃあお前の友達と未来の嫁か?」

 

「「ぶっ!!?」」

 

 

徹の言葉にユウとツバキが噴き出した。そのツバキを見た徹の目が怪しく光った。

「あ、ユウの彼女発見」と言ってる様だった。

 

 

「そそそそそそんなことよりなにしてるの?来月まで仕事だって手紙できたけど」

 

「ああ、それがな…っと。電話だ。詳しくは澪にでも聞いてくれ」

 

 

そう言って徹は元いた建物に戻って行った。すると門がスルスルと左右に分かれて行く。

 

 

「まあ、その澪ってのに会いに行こうぜ。ここで止まっても邪魔だろーしな」

 

 

そう言って剱都は再び車を動かした。

 

 

―カリーヌ教会―

 

ここでカリーヌ教会の説明をすると内部は教会・事務棟・生活棟の3つからなっている。基本生活棟で子供と孤児院職員が寝泊まりをしている。

 

 

「で、此処が教会。月一にお祈りを捧げるんだ」

 

 

カリーヌ教会は孤児院を目的とされた教会の為、本来は結婚式などは行われない。教会前の広場では子供が遊んでいた。

 

 

事務棟前に車を止めて教会前まで7人は歩いて来ていた。昼間は孤児院職員は教会にいるのだ。

 

 

「あ、ユウお兄ちゃん!!」

「おかえり~!!」

 

 

ユウに気付いた子供たちがわらわらと集まってきた。その声を聞いた他の子供たちも集まって――ユウは囲まれた。

 

 

「皆ただいま。元気みたいだね」

「「「うん!!」」」

 

「ユウお兄ちゃん遊んで!!」

「鬼ごっこしよう!!」

「デッキ見てや!!」

 

 

ちびっこ大人気ユウ。それを遠巻きに6人が眺めていた。

 

 

「大人気だな」

「けど此処がユウの家ってことは全員ユウの兄弟ってことだな」

 

 

あまりの人気に近づけないがユウは優しく、デッキを持った男の子の頭を撫でた。

 

「ごめんね。その前に新山さんに挨拶しに行くから」

 

「「「「え~」」」」

 

 

「みんな~、お祈りの時間だよ~あら?」

 

 

そうしてると修道服を着た女性がそう言って歩いてきた。すると剱都達に気付いた。

 

 

「お客さん?どういったご用件ですか?」

 

「用件というか、まあ…あいつの里帰りの付き添いだ」

 

 

そう言って剱都が指差した先にいた少年(ユウ)を見た少女が可愛らしく驚いた顔をしていた。

 

 

「ユウ、帰ってきてたの!?」

「あ、澪!!」

 

 

この修道女が車の中でのもう一人の話題の人物である『倉敷(くらしき) (みお)』だった。

すると子供達は残念そうに教会へ歩いて行った。

 

 

「澪、久しぶり」

 

「ユウこそ~来るんなら連絡入れなさいよ」

 

 

「ゴメンゴメン、修道女(シスター)の修行が忙しいって新山さんに聞いたから…ね?所で新山さんは?」

 

「新山さんならホールで書類整理してるわ。私は祈りの手伝いをしてくるからお客さん達の案内頼むね」

 

 

そう言って澪は待っていた女の子と一緒に教会へ向かった。

 

 

「結構仲がよさそうだったな」

 

「徹と澪は此処に来る前から一緒に住んでたからね。ホールはこっちだよ」

 

 

―生活棟:ホール―

 

 

主に子供達がご飯を食べたり、おもちゃで遊ぶのがこのホールだ。そして大きなテーブルの上に数枚の書類を広げた初老の男性がペンを走らせていた。

 

―コンコン―

 

すると扉をノックする音がホールに響いた。初老の男性はペンを止めるとそれが誰なのか考えた。子供達はノックせずに入ってくる上、いまは祈りの最中だ。

徹なら電話をよこすし、もしかしたら急な客なのかもしれない。

 

「どうぞ」

 

ひとまず広がってる書類を片づけながら返事をした。すると静かに扉を開け入ってきたのは――

 

 

「お久しぶりです、新山さん!!」

 

「おお、ユウか。久しぶり」

 

 

此処の孤児院の子供だったユウだ。確か今日の夕方に孤児院に友達を連れて戻ると言っていたのだが、思いのほか早く来たのだ。

 

 

「少し見ないうちに立派になったの」

 

「元気そうでなによりです。あ、紹介するね。孤児院の管理人の新山さんだよ」

 

 

そう言ってユウは後に入ってきた6人の少年少女にそう言った。新山はその6人の顔を見渡した。

 

 

「初めまして、新山です。うちのユウがお世話になってる様で…」

 

「あ、いえ…ルームメイトの獣斬繁です。今回はよろしくお願いします」

 

 

差し出された右手をシゲルは握った。そしてチラリと剱都の方を見て自己紹介するように促した。

 

 

「えっと、俺は羽黒剱都でこっちは妹の姫野椿と姫野紫苑。その横にいるのは遊城十代と枕田ジュンコです」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

「よ、よろしくおねがいしましゅ…///」

 

 

いつもながらの人見知りスキルでツバキはシゲルの背後に隠れてしまった。すると新山は気になった事があった。

 

 

「…む?失礼じゃが兄妹で苗字が違うのか?」

 

「俺たちに血の繋がりはないんです…あまり詳しくは話せませんが…」

 

 

剱都はそう俯いてしまった。ツバキの記憶喪失、紫苑と管理局の関係、そして剱都の立場――あまり他人に軽く話せるものではない。それを察したのか新山はそれ以上何も聞かなかった。

 

 

「そうか、それはすまないのう…まあ、此処も似たようなもだ。子供達と血の繋がりはないが皆家族なんじゃ。まあゆっくりして行きなさい」

 

「「「「「「ありがとうございます」」」」」」

 

 

それからしばらく孤児院でのルール――食事や遊戯、昼寝の時間や深夜徘徊は子供の教育上よろしくないのでしない様にと言う事を説明された。

 

そうこうしてるうちに子供たちがホールへなだれ込んできた。

 

 

「ユウお兄ちゃんあそぼ~!!」

 

「うん、いいよ。じゃあ皆で何して遊ぶ?」

 

 

一人の少年に引っ張られるように連れて行かれたユウの見ていたシゲル以外の5人はどうも今のユウがシゲルに見えてしょうが無かった。

 

 

「なんだろうね、やっぱり2人って似てない?」

 

「さあな。俺と似てるかどうかなんて俺は分からんしな」

 

「ユウは昔から人に好かれていたのよ。どんな閉ざした子でも関わって、明るく輪に入れていく…そんな子だったわ」

 

 

6人の疑問に澪はそう言った。ちなみに澪の仕事は子供たちの相手と祈りの手伝い、それと食事などの家事だ。だが子供の相手はユウがしてるため休憩中ということだ。

 

 

「それで、徹が言ってたユウの未来のお嫁さんって誰の事?」

 

「え?ちょ、み、皆!!」

 

 

澪の言葉に5人は一斉にツバキを指さした。一方のツバキは赤面で5人に抗っているが、どうも説得力が無かった。

 

 

「ふ~ん…あなたがね。あの子は元から人を信じ過ぎる性格だからね。変な人に持っていかれない様に気をつけなさいよ」

 

そう言って澪は夕飯の下ごしらえに向かった。それを見たシゲルも立ち上がった。

 

 

「まあやらせるだけなのは申し訳無いしな。手伝ってくる」

 

「あ、私も行く」

 

 

そしてジュンコとシゲルは澪の入った扉へ消えて行った。

 

 

「さてと、俺はちょっと用事があるからな。AW本社に行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

剱都は元より童実野町に戻った時に山本から一度本社に戻ってきてほしいと頼まれていたのだ。いくら会社を山本の指示に任せるとしても剱都の承認無しではできない事があるのだ。その為に一度本社へ行く必要がある。

 

 

「さて…私もユウの手伝いに行きます」

 

「俺も遊んでくるぜ」

 

「あ…うん」

 

 

感情を手に入れた紫苑は一年を修行に当ててた所為か、様々な事を感じるのが楽しみになっていたのだ。この前のチーム戦もその一つで、実はユウが紫苑とシゲルを誘おうとしたのではなく、紫苑がユウとシゲルを誘っていたのだ。

 

今回も子供達と関わることで色々と感じる事ができる、それが楽しみだったのだ。

 

 

「私は…どうしようかな…」

 

 

子供相手に関わるのはそれほど苦ではない。それどころか今はユウと十代は子供たちがデッキ構築をするのでそれの手伝いやアドバイスをしていた。

 

どちらかと言うとそれはツバキの得意分野だった。

 

だが――

 

 

『どうかしたのか?』

 

「ダーク…ううん、ただ…ね…あれ?」

 

 

そう言って子供たちから目を離したツバキは気になる事に気付いた。今現在3人は子供たちの相手をしており、ほとんどの子供達は3人の周りにいる。それかデッキを完成させた子供はデュエルシートを広げて勝負をしてるか、それの観戦をしていた。

 

 

『どうかしたのか?』

 

「…あの子の肩…」

 

 

そう言ってるツバキの目線の先には輪に入らず、一番端っこのテーブルで寂しそうに自分のデッキを眺めてる少年がいた。見た感じ小学3年ぐらいだろうか。

 

どうも皆と馴染めずに浮いてる様にも見えるが、それともう一つツバキは気になる事があった。静かにその少年の元に歩くツバキを見たダークはそのまま見守ることにした。

 

 

「…ねぇ、君は入らないの?」

 

「………………………」

 

 

 

ツバキの問いかけに少年は顔を上げ、ツバキを見た。短い黒髪で端正な顔は美少年と思わせる雰囲気がある、だがその顔には痛々しい痣がいくつかあった。

 

 

「……………………」

「……………………」

 

 

そして少年はツバキの問いに何も答えない。

 

するとその少年の肩に乗っていたネコ(・・)がツバキを見た。

 

 

『…無理にゃ、大樹は喋れないのにゃ』

 

 

ネコ(・・)がツバキに向かってそう言った。だがすぐに「聞こえるはずもないにゃ」と言ってネコも俯いてしまった。

 

 

「ダイキって言うのね、君」

 

「!!」

 

『ニャ!?にゃんでダイキの名前を知ってるニャ!?』

 

 

ツバキの言葉に少年(大樹)とネコは驚きながらツバキを見た。ツバキは慈悲深い笑みを浮かべてデッキから2枚のカードをダイキの前に並べた。

 

 

「皆来て」

 

『グリ~』

『キュア~』

 

 

するとそのカードの上にクリエイト・リゾネーターとデフォルメのカオス・レッド・ドラゴンが現れ、大樹を見上げた。

 

「…………………!!」

 

『にゃ、にゃんと精霊の持ち主(マスター)にゃったのか!?』

 

 

ダイキはその2体のモンスターに驚き、ネコは驚きながらツバキを見上げた。

 

 

「うん、私は姫野椿。少しの間ユウの付き添いで此処に泊まることになったの。えっと…」

『にゃーは『マジキャット』のジキにゃ。そしてにゃーのマスターの白鐘大樹(しろがね だいき)にゃ』

 

「………!……!!……?…!!」

 

大樹は現れた2体の精霊とじゃれ合ってこっちの事を気にかけていない。

 

 

「ジキと大樹君ね、どうして皆の所行かないの?」

 

『大樹は親からの虐待で声が出せなくなったのにゃ…そしてにゃーは皆には見えないのにゃ』

 

 

ジキの言葉に大樹の顔にある痣が誰が付けたのか分かった。そして恐らくその親は逮捕、もしくは大樹を捨てたのだ。だから孤児院であるこの場所へ引き取られたとしたら…

 

 

「じゃあユウと話さなかったのはなんで?」

『ユウ?にゃー達が此処に来た時はその人はもうアカデミアに入学してたのにゃ。小耳でそう言う人がいたって聞いた事があるのにゃが…その人もマスターなのにゃ?』

 

 

『ガァ~!!』

 

『ピュイ~!!』

 

『『クリ~!!』』

 

『フリ~!!』

 

 

「…!!!」

 

 

そう話していると大樹の周りにグリとカオスだけじゃなく、デフォルメスピットとデフォルメファン、ウルクリボー、ハネクリボー、フリ(ブラッディ・リゾネーター)が大樹の周りに集まった。

 

 

それに大樹は驚いた顔をしていた。おそらくジキ以外の精霊を見た事が無かったからカオスとグリを見た時嬉しかったのだろう。さらに4体の精霊が集まったのだ。

 

 

「ハネクリボー、なにしてるんだ?お?」

 

 

すると自らの相棒が急にどっか行ったため気になって十代がやってきた。すると十代はツバキの手の上に乗っていたネコに気がついた。

 

 

「へぇ~こんなところにも精霊がいるのか」

 

『にゃ!?お主もにゃーが見えるのかにゃ!?』

 

「ああ、俺は遊城十代。よろしくな!!」

 

 

そう言って十代はジキと大樹を見た。だが大樹は悲しそうに俯いただけだった。

それに十代は首を傾げた。

 

 

「なんだ?」

 

「大樹は声が出せないみたいなの。多分ストレス的なものだと思うけど…それで皆の輪に入れないって」

 

 

ツバキが簡潔に十代に説明をした。十代は要点だけ理解した

 

「なあ、デュエルしようぜ!!」

 

『「………」』

 

「…十代?」

 

 

理解していたのか?

そう思いたいツバキとジキと大樹だった。すると大きな鍋を抱えたジュンコがホールへと戻ってきた。

 

 

 

「ご飯の時間だよ~!!」

 

 

 

 

その日の夜ごはんであるカレーはシゲルが下準備をして隠し味に珈琲を入れたためコクがあり、子供達は我先にと言うばかりに食べた。

 

だが一人――澪だけは頭垂れていた。

 

 

「やっぱシゲルの料理はおいしいね」

 

「…その才能を分けてほしい……」

 

 

どうやら澪は料理は苦手の様だ。するとユウはいつも十代の肩や紫苑の膝の上にいるクリボー達がいないのに気付いた。

 

 

「そういえば精霊達は何処行ったの?」

「精霊?」

 

 

ユウの言葉に澪がそう聞き返した。するとジュンコは小耳でユウに聞いた。

 

 

「(澪さんに精霊の事言っていいの?)」

「大丈夫だよ、澪と徹には前から言ってるから」

 

 

それに澪は頷きながらふとユウ以外の5人を見回した。

 

「その様子だとあなた達には見えてるみたいだね」

 

「ええ…そういえばウルも何処に行ったんでしょう…」

 

「あそこにいるよ」

 

 

そう言ってツバキが指差したのは一人先にご飯を食べ終わってジキと遊んでいる精霊達を眺めている大樹だった。

 

 

「あの子は…白鐘大樹ね。やっぱり馴染めないのかな…」

 

「あの子がどうかしたの?」

 

 

大樹の様子を見て澪がため息をついた。一方ユウはどういう事なのか説明を求めた。澪は周囲に他の子供が近寄っていないのを確認して小声で説明を始めた。

 

 

「あの子の親は酷い大人でね…あの子に虐待を行っていたの」

 

「ああ、それはジキ…あの子の精霊に聞きました。その所為で…」

 

 

「…ええ。あの子は声を失った。その虐待の理由もあの子がそのジキっていう精霊を両親に話したことから始まった…気味悪がって碌な食事を与えなかったり暴力を振るったり…今でも顔にその後が残っている…そしてそのトラウマか、子供たちの輪に入る事もしない…それに…」

 

 

そう言って一旦澪は話を切った。正直この話を彼女はしても良いかと迷った。その話を知っているのは自身を含め新山と徹の3人だけだったからだ。

 

 

「この後子供たちが風呂に入る、その後にホールに残ってくれるかな?もしかしたらあなた達の助けが必要になるのかもしれないの」

 

 

―AW社―

 

 

「ふぅ…こんなもんか」

 

 

社長室で必要な書類にサインし、部下に対しての指令書を書きあげ、要人・幹部との会合を終えた剱都は一息ついていた。

 

ちなみにAWで拘束していたクラウトの身柄はAW社の専属デュエリストとして迎え入れることとして開放した。

彼としてもこのまま捕まっているよりその条件を受け入れた方が自分に得だと判断した。

 

 

 

「もうこんな時間か…今日は家で寝るか」

 

 

既に8時を回っており、一応用事で童実野町にいる事を新山に伝えたが今から戻るとしたら9時を回ることになる。

深夜徘徊を禁止されているため明日の昼にカリーヌ教会に戻ることにした剱都は体を伸ばしながら立ち上がった。

 

 

「お疲れ様です」

「ああ、山本。すまないな…俺の我儘に付き合ってもらって」

 

「いえいえ…これも私の仕事の一環ですから…あなたの父、羽黒竜也には返しきれない御恩が在り、その遺言に従っているまででございます」

 

 

山本の本音はどうなのか分からないが、正直剱都は感謝していた。すると山本は一つの書類を渡した。

 

 

「仕事でお疲れのところ申し訳ありませんが、気になる事がありまして…」

 

「なんだこれ、半年前の新聞のスクラップか?」

 

 

ちょうど剱都がAWを空けることになって翌週――アカデミアの交流試合、そしてカイザーVSクロノが行われた日の新聞の切り抜きだった。

 

 

「『童実野町の狂乱・両親が子供に対して虐待』『子供が気味悪い事を言ったから、デュエルモンスターズが実体化してるなんて意味不明な事を言うなんて私の子供じゃない』…か。(これは…精霊か?)」

 

 

要点だけを口にした剱都。だが何故山本がこの切り抜きを渡してきたのかが分からなかった。確かに童実野町は自分の住んでいた街だから気になる事は気になる。だがこの一家と接点は無いはずだった。

 

 

「実を言いますとその両親と言うのはAW(我が社)と関係がありまして…そして、その子供が引き取られた施設が『カリーヌ教会』なのです」

 

「…なに?」

 

AWの関係者、そしてユウの実家とも言え今回の滞在先である教会――

確かに何か嫌な予感がした。

 

 

「この一家について妙な事は?」

 

「一件だけ…ございます」

 

 

―カリーヌ教会―

 

子供たちを風呂に入れさせ、寝巻に着替えさせるとそれぞれ部屋に戻らせた。むろん大樹もだ。

新山は事務棟で仕事があり、夕飯の後片付けはお手伝いの人に任せてホールにユウ達6人と澪が集まっていた。

 

 

「本当ならこれは私たちの問題だったの…けど、そうも言ってられなくなった」

 

 

重々しく口を開いたのは風呂からあがり、修道服から私服に着替えた澪だ。一方の6人も風呂上がりでほんのりシャンプーの匂いがしていた。

 

 

「半年前、あの子がこの施設に来た。けど数年前から喋る事が出来ずに孤立して行くあの子を見た新山さんはどうしようか悩んでいたわ。そんな時よ、こんな物が届いたのが」

 

 

そう言って澪は持ってきたファイルの中から1枚の書類を6人が見えるように置いた。その書類に書いてるのは――

 

 

「『里親希望書』…つまり『引き取る』ってことか。確かになんかキナ臭いな」

 

「…ええ…本来なら大樹の様な子供を容易に引き取ると言いだす事はあまり無い…」

 

 

シゲルの言葉に澪は同意した。喋れない子供は育てるのには様々な障害がある。

意思疎通、コミュニケーションの問題に学校に通わせるために一人でいる事が多くなるからそれの対策など。

 

 

「新山さんは一応その里親希望の三島という人物を調べたわ。独り身で奥さんはいない。職業はアマチュアのデュエリストでランキングはそこそこ…少なくとも後2人は養う事が出来るぐらいの財力。前科は無かった」

 

「それなら問題はないのでは?財力及び前科無し…そこまで調べたのなら黒いうわさも出なかったのでは?」

 

 

紫苑の言う事も尤もだ。徹底的に調べたのなら澪が心配することはないはずだ。だがツバキは一つだけ気になっていた。

 

 

「もしかして…徹さんが門番をしていたのと関係があるんですか?」

 

「…ええ」

 

 

澪が何かを危惧していたから、徹が「澪に聞くと言い」と言ったのだ。そして澪が心配しているのは大樹の事――ならこの話になにか裏があるようだ。

 

 

「正直私も、徹も新山さんも大樹を引き取らせることに賛成だったわ。あの子もデュエルモンスターズが好きでその道の人の元に行くのなら…そう思ってた、これを見るまではね」

 

 

そう言って澪が取り出したのは一枚の写真だった。その写真には無精ひげを生やした男性と金髪の青年が映っていた。街角で何かのやり取りをしている所を携帯で撮った感じの写真だが――

 

 

 

「これは私が用事で童実野町に向かった時の写真よ。この無精ひげの男が三島、そしてこの青年…」

「こいつがどうかしたのか…!?」

 

 

どうも十代は何が言いたいのか分からない。だが澪はそこで言葉を止めた。そして顔を真っ青にしてカタカタと震えだした。どう見てもただ事じゃない。

 

 

「ッ…澪、落ちついて、此処からは僕に任して」

「ご、ごめんね…ユウ。私…ちょっと…」

 

 

そう言って澪はホールから出て行った。どうやら澪やユウはこの青年と何かあったみたいだ。そのことに気付いたユウ自身、ここから自分が説明をすると言った。

 

 

 

 

「…この男の名前は『黒崎狂多(くろさき きょうた)』…細かい説明を省くと昔…澪に性的暴行を行っていたんだ」

「「「「!!!??」」」」

 

 

 

ユウの言葉に全員が驚いた。たしかにそれなら澪のあの反応には納得する。人の心に刻みついた闇はそう簡単に払う事が出来ない。『嫉妬』『恐怖』『怨恨』――数えだせばきりがない。

現にシゲルや紫苑も「バラスティラ」と「管理局」という恨んでいる相手が。

 

すると今度は徹がやってきた。どうやら徹の担当時間が終わったみたいで戻ってきたようだ。

 

 

「…事情は聞いたみたいだな。説明を続けると黒崎が関わってるってことで更に調べてみたらな……不自然な点があった」

 

 

そう言って徹が懐から取り出したのは預金通帳のコピーだ。どうやらこれは三島の通帳のコピーの様だ。

 

 

「KC傘下の銀行に三島の預金通報のコピーを頼んだんだが…此処を見てくれ」

 

 

そう言って徹が指差したのは毎月50万ほどの収入があった。だがそれを見てユウは首を傾げた。

 

 

「おかしい…ただのアマチュアのデュエリストなら毎月こんな大金…」

 

「ああ。だが奴は副業なんて何もしてない。だったら…黒崎が一枚噛んでる可能性がある。そして奴の事だ、碌でもない事だろう…そこに大樹の様な小さい子供を放りこむ訳にもいかん……一先ず里親認定先送りにしたんだが…しばらくしてこれが…な」

 

 

そう言って取り出した手紙をジュンコは受け取って中身を見た。がすぐに険しい顔になった――

 

 

「『ナ、メ、た、マネ、を、スル、な』…脅迫状じゃない…!!」

「ああ、どうも無関係と思えなくてな…だから俺と同僚で門番紛いの事をしてたんだ」

 

 

もしも三島と黒崎の狙いが大樹を使って何かをするのなら――

だがその何かが分からない。しかし、もしかしたら精霊関係なら全て繋がる。

 

 

「…けど、明確な理由なしに断る事も出来ないの…下手して訴えられても子供にアレだしね…」

 

「澪さん…大丈夫ですか?」

 

 

まだ少し顔が青い澪に紫苑が心配そうにそう聞いた。澪は力なく頷いた。

 

 

「精霊関係なら俺たちよりも…お前達が詳しい。だから奴らが何かをしようとしてるのを調べてくれないか」

 

「「「「………………」」」」

 

 

その徹の言葉に頷く事が出来なかった。今回は管理局やセブンスターズの様な戦争ではない。しかもカリーヌ教会というでかい物を守らなくちゃいけない。

 

 

 

「やるよ、ボクは。此処はボクの家…そして此処の子供は僕の妹と弟なんだ。見捨てるわけにはいかないよ」

 

「俺もやるぜ!!なんだかよく分からんが、精霊を悪用してるってなら容赦しないぜ!!」

 

 

静かにユウが、明るく十代がそう言った。それを見たシゲルは「やっぱバカばっかりだな」と言って三島と黒崎の写真をPDAのキャプチャーモードで写した。

 

 

「まずはこの二人のうちのどちらかを洗う事からだな」

 

「おや、皆さんまだ起きてたのですか?早く寝なさいね」

 

 

ホールに新山が入ってきた。それを見た紫苑、ジュンコ、ツバキは机の上にあった書類等を瞬時に隠した。

 

 

「は、はい!じゃあ続きは明日だね」

 

「そうだな、今度は負けねーぜ」

 

「負けって…な(ムグ!?)」

 

 

ユウとシゲルの絶妙なコンビネーションに十代が口を挟もうとしたが紫苑がナイスフォローをした。

 

 

 

「あ、そういえば新山さん。ボクはともかく5人が寝るとこってどこですか?」

 

「ああ、ユウの部屋にあと誰か一人で、ユウの横と徹の部屋の横が空いてるからその部屋を使ってください。布団はもう運んでますよ」

 

 

―少年少女部屋割決定中...―

 

 

 

―in 空き部屋A―

 

空きの部屋と言っても勉強机とベット、そしてその横に畳まれた布団がある。全部の部屋はこれがデフォな為、それほど宿泊に困る事も無かった。だが困惑してる事が――

 

 

「…なんでだろうな?」

 

「なぜでしょうね?」

 

 

適当に部屋割を決めた結果――ユウの横の部屋は十代と紫苑が使用することになった。どういう組み合わせでも必ず女子と男子が1:1となる部屋があるため仕方がないが、なぜカップルでこうなったか…

 

 

「えっと…と、取りあいずベットはお前が使え、な?俺はこっちで…!!」

 

 

そう言って十代は畳まれた布団に手を伸ばした。だがその十代を後ろから紫苑が抱きしめた。

 

 

「え、えっと紫苑…なにして…」

「いえ…ただ…今日教会(ここ)に来てから…少しさびしくて…」

 

 

そう言って紫苑は静かに腕をほどいた。振り返った十代が見たのは悲しそうに眼を伏せ俯いている――まるで叱りつけられた子犬の様な紫苑だった。

 

 

「私は元々…いえ、今でもプログラムのバグの一つ…そんな私が感情を持って…人間の心を理解した…それはとても嬉しかったんです。楽しい事や嬉しい事が分かって…嫌な事やしんどい事もあったけど…」

 

「紫苑…」

 

 

徐々に紫苑の声が小さくなり、その眼には涙が溢れてきた。今まで『気丈で冷静な紫苑』として生きていたが、そんな彼女が今日初めて味わったのは――

 

 

 

 

 

「…私に、『親』はいません」

 

 

――『孤独』だった。

 

「此処の子供は徹さんや澪さんみたいな人が…互いの傷を知っている人が集まって慰め合って生きています。けど…私には…」

 

「紫苑」

 

 

 

呼ばれて改めてハッとした。こんなことを言っても相手に迷惑をかけるなんて自分らしくないと頭を振った。

 

 

「す、すみません…迷惑なkきゃ!?」

 

 

紫苑は十代の顔を見ない様に背を向けた。正直自分の情けない顔を好きな人に見られたくなかったのだ。

 

だが十代はその紫苑の肩を持って無理やり自分の方に向けた。

 

 

「紫苑、お前は一人じゃない!ツバキや剱都が家族じゃないか!それにユウやシゲルは仲間だろ!!明日香や翔…それに俺もいる!!お前は孤独じゃない!!」

 

「十…代……」

 

十代の言葉に紫苑は静かに涙を流した。

 

 

―空き部屋A 改め 十代と紫苑の部屋 out―

 

 

 

―in 空き部屋B―

 

 

「どうしてなんだろうな」

 

「訳分からない…」

 

 

十代と紫苑の様に、この部屋にはシゲルとジュンコのカップルが使用することになった。見事なまでのテンプレだ。

 

 

「黙れ」

 

だから地の文には…もういいや…

 

 

「で、どうする?布団とベット。どっちが良い?」

 

「あ~その腕だと布団畳むの大変でしょ?私が布団で良いわ。………ねえシゲル」

 

 

シゲルは明日の朝着る服をバックから取り出して机の上に置いて寝る準備を整えているとジュンコが恐る恐る聞いてきた。

 

 

「シゲルの両親って…どんな人?」

 

「俺の両親か……聞いてもあんまりおもしろくないぞ」

 

 

そう前置きしてシゲルはバックの中のデッキの中から一枚のカード――『眠る魂の咆哮』をとりだした。

 

 

「これは親父の形見…だな」

 

「形見って…ご、ごめん。つらい事聞いて…」

 

 

シゲルの言葉にジュンコはそう謝った。今までだれよりも強く振舞っていたシゲルだが、カードを見せた時の声が悲しんでいたのに気付いていた。

 

 

「いや、構わねぇよ、もう十年も前の話だ。親父は誰に対しても厳しかったな…けど俺と響…俺の妹の事を第一に考えてくれてた。母さんがいなかった俺達だが、親父やウリィ、マリアがいてさびしくはなかったな…」

 

「シゲル、妹いたんだ…だからユウとかツバキとかの対応に慣れてたのね…」

 

 

ユウとツバキは共に剱都や紫苑に比べ、精神年齢は低い。そしてシゲルは自己主張をはっきりするため、内気な感じのユウとツバキの兄みたいな感じになってしまうみたいだ。

 

 

「さあな。…明日は黒崎と三島を洗うんだろ?サッサと寝ようぜ」

 

―空き部屋B 改め シゲルとジュンコの部屋 out―

 

 

 

 

―ユウの部屋―

 

消去法で――

 

「「…………………………」」

 

 

このバカップルしか残っていない。そしてお互いにあの日の事を思い出されているので何も言えない。(詳しくは 『turn21 賭け』の最終部分を参照)

 

 

「え、え~と…ツ、ツバキはどっちで寝る?」

 

「あ、私は布団で良いよ」

 

 

顔が真っ赤になっているユウとツバキ。ふとユウの目がツバキの目に向かった。制服は案外胸元が大きく作られており、それほど気にならないデザインになっている。

 

だが今はピンク色の可愛らしいデザイン――しかもチェック柄の為、体の起伏が分かりやすいのだ。

 

 

「え…えと…ユウ…恥ずかしい…かな///」

 

「あ…ご、ごめん!!」

 

 

ユウはすぐに赤い顔を背けた。が――変な音が聞こえた。

 

 

「…??」

 

 

まるで何か――タオルの様な物を投げ捨てたような、布と布が擦れるような――

 

 

 

「え、えぇ?えええええぇぇぇぇぇぇ!!!?」

 

「ユ、ユウ…声が大きい…///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバキはなぜかパジャマを脱いで生まれたままの格好になっていた。その理由は簡単だ。

 

澪から聞いた言葉――「変な人に持っていかれない様に気をつけなさいよ」

 

その言葉と今の状況が変にリンクしてしまい、ならば自分しか見させないようにすると言う最早ヤンデレ状況に陥っている。

 

 

 

「わ、私は大丈夫だからね?気にしなくて///」

 

「いやいやいやいやいや!!!気になるから服を着て!!」

 

 

思い出しの羞恥心でオーバーヒートし、その所為で頭の中がオーバーフローしているツバキに今まさに同じ状況に落ちいようとしてるユウ。

 

 

                 何このカオス

 

 

 

「…えい!!」

 

「ぐぇ!?ちょ、ツバキ!?」

 

 

ツバキはユウの体を抱いて、そのままベットの上にダイブした。その際ツバキの肘がユウの腹に入って一瞬変な声がしたが重要な事じゃない。

 

 

「ツバキ、離して!!色々と(特に頭が)ダメになるから!!」

 

「私は心配無いからね(「大丈夫だ、問題無い」)!!それじゃあ…///」

 

 

結論を言おう、すでにツバキの頭がゲシュタルト崩壊を始っていた。それにより謎の電波を受信してしまってる。

 

そしておもむろにツバキはユウのズボンを――

 

 

「アッーーーーーーー」

 

 

こうして、ツバキとユウは大人の階段二段飛ばしで駆け上がった。




ツバキ「いやあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ユウ「うああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
∵(´∀(○=(・∀・*)←シゲル
   ↑作者


ぐふぅ!?っ…いい…パン…チ…だぜ…
剱都「死ね」


紫苑「早速ですが、何ですかこのカオス」
簡単に言うとユウとツバキがS●Xをゲブら!?
シゲル「ちょいツラ貸せ」

あ、ちょ、ま、あーーー


~ただいま音声が乱れております~

剱都「で、最終的に?」
シゲル「あんな奴は捨てておけ」

紫苑「今回はお姉ちゃんとお義兄さんが使い物にならいのd」
ユウ「紫苑!!?」
シゲル「復活したな、ツバキはまだだが」
ツバキ「だ、大丈夫…うん…大丈夫…」

げ、ゲフッ…死ぬかと思った…
剱都「たく、今はくたばるんじゃねーぞ」
やさしい…剱都が…
剱都「さっさと作中説明しろ」
あ、はい

カリーヌ教会は(当たり前だが)オリジナル設定です。一応宗教として祈りの時間とかあるため教会があり、澪はそこの修道女見習いですね。
徹は普段はKCの事務員兼警備員として働いています。

紫苑「マジキャットというわけだから大樹は魔法使いデッキですか?」
設定上は魔法使いで行くよ。ツバキのデッキと違ってただの魔法使いだけどね。
戦うかどうかは不明だけど。

ユウ「澪…料理が上達しなかったんだ…」
ちなみにキャラ順で料理の上手さを表すと
シゲル→ツバキ→紫苑→徹→ユウ→剱都→→越えれない壁→→澪
だね
剱都「なん…だと…」
シゲル「てか、ひどすぎるだろ…」
ちなみにこの順位、ツバキは作った事のある料理ならね。全く知らないいオリジナルだと——
シゲル→紫苑→徹→ユウ→剱都→→越えれない壁→→澪→→更に越えれない壁→→ツバキ
シゲル「どんだけなんだよ!!」
アレンジのしすぎで最早シャマル以上の暗黒物質へ。
ツバキ「…orz」

次回予告

各々色々な事があり、翌朝を迎えた。6人は童実野町を3手に分かれて捜索したが目ぼしい結果は無かった。
だがユウは突然ツバキと別れてある場所へ向かう。

教会へと戻った5人に待ち受けたのは予想だにして無かった展開だった―

見えない時間制限、駆け回る少年達――最悪の正体

「『う っ か り』 殺 し た ら ゴ メ ン ネ ?」

幕間第二話~裏切りと黒に染まる少年~
最強カードは『エンシェントスピリット―闇刀神―』

ユウ「って最後の台詞なに!?」
お楽しみに~
ユウ「SI☆KA☆TO!?」

追記:番外編『ユウとツバキと双子』を『アザー・レコード』に投稿しました。
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