遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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~第三章:光の結社編~
turn49 入試試験 剣闘獣VS女戦士


隼人の中退から10日、卒業デュエルから2日後。

 

 

 

「シゲル~飯食いに来た…あれ?」

 

 

朝の8時。いつもならシゲルが厨房でユウや剣賭に料理をふるまってる時間に十代と翔が食堂に来たが、そこで料理をしていたのはシゲルではなく、何故かジュンコとツバキだった。

 

 

「あ、2人ともおはよう」

「すぐできるから、適当に座っときなさい」

 

 

言われるがままに2人は空いていた席に座った。ちなみにレッド寮の管理人であったはずの大徳寺がセブンスターズとして消えてしまい、毎朝料理を作っているのはシゲルだったのだ。

 

 

「なあユウ、シゲルは?」

「補習だよ」

 

 

そしてこれがこの話での主人公(ユウ)の最後の言葉だった

 

「え?」

 

―本島:受験会場―

 

 

そこにはいつものオシリスレッドのジャケットではなく、試験官のグレーのジャケットを居心地悪そうに着ているシゲルがいた。

 

 

―二日前―

 

 

「補助員…か?」

 

 

授業終わりに職員室に呼び出されたシゲルの目の前の色々と改心したはずのクロノス教諭の言葉を聞き返していた。

 

 

ちなみに前日にシゲルのギブスが外れており、すでに肩慣らしとして鬱陶しいブルー生徒をぼこっていたのだ。

 

 

「そうなノーネ。シニョールシゲルは、管理局員との戦いの際に骨折して実習の点数が危ないでスーノ。まぁ、事がことだけに特別処置として明後日の受験の手伝いをするのであれば、特別奉仕として実習に加算するノーネ」

 

「まぁ…分かった」

 

 

シンクロモンスター目当てで実習までアンティを持ちかけてくる輩が多く、相手にするのも疲れていたのでサボっていたのだがそれが此処でツケが回ってきたようだ。

この前やった行事のチーム戦で加算される点数で進級しようと思っていたのだが、骨折のため参加できず、補助員をしろと――

 

 

 

―10分前―

 

「先生、それで俺はどうすれば?」

「にょ?シニョールシゲルはこれなノーネ!」

 

そう言ってクロノスが取り出したのは試験官員用のジャケットだった。

 

 

「…どういうだ?」

「実を言うと、今回の受験生で明らかにレベルがおかしい受験生が何人かいるノーネ。それこそシニョール十代や本気になったシニョーラツバキぐらいに…」

 

「…………それと俺がそれを着るのに何のつながりが?」

 

 

 

「簡単に言うノーネ。ワタシはそんな奴らと戦いたくないノーネ!!」

 

 

 

―と言う訳で―

 

 

「……(帰ったらクロノスの野郎ボコろう)」

 

 

シゲルは若干の不機嫌で右足で貧乏揺すりをしながらルールとして『試験官員はシンクロを使用しない』と言うことで山本と戦った時ぐらいまでデッキを戻していた。

 

 

「まあ…シンクロ無しの戦い方を久々に実戦するのも良いかもな…だから、ソウル。悲しそうにこっち見るな」

 

『グァ……』

 

 

ルールを聞いた時からソウルは悲しそうにシゲルを見ていた。まるで捨てられた子犬のような眼差しは相当堪える。

こんどソウルのために料理を作ろうと思ったシゲルだった。

 

 

 

―デュエルフィールド―

 

「いっけぇ!!ホワイトホーンズドラゴン!!」

 

「罠カード、聖なるバリアミラーフォース!!」

 

「突き抜けろ、ギルフォード・ザ・ライトニング!!」

 

「死者蘇生であなたの墓地のエメラルドドラゴンを召喚!!」

 

 

 

ランクが下の受験生が必死に試験官員に喰らいついていた。中にはいい腕を持っている受験生がいるのもシゲルは気付いていた。

 

 

「あの56番惜しいな…プレイングセンスは上の下ってとこか。だがデッキ構成がすこしアレだな…」

 

「ぬ…(ナンナノーネ?試験官員最高責任者のワタシよりも試験官員みたいなノーネ…)」

 

 

 

そうこうしているうちに等々20番台になった。ちなみに80番台で一度その場の空気に慣れるためにシゲルが審査したが――

 

 

 

 

 

―シゲルVS受験生(81番)―

 

 

「では受験生が先行だ」

 

「おう!!俺のターン、魔法カード融合を発動!!手札の破壊神ヴァサーゴと伝説の剣豪MASAKIを融合!!現れろ、炎の剣士!!」

 

 

炎の剣士/ATK1800

 

 

「手札からサラマンドラを装備してターンエンド!!」

 

 

炎の剣士/ATK1800→2500

 

受験生

LP4000 手札2枚

炎の剣士/ATK2500

サラマンドラ

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン(伏せカード無し…下位ランカーとはいえこの展開酷いな…攻撃力1800のモンスター召喚するのに手札3枚消費で700の為に一枚の手札…)」

 

 

そう思いながらシゲルは支給品試験官用デュエルディスクを操作して採点していた。今年から導入されたこのディスクでデータを集め、例え試験官に負けても入学できる可能性があるという代物だ。

 

 

「手札からモンスター1体をコストに剣闘獣バウンドを特殊召喚、さらに自分フィールドに剣闘獣と名のつくモンスターが存在する時、スレイブタイガーを特殊召喚!!」

 

 

バウンド/ATK1000

 

スレイブタイガー/ATK600

 

フィールドに2体の獣が並んだ。だが強化された炎の剣士よりは下だ。

 

 

「なあ、舐めてるのか?攻撃力の低いモンスターを攻撃表示で…もっと本気で来いよ」

 

 

「…(ムルミロ召喚してちまちま削ろうかと思ったが…なんかムカつくな)なら容赦なく…このターンで終わらせてやるよ!!」

 

 

受験生の態度にむかついたシゲルは採点の為にできる限りデュエルを伸ばそうと思っていたが一気に終わらせるために一瞬でエンジンがかかった。

 

それに一瞬受験生がビビっていた。

 

 

「スレイブタイガーの効果!!このカードをリリースし、バウンドをデッキに戻す!!これにより剣闘獣ダリウスを特殊召喚!!」

 

 

ダリウス/ATK1700

 

フィールドにウマの顔をした獣人が現れた。するとその横に小さな戦士が音もなく現れた。

 

 

 

「ダリウスの効果!!墓地から剣闘獣を特殊召喚する、来い。剣闘獣セクトル!!」

「はっ…ははは…でかいこと言って雑魚が変わっただけじゃ…」

 

 

「手札から剣闘訓練所を発動!!効果でベストロウリィを手札に加え、召喚!!」

『む、ワシが出るのか…』

 

 

フィールドに相棒とも言える鳥人が現れる。召喚権を使用したことに安堵のため息を尽く受験生――

 

 

「エクストラデッキのガイザレスの効果発動!!フィールドに存在するベストロウリィを含む剣闘獣を2体デッキに戻して特殊召喚する!!」

 

「エクストラデッキから融合無しで召喚だと!?」

 

 

その展開に驚いている受験生。ちなみにペガサス曰く「剣闘獣はあくまでシゲルボーイのコピー。派生カードがあったとしてもシゲルボーイの剣闘獣に勝てないのデース」とのこと。つまり「剣闘獣」シリーズを使うのはシゲルしかいないのだ。

 

 

 

「ガイザレスの効果発動!!召喚成功時、フィールドのカードを2枚まで破壊する事が出来る、炎の剣士を破壊!!」

 

「なっ!?」

 

「一斉攻撃、散れ」

 

 

と言う感じで何事もなく終わった。ちなみに彼のデッキ構成はほぼノーマルモンスターでシナジーも少なく、オシリスレッドでも使用しない様な構成だったと言っておこう。

 

 

「シニョールシゲル。21番が例の少年なノーネ」

「分かりました」

 

 

―デュエルフィールド―

 

「(ハッ!!全く雑魚ばっかりじゃねーか!!)」

 

 

受験番号21番は周囲の状況を見て鼻で笑っていた。エビルナイトドラゴンや岩石の巨兵と言ったあまり使用されないカードを使ってるのを見ておかしかった。

 

 

「(此処だと俺がオリ主になれる…!!俺のハーレムだ!!)」

 

 

そう、『この世界がアニメとして知られる並行世界』の住人だった彼には――

 

―3ヶ月前:とある空き家―

 

 

「どこだよ…ここ…ん?」

 

 

彼が人の気配が無い家で途方に暮れていた。覚えているのは自分の名前は清原水章(きよはら すいしょう)と言う名のバーン系のデッキを得意とする自他共に認める変態だった。

 

何度か少女に手を出しかけ、逮捕歴もある犯罪者だった。だが精神的に異常があり、『自分が正義』という歪んだ自己中心的な性格。

 

 

そんな彼は再び逮捕され、ブタ箱で寝ていたはずだった。すると彼の右ポケットに何か入っているのに気付いた。

 

 

「なになに…『すいません、間違えて貴方を殺してしまいました』!?はぁっ!?え、なんだ!?じゃあ俺転生したってでもいうのか!?『お詫びにあなたをアニメ『デュエルモンスターズGX』の世界に転生させました』よっしゃぁぁ!!!」

 

 

水章は特に好きなキャラはレイだった。その為アニメの世界に入ってレイを犯してみたいという願望があった。

 

 

「三ヶ月後に試験…俺のバーンデッキで入学は楽勝だ!!」

 

 

―回想終了―

 

 

「待たせたな、受験番号10…宮本麗(みやもと れい)で間違いないな?」

 

「ああ!」

 

 

清原は念の為向こうで犯罪のレッテルが張られている名前ではなく、新たな名前を作った。ちなみに名前を麗にしたのは名前が同じという口実でレイに近づくためだ。

 

 

「「デュエル!!」」

 

―麗のターン―

 

 

「俺のターン!!俺はカードを2枚とモンスターをセットしてターンエンド!!」

 

 

LP4000 手札3枚

伏せモンスター

伏せカード2枚

 

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン(伏せカードが2枚…モンスターはリクルーター・サーチ系かリバースモンスターと見て間違いなさそうだな…)手札から剣闘獣ディカエリィを召喚」

 

 

フィールドに牛の体の獣人が現れた。1600とアタッカーとしては不安な数値だが今回は勝ちに行くのではなく受験生の力を測る物だ。

 

 

「バトル、ディカエリィでセットモンスターへ攻撃」

 

「攻撃宣言時、リバース罠全弾発射!!手札を全て捨て、その数×200ポイントのダメージを与える!!」

 

 

シゲル/LP4000→3400

 

何故か攻撃宣言時にハンドレス状態にした。その意味があるとしたらリバースモンスターだが――

 

 

「セットモンスターはクリッター!こいつが墓地に送られた時、攻撃力1500以下のモンスターを手札に加える、ブラック・ボンバーを手札に!!」

 

「ブラック・ボンバー?(確か…管理局のザフィーラの使ってたカード…墓地の機械族・闇属性レベル4モンスターを召喚…なるほど。だから攻撃前に全弾発射か)」

 

 

麗のデッキは恐らくシンクロらからのコンボと言う感じだろう。その上ブラックボンバーの効果を使うために攻撃前に使用したと言うところも、評価できる。

 

 

「(が…何か腑に落ちねぇな…わざわざその為に全弾発射を入れるか?俺のサブデッキみたいに何か考えがあるのか…)バトルフェイズ修了、ディカエリィの効果!デッキに戻してデッキから剣闘獣ホプロムスを特殊召喚!!」

 

 

ホプロムス/DEF2100→2400

 

 

恐らく次のターンでシンクロ召喚して攻めてくるのであろうとの考えでホプロムスを召喚した。だがそのシンクロ先が何か分からない以上念を入れても良いだろうとシゲルは手札からカードを2枚抜いた。

 

 

「カードを伏せてターンエンド」

 

 

シゲル

LP3400 手札3枚

ホプロムス

伏せカード2枚

 

―麗のターン―

 

「俺のターン!!(剣闘獣か…長期戦になると厄介だがこのターンで俺の勝ちだ!!)手札からブラック・ボンバーを召喚!!効果発動、召喚成功時墓地の闇属性レベル4の機械族モンスターを特殊召喚する!!来い、キャノンソルジャー!!」

 

「(キャノン・ソルジャー!?ってことはアレはバーンデッキか!?)」

 

 

キャノンソルジャーは武藤遊戯の持つブラック・マジシャンの生まれた時代から存在するカードとして有名だ。バーンを与える効果、そしてバーンを与えた罠。バーンデッキの可能性が高かった。

 

だがブラック・ボンバーで召喚したモンスター効果は無効化される。

 

 

「レベル4のキャノンソルジャーにレベル3のブラック・ボンバーをチューニング!!我が身に眠る、心の闇よ! 黒き暴風となりて、全ての敵を打ち払わん!」

 

「!!(レベル7…何が来る!?)」

 

 

☆4+☆3=☆7

 

 

 

 

 

 

 

「シンクロ召喚!!爆進せよダーク・ダイブ・ボンバー!!」

 

「……は?」

 

 

召喚されたのはオレンジ色の体の戦闘機をモチーフにしたモンスターだった。だがそのカードはある意味有名なカードだった。

 

 

「(クックック…これで伏せカードのメタルリフレクトスライムとこのカードを効果でリリースして3400のダメージを与えたら俺の勝ち…)」

「……樺山せんせ~い」

 

 

だが麗の思いとは裏腹に試験官だったシゲルは近くを歩いていた空気が薄そうな教師を呼びとめた。

 

 

「なにかな?」

 

「すんません。クロノス先生を呼んできてくれませんか」

 

「(クロノス?試験監督だろ?)」

 

 

一体シゲルが何が言いたいのか分からない麗だが、樺山はチラリとフィールドを見て納得したように探しに行った。

そして程なくしてクロノス教諭がやってきた。

 

 

「どうしたノーネ?」

 

「いや、こういう状況どうすればいいのか説明受けてなかったからな」

 

 

そう言ってシゲルはDDB(ダーク・ダイブ・ボンバー)を指さした。どうやらシンクロモンスターがなんなのか分かって無いと思った麗は勝ち誇ったような気分になった。

 

 

「シンクロモンスターはチュー「受験番号21番、禁止カードの使用で失格なノーネ」は?」

 

 

説明しようとした麗を遮ってクロノスがそう宣言した。どうやらシンクロモンスターがなんなのかではなく、麗が禁止カードを使用した事が問題だったようだ。

 

 

「ま、待てよ!!俺が禁止カードを使った!?」

 

「ああ、DDBはリリースたモンスターのレベルの数だけダメージを与える効果があり、半年前出てからわずか2日で禁止カードになった。大方、その伏せカードは蘇生系か高レベルのトラップモンスターだろ?」

 

 

シゲルの言葉にギクリとした。麗は自分自身しかシンクロモンスターを持ってないと思っていたがどうやらシンクロモンスターはすでに出回っていたようだ。

そして彼の世界でもDDBは禁止カードだった。

 

「じょ、冗談だって~俺がそんな禁止カードを使うと思って…」

 

「試験で冗談は通じない。良かったな一つ勉強できて」

 

「ま、待て!!」

 

 

 

先に降りたクロノスを追いかけようとそう言ってシゲルはリングを降りかけたが、残された呆然とする哀れな転生者が呼びとめた。

 

 

 

 

 

「ふざけんじゃねぇよ…俺はオリ主なんだよ!!それがなんだ!?禁止カード使用で失格!?そんな事あってたまるか!!リバース罠、メタルリフレクトスライムを発動!!」

 

「…はぁ…(まあ、ボコボコにすれば問題無いか)」

 

 

呆れたようにシゲルは麗の言葉を聞き流していた。そうしてるうちにも巨大なスライムがフィールドに現れた。

 

 

メタルリフレクトスライム/DEF3000/☆10

 

「DDBの効果発動!!メタルリフレクトスライムを「カウンター罠、剣闘獣の戦車」っ!?」

 

「効果モンスターの効果を無効にして、破壊」

 

 

DDBはホプロムスを守るかのように現れた古代戦車の集中砲火を受けて爆散した。それを見た麗の苛々は最大になった。

 

 

「カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

LP4000 手札0枚

メタルリフレクトスライム/DEF3000

伏せカード1枚 メタルリフレクトスライム

 

―シゲルのターン―

 

 

「俺のターン、手札からモンスター1体をコストに剣闘獣バウンドを効果を無効にして特殊召喚」

「そんな雑魚で何ができる!!」

 

 

バウンド/ATK1000

 

麗の伏せカードを発動する気が全くない態度を見てあの伏せカードがなんなのか大体の予想ができた。

 

 

「(攻撃反応系…もしくは腐った手札をブラフだな…)剣闘獣ベストロウリィを通常召喚!エクストラデッキのガイザレスの効果発動!フィールドのベストロウリィとホプロムスをデッキに戻し、特殊召喚!!」

 

『禁止カードとは許せんのう…!!』

 

 

怒り心頭と言う感じにウリィがガイザレスとしてフィールドに現れた。

 

 

「ガイザレスのモンスター効果発動!!フィールドのカードを2枚まで破壊する、その伏せカードとメタルリフレクトスライムを破壊だ!!」

 

「クソが!!」

 

 

破壊されたのは魔法の筒だった。予想通り攻撃反応のバーンカードだ。

そしてメタルリフレクトも破壊されがら空きの麗――

 

 

「バトル、ガイザレスとバウンドで直接攻撃」

 

「うわああああああああああああ!!!!」

 

麗/LP4000→1600→600

 

 

 

「くっ…だが俺のライフはまだ残ってる!!(きっとこのデッキトップは逆転のカード、オリ主の俺がそれを引いて逆転なんだ!!)」

 

「リバース罠、眠る魂の咆哮。フィールド及び墓地の剣闘獣を除外しエクストラからその素材で召喚できる剣闘獣を特殊召喚する

墓地のラクエル、フィールドのガイザレスとバウンドを除外」

 

 

剣闘獣ヘラクレイノス/ATK3000

 

 

フィールドに現れた炎の獣人を見た麗の顔が真っ青になった。それがこの世界で彼のしようとした事が立たれた絶望か目の前の試験官員の雰囲気に呑みこまれているのか、はたまたオリ主と信じていた自分が負けるのが信じられないのか分からない。

 

 

「ヘラクレイノス、バーストブレイカー」

 

「ぎゃああああああああああ!!!!!!」

 

 

麗/LP600→0

 

 

―審査員席―

 

「先生、なんで俺呼んだんだよ」

 

「………なぜなのでしょーう?」

 

 

シゲルの横にいるクロノスは明後日の方向を向いていた。今年度の試験で入ってる問題に『詰め決闘』があった。全問正解したのは麗だけだったからシゲルに任せたのだが――

 

 

「てか、俺今日2回デュエルしただけだぞ…しかも両方ほぼ合格不可能並の腕の」

 

「それは仕方ないノーネ。噂によるとシニョールシゲルが21番と戦ってる時に他の場所で試験官を1ターンキルした受験生もいるみたいなノーネ。用は運が大事と言うコトーヨ」

 

 

そうこうしてるうちに1番の試験も終わった。正直に言うと2番よりも12番の方が強そうだったリなど今年の受験生のレベルの低さが懸念されそうだった。

 

 

「(…まあ、さっきの1番の恐竜使いや5番のシンクロ使いは物によってはすごい化けるからな…4番の儀式使いも中々の強さだったし…楽しめそうだ)」

 

「デーハ、撤収なノーネ。伊藤先生は終了のお知らせを、樺本「樺山です」失敬なノーネ、片づけを「クロノス先生」ぬ?」

 

 

クロノスが指示を出していると受付をしていた上本という教師がやってきた。その後ろにはセーラー服を着た見たところ受験生の様な少女がいる。

 

 

 

「バスと電車の乗り継ぎで事故があって遅れたらしいですが…」

「……………」

 

 

その少女はオロオロしている様にクロノスを見ていた。試験時間に遅れ、試験の最高責任者まで連れて行かれたのだからだ。

 

 

「うーむ……本来なら失格なのでスーガ……」

 

 

とチラリとクロノスはシゲルを見た。すると何かを思いついたように少女を見た。

 

 

「デーハ、こうしましょう。此処にいるシニョールシゲルは学園の生徒で相当の持ち主なノーネ。彼は試験のためにデッキにハンデを設けていましたが、そのハンデを取り除いた状態で試験を受けてもらいます」

 

「いいのか!?」

 

 

すると少女はそうクロノスにそう言った。その言葉にジトーと少女を見ていたが少女はハッとして俯いた。

 

 

「い、いいんですか?」

 

「うむ、と言う訳でシニョールシゲル。シンクロ導入型に戻して10分後に試験開始なノーネ」

 

「あいあい」

 

 

―10分後―

 

 

これから最後に一人の試験――更にそれが在校生が試験相手と言うことで受験生の多くはこの勝負を見ていた。それが現在の学園で5本の指に入るほどの実力者だとは誰も知らないが。

 

 

少女が待っていると先程までの試験官員の恰好から元のレッドのジャケットに戻り腕には自らの薄い黒のディスクを嵌めたシゲルが現れた。

 

 

 

「さてと、待たせたな。一応自己紹介と行くか…レッド寮の獣斬繁だ」

「受験番号95番、荒木(あらき)キリエ!!」

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

―荒木のターン―

 

「先行は受験生からだ」

 

「おう!!オレのターン!!…あ」

 

 

荒木はカードをドローした時にそう口走ってしまった。それに受験会場にいた大半の人物は唖然としてしまった。

 

 

「……続けろ」

 

「あ、おう!!手札から切り込み隊長を召喚!!」

 

 

切り込み隊長/ATK1200

 

フィールドに幾戦もの戦場をくぐり抜けた戦士が現れた。するとその横に赤髪の女性が現れる。

 

 

「切り込み隊長の効果で手札のレベル4以下のモンスターを1体特殊召喚する事が出来る、復讐の女戦士ローズを召喚!!」

 

「チューナーか…」

 

 

そう言ってるうちにローズと切り込み隊長が飛び上がった。

 

 

「レベル3の切り込み隊長にレベル4の復讐の女戦士ローズをチューニング!!

集いし魂が新たなる戦士へと受け継がれる!!光差す道となれ!!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「光来せよ、ライトニング・ウォーリアー!!」

 

ライトニング・ウォーリアー/ATK2400

 

フィールドに長い金髪で2本の刀を持った戦士が現れた。どうやら荒木のデッキは戦士ビートの様だ。

 

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

 

荒木

LP4000 手札2枚

ライトニング・ウォーリアー/ATK2400

伏せカード2枚

 

―シゲルのターン―

 

 

「俺のターン、相手フィールドにシンクロモンスターが存在する時、シンクローン・リゾネーターを特殊召喚する事が出来る!!」

 

シンクローン・リゾネーター/ATK100

 

 

フィールドにお馴染の悪魔が現れた。その姿を見た荒木は驚いた顔をしているがそれをスルーして更にシゲルは続けた。

 

 

「手札から剣闘獣セクトルを通常召喚!!レベル4のセクトルにレベル1のシンクローン・リゾネーターをチューニング!!

獣の魂を守りし者よ、今を生きる者達を滅びから守りたまえ!!」

 

☆4 + ☆1 = ☆5

 

 

「シンクロ召喚!!剣闘獣ガイア・ヘッド」

 

 

ガイア・ヘッド/DEF2100

 

フィールドに剣都との戦い以来のパキケファロが現れた。

 

 

「剣闘獣のシンクロモンスターなんて…!!」

 

「?(なんのことだ?)まあいい。俺はカードを伏せてターンエンド!!」

 

シゲル

LP4000 手札3枚

ガイア・ヘッド/DEF2100

伏せカード1枚

 

 

―荒木のターン―

 

「オレのターン!!手札から終末の騎士を召喚!!効果でデッキから闇属性モンスター、ドッペル・ウォリアーを墓地に送る!!」

 

 

終末の騎士/ATK1400

 

フィールドには闇を纏った騎士が現れた。すると旧日本軍の様なモンスターが墓地に送られた。

 

 

「バトルフェイズ!!ライトニング・ウォーリアーでガイア・ヘッドに攻撃!!ライトニング・パニッシャー!!」

 

「っ…!?」

 

 

シゲル/LP4000→3100

 

 

守備表示の筈だったが何故かシゲルのライフが削れていた。よく見るとフィールドのライトニング・ウォーリアーには電撃が纏っている。

 

 

「ライトニング・ウォーリアーの効果発動だ!!戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手の手札の枚数×300ポイントのダメージを与えるぜ!!」

 

「なら俺のガイア・ヘッドの効果発動!!破壊された時デッキから2体の剣闘獣を特殊召喚する!!ベストロウリィとダリウスを特殊召喚!!2体の効果発動!!ベストロウリィの効果で右の伏せカードを、ダリウスの効果で墓地のセクトルを特殊召喚する!!」

 

破壊されたカード/スピリット・フォース

 

セクトル/ATK400

 

 

「っ…なるほどね…守備力の低いシンクロモンスターをわざわざ召喚した理由はそれか…終末の騎士でセクトルに攻撃!!」

 

「ガイア・ヘッドのもう一つの効果!!破壊されたターン1度だけ攻撃を無効にする!!」

 

 

こうしてシゲルの場に3体のモンスターが残された。今現在この場にいる人間が一番下と言われてるオシリスレッドの生徒が此処までの展開をするとは誰が思っていたか…

 

 

「オレはこのままターンエンド!!」

 

荒木

LP4000 手札2枚

ライトニング・ウォーリアー/ATK2400 終末の騎士/ATK1400

伏せカード1枚

 

 

―シゲルのターン―

 

「オレのターン!!エクストラデッキのガイザレスの効果発動!!ベストロウリィとセクトルをデッキに戻して特殊召喚!!」

 

『儂過労死するじゃないかの…』

 

 

本日3回目のガイザレス召喚にウリィはため息をついた。一方荒木はガイザレスを見て苦虫を噛んだような顔になっている。

 

 

「ガイザレスの効果発動!!ライトニング・ウォーリアーと…(終末の騎士でも良いが…あの伏せカードが攻撃反応系のミラーフォースとかだと目も当てれねぇな…)リバースカードだ!!」

 

「チェーン、トゥルース・リインフォース!!デッキからレベル2以下の戦士族モンスター、マッシブ・ウォーリアーを特殊召喚!!」

 

 

フィールドにヘリポートの様な岩を持った4つ足の戦士が現れた。

 

 

マッシブ・ウォーリアー/DEF1200

 

 

「チッ…フリーチェーンか…剣闘獣エクイテを召喚!!」

 

エクイテ/ATK1600

 

 

「バトルフェイズ!!ガイザレスで終末の騎士に攻撃!!」

 

「きゃあ!!」

 

荒木/LP4000→3000

 

 

「続けてエクイテでマッシブ・ウォーリアーに攻撃!!」

 

「マッシブ・ウォーリアーの効果!!」

 

エクイテが起こした風の刃にマッシブ・ウォーリアーを切り刻んだ――が、マッシブは持っていたヘリポートの様な岩を盾にして防ぎきった。

 

 

「マッシブ・ウォーリアーは1ターンに1度破壊されない!!」

 

「なら、ダリウスでマッシブ・ウォーリアーに攻撃だ!!」

 

 

ダリウスの突撃にマッシブが破壊された。だが3体の攻撃を守りきるのは容易ではない――恐らくこの少女は――

 

 

「(…強い)バトルフェイズ修了!!3体の剣闘獣の効果発動!!ダリウスをデッキに戻しダーツを、エクイテをデッキに戻しラクエル、ガイザレスをデッキに戻しレティアリィとワーグを特殊召喚!!」

 

 

フィールドの3体のモンスターが消えると4体の獣が現れた。あまりにもフィールドの様変わりし過ぎていたので観客達はおどいた声を上げていた。

 

さらに4体の獣の横にいつもの悪魔が現れた。

 

 

「ダーツの効果発動!!デッキからダーク・リゾネーターを特殊召喚!!レティアリィの効果発動!!お前の墓地のライトニング・ウォーリアーを除外する!!ワーグの効果、カードを1枚ドロー!!」

 

 

ラクエル/ATK1800→2100

 

ダーツ/ATK1500

 

ワーグ/DEF1300

 

レティアリィ/ATK1200

 

ダーク・リゾネーター/ATK1300

 

 

「フィールドのラクエル、ダーツ、レティアリィをデッキに戻し剣闘獣ヘラクレイノスを特殊召喚!!」

 

ヘラクレイノス/ATK3000

 

「レベル4の剣闘獣ワーグにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!!

獣の命を喰らいし者よ、今ここに全ての魂を喰らい尽くせ!!」

 

☆4+☆3=☆7

 

「奏でろ…ソウル・ブラック・ドラゴン!!」

『グァァァァァァァァ!!!!』

 

 

「出番だぁぁぁぁぁ」と言わんばかりにソウルが飛び出してきた。シゲルの手札は4枚と伏せカード、更に3000を超えるモンスターとバーン効果のあるドラゴン。

 

一方荒木の手札は2枚のみ。フィールドはがら空き。

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

シゲル

LP3100 手札3枚

ヘラクレイノス/ATK3000 ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400

伏せカード2枚

 

 

―荒木のターン―

 

「オレのターン!!(『原作』で剣闘獣使いはいなかったけど…確かあの3000は魔法・罠を手札1枚で防ぐモンスター…2400のドラゴンは…精霊…なのか…?)」

 

 

荒木は手札を見てシゲルのフィールドを冷静に分析していた。

 

 

「手札からゴブリンドバーグを召喚!!」

 

 

ゴブリンドバーグ/ATK1400

 

フィールドに飛行機に乗ったゴブリンが現れた。すると上空から同じ様な飛行機が3機出現し、それにコンテナがつるされていた。

 

 

 

「ゴブリンドバーグの効果!!召喚に成功した時、手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚し、守備表示になる!!共闘するランドスターの剣士を召喚!!」

 

ゴブリンドバーグ/ATK1400→DEF0

 

共闘するランドスターの剣士/DEF1200

 

 

「チューナーか…」

 

「手札のブースト・ウォリアーはフィールドにチューナーが存在する時手札から表側守備で特殊召喚する事が出来る!!」

 

 

ブースト・ウォリアー/DEF200

 

フィールドに炎の様な髪が靡かせた戦士が現れた。

 

 

「レベル4のゴブリンドバーグにレベル3の共闘するランドスターの剣士をチューニング!!二つの刃交わりしとき、ここに忠義の刃が現れん。光さす道となれ!」

 

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「シンクロ召喚!現れろ、不退の荒武者!」

 

 

不退の荒武者/ATK2400

 

フィールドに長い銀髪の荒武者が現れた。歴戦をくぐり抜けたその武者に只ならぬ雰囲気があった。

 

 

「ブースト・ウォリアーの効果!!表側表示で存在する限り、戦士族モンスターの攻撃力を300ポイントアップする!!」

 

 

不退の荒武者/ATK2400→2700

 

 

「バトル!!不退の荒武者でソウル・ブラック・ドラゴンに攻撃!!切り捨て御免!!」

 

「リバース罠、次元退路を発動!!自分フィールドのシンクロモンスターが攻撃対象にされた時、そのモンスターを除外することでバトルフェイズを終了させる。この効果で除外されたモンスターは2回目の相手のスタンバイフェイズにフィールドに特殊召喚される」

 

 

次元退路

通常罠

自分フィールドに存在するシンクロモンスターが攻撃対象にされた時、

そのモンスターをゲームから除外することでバトルフェイズを終了する。

この効果で除外されたモンスターは2回目の相手のスタンバイフェイズに

フィールドに特殊召喚される。

 

 

「クソ…このままターンエンド!!」

 

 

荒木

LP3000 手札0枚

不退の荒武者/ATK2700 ブーストウォーリアー/DEF200

伏せカード無し

 

 

―シゲルのターン―

 

「オレのターン。(不退の荒武者…ヘラクレイノスに破壊されるの承知でソウルを破壊しに来たのか?いや…他にも何かあるはずだ……そういえば、あのモンスターの効果はまだ発動して無い…なにか知らない効果があるのか…?)」

 

「どうした?オレはまだライフが残っているぞ!!」

 

 

荒木の言葉にシゲルは考えるのはやめた。おそらく荒木は全力でかかってきている。それに小手先だけの細工なんて不躾にも程があるからだ。

 

 

「バトルフェイズ!!ヘラクレイノスで不退の荒武者に攻撃!!バーストブレイカー!!」

 

「(かかった!!)」

 

 

荒木/LP3000→2700

 

シゲルは不退の荒武者の効果を知らなかった。知っていればホプロムスではなくベストロウリィを手札に加え、ガイザレスを召喚していたのだから――

 

 

「ヘラクレイノス!?」

 

 

何故かヘラクレイノスが不退の荒武者に切り付けられ、苦しそうにうめき声を上げて破壊された。

 

 

「不退の荒武者の効果!!このモンスターが攻撃力の高いモンスターに攻撃された時、戦闘では破壊されず攻撃してきたモンスターをダメージステップ終了時に破壊する!!」

 

「っ…!!手札からリゾネーター・エンジンを発動!!墓地に存在するダーク・リゾネーターとシンクローン・リゾネーターをデッキに戻すことでデッキからレベル4の剣闘獣ホプロムスを手札に加え、そのまま召喚!!」

 

 

ホプロムス/DEF2100

 

 

「カードを伏せる!!(もっと警戒しとくべきだったな…)ターンエンドだ!!」

 

 

シゲル

LP3100 手札2枚

ホプロムス/DEF2100

伏せカード2枚

 

―荒木のターン―

 

「オレのターン!!(厄介なヘラクレイノスがいない!これで動ける!!)手札からジャンク・シンクロンを召喚、効果発動!!」

 

フィールドに眼鏡?をかけた小さな少年が現れるとその横の空間がゆがみだした。

 

 

「召喚成功時、墓地に存在するレベル2以下のモンスターを表側守備表示で効果を無効にして特殊召喚する事が出来る!!ドッペル・ウォーリアーを召喚」

 

ドッペル・ウォーリアー/DEF800

 

 

「レベル2のドッペル・ウォリアーとレベル1のブースト・ウォーリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!!

疾風の使者に鋼の願いが集う時、その願いは鉄壁の盾となる!光さす道となれ!」

 

☆1 + ☆2 + ☆3 = ☆6

 

 

「シンクロ召喚!!ジャンク・ガードナー!!」

 

 

ジャンク・ガードナー/ATK1400

 

不退の荒武者/ATK2700→2400

 

 

フィールドに両腕が盾の巨大な戦士が現れた。すると防御態勢をとっていたホプロムスが突然攻撃態勢になった。

 

 

「ジャンク・ガードナーの効果発動!!1ターンに1度相手フィールドのモンスターの表示形式を変更することができる!!」

 

「ヤバッ…!!」

 

ホプロムス/DEF2100→ATK700

 

 

「バトルフェイズだ!!不退の荒武者でホプロムスに攻撃!!切り捨て御免!!」

 

「うおっ!!」

 

 

シゲル/LP3100→1400

 

等々シゲルのライフがジャンク・ガードナーと同じになってしまった。このままでは――

 

 

「リバースカードオープン!!音叉調律!!手札を一枚捨てることでリゾネーターを1体特殊召喚する事が出来る!!チェーン・リゾネーターを守備表示で召喚!!」

 

 

チェーン・リゾネーター/DEF100

 

 

「クソ、だが破壊さしてもらう!!ジャンク・ガードナーで攻撃!!」

 

「手札のバリア・リゾネーターの効果発動!!このカードを手札から墓地に送ることでチェーン・リゾネーターの破壊を無効にする!!」

 

 

フィールドにいる鎖を背負った悪魔の前に同じような悪魔が現れ、攻撃を受け切った。

 

 

「仕留めれなかった…!!ターンエンド!!」

 

 

荒木

LP2700 手札0枚

不退の荒武者/ATK2400 ジャンク・ガードナー/ATK1400

伏せカード無し

 

―シゲルのターン―

 

「オレのターン!!(貪欲か…さてと、マジでどうしよう…1ターンに1度表示形式を変更できるモンスターに破壊されないモンスター……いや、そういえば…)」

 

 

シゲルの脳裏にある光景が浮かんでいた。前に一度似たような事が――破壊できないモンスターでも倒せた。

それはいつか?ディラとの戦い?いや、アレは無理やり破壊した。

もっと堅実に、それでいて相性が――

 

 

「(そうか…あいつの効果は…)貪欲な壺を発動!!墓地から剣闘獣ワーク、ガイア・ヘッド、アンダル、バリア・リゾネーター、ダーク・リゾネーターをデッキに戻しカードを2枚ドロー!!」

 

 

引いたカードの中で、荒木の牙城を崩す手段をつなぎ合わせた。

だが、そのためには相手の出方にもよる。

 

 

「……手札から剣闘獣ミラードを召喚し、フィールドのレベル1チェーン・リゾネーターをレベル1の剣闘獣ミラードにチューニング!!

魂の決意が交わりし時、新たな扉の鍵が生まれる!!」

 

☆1 + ☆1 = ☆2

 

「シンクロ召喚!!我が血となれ!!ブラッディ・リゾネーター!!」

『フリ~!!!』

 

 

フリも結構やる気を見せながら現れた。今までブルーをボコボコにする時はフリを召喚してないから、腕が治って初めて召喚したのだ

 

 

「(あの子も精霊…?それにブラッディ…初めて見る…)」

 

「このままターンエンドだ」

 

 

シゲル

LP1400 手札1枚

ブラッディ・リゾネーター/DEF300

伏せカード無し

 

―荒木のターン―

 

「オレのターン!!(あれって…シンクロチューナーか…?けど他にモンスターも…あ)」

 

「スタンバイフェイズ、次元退路の効果で除外されてたソウル・ブラックを特殊召喚!!」

 

『グァァァァァ!!!』

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400

 

 

そう、このモンスターがいた。シゲルのエースでありフェイバリットカード。

 

 

「…ジャンク・ガードナーの効果発動!!ブラッディ・リゾネーターの表示形式を変更する!!」

 

『フリ~』

 

ブラッディ・リゾネーター/DEF300→ATK1300

 

 

「手札から荒野の女戦士を召喚し受け継がれる力を発動!!女戦士をリリースしてその攻撃力1100を不退の荒武者の攻撃力を1100ポイントアップする!!」

 

 

不退の荒武者/ATK2400→3500

 

 

「このままバトル「フェイズに入る前、ブラッディ・リゾネーターの効果発動!!」っ!(やっぱシンクロチューナーにはあるのか、あの効果!!)」

 

 

シンクロチューナー特有のある効果を荒木は知っていた。

 

 

「ブラッディ・リゾネーターは相手のメインフェイズ中にシンクロを行うことができる、そして他の素材1体のレベルを1つあげる!!」

 

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/☆7→8

 

 

「レベル8となったソウル・ブラック・ドラゴンにシンクロチューナー、ブラッディ・リゾネーターをチューニング!!」

 

「白紙のカード…!?(何が来るんだ…!?)」

 

 

やがてシゲルの取り出した白紙のカードに1体のドラゴンが浮かび上がった――

 

 

「漆黒の魂を持ちし小さき炎よ、我が魂を受け更なる業火へ誘え!!

アクセルシンクロ!!」

 

 

「「「「「「消えた!?」」」」」」

 

 

フィールドの赤いリングをくぐって星になっていたはずのソウルが消えた。すると観客席の一角にその赤いリングが出現した。

 

 

「奏でろ!!ブラッディ・ソウル・ドラゴン!!!」

 

 

『グァァァァァァ!!!!!!』

 

 

ブラッディ・ソウル・ドラゴン/ATK2800

 

 

「か…カッコイイ……!!」

 

『…グァ』

「…そりゃどうも」

 

 

 

目をキラキラさせながらブラッディを見ている荒木にソウルは照れていた。が、このままだと埒が明かないからシゲルは一つ大きな咳払いをした。

 

 

「…あ……バ、バトルフェイズ!!不退の荒武者でブラッディ・ソウル・ドラゴンに攻撃!!切り捨て御免!!」

 

「ブラッディ・ソウルのモンスター効果!!相手の攻撃宣言時、手札のカードを1枚デッキに戻すことで攻撃を無効にする事が出来る!!」

 

 

ソウルの上げた咆哮に不退の荒武者は一瞬ひるんでしまった。

 

 

「うっ…ジャンク・ガードナーを守備にしてターンエンド!!(攻撃力は元に戻っても不退の荒武者は戦闘破壊できない…はず…)」

 

 

不退の荒武者/ATK3500→2400

 

ジャンク・ガードナー/ATK1400→DEF2600

 

荒木

LP2700 手札0枚

不退の荒武者/ATK2400 ジャンク・ガードナー/DEF2600

伏せカード無し

 

 

―シゲルのターン―

 

「オレのターン!!手札から黒翼の業火を発動!!自分フィールドに闇属性ドラゴン族シンクロモンスターが存在する時、相手フィールドのモンスターを破壊する事が出来る!!ジャンク・ガードナーを破壊する!!」

 

「ジャンク・ガードナーの効果!!1ターンに1度相手フィールドのモンスターの表示形式を変更する!!」

 

ブラッディ・ソウル・ドラゴン/ATK2800→DEF2500

 

 

ブラッディが放った黒い炎の中でジャンク・ガードナーは一瞬光った。それに目が眩んだソウルが防御態勢になった。

 

「クッ…黒翼の業火の2つ目の効果…破壊したモンスターのレベル×200ポイントダメージを受ける…そしてブラッディ・ソウルを攻撃表示に変更」

 

 

黒翼の業火

通常魔法

自分フィールドに闇属性・ドラゴン族・シンクロモンスターが存在する時、

相手フィールドのモンスターを選択し発動する。

選択したモンスターを破壊し、そのレベル×200ポイントのダメージを受ける。

 

 

シゲル/LP1400→200

ブラッディ・ソウル・ドラゴン/DEF2500→ATK2800

 

「残りは200…!!(不退の荒武者は破壊されないし、あのモンスターで攻撃なんて…)「バトルフェイズ!!」え?」

 

 

予想外のバトルフェイズ突入。それに荒木が抜けた声を上げてしまった。

 

「ブラッディ・ソウルの効果発動。バトルフェイズ開始時に墓地のシンクロ、もしくは融合モンスターを除外して攻撃力を吸収する。ヘラクレイノスを除外!!」

 

「え?え?」

 

 

いまいちどういう状況か理解できない荒木。なぜシゲルは破壊されると分かってて攻撃を行おうとしているのか。

 

 

「ヘラクレイノスは3000。よって攻撃力は3000ポイントアップする!!」

 

「ヱ?な、なんでだ!?攻撃したら破壊されるんだぞ!!」

 

 

ブラッディ・ソウル・ドラゴン/ATK2800→5800

 

 

「ああ、不退の荒武者は『ダメージステップ後』に破壊する効果がある。だが…戦闘ダメージはあるんだろ?」

 

「あ…」

 

 

そう。昔ユウがレイと戦った時に似た様な事があったのだ。リンディの時も戦闘破壊できないモンスターでも戦闘ダメージは与え勝ったのだ。

 

 

「バトル!!ブラッティ・ソウル・ドラゴンで不退の荒武者に攻撃!!ブラッディ・フレア!!」

 

「くぅ…あああああああああああ!!」

 

 

荒木/LP2700→0

 

 

 

赤い血の様な黒炎に不退の荒武者もろとも荒木に襲いかかった。

 

そして炎が消えるとデュエルディスクが停止し、ブラッディ・ソウルと残っていた不退の荒武者が静かに消えて行った。

 

 

「いてぇ…」

 

「…ナイスファイト」

 

 

そう言ってシゲルは荒木に手を差し伸べた。荒木はそれを微笑みながら握り、立ちあがった。その光景にクロノスが拍手をすると呆けていた観客も歓声を上げた。

 

 

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

 

 

「おっ、これは…紫苑のデッキに合いそうだな…」

 

 

片づけやその他採点などの為に1時間ほどかかってしまったが、一足先にシゲルはアカデミア行きのフェリーに向かうように言われたが、その先生は時間を1時間間違えて、仕方が無いから街でぶらぶらしていたシゲル。

 

そして見つけた少し小さなカードショップではアカデミアの友人達のデッキに合いそうなカードをいくつか買っていた。

 

「さてと、そろそろ帰るか」

 

『グァ~』

 

 

デフォルメになったスピットはシゲルの頭で満足そうにそう鳴いた。

ソウルに合ったカードもあり、それを買って投入したから機嫌が良いらしい。

 

「あ、あんた!」

 

「ん?お前は…荒木?」

 

 

シゲルのいたカードショップから出たシゲルを呼びとめたのは荒木だった。

 

 

「アンタ強いんだな……」

 

「まあな。けど、卒業して行った学園最強(カイザー)には一度も勝てなかったけどな」

 

 

2日前に卒業して行った3年で――いや、学園の中で最強と謳われた丸藤亮。彼にチームノーバディの5人はタイマンを申し込んだが、結局一人も勝てなかった。

 

 

「ふーん…なあ、そういえばオレの合否ってどうなったんだ?」

 

「試験官員に勝てなかったがハンデ無しの状況で俺を追い込めたってことで点数が高いらしい」

 

 

クロノス曰く今のシゲルは教師でも倒すのは不可能に近いと言うことでそれであそこまで追い詰め、さらにブラッディ・ソウルを使わせるのを考えると十分合格ラインだった。

 

 

「まあ、俺からすると結構いい腕だったし…十分入れると思うぜ」

「ほ、ほんとか!?」

 

「…所で、お前のその喋り…」

 

 

シゲルの言葉に荒木は俯いた。何か事情があるのか、それともそのことに触れられたくないのか――

 

 

「いや、なんでもない。っと…そろそろ時間か…んじゃ」

 

「あ、ああ!!」

 

フェリーの時間が迫ってるのを思い出したシゲルはそのまま港に向かっていた。

残された荒木はある事を考えていた――

 

 

 

「…やっぱり……『原作』には居なかった…じゃあ。彼は誰なんだ…?」

 

 

彼女の声は小さく、街の雑踏に消えて行った。




剱都「俺らの出番が皆無だったんだけど!?」
シゲルメインの話だからね。

ツバキ「補習って…」
エピック戦、ディラ戦、そしてリンディ戦と負傷していたシゲルが何事もなく進級できる気がしなくてじゃあ受験生と戦わせようと。
シゲル「なかなか面白かったが…今回の受験生のレベル、低すぎだろ」
そんなものだと思った。

ユウ「荒木さん…?」
改定前だと『宮野』って名前だったね。ほかのオリキャラやとあるキャラと名前がややこしいから変えた。
そして何故かこの世界の本来の姿を知っている『俺っ娘』
紫苑「何それ新しい」

デュエル解説。
ただし、荒木戦のみ
ユウ「なんで?」
81番戦は何もいうことがない。宮本戦も

荒木のデッキは『シンクロン軸戦士ビート』の予定です。
シゲル「予定?」
この時まだデッキの内容が固まってなかったから、戦士ビートにしようと思ったけど後にデッキ変更をしている。まあ、一応辻づま合わせできるけど。

剱都「おい、精霊界からお便りだ」
ツバキ「そんなのあった?」
お~、精霊界で読んでくださった方からか…読み上げて!
剱都「『儂、本当に過労死してしまう』」
ユウ「ウリィだよね!?」
この作品の過労死枠はウリィです
紫苑「そんな枠ありました!?」


次回予告

ある日暇を持て余していたユウ達の元になぜかツバキと紫苑が数日分の着替えを持ってレッド寮へやってきた。

「「「よし、消そう」」」

「「ダメだよ!!/ですよ!!」」

やがて始まったのは2人の将来を決める大決戦——その相手は剣都のライバル(?)らしい。
だがそのプレイングは——

「Kill you」

「お兄ちゃん、気持ち悪い。助けて」

「もしも、私が『敵』になったらどうする?」

次回turn55 編入拒否? HERO VS 兄の宿敵(?)
最強カードは「裏摩天楼―ヒーローバトルゾーン―」
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