遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn58 手に入れたネオスペーシアン 炎のネオス

―???―

 

 

「どういう事だ?」

 

『答える義理はない。お互いの利害が一致しているから手を貸す関係だ。必要な事以外を話す必要が無い』

 

 

斎王の電話にそう応えた少女はブツッと電話を切った。

 

 

「クッ…しかし現に奴の情報が我にとって重要な物だと言うのは確かだ…ここは下手に詮索しない方が得策か…」

 

 

そう言って斎王はタロットを並べ、めくった。

その内容は十代の居場所や今自分の気にしている事に関してだ。

 

しかし、どうもうまくいかない。

 

 

「…我が力が効かぬのか…?」

 

 

とある場所。そこで斎王が普段から使っているタロットカードを混ぜていたのだがカードがテーブルから落ちてしまった。

 

 

「む…?(なんだ…?)」

 

 

落ちたカードは2枚、そして共に裏側を向いている。落ちているカードは1枚は斜め、もう1枚は占った結果の様だった。

 

そう思った斎王はカードをめくった。

 

 

「一枚目は斜めに置かれた…無記名…!!逆なら再生、正位置なら破滅…まだどちらにも傾いていないのか」

 

 

そう言いながらもう一枚のカード――正位置か、逆位置か分からないカードをめくった。

 

 

「…!!これは…正位置の塔!?」

 

 

塔の正位置の意味は――悲劇。

 

 

これはある人物を思いながら引いたカードだ。つまりあの男に最大の悲劇がやってくると言うことに――

 

 

「…クックック…フハハハハハハハハ!!!そうか…その時に…!!」

 

 

斎王の笑い声だけが響いていた。

 

 

 

―海上―

 

「……腹減ったな」

 

 

そう愚痴っていたのはつい先日デュエルアカデミアから逃亡した十代だった。彼はレッド寮の冷蔵庫の中から数日分の食料を持って来たのだが、海上を漂流する間に全て食べてしまったのだ。

 

 

「…紫苑、元気かな」

 

 

そう言って十代が懐から取り出したのはあの日紫苑から受け取ったガーネットだった。

 

 

「…ん?」

 

 

月にその宝石を光らせていると視界の隅に何か――

 

 

「い、隕石!?」

 

 

赤い炎を纏った隕石が十代目掛けて降っていたのだ。すぐに十代はボートのエンジンをかけて逃げようとするも、ホーミングがある様に隕石は迫っていた。

 

 

「う、うわああああああああああ!!!!」

 

 

―???―

 

「は、はああああああああああ!!!?」

 

 

目が覚めた十代。彼が見ている先には少し赤味のかかった月があった。頭の中でその月が何かに似ている気がして必死に思いだそうとしていた。

 

 

「う~ん…たしか紫苑が読んでた…『ジュピター』って小説の表紙にあった…え~っと……『木星』だ!!」

 

 

彼女のお気に入りの本の絵に書かれていたのを思い出した。しかしその際聞いたのは「地球から木星は目視できない」と言うモノだ。仮に天体望遠鏡でもあれば話は別だが、そんなもので見ている訳ではない。

 

 

「…ここはもしかして天国か?それとも地獄……どっちにしろ、あの時の隕石で死んじまったのか……」

 

「キュキュ~」

 

 

バタンと寝ころんだ十代はそう言ってやり残した事を思い浮かべていた。そしてその中には――と思っていると、何かの鳴き声が聞こえた。

 

 

「どうしてそうなるのかな?」

 

「っ!?誰だ!!」

 

 

周囲に人の気配はない。いつの間にかイルカが目の前の入江で泳いでいる。しかし確実に声は人間の物だ。

 

 

 

「…イルカ、お前が喋っていたのか?」

「そうだよ、ようこそ遊城十代」

 

 

目の前のイルカが喋っている――それは既に超常現象だった。普通の世界だとあり得ないと十代自身分かっていた。

 

 

「はは…やっぱり俺死んじまったのか…」

 

「ここは木星軌道上の『イオ』にある『ネオスペース』。此処に君は招待されたのだよ」

 

 

そう言うとイルカは水の中から飛び出し、陸へ立った(・・・)

 

 

「い、いるかに足が!?こんなイルカいるか!?」

 

 

…周囲に冷たい空気が包み込んだ。気を取り直してイルカが自己紹介を始めた。

 

 

「私はドルフィーナ星人。このネオスペースの住人だ」

 

 

そして始まったのはとある昔話だ。

 

遥か昔から続く大戦――その終止符を打つための勇者。

その力を持つ物として選ばれたのが十代だとドルフィーナ星人は言った。

 

 

「お、俺…?けど俺はそんな力は持ってないし…どちらかって言うとそう言うのは世界の矛盾の方があってる気がするんだけどな…」

 

「あのさ十代…君は何のためにデュエルを勉強してたんだい?」

 

 

そう聞いたドルフィーナ星人。それはあの日――紫苑から告白された時からずっと考えていた。自分がHEROを使う理由――自分がデュエルする理由を

 

 

「何のためって…エドとデュエルしてから頭の中真っ白になっちまって…今まで何のためにデュエルしてるのか分かんなくなっちゃって…それで…紫苑を…おいてきちまって…」

「「きゅぅ~!!」」

 

すると入江にいたイルカが怯え出した。その目線の先には――

 

 

「まずい…奴が現れてしまった!!」

 

「奴って…UFO!?」

 

「十代!力を貸してくれ!!奴とデュエルして勝つんだ!!」

 

UFOを撃退するためにはデュエルするしかなかった。しかし、デッキは真っ白にしか見えず、カードもボートに置きっぱなしだった。

 

 

「お、俺デッキ持ってないしカードも真っ白にしか…」

 

「デッキ?そういえばさっき、君と一緒になにか落ちてきたよ」

 

 

そう言って彼の指さす先にはロケットの残がいらしきものがあった。

もしかすると役に立つ物があるかもしれないから急いでそのロケットを調べてみた。

 

 

「えっと…K…A…BA…カバ?あ」

 

 

ロケットに書かれていたアルファベットを読んでいると、一部が開き中からカプセルが出てきた。

 

 

「これは…デュエルモンスターズ!?」

 

 

少なくとも40枚はあるであろうそれはデッキとしては十分な枚数だった。そのデッキをくるんでいたテープを綺麗にはがしていた。幸いテープの粘着がカードに付く事は無かったようだ

 

 

「十代、宇宙を救うのは君しかいないんだ」

「だからなんで俺なんだよ…」

 

 

「こうも考えられる、宇宙を破滅させたらその中にある地球まで崩壊してしまう。君は地球を救う『ヒーロー』になるんだ!!」

 

「!!」

 

 

それを聞いて十代の中に何かが弾けた。ドルフィーナ星人の言った言葉はまるで英雄に憧れる少年の様な物だ。だがその憧れが――ヒーローになりたいという気持ちが――

 

 

「…地球を救うヒーロー、遊城十代…か(それが…俺のHEROを使う理由!!)」

 

 

 

十代のデッキを使う理由だと。

 

 

「この宇宙人め!!この遊城十代が相手だ!!……負けたらごめんな?」

 

「い、いや…頑張って」

 

 

 

「デュエル!!」

「デ…デュ…デュエル!」

 

 

―デュエルアカデミア―

 

 

「翔、たまには一緒に昼食わないか?」

 

「……いらないっす」

 

校舎内の階段に座り込んでいた翔に三沢がそう声をかけた。だが翔は十代の事が心配でご飯が喉を通らない様だ。

 

すると彼の目の前になにか――

 

 

「…なんっすかこれ!?」

「俺のお手製『兄貴特大アップリケ』。これで俺はいつでも兄貴と一緒だドン!羨ましいザウルス~?」

 

 

剣山の制服の背中に何故か十代の顔が大迫力で張り付けられていた。

そこからいつものように翔と剣山が「兄貴と呼べるのは俺だけだ」と言い争っている。

 

 

「…あのな、2人とも」

 

「「?」」

 

 

「言い争ってるのは良いが。出来れば確実に紫苑がいない所でやってくれ。デュエルでHEROがやられるぐらいで過呼吸になるほどボロボロなんだ。無暗やたらと十代の事いうなよ」

 

「…分かってるっスよ」

 

 

1年の頃から関わっている翔は気丈な彼女の弱い所を見ていられなかった。だがそんな彼女の傷を治せるのは恐らく十代だけだろう。

 

 

―イオ『ネオスペース』―

 

「ラス・オブ・ネオス!!」

 

「ピピィーーーーー!!!!」

 

 

十代自身の思い浮かべた『ドルフィーナ』『ダンディライオン』『ネオス』の活躍でネオスペースの危機が去った。

 

そして彼自身が思い出したデュエルを楽しむ心――

 

 

 

「う…ん……」

 

―アカデミア:裏―

 

「あれは…アカデミアの温泉…!!ってことは…」

 

 

普段は立ち入り禁止になっている入江に流れ着いた十代。ボートは大破したのか、持っていたのは自身のデュエルディスクとデッキのみだった――

 

 

「夢だったのかな…ん?」

 

 

『N・アクア・ドルフィン』

 

 

デッキの一番前にあったカード――それは先程ネオスペースで使用したカード、それにフェザーマン、バーストレディ、バブルマンと言った自分のカードが見れたのだ。

 

 

「カードが…見れる…!!…あれ?ハネクリボーは……!!」

 

 

そう言って思い出した、ハネクリボーは紫苑の元にあるのだ。

そして懐から落ちたガーネット。彼女は最後まで自分を信じていたはず――そして十代はそれを…

 

 

「…紫苑に会わないと…!!」

 

 

―レッド寮:女子の部屋―

 

万丈目が無駄に広くした部屋でツバキと紫苑は過ごしていた。

ちなみに部屋の主は大徳寺の部屋を使用している。

 

 

「いたた…」

 

「はぁ…毎日毎日…飽きないね」

 

 

レッド寮で喧嘩をして怪我をした翔と剣山の介抱をため息を尽きながらツバキと三沢がしていた。その光景を呆れながら明日香と紫苑が眺めていた。

 

無理は禁物だが紫苑は保健室から退室許可を貰い部屋に戻ってきたのだ。

 

そこに幸か不幸か、翔と剣山の介抱を行うための治療用道具がこの部屋にしかないのだ。

 

 

「けどツバキちゃん…剣斬君が~」

 

「なぁにが『剣斬君が~』ザウルス!!俺の方が思いっきりやられてるドン!!」

 

 

確かに剣山の方が傷が多い。だがそんなことは関係ない。ツバキが言っているのは喧嘩をしないでほしいと言う事だ。

 

「絶対兄貴に言いつけてやるドン!!」

 

「っ…!!」

 

 

「兄貴って言う「いい加減にしなさい!!」ぅ…」

 

 

剣山の言葉を聞いた紫苑がピクリと反応した。それに気付いた明日香がピシッと2人を叱った。その剣幕は凄いもので処刑時のユウに似ていた。

 

 

「二人とも十代に気にいられたいとかそんな話ばっかりで全く心配して無いじゃない!!そんなんで子弟にされた!?ふざけないで!!本当に心配してる人の気も知らないでよくそんなこと言えるわね!!」

 

「「ぅぐ……」」

 

 

そう言いながら明日香は紫苑を連れて部屋を出て行った。デリカシーの無い2人の言い争いで紫苑がまた過呼吸を起こす可能性があったからだ。

 

 

―食堂―

 

「…気晴らしに俺が菓子を振舞うのは分かる。『ついでに』ってことで明日香にもってのも理解できる」

 

 

そうブツブツ言いながらシゲルがブルー寮から貸し出されていたオーブンの中からタルトの生地を取り出していた。

 

 

「……なんでお前らまで?」

 

 

そう言った先には剱都、ジュード、荒木、ジュンコ、雪乃がいた。

 

レッド寮で夜ごはんの仕込みをしていた時に、その味付けの隠し味を調べに来た雪乃。そして転生者について剱都とジュンコに説明をしているジュードと荒木がいた。

 

ちなみに雪乃はすでにジュードから転生者の事について聞いて知っていた。

 

そこへ明日香が「菓子を作りなさい」といってやってきたのだ。横にいた紫苑が元気が無いのに気付いて深く聞かなかったが、便乗して5人の分も作ることに…

 

 

「いいじゃねーか」

「シゲ兄の菓子って久しぶりだな…」

「またあのタルトが食べれるのね」

「そんなにうまいのか…?」

「噂には聞くわ。なんでも私の家のパティシエよりもおいしいらしいわ」

 

 

上から剱都、ジュード、ジュンコ、荒木、雪乃が楽しそうに待っていた。

そして待ってる間に各々がいろんな話――もといガールズトークをしていた。

 

 

―森:夜―

 

 

「おーい!!翔!剣山!明日香!ユウ!シゲル!万丈目!剱都!」

 

 

十代は森の中をさまよっていた。現在地も分からないのなら先程から同じ所をグルグル回っているのだ

 

 

「…う~ん…まいったな……相棒がいるなら空から方向見てもらえるんだけどな……まあ、仕方ないか」

 

 

 

『ハネクリボー』のカードを置いてきたのは自分なりのけじめのつもりだった。

 

そう言ってる間に手ごろな木に寄りかかってデッキの確認と編集を行っていた。(ネオスペーシアン)というシリーズ関連のカードが増えたためエクストラデッキも少し変更していたのだ。

 

融合を多用しエクストラデッキを圧迫する十代のデッキは使用できないカードも多く存在する。

 

たとえばGreatTORNADOだ。融合素材となるモンスターは風属性、しかし彼のデッキで風はフェザーマンとエア・ハミングバードしか存在せず、召喚確率は格段に低くなってしまう。

 

それにエリクシーラーのような召喚がしにくいモンスターもいるため、入れ替える必要があるのだ。

 

そう考えながら新たに手に入れた融合モンスターをデッキに投入していた。

 

 

「…………(誰かに見られてる?)」

 

 

背後に誰かの気配を感じる。だがその中に殺意の様な物がひしひしと伝わってくる。

 

 

「……っ…!!」

 

 

もしかしたら管理局や他の集団なのかもしれない。そう思った十代は飛び起きると森の中を抜けようと走り出した。

 

 

「なっ!?」

 

 

だがそれも目の前に黄色い薄い膜が現れ、阻まれてしまった。

十代を捕えるような感じで現れた膜に見覚えがある。そう、管理局の時と同じあのドームだ。

 

 

「…出て来い!!」

 

「ほう、流石に気付いておったというわけじゃの」

 

 

 

木の影からスキンヘッドの屈強な肉体の男性が現れた。しかし今までの局員とは全く違うなんと言うか――青いタンクトップという軽装だった。

いくらなんでも十代はそれを見て分かった。

 

 

「…絶対局員じゃないな、あいつ……お前は誰だ?」

 

「我はエネミーズの一人、コンダクターのゴスペル。さて、貴様にはいきなりだが…消えてもらう!!」

 

 

そう言って男性がディスクを構えた。それに一瞬怪訝な顔をしたが、気を取り直して構えた。

 

「「デュエル!!」」

 

 

―十代のターン―

 

 

「俺のターン!!E・HEROワイルドマンを守備表示で召喚!!」

 

 

ワイルドマン/DEF1600

 

フィールドに野生的なHEROが現れた。レベル4のHEROの中ではこのモンスターは相当な守備力を持っているのだ。

 

 

「カードを伏せてターンエンド!!」

 

十代

LP4000 手札3枚

ワイルドマン/DEF1600

伏せカード2枚

 

―ゴスペルのターン―

 

 

「我のターン!!アーマード・ウルフを召喚!!」

 

 

アーマード・ウルフ/ATK2100

 

 

フィールドに巨大な狼が現れた。その体には鎧が纏わっており、威圧する目で十代を見ていた。流石に通常モンスターとはいえ初ターンに2100は流石に手強い。

 

 

「バトル!!アーマード・ウルフでワイルドマンに攻撃!!ハウリング・バイド!!」

 

「っ…リバース罠!!ヒーローシグナル!!戦闘でモンスターが破壊された時、デッキからレベル4以下のE・HEROを特殊召喚する!!E・HEROフェザーマンを召喚!!」

 

 

フェザーマン/ATK1000

 

 

「我はカードを2枚伏せてターンエンドだ。さあ、楽しませてみろ…遊城十代!!」

 

 

ゴスペル

LP4000 手札3枚

アーマード・ウルフ/ATK2100

伏せカード2枚

 

―十代のターン―

 

 

「俺のターン!!手札から魔法カード融合を発動!!フィールドのフェザーマン、手札のバーストレディを融合!!」

「貴様の大好きなフレイムウィングマンと我のアーマード・ウルフの攻撃力は同じ。融合した所で無駄だ!!」

 

 

そうゴスペルは笑っていた。確かにフレイムウィングマンとウルフの攻撃力は同じ、更に攻撃力が下でないとスカイスクレーパーの効果も発動しない。

 

 

「違うぜ、出でよE・HEROノヴァマスター!!」

 

「なんだと!?」

 

 

ノヴァマスター/ATK2600

 

 

フィールドに現れたのは炎の属性(エレメンタル)をもつ紫苑のHEROだった。

 

 

「バカな!?なんで貴様がそのカードを?この世界だと貴様は持ってないはずだ!!」

 

「この世界?そういえば…シグナム先生がそんなこと言ってたな。確かにこれは俺のカードじゃない。これは俺の…大切な人のカードだ!!バトル!!ノヴァマスターでアーマード・ウルフに攻撃!!エクストリームフレイム!!」

 

 

ゴスペル/LP4000→3500

 

「更にノヴァマスターの効果で一枚ドロー!!ターンエンド!!」

 

 

十代

LP4000 手札3枚

ノヴァマスター/ATK2600

伏せカード1枚

 

 

―ゴスペルのターン―

 

「我のターン!!(…この世界だと『属性HERO』は使わないと思ってたからな…が、どっちにしろヒーローに我のデッキは勝てるわけはない)我はモジャを召喚!!」

 

 

モジャ/ATK100

 

 

フィールドに愛くるしい獣が現れた。しかし攻撃表示と言う事はこれで終わりと言う事もないだろう。

 

 

「手札のキング・オブ・ビーストはフィールドのモジャをリリースすることで特殊召喚する事が出来る!!」

 

 

愛くるしいモンスターが消えると狂暴そうな獣の王が姿を現した。

 

キング・オブ・ビースト/ATK2500

 

 

「だが攻撃力は下だ!!」

「馬鹿め、バトルフェイズ、キング・オブ・ビーストで貴様のモンスターに攻撃!!」

 

 

攻撃力が下のモンスターで攻撃を行うと言う事はコンバットトリックか効果のどちらかだろう。

 

 

「リバース罠発動!!幻獣の角!!発動後このカードは獣族モンスターの装備カードとなる!!そして装備したモンスターの攻撃力を800ポイントアップさせ、戦闘で相手モンスターを破壊した時、カードを1枚ドローする!!」

 

 

 

キング・オブ・ビースト/ATK2500→3300

 

 

カードの絵柄と同じ角がキング・オブ・ビーストにも生えた。

 

 

「攻撃力3300!?」

 

「喰らえ!!キング・クラッシュ!!」

 

 

キング・オブ・ビーストの頭に生えた角がノヴァ・マスターの胸に突き刺さった。

 

「グッ!?」

 

十代/LP4000→3300

 

 

すると十代の胸に鈍い痛みが響いた。その感覚は1年の終わりごろ、痛いと言うほど味わったアレだった。

 

 

「っ…実際のダメージ…!!」

 

「ほう?流石に気付くか…幻獣の角の効果でカードをドロー!!フッ…カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

ゴスペル

LP3500 手札2枚

キング・オブ・ビースト/ATK3300

伏せカード2枚 幻獣の角

 

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!!コンバード・コンタクトを発動!!自分フィールドにモンスターがいない時、手札とデッキのネオスペーシアンを墓地に送りカードを2枚ドローする!!俺は手札のグラン・モールとデッキのアクア・ドルフィンを墓地へ送り2枚ドロー!!」

 

 

引いたカードはネオスペースとネオス、そして手札にあるのはグロー・モスとホープ・オブ・フィフスだった。

 

 

「(3300のノヴァマスターと同じ効果を持つモンスター…やばい、融合が無いから…)耐えるしかない…俺はN・グロー・モスを守備表示で召喚!!」

 

 

フィールドに光の体のモンスター――アクア・ドルフィンと同じネオスペーシアンが現れた。

 

グロー・モス/DEF900

 

 

「ターンエンド!!」

 

 

十代

LP3300 手札3枚

グロー・モス/DEF900

伏せカード1枚

 

 

―ゴスペルのターン―

 

「我のターン!!フン…(我にメリットを与えるモンスター、ということは切羽詰まってるってことだ。大方手札は上級HEROのネオスや使えない魔法カード辺り…なら)手札から魂を喰らう者バズーを召喚!!」

 

 

バズー/ATK1600

 

フィールドにアンデットの様な猿が現れた。もしもバズーの攻撃でグロー・モスが破壊され、キング・オブ・ビーストの攻撃が通れば十代のライフは0となり終わりだ。

 

 

「バトル!!バズーでグロー・モスに攻撃!!ソウル・イート!!」

 

「グロー・モスの効果!!戦闘を行う場合相手はカードを1枚ドローし、それにより効果が発動する!!」

 

 

それを知っていたゴスペルは何も言わずデッキに一番上を引いた。そのカードを見た顔が一瞬歪んだ――

 

 

「チッ…モンスターカードだ」

「じゃあバトルフェイズは終了だ!!」

 

 

そう聞いた時、一瞬ゴスペルの口元が釣り上がった。それを見た十代は本能的に気付いた――

 

 

 

 

 

 

「速攻魔法アンフェアー・ジャッジを発動!!」

 

 

――嵌められたと。

 

 

「このカードはバトルで相手モンスター破壊できなかったバトルフェイズ終了時、800のライフを払い相手フィールドモンスターの守備力の合計よりも上の攻撃力のモンスターで相手モンスター全てに攻撃を行うカードだ!!」

 

「なに!?またバトルを!?」

 

 

ゴスペル/LP3500→2700

 

 

しかしグロー・モスたった一体の為にライフを削るのはハイリスクローリターンとも考えれる。すると発動されたカードの横にずっと置かれていたカードが開いた。

 

 

「永続罠、吠え猛る大地を発動!!我のフィールドの獣族モンスターは貫通能力を得る!!」

「なっ!?」

 

 

十代が驚いている間にもキング・オブ・ビーストがグロー・モスに襲いかかった。

するとゴスペルはデッキの一番上のカードを引いた。

 

 

「ふっ、我が引いたのは魔法カード、よってこのままバトルは続行だ!!キング・クラッシュ!!」

 

 

「うわああああああああ!!!!!」

 

 

十代/LP3300→900

 

 

 

今度は心臓を締め付け――そして握りしめるような激痛が襲いかかった。あまりの痛さに両膝を折り、必死にその痛みから逃れようとしていた。

 

 

「クックック…幻獣の角の効果でカードをドロー!一枚伏せてターンエンド!!」

 

 

ゴスペル

LP2700 手札3枚

キング・オブ・ビースト/ATK3300 バズー/ATK1600

伏せカード2枚 吠え猛る大地 幻獣の角

 

 

―十代のターン―

 

「っ…ゴホッ…俺は…帰らなくちゃいけないんだ…!!邪魔を…するな…!!俺のターン!!手札から魔法カード、コクーンパーティを発動!!自分の墓地のネオスペーシアンの数だけデッキからコクーンと名のつくモンスターを特殊召喚する!!」

 

 

するとフィールドに雛鳥、芋虫、子猫の様なモンスターが並んだ。

 

C・パンテール/ATK800

C・チッキー/ATK600

C・ラーバ/ATK300

 

「更にフィールド魔法、ネオスペースを発動!!フィールドのコクーンはネオスペースがある場合進化する!!」

 

 

二次の空間になった周囲を見た3体のモンスターが光に包まれると成長した3体のモンスターが現れた。

 

 

ブラック・パンサー/ATK1000

エア・ハミングバード/ATK800

フレア・スカラベ/ATK500→1900

 

 

「フレア・スカラベは相手フィールドの魔法・罠カードの分だけ攻撃力が400ポイントアップする!!更にエア・ハミングバードの効果発動!!相手の手札のカードの枚数分ライフを500回復する!!ハニーサック!!」

 

「我の手札は2枚…よって1000ポイントだ」

 

 

十代/LP900→1900

 

 

「よし…少し楽になった…」

 

 

胸の締め付けが若干緩んだ。すると伏せてあったカードが何か思い出した。紫苑から相手の動きを翻弄するにはブラフを入れるといいと言われて、さっきまで使えなかったから伏せていたのを忘れていたのだ。

 

 

「リバースカード、スペ―シア・ギフトを発動!!俺のフィールドのネオスペーシアンの数だけカードをドローする!!」

 

 

3枚引いた中に逆転の手はない。しかし先程コンバードコンタクトの時に手札に加わったカードを使えばあるいは…

 

 

「フィールドのエア・ハミングバードとブラック・パンサーをリリースし、E・HEROネオスをアドバンス召喚!!」

 

 

ネオス/ATK2500

 

 

「そしてフィールドのネオスとフレア・スカラベをデッキに戻しコンタクト融合!!」

 

「っ、来るか!」

 

 

フィールドのネオスとフレア・スカラベが飛び上がり、宇宙で1体のモンスターとなった。

 

 

「現れろ、フレア・ネオス!!」

 

 

フレア・ネオス/ATK2500

 

 

フィールドに虫の様な風貌のネオスが現れた。

すると互いのフィールドの魔法・罠ゾーンにセットされたカードが燃えだした。

 

 

「フレア・ネオスの効果発動!!攻撃力がお互いのフィールドの魔法・罠カードの枚数×400ポイントアップする!!更にカードを伏せて400ポイントアップする!!そしてネオスペースの効果で攻撃力が500上がる!!」

 

フレア・ネオス/ATK2500→4100→4500→5000

 

 

「攻撃力5000だと!?」

 

「終わりだ!!フレア・ネオスで魂を喰らう者バズーに攻撃!!バーン・ツー・アッシュ!!」

 

 

フレア・ネオスが炎を纏った腕でバズーに攻撃した。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

爆散し、フィールドが静寂に包まれた。

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…勝った…」

 

 

「それはどうかな?」

「っ!?」

 

 

ゴスペル/LP3400

 

倒したはずのゴスペルの平然な声、それに十代が顔を上げるとまだライフが3400と、攻撃前よりも増えているのだ。

 

だがにフィールドにいたキング・オブ・ビーストが消えていた。

 

 

 

「一体どうして…」

 

「我が前のターンに伏せた伏せカード、デストラクション・ポーションを発動させた。こいつは自分フィールドのモンスターを破壊し、その攻撃力分ライフを回復する」

 

 

そう、それでゴスペルは自分のキング・オブ・ビーストを破壊しライフを6000までに上げていたのだ。

 

 

フレア・ネオス/ATK4200

 

 

さらにデストラクト・ポーションと幻獣の角が消えた事により、フレア・ネオスの攻撃力が800ポイントダウンしていたのだ。

 

 

「っ…ターンエンド!!」

 

 

十代

LP1900 手札3枚

フレア・ネオス/ATK4200

伏せカード1枚

ネオスペース

 

―ゴスペルのターン―

 

「我のターン!!クックック…貴様は終わりだ!!」

「なに…?」

 

 

「リバースカード発動!!」

 

 

そう宣言したと同時に2人はドームとは別の何かに捕らわれて行った。

 

 

「な、なんだ…これは…!?」

 

「これが貴様を葬り去る棺桶だ」

 

そう言ったゴスペルの背後に何かが見えた。黒い人影――ゴスペルの影がうごめき、巨大な何かに変わった。オオカミの顔をした人の様な物――

 

壁画として有名なアヌビスと言うモノにそっくりだった。

 

 

 

 

 

「永続罠 光のピラミッド 発動!!」




シゲル「今回これで終わりか?」
長さ的には微妙なところだけど切るんなら此処だね。
剱都「けどよ、何だって罠を発動した時に…」
映画を見てる人は分かるZE☆

紫苑「所で今回で結構話を短縮したんじゃないですか?」
アニメだと62話から66話までだね。アニメで残ってる重要な話は重要キャラの寝返り、修学旅行とミズチ、ジェネックスの大会での戦い、奪われたD、斎王との決戦。ちなみにレッド寮の話は既に書き終えてる?
ツバキ「なんで疑問形…」
…その部分が大体5行ぐらいで終わったから。クロノスのカッコイイ戦いを乗せることなく。
紫苑「不憫ですね」

剱都「そういえばあのゴスペルって何者だ?」
詳しいキャラ情報が今度。イメージとしてはファイナルファンタジー7のルードを思い浮かべればいい。
紫苑「ちなみにタークスのレノと良く行動を共にしてるスキンヘッドにサングラスの人です」

デュエル解説というほどでもないけどひとつ
シゲル「なんだ?」
アーマード・ウルフは通常モンスター。以上!
ツバキ「一言すぎるよ!」


次回予告
ゴスペルの発動した光のピラミッド。その中で生み出されたのは歪な2体のスフィンクス。しかしその纏っている闇に十代は見覚えがあった。

そして召喚されるのは最大の『闇の光』

追い詰められる十代、


「ねぇ…私がこのデッキを捨てたら強くなれるかな」


思いつめる少女。そして——


「ボクは…聖牙…夕」


狂い出した運命

次回turn59 立ちふさがる歪の守護神
最強カードは『スフィンクス・アンドロジェネシス』
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