遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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幕間第四話~精霊VS新たなHERO~

―龍安寺:本堂―

 

「……なるほどな」

 

 

境内を掃除していた青年に断りを入れてユウとシゲルはエドに管理局との戦い、世界の矛盾のことを説明していた。

 

精霊界の事は精霊の見えないエドに説明するのは無理だと判断したシゲルは適当にはぐらかした。

 

 

「まあ…こんなとこだな。生憎俺はディスクを忘れたが…」

 

 

 

そう言ってシゲルが見た先には実体化した神楽が正座していた。ユウが説明のために召喚したのだが、その様子にエドはすごく驚いていたと追記しておこう。

 

いきなりソリッドビジョンに頭を撫でられるなんて経験はまずない。

 

 

「ちなみに彼女の言っていた光の龍とは?」

 

「…それはね」

 

 

 

そう言ってユウが取り出したのは絵とテキストが白紙のカードだった。それを見たエドは眉をひそめた。ドラゴン云々カンヌンではなく、ただのカードだからだ。

 

 

「ユウ、どういうことだ?ドラゴンと言うより…」

 

「う~ん…これってデュエル中にしか現れないからね…説明できないんだ」

 

 

するとエドは静かに立ちあがって本堂の襖を開けた。

 

 

 

「なら僕とデュエルしろ」

「え…?」

 

 

 

―境内―

 

 

「なんでこうなるんだろうね…」

 

 

ユウは銀色のディスクを展開させながらため息をついた。一方のエドも同じように市販のデュエルディスクを装着して、シゲルは縁側で座っていた。

 

 

「ユウ、覚えているか?僕と君の勝敗」

 

「確か37戦で君が19勝、ボクが18勝だったかな」

 

「そう…勝って負けてのシーソーゲームでまるでテニスのデュースの様になっていた。けど、今回決着をつけさしてもらう」

 

「残念だけど、追いつかせてもらうね!!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

―エドのターン―

 

 

「僕のターン!!……一つ言い忘れてた」

「?」

 

 

ドローしたカードを見たエドは面白そうにそう言った。そしてドローしたカードを手札に加え、初期手札の5枚から1枚を引き抜いた。

 

 

「僕のデッキは昔とは全く違う、D-HEROダイヤモンドガイを召喚!!」

 

「「HERO!?」」

 

 

ダイヤモンドガイ/ATK1400

 

 

十代、そして紫苑が使うHERO…なのだが、何かが違う。十代のは風や炎と言った、紫苑は大地、海と言った自然のE・HEROなのだが――エドが使ったのはD-HEROというモンスターだ。

 

 

効果(エフェクト)発動!!デッキトップを確認し魔法カードなら次のボクのメインフェイズにその効果を発動する事が出来る!!ハードネス・アイ!!」

 

 

デッキの一番上のカード――『ディスティニードロー』と言う魔法カードだった。

2人に聞き覚えが無いがどうやらD‐HEROに関係した効果の様だ。

 

 

「次のターン僕はディスティニードローの効果を得る!!カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

エド

LP4000 手札4枚

ダイヤモンドガイ/ATK1400

伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!!エド、ボクも昔のボクだと思ってたら大間違いだよ!!」

「?」

 

「手札からスピリットモンスター満月巫女を召喚!!」

 

 

満月巫女/ATK1500

 

フィールドに現れたウサギ耳の和服の女性が現れた。

 

 

「満月巫女は召喚した時、手札を捨てることで相手の魔法・罠を破壊する!」

 

「っ…スピリットモンスター、だと…!!(今までのデッキはドラゴンのビートデッキだった…これは…楽しめそうだ!!)」

 

 

互いに昔と違う強さを持っている。それが互いの闘争心に火を付けた。

 

 

 

「手札抹殺を発動!!互いに手札を全て捨てる!!」

 

「手札交換…(だが、ドラゴン抹殺用の罠カードは今は必要ない…ちょうどいい)」

 

 

だが突然ユウの墓地が光り出した。それにエドが驚いていると一匹の犬が飛び出した。

 

「墓地に送られた犬神の効果!!墓地からレベル4以下のモンスターを1体持ち主のフィールドに召喚する!!ボクが召喚するのはスピリット・バード!!」

 

「スピリット・バード…?」

 

 

見た事のないモンスターにエドは首を傾げた。たしかにスピリットモンスターを使うのはエドの知る限りユウだけだった。だがそれでも――

 

 

「レベル3の満月巫女にレベル3のスピリット・バードをチューニング!!」

 

「っ!!シンクロ召喚か!!」

 

 

エドは新たな召喚方法のシンクロ召喚は興味があった。恐らくリーグでこれからはシンクロを行う相手が多くなるから、プロリーグで戦う前に一度でも良いからシンクロを行う相手が欲しかったのだ。

 

 

「精霊と魂に一つにし、古の魂よ飛び上がれ!!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「シンクロ召喚!!聖霊鳥 シルフィを召喚!!」

 

 

フィールドに巨大な鳥が現れた。手札のスピリットモンスターをコストにバウンス効果を発動することのできるが、だが効果の為の手札コストが無い――が、攻撃力は2500もある。

 

 

「バトル!!シルフィでダイヤモンドガイに攻撃!!」

 

「クッ…!!」

 

 

エド/LP4000→2900

 

 

巨鳥の羽ばたきによって生まれたカマイタチがダイヤモンドを体に生やしたHEROに襲いかかった。まさかここまで圧倒されるとは思っていなかったエドは苦虫を噛んだような顔になる。

 

 

「ボクはカードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

ユウ

LP4000 手札1枚

シルフィ/ATK2500

伏せカード2枚

 

 

―エドのターン―

 

「僕のターン!!メインフェイズ、ダイヤモンドガイの効果で墓地(セメタリー)に送られたディスティニードローのエフェクト発動!!カードを2枚ドローする!!」

「コスト無しでカードを…!!」

 

 

まさか強欲な壺と同じ――いや、それ以上の事をするとは思って無かった。だがダイヤモンドガイがいなくても効果が発動していた。

 

 

「手札から魔法カードD‐スピリッツを発動!!自分フィールドにD-HEROがいない時、手札からレベル4以下のD‐HEROを特殊召喚できる!!カモン、デビルガイ!!」

 

 

デビルガイ/ATK600

 

フィールドに悪魔の様な姿のHEROが現れた。すると空を飛んでいたシルフィに光の鎖が巻き付いた。

 

「デビルガイのエフェクト発動、このモンスターの攻撃権を放棄し相手フィールド上のモンスター1体を相手のスタンバイフェイズまでゲームから除外する!!ディスティニー・ロード!!」

 

「シルフィ!?」

 

 

一瞬空間がゆがみ、シルフィが異次元――いや、未来へと飛ばされた。

しかもまだエドはこのターン通常召喚を行っていない。

 

 

「デビルガイをリリース、ダブルガイをアドバンス召喚!!」

 

 

今度は英国紳士風の老人が現れた。だが――

 

 

「(何かいるぅぅぅぅ!!あのモンスターの背後になにかいるゥゥゥゥゥ!!)」

 

 

ダブルガイの背後に筋骨隆々の男性が立っている。しかしエドはそれに気にせずプレイを続けている。

 

 

「バトル!!ダブルガイで直接攻撃!!」

 

「クッ………え…?」

 

ユウ/LP4000→3000

 

ユウが驚いている――英国紳士風の男性の後ろに立っていた筋骨隆々の男性が目の前にいる。

 

 

「ダブルガイは1ターンに2度まで攻撃を行う事ができる!!デス・オーバーラップ!!」

 

「ちょ、流石にそれは無理!!手札だからスピリット・ガードナーを特殊召喚!!直接攻撃を受ける時このモンスターは特殊召喚する事が出来る!」

 

 

スピリット・ガードナー/DEF0

 

「構わない、そのまま攻撃しろ!!」

 

 

残念ながらスピリット・ガードナーの効果を発動するための墓地コストはない。そのままガラスの戦士が破壊された。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

エド

LP2900 手札2枚

ダブルガイ/ATK1000

伏せカード2枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!!墓地に存在するテイク・オーバー・ファイブの効果で更にドロー!!」

 

「墓地…そうか、手札抹殺の時か!!」

 

 

そう、あの時ユウはテイクオーバーを使用せずに墓地に送っていたのだ。なぜ使っていなかったのかと言うと――

 

 

 

 

―前日:ユウVS大樹―

 

「じゃあ次はボクのターン!!テイク・オーバー・ファイブを発動!!」

「…!!」

『ニャ!?』

 

 

「デッキの一番上から5枚の…カー…ド……を……」

 

落ちたカード

・スピリットフィールド(デッキに1枚)

・死皇帝の陵墓    (デッキに1枚)

・大嵐        (制限カード)

・貪欲な壺      (制限カード)

・死者蘇生      (制限カード)

 

 

「「『………………………』」」

 

 

 

 

これはトラウマモノだった。発動するのが怖く、デッキから抜く暇がなく、結局そのまま入れていたのだ。

 

 

「手札からスピリット・ゾンビを攻撃表示で召喚!!」

 

 

フィールドに体のいたるところが砕け崩れている少し不気味なガラスのモンスターが現れた。

 

 

スピリット・ゾンビ/ATK1200

 

 

「バトルフェイズ、スピリット・ゾンビでダブルガイに攻撃!!」

 

「クッ…!!」

 

 

エド/LP2900→2700

 

 

ダブルガイがスピリット・ゾンビに襲われ、破壊された。しかしその横にシャープな体の戦士が現れた。

 

 

「リバース罠、デステニー・シグナル!!自分のモンスターが戦闘で破壊された時、デッキからレベル4以下のD‐HEROを1体特殊召喚できる!!この効果でドゥームガイを特殊召喚!!」

 

 

ドゥームガイ/ATK1000

 

 

「僕はこのままターンエンド!」

 

ユウ

LP3000 手札1枚

スピリット・ゾンビ/ATK1200

伏せカード2枚

 

―エドのターン―

 

「ボクのターン!」

 

 

エドのフィールドにはドゥームガイしか残されてないはずだった。

 

しかしスピリット・ゾンビが破壊はずのダブルガイが何故か2体エドのフィールドに現れた。

 

 

「ダブルガイのモンスターエフェクト!破壊された次のターンのスタンバイフェイズ、フィールドにダブルガイトークンを2体特殊召喚する!!」

 

 

ダブルガイトークン/ATK1000

ダブルガイトークン/ATK1000

 

 

 

フィールドに老紳士が2体並んだ。これまでの流れからするとエドはシンクロ召喚を行わない。なら――

 

 

「ダブルガイトークン1体をリリースしてダッシュガイをアドバンス召喚!!」

 

 

ダッシュガイ/ATK2100

 

今度はレーサーの様な恰好のHEROが現れた。

 

 

「ダッシュガイのエフェクト発動!!自分フィールドのモンスター1体をリリースすることで攻撃力を1000ポイントアップする!!ダブルガイトークンをリリース!!」

 

 

ダッシュガイ/ATK2100→3100

 

 

「バトルフェイズ!ダッシュガイでスピリット・ゾンビに攻撃!!ライトニング・ストライク!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ユウ/LP3000→1100

 

 

ダッシュガイのサマーソルトキックでゾンビが砕け散った。その光景をツバキが見ていたら悲痛な叫びを上げていただろう。

 

 

「っ……スピリット・ゾンビのモンスター効果!!戦闘でこのモンスターが破壊された時、墓地のスピリットモンスターを除外することでデッキからスピリットと名のつくモンスターを特殊召喚する事が出来る!!この効果で墓地の満月巫女を除外、デッキからスピリット・ワイバーンを召喚!!」

 

 

スピリット・ゾンビ

効果モンスター

星2/闇属性/アンデット族/ATK1200/DEF700

このモンスターが戦闘で破壊された時、

墓地に存在するスピリットモンスターを1体除外することで、

デッキから「スピリット・ゾンビ」以外の「スピリット」と名のつく

レベル4以下のモンスターを特殊召喚する事が出来る。

 

 

スピリット・ワイバーン/ATK1700

 

 

フィールドにガラスの体のワイバーンが現れた。少々ダメージが大きかったが、これでユウの目論見が完成する。

 

 

「バトルを行ったダッシュガイはその後、守備表示になる。ドゥームガイも守備表示にしてターンエンド」

 

 

ダッシュガイ/ATK2100→DEF1000

ドゥームガイ/ATK1000→DEF1000

 

 

エド

LP2900 手札2枚

ドゥームガイ/DEF1000 ダッシュガイ/DEF1000

伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

「ボクのターン!!フィールドのスピリット・ワイバーンはスピリットモンスターのリリースとして扱う時2体分として扱う事ができる!!」

 

 

スピリット・ワイバーン

効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/ATK1700/DEF1300

このモンスターはスピリットモンスターのリリースとして扱う時

2体分として扱う事ができる。

このモンスターは墓地から特殊召喚する事が出来ない。

 

 

 

スピリット専用のダブルコストモンスターだ。そしてユウのデッキに最上級スピリットは2体しかいない。

 

 

「スピリット・ワイバーンをリリースして八岐大蛇をアドバンス召喚!!」

 

「上級スピリット…だが、僕のモンスターは守備表示!!八岐大蛇の効果は使用できない!!」

 

 

そう、八岐大蛇のドロー効果は戦闘でライフにダメージを与えた時のみだ。

守備表示のモンスターを攻撃してもダメージはない。

 

 

「リバースカード、草薙剣を八岐大蛇に装備!!これで八岐大蛇は貫通能力を得る!!」

 

「なに!?」

 

 

これで貫通能力を得たが、草薙剣は元々八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾から手に入れたという伝説があるためか、すこし八岐大蛇(ヤマタノドラゴン)が嫌がっていた。

 

 

「カードを一枚伏せてバトル!!八岐大蛇でダッシュガイに攻撃!!」

 

 

八岐大蛇が放った赤黒い光線がエドの場の防御態勢をとっていたレーサーに襲いかかった。

 

 

「クッあああああ!!!!」

 

 

エド/LP2900→1300

 

 

「戦闘ダメージを与えたから、八岐大蛇の効果!!手札が5枚になる様にドロー!!

メインフェイズ2、手札のスピリット・ソウルを捨て、デッキからフィールド魔法、スピリット・フィールドを手札に加え発動!!」

 

 

 

辺りが林に囲まれた寺から神秘的な神殿へと変わった。

 

 

「このカード効果でスピリットモンスターは自身効果で手札に戻らず、また特殊召喚ができない効果は無効になる!!」

 

「なに!?」

 

 

スピリットモンスターの特徴とも言うべきデメリット効果の2つが消える、それだけでも脅威だった。

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

 

ユウ

LP1100 手札3枚

八岐大蛇/ATK2600

伏せカード3枚 草薙剣

スピリットフィールド

 

―エドのターン―

 

 

「僕のターン!!墓地(セメタリー)に存在するダッシュガイのモンスターエフェクト!!ドローしたモンスターを1度だけ特殊召喚する事が出来る!!」

 

「ドローしたモンスター!?」

 

 

この効果であるのならD-HERO以外のデッキでもかなりの効果を発揮する。最上級モンスターや特殊効果モンスターをコスト無しで召喚――しかもダッシュガイが墓地にいる時ならいつでもと言う事だ。

 

 

「カモン!D‐HEROディアボリックガイ!!」

 

 

フィールドに巨大な体のモンスターが現れた。ディスクを見る限りレベル6のモンスター――

 

 

ディアボリックガイ/ATK600

 

 

「攻撃力600…!?一体何を…」

 

「更にスタンバイフェイズ、デビルガイの効果で除外されてたシルフィがフィールドに戻る」

 

 

シルフィ/ATK2500

 

 

過去から飛ばされたシルフィがユウのフィールドに降り立った。普通なら攻めているユウに戦力が増えたと考えるべきなのだろうが、なにか嫌な予感がした。

 

 

「手札からD‐HEROディパーテッドガイを召喚!!」

 

 

 

ディパーテッドガイ/ATK1000

 

今度はスーツを着たミイラ男が現れた。だが全てシルフィや八岐大蛇よりも攻撃力が低い。

 

するとエドが手札のカードの一枚を引っ張り出してきた。

 

 

 

「このモンスターは自分フィールドのD‐HEROを含む『3体』のモンスターをリリースして特殊召喚する事が出来る!!」

 

 

そう、ダッシュガイでやりたかったのは最上級モンスターの『召喚』ではない。最上級モンスターの『召喚の為のモンスターを召喚』だった。

 

そして今エドの出そうとしているモンスターは恐らく『切り札』だった。

 

 

「フィールドの3体のモンスターをリリースして手札から最強のD‐HEROドグマガイを特殊召喚!!」

 

「最強…!!」

 

 

ドグマガイ/ATK3400

 

フィールドに現れた全身が黒い屈強なダークヒーローが現れた。

初めて見るモンスターだったが、明らかに異様な雰囲気を纏い、只ならぬ気迫――

 

 

「バトルだ!!ドグマガイでシルフィに攻撃!!デス・クロニクル!!」

 

「っ…永続罠、シンクロン・スピリット・パワーを発動!!墓地に存在する犬神をゲームから除外して僕のフィールドのシンクロモンスターは攻撃力を500ポイントアップする!!」

 

 

シルフィ/ATK2500→3000

 

ユウ/LP1100→700

 

エドはこれでユウがただ単にダメージを抑えただけだと思っていた。

 

 

「シンクロン・スピリット・パワーの2つ目の効果!!聖霊と名のつくモンスターが破壊された時、手札・デッキからスピリットと名のつくモンスターを1体特殊召喚する事が出来る!!来て、スピリット・マター!!」

 

 

スピリット・マター/ATK600

 

フィールドにガラスの人魂が現れた。次のターン――あのモンスターを呼ぶ事が出来る。

 

 

「僕はこれでターンエンドだ!!」

 

 

エド

LP1300 手札0枚

ドグマガイ/ATK3400

伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

「僕のターン!!(来た、金華猫!!)」

 

ドローしたモンスターは墓地のレベル1のモンスターを特殊召喚するスピリットモンスターだ。

このモンスターを使えば――

 

 

 

「ドグマガイの効果(エフェクト)発動!!召喚された次のターンのスタンバイフェイズ、相手のライフを半分にする!!ライフ・アブソリュート!!」

 

「なっ、わああああああああああ!!!!」

 

 

ユウ/LP700→350

 

 

 

「おいおい…半分ってえげつねぇな…」

 

「あの…」

 

 

縁側で見ていたシゲルはエドの召喚したモンスターにそう呟いていた。するとその後ろから湯のみと急須を持ってきた先程まで掃除をしていた青年だった。

 

「お茶どうぞ」

 

「あ、すいません。所であんたもデュエリストなのか?」

 

 

そう言って青年はシゲルの横で正座をした。その間もチラチラとユウとエドの戦いを見ている。

 

 

「え、ええ…まあ…この寺の管理をする身としてはその手の物をするなんて…ね」

 

 

確かにこの寺にいるとき、ほかに人がいなかった。ただひとりでここの管理をしてるのならデュエルをする時間などないだろう。

 

だが墓参りに行く前にこの青年がエドを見た時の反応を見るとするなら恐らく――

 

 

 

 

 

「…デュエル忘れないんだな」

 

「…ええ。早く父を亡くし、母は私を置いて家を出て行きました。この寺は祖父の残した唯一の物です…継ぐのなら他の事に気をとられる訳には…」

 

 

そう言っているが、どうやらいまだに悩んでいるようだった。そうこうしているうちに勝負は動き始めていた。

 

 

 

 

「レベル7の八岐大蛇にレベル1のスピリット・マターをチューニング!!

大いなる魂よ!砕かれし魂と共に光の風を纏いその身を現わせ!!」

 

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚!!スピット・シルバー・ドラゴン!!」

『ガァァァァァァァ!!!!!』

 

 

フィールドに白銀の翼を持つ綺麗なドラゴンが現れた。その姿に見慣れたシゲルはともかく、青年とエドは見とれていた。だがこんなものじゃない――

 

 

「手札から金華猫を召喚!!効果で墓地からレベル1のスピリット・ソウルを召喚!!レベル1の金華猫にレベル1のスピリット・ソウルをチューニング!!

小さき魂が集まりて、進化の扉の鍵となる…開け」

 

 

☆1 + ☆1 = ☆2

 

「シンクロ召喚!シンクロチューナー、スピリット・シンクロン!!」

 

「シンクロチューナー…シンクロモンスターのチューナー…!?」

 

 

エドがその名前の意味を理解するが、既にユウは召喚する条件をそろえていた。

 

 

「レベル8のスピット・シルバー・ドラゴンにレベル2のシンクロチューナースピリット・シンクロンをチューニング!!」

 

「っ!!(あの白紙のカード…テキストと絵柄が…!!)」

 

 

ユウの取り出した白紙のカード、それに一体のドラゴンが描かれていく。

 

 

「光が交わりしき時、砕かれし魂が全てを守る盾となる――」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

 

「――導け!!」

 

「「消えた!?」」

 

 

リングに包まれていたスピットが消え、シゲルと青年が座っているすぐ近くにそのリングが再び現れた。

 

 

「アクセルシンクロ!!聖なる龍、スピット・クロス・ドラゴン!!!」

 

『ガァァァァァァ!!!!』

 

 

 

現れた神々しいドラゴン――その姿は神様と言っても納得してしまいそうだった。

 

 

スピット・クロス・ドラゴン/ATK3000→3500

 

 

「攻撃力が、ドグマガイを上回った…!!?」

 

「スピリット・シンクロンの効果でカードをドロー!!バトル!!スピット・クロス・ドラゴンでドグマガイに攻撃!!クロス・ロード!!」

 

 

 

スピット・クロスがドグマガイに向かって突撃をした。

 

 

 

だがドグマガイが突然防御態勢をとり、スピットの攻撃を耐え抜いた。

 

 

 

「D-シールド!!D‐HEROが攻撃対象になったとき、そのモンスターを守備表示にしてこのカードを装備する!!そして装備されたモンスターは戦闘で破壊されない!!」

 

ドグマガイ/ATK3400→2400

 

 

「…(クロスの効果で無効にもできるけど…そしたらドグマガイを倒す事が出来ない)カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

ユウ

LP350 手札2枚

スピット・クロス・ドラゴン/ATK3500

伏せカード3枚 シンクロン・スピリット・パワー

スピリット・フィールド

 

―エドのターン―

 

「僕のターン!!スタンバイフェイズ時墓地(セメタリー)のディパーテッドガイの効果発動!!このカードが墓地に存在する時相手フィールドに特殊召喚する!!」

 

 

ディパーテッドガイ/ATK1000

 

そう言うとユウのフィールドの地面からディパーテッドガイが現れた。しかも攻撃力が1000と、このままでは――

 

 

「ドグマガイを攻撃表示に変更してバトル!!ディパーテッドガイに攻撃!!デス・クロニクル!!」

 

 

「まだだよ!!奇策を発動!!手札のモンスター1体を捨てることでフィールドのモンスターの攻撃力を捨てたモンスター分下げる!!僕は手札の大和神を捨てて攻撃力2200ポイントダウンさせる!!」

 

ドグマガイ/ATK3400→1200

 

 

ユウ/LP350→150

 

 

ディパーテッドガイは戦闘で破壊されると除外される。だが何とかまだユウのライフは残っていた。だが攻撃表示で残されてるドグマガイは戦闘破壊無効効果がある。

 

 

「なら僕は、D‐スクランブルバックを発動!!墓地(セメタリー)のD‐HEROを5体デッキに戻し、カードを2枚ドローする!!デビル、ダイヤ、ドゥーム、ダブル、ダッシュの5体をデッキに戻す」

 

 

(ディー)‐スクランブルバック

通常魔法

墓地に存在する「D‐HERO」と名のつくモンスターを5体デッキに戻し、

その後デッキからカードを2枚ドローする。

このカードが「D‐HEROダイヤモンドガイ」の効果で墓地から発動した場合

2枚ドローする代わりにカードを3枚ドローする。

 

 

「ドロー!!カードを伏せターンエンド!!」

 

 

ドグマガイ/ATK1200→3400

 

エド

LP1300 手札1枚

ドグマガイ/ATK3400

D‐シールド 伏せカード1枚

 

 

―ユウのターン―

 

 

「ボクのターン!!魔法カードスピリット・ドローを発動!!墓地の八岐大蛇を除外してカードを2枚ドロー!!サイクロンでその伏せカードを破壊する!!」

「D‐チェーンが…」

 

 

破壊されたのはどうやら攻撃力強化D‐HERO専用カードだったようだ。

 

 

「手札からスピリット・ビーストを通常召喚!!」

 

スピリット・ビースト/ATK800

 

「更に受け継がれる力を発動!!ビーストをリリースしてその攻撃力をスピット・クロスに追加する!!」

 

スピット・クロス・ドラゴン/ATK3500→4300

 

「だがそれでもまだ僕のライフは残る」

 

「スピット・クロスの効果発動!!墓地のスピリットと名のつくモンスターを任意の枚数除外してその数だけ攻撃ができる!!本気で逝くよ!!」

 

「…字が違う気が…」

 

エドは静かにそう言ったが、ユウはそれをスルーして墓地のモンスター次々に除外して行き――

 

 

「墓地のシンクロンとバード、ビースト」

 

 

次…々…に

 

 

 

「ガードナー、ワイバーン、ゾンビ」

 

 

…次………

 

 

 

「マター、ソウル」

 

 

……………

 

 

「更に手札抹殺と満月巫女の効果で捨てられたフィッシュとディフェンダー、ソルジャーを除外してこのターン11回攻撃ができる!!」

 

 

「な、なんだと!?」

 

 

オーバーキルする気満々で墓地のスピリット全て除外したユウ。それを見たシゲルは綾小路の様な時のブチ切れている状況ではなく、純粋に勝ちたいと思ったときでもこうなると学習した。

 

 

そしてエドはこのままでは900ダメージ×11の9900ダメージを受ける。

 

 

「バトル!!スピット・クロス・ドラゴンでドグマガイに攻撃!!全☆速☆前☆進☆DA!!」

 

「て、手札のD‐HEROダガーガイの効果!!このカードを手札から捨てることで自分のフィールドのD‐HEROは攻撃力を800ポイントアップする!!」

 

 

ドグマガイ/ATK3400→4200

 

 

「構わない!!クロスロード11連打ァァァ!!!」

「ッ!うっ!ぎっ!クッ!が!うぁ!うぐ!あああ!!わぁぁぁ!!がぁぁぁ!!うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

エド/LP1300→1200→1100→1000→900→800→700→600→500→400→300→200

 

 

この時の生き生きしたユウの顔にシゲルは恐怖したと追記しておこう。

 

 

「カードを伏せてエンド!」

 

スピット・クロス・ドラゴン/ATK4300→3500

 

ドグマガイ/ATK4200→3400

 

ユウ

LP350 手札0枚

スピット・クロス・ドラゴン/ATK3500

伏せカード2枚 シンクロン・スピリット・パワー

スピリット・フィールド

 

 

 

―エドのターン―

 

シゲルの目にはエドが意気消沈とも言えるような感じになっているように見えたが、自分のターンが回ってきたことで何とかデッキの上に指を置いた。

 

「僕のターン…手札からフィールド魔法ダークシティを発動!!D-HEROが攻撃する時、攻撃力が相手モンスターよりも下回っている場合攻撃力を1000ポイントアップする!!」

「D‐HERO版スカイスクレーパー…」

 

 

そう言っているうちに辺りが神秘的な神殿からレトロゲームの様な夜の街へと変わって行った。

 

「バトル!!ドグマガイでスピット・シルバー・ドラゴンに攻撃!!デス・クロニクル!!」

 

ドグマガイ/ATK3400→4400

 

「リバース罠フローラルシールド!!攻撃を無効にしてカードを1枚ドローする!!」

 

「まだだ!!リバース罠、D‐ツイストを発動!!墓地(セメタリー)のレベル5以上のD‐HERO、ディアボリックガイを除外してこのターン自分フィールドのD‐HEROは2回攻撃をする事ができる!!」

 

 

D‐ツイスト

通常罠

自分フィールドの「D‐HERO」1体を選択し発動する。

墓地からレベル5以上の「D‐HERO」1体を除外し選択したモンスターはこのターン2回攻撃を行う事ができる。

「D‐HEROダブルガイ」を選択した場合、選択したモンスターの攻撃力を

1000ポイントアップする。

 

 

「スピット・クロス・ドラゴンの効果発動!!このカード自身をリリースして相手の魔法・罠之発動を無効にし墓地からスピット・シルバー・ドラゴンを特殊召喚する!!」

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500→3000

 

フィールドの神々しい龍が消え、一回り小さい光り輝く龍が現れた。

 

 

「ターンエンド」

 

 

エド

LP200 手札0枚

ドグマガイ/ATK3400

D‐シールド

ダークシティ

 

―ユウのターン―

 

 

「僕のターン(ここでアレを引かなきゃ…僕の負けだ…)ドロー!!」

 

 

引いたカード――それは――

 

 

 

 

「リバース罠ロスト・スター・ディセント!!墓地のシンクロモンスターを効果を無効にし、レベルを一つ下げ守備表示で特殊召喚する!!戻ってきて、スピット・クロス・ドラゴン!!」

 

「此処でスピット・クロスだと!?」

 

 

スピット・クロス・ドラゴン/ATK3000→3500/DEF2600→0

 

 

「手札から魔法カードブレイブ・アタックを発動!!自分フィールドのモンスター1体を選択し、他のモンスターの攻撃力を全て選択したモンスターに上乗せする!!」

 

「なんだと!?」

 

 

ブレイブ・アタック

通常魔法

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターン選択したモンスターが戦闘を行う時、選択したモンスターの攻撃力は自分フィールド上に存在する他のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

その後、自分フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK3000→6500

 

 

「攻撃力6500だと!?」

 

「バトル!!スピット・クロス・ドラゴンとスピット・シルバー・ドラゴンでドグマガイに攻撃!!クロス・ロード・ブラスト!!」

 

 

 

スピット・クロスがドグマガイに向かって飛んで行く。その後ろからスピット・シルバーが援護するように白銀の炎でスピット・クロスの体に火の鎧を纏わせた。

 

 

「クッあああああああああああ!!!!!」

 

 

エド/ATK200→0

 

―ユウWin―

 

 

「か、勝った…」

 

「…ああ。僕の負けだ」

 

 

こうして再び勝敗数は引き分け(イーブン)へと戻った。

 

 

「あ~長過ぎて喉が渇いたよ~」

 

「あ、どうぞ」

 

 

青年が戦いを終えたユウとエドに急須のお茶を振舞っていた。

 

 

 

そうこうしているうちに剱都達が戻ってきた。

 

 

「よぉ、長かったな…どちらさん?」

「ああ…まあ…」

 

 

見知らぬ女性――由香里を見てシゲルがそう聞いた。すると珍しく剱都が歯切れの悪い反応をしていた。

 

 

「この子たちの母親の羽黒由香里です」

「「ぶふっ!?」」

 

 

由香里の言葉にシゲルとユウが吹いてしまった。

 

事情を聞いた2人は何とも言えない顔をしている。

 

 

「なんつーか…大変だな。色々と」

 

「でも…良かったね。みんな」

 

 

2人はそう言いながら持っていたお茶を啜った。

 

 

「えっと…あなた達がツバキの言ってた獣斬君と聖牙君ね」

 

「あ、聖牙夕です」

 

「獣斬繁…ツバキがなんて言ってたのか気になるがな…」

 

 

そう言うとツバキはスゥーと目をそらした。それを見たシゲルは一つため息をついた

 

 

「聖牙君」

 

「え?あ、なんですか?」

 

 

すると由香里はユウに向かって頭を下げた。一体どういう状況なのか分からず5人はあたふたしている。ちなみに青年は再び掃除に戻っている。

 

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

「私が言えた立場じゃないけど…(ツバキ)をよろしくね」

 

「…はい…!!」

 

 

―2日後:童実野港―

 

 

「じゃあお別れだな」

 

 

長期休暇を終えた5人はアカデミア港行きのフェリー乗り場にいた。その間にエドとの親睦を深め、剱都達は母親との関わる喜びを噛みしめていた。

 

 

 

「エド、プロリーグ頑張ってね」

 

「ああ。今度こそ決着をつけよう」

 

 

「じゃあ母さん、また…」

 

「ええ。また会いましょう」

 

 

ちなみにシゲルは既に剱都に意識を刈り取られ、客室に押し込められている。

やがて出港の汽笛が鳴らされ、4人はフェリーに乗った。

 

 

―海上―

 

「お母さん…か」

『感慨深いものだな…母親と言うのは』

 

甲板で海を眺めていたツバキにダークがそう呟いた。だが、それとは裏腹にツバキが悲しそうな顔をしていたのに誰も知らない。




これにて幕間は終了
剱都「なんつーか、あっさりと終わったな」
ある意味5人の息抜きだからね。それとエドを登場させるため。
そしてステージは2年生へとシフト…の前に、やることがある。
シゲル「やること?」
第2章最後のやり残し…かな?。先に次回予告を軽くすると、次回シゲルが主人公で丸々出てます。

ユウ「デュエル解説だよ」
紫苑「スピリットVSD-HEROですか…」
ちなみに昔は『ドラゴンビート』VS『戦士ビート』だったよ。
両方共瞬火のデッキだったんだけどね。まだお互いにデッキを持ってない時だったから。

ツバキ「それにしても…途中のアレは?」
いや~…ネタで『つい』☆テヘ
ユウ「『つい』で僕のキャラを崩さないで///それとその☆はなんなの!?」

剱都「なあ、その後に瀬戸がいたような気がするんだが?」
(´∀`)気のせいだ
剱都「シゲルの言うとおりぶん殴りたい笑顔だな」

次回予告
カイザー達が卒業し、新たな新入生を決める入試当日。
シゲルは怪我による見学のための奉仕活動で会場にいた。

その中にいる、怪しい気配。

「俺はオリ主なんだよ!!」

「『原作』で剣闘獣使いはいなかった」

新たな矛盾点——それは『敵』か『味方』か


新たな戦いの扉が開かれる――

「アクセルシンクロ!!」

次回第三章turn49 入試試験 剣闘獣VS女戦士
最強カードは「不退の荒武者」
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