遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn64 勝利はデッキアウト

「アームド・ビッグホワイト・バニッシャー」

「きゃああああああああ!!!!」

 

 

明日香/LP200→0

 

 

本日のデュエルホールでの戦いで明日香は万丈目に敗北し、彼らが名乗る『光の結社』の元に下った。

 

紫苑が荒木を叱咤した日から数日後、カイザーとエドはプロリーグに戻りアカデミアは元と同じ様な日々を過ごしていた。

 

しかしブルーが謎の統制が取られ、ブルー女子、イエローも徐々に光の結社に取りこまれていた。

 

無事な生徒でレッドに避難を希望する生徒も多かったが、既に人数的には2寮分まで登っている。

 

そこで――

 

 

―校長室―

 

 

「チーム寮?」

「そうなノーネ。来週あたりに完成するのでスーガ、そこに転居してもらうノーネ」

 

 

急に校長室に呼ばれたチームノーバディの4人にクロノスはそう言った。ちなみにノーバディ以外に2~3年のチーム科生徒はおらず、1年の半数はチーム科だ。

 

「ぬ、心配いらないノーネ。別にレッド寮を廃止するためではなく、鮫島校長が出張に行く前の議題で、それを早めただけなノーネ」

「俺達は構いませんけど…寮長とかそこらへんはどうなってるんだ?」

 

「ああ、それなら」

「心配いらないわよ」

 

 

クロノスが説明する前に、カミューラが入ってきた。来ている服が購買の制服ではなく、スーツなのが気になるが――

 

 

「どういうことだ?」

「私がチーム科の寮長になったのよ。そこのおかっぱに頼まれてね」

「おかっぱ言うーな!!」

 

 

クロノスの泣きごとをスルーして4人は転居に同意した。ちなみに例によってそのチーム科のノーバディが使用する部屋にはアジトの入り口も存在する。

 

 

―チーム寮―

 

 

「へぇ…思いのほかいいとこじゃねぇか?」

 

 

放課後、転居は一ヶ月ほど後だが完成したばかりのチーム寮を見学させてもらうこととなった。ちなみに8チーム35人全員が転居することになっている。

 

そしてその寮は見たところイエロー寮のペントハウスみたいな建物だ。4人は中には居ると、そこはホールで共有スペースとなっている。

 

 

「共有スペースか…なかなかいい感じじゃねぇか?」

 

「こう言うのは案外コミュニケーションをとるのに大事なところだからな」

 

 

 

チームノーバディは1階の角部屋を使わせてもらうことになっている。

大きな部屋が1つと個人の部屋が6つ、それが1チームに支給される。

まだ荷物が無いから実感はわかないが、恐らくレッド寮の部屋よりも広い。

 

 

「個人部屋…ね」

 

「まあ、レッドよりも広いから『2人』でも余裕で寝れるだろうな」

 

「そうですね」

 

 

「「「………はぁ…」」」

 

 

3人は顔を合わせて深いため息をついた。『2人でも寝れる』ということは、明らかに『ユウとツバキ』が『一緒に寝て』『甘い空気』をまき散らす。そうなればキムチが甘いほど砂糖が口の中に溢れだすことになる。

 

 

―レッド寮:食堂―

 

 

「って訳で来月には新しい寮に移る」

 

「ええ~!!」

 

「そんな~!!」

 

 

シゲルの言葉に翔と十代は悔しそうだった。しかし4人がレッド寮から移る事ではなく、別の事で悔しがっていた。

 

 

 

「もうシゲルの料理食えないのかよ~!!!」

 

 

知らんこっちゃと言わんばかりにノーバディは飯を食べ――

 

 

 

「「「「「「………………」」」」」

 

 

他の生徒も落ち込んでいた。レッドだけではなく避難してきたイエローとブルー女子もだ。

 

 

「つーか、なんでイエローと女子はこっちまで来たんだ?」

「それは何か知らないけど、『去年の代表が揃ってる』からって……シゲ兄どうしたの?」

 

 

ジュードの言葉を聞いたシゲルは頭を抱えた。

去年の代表と言えばノースとの対抗試合で男子代表の十代、女子代表のツバキ、タッグ代表のユウとシゲルのことだ。

 

そしてそのうち十代以外が転居するとなれば付いてきそうだった。

 

 

 

―その夜―

 

 

「どうかしたのか?」

 

 

アジトで如月が開いていた掲示板の情報を漁っていた時、エドから連絡があった。

 

 

『少し気になることがあってな』

 

「気になる事?」

 

 

剱都が見ていた掲示板を消してそう聞いた。ちなみに今現在ノーバディとジュードしかいない。如月と荒木、雪乃はブルー女子に留まっておりジュードはブルー寮が占拠されたためレッドで寝泊まりしている。

 

 

『今アカデミア港のクルーザーにいるんだが…島にプロデュエリストのエックスがいるのを見たんだ』

 

「エックス?」

 

 

プロリーグで亮とエドよりも上の上位ランカーで『戦った相手は二度と同じデッキで戦いたくなくなる』という噂で有名なプロだ。

 

 

「えーと…あ、いました…?」

 

 

紫苑がコンソールを操作してエックスを探してみると何故かレッド寮のユウとシゲルの部屋の前にいた。

懐から何か取り出して確認するように部屋をノックした。

 

 

「…まあいいや。取りあえず行ってくる」

 

 

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

 

 

「すいませーん、誰かいますかー?」

「はーい」

 

 

エックスが呼びかけると中から若い男性の声が響いた。やがてガチャリと鍵が開き、中から黒髪のバンダナをつけた眼つきの悪い少年――シゲルが出てきた。

 

 

「どうかされましたか?」

「ああ、いや。ここに聖牙夕はいるかな?」

 

 

エックスはユウを探しているようだった。しかしユウは行方不明になってもう2週間以上経過していた。

 

 

「悪いがユウは…」

「?」

 

 

シゲルは転生者やエネミーズ、斎王などの事を省いてただ『ユウが行方不明』と言う事を告げた。

 

 

「そう…ですか。また会えると思ったのですが…残念ですね」

 

「………失礼ですが、貴方とユウの関係は…?」

 

 

口ぶりからするに2人は会った事があるような感じだった。しかしユウからそんな話は聞いた事が無かった。

 

 

「ああ、私とあの子ですか…すいません、立ち話も何なんでお邪魔しても?」

 

 

―ユウとシゲルの部屋―

 

 

いつの間にか先程までアジトにいた全員がそろっていた。少し窮屈だが6員全員がテーブルを囲んで座っている。

 

 

「説明する前に自己紹介しときましょう。プロリーグのエックスこと、ハワードと申します」

「じゃあ私から…姫野紫苑といいます」

「姫野椿…です」(剱都の背中から)

「羽黒剱都、この2人の兄だ」

「ジュード・ファイン、一年生です」

「獣斬繁、ユウのルームメイトだ」

「エド・フェニックス」

 

 

「「「「「………………まて、何処から入った!?」」」」」

 

 

いつの間にかエドが椅子の上に座っていた。しかし招き入れたのはエックスだけのはず。エドは「気にしたら負けだ」という様に自前の紅茶を飲んでいた。

 

 

 

「それでは…」

 

 

一通り自己紹介するとエックスは先程部屋の前で見ていたモノをテーブルの上に差し出した。

すこし色があせている写真だが一つの夫婦と母親に抱かれる赤ん坊が映っていた。

 

 

 

「これは…?」

「誰だ?」

 

 

写真を見ていたジュードと剱都は首を傾げている。ただ一人――

 

 

 

「瞬火さん…!?」

 

 

エドだけは驚いた表情をしている。その夫婦に見覚えがあるようで、酷く動揺していた。

 

 

 

「瞬火って…たしかユウのお父さんだったよね?」

 

 

カリーヌ教会でエドは確かにそう言っていた。言われてみれば父親らしき男性はユウにどこか似ている感じもしていた。

 

 

 

「私はアマのデュエリストの時から聖牙瞬火さんにお世話になってましてね…10年前に彼の家が火事になり、お二人とあの子が無くなったと聞いたのですが、依頼でこの島に来る前にあの子の噂を聞きましてね…どうやら生きていたのですか」

 

「ユウの親父さんの知り合い…か」

 

確かに言われてみれば瞬火はアマチュアの上位ランカーで当時アマにいたデュエリストならユウの事を知ってもおかしくは無い。

 

 

 

「所で…依頼とは?」

「…『チーム・ノーバディを倒せ』と」

 

 

「「「「「「!!!!????」」」」」」

 

 

 

標的が――自分。そう分かった4人は一気に警戒心を上げた。

依頼と言うことは斎王が絡んでくる可能性が非常に高かった。

 

 

「安心してください。あの子が所属しているチームなら手を出す気は無いんです」

 

 

そう言ってエックスは懐から依頼料と思われる小切手を取り出し、それをびりびりに引き裂いた。

 

 

 

「あんた…」

「プロは仕事は選びますよ。まあ…言い訳するのに手合わせはお願いしますけどね」

 

「先輩、僕がやりますよ。」

 

 

ジュードがそう言った。たしかに今4人のデュエルディスクはメンテナンス中でエドはデッキがあるがディスクは急いできたためクルーザーの中だったので今現在すぐに勝負できるとすれば彼だけだった。

 

 

―レッド前―

 

 

「ではいきますか」

「はい!!」

 

 

ジュードVSエックス

 

 

「僕のターン!!手札からリチュア・アバンスを召喚!!」

 

 

リチュア・アバンス/ATK1500

 

フィールドにナタリアに似た白い髪の少年が現れた。ちなみに彼のデッキは魚人か女性カードが多いが、アバンスは数少ない男性の様だ。

 

 

 

「アバンス効果発動!!デッキからリチュアと名の付くモンスターをデッキの一番上に置く、ジールギガスを選択!!更にカードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

 

ジュード

LP4000 手札3枚

リチュア・アバンス/ATK1500

伏せカード2枚

 

―エックスのターン―

 

「私のターン!!トラップ・スルーザーを召喚!!」

 

 

トラップ・スルーザー/ATK800

 

 

フィールドに棒と球体で出来た変な形のモンスターが出現した。

 

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!!」

 

 

エックス

LP4000 手札2枚

トラップ・スルーザー/ATK800

伏せカード3枚

 

―ジュードのターン―

 

「僕のターン!!手札から儀式魔法リチュアの儀水鏡を発動!!」

 

「永続罠マジック・クラッシュを発動!!お互いに魔法カードを発動する場合デッキの上から2枚カードを墓地に置いてもらいます!!」

 

 

マジック・クラッシュ

永続罠

このカードが表側表示で存在する限り、お互いのプレイヤーは魔法カードを発動するたび、そのプレイヤーはデッキの上からカードを2枚墓地に送る。

 

 

するとデッキの一番上のイビリチュア・ガストクラーケとシャドウ・リチュアがデッキに送られた。

 

 

「けど儀水鏡の効果!!手札のヴィジョン・リチュアをコストにイビリチュア・ジールギガスを召喚!!」

『むう、なかなか手強そうじゃの』

 

 

イビリチュア・ジールギガス/ATK3200/☆10

 

ジールギガスが出現した。ちなみにエドはロイとリオが彼のデッキに来てから精霊の姿を見えているのだ。

 

 

「なあ、なんだあれ。凄い怖いんだが…」

 

「ああ見えて気さくだ」

 

 

 

「甘いですね~永続罠モンスターレジスターを発動!!ライフを1000払い、お互いは召喚したモンスターのレベル分デッキのカードを墓地に送ります!!」

 

「ってことは…」

 

モンスターレジスター

永続罠

ライフを1000ポイント支払って発動する。

モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、お互いのプレイヤーは、デッキの上から

召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したモンスターのレベルと同じ枚数のカードを墓地に送る。

 

 

エックス/LP4000→3000

 

ジールギガスのレベルは10、つまり――

 

「デッキから10枚のカードを墓地に送ってもらいます!!」

 

「っ…(僕のデッキは40枚。初期手札5枚からの合計12枚…残り23枚…!!)」

 

「けどなんでエックスはデッキが減らないんだ?」

 

 

剱都の言うとおり、モンスターレジスターはお互いのデッキからカードを捨てる効果を持っている。

 

 

「私の場のトラップ・スルーザーの効果で私は永続罠の効果を受け無くなります」

「なるほどな。つまり一方的にジュードのデッキが墓地に送られるってことか」

 

 

「だが、それよりも先に倒せば問題無い!!アバンスの効果発動!!デッキのリチュア・ナタリアをデッキの一番上に置く!!そしてジールギガスの効果発動!!ライフを1000払い、デッキからカードをドローしてそのカードがリチュアと名の付くモンスターだった場合、カードを1枚デッキに戻す!!」

 

 

ジュード/LP4000→3000

 

そしてデッキの一番上のカードは先程アバンスでデッキの一番上に乗せたもう一体の精霊、リチュア・ナタリアだ。

 

 

「ドロー!!効果発動、そのセットカードをデッキに戻してもらう!!」

 

「甘ーい!!リバース罠、威嚇する咆哮を発動!!このターン相手は攻撃宣言を行うことができない!!」

 

 

ここまで2回連続で永続罠を発動していたため、伏せカードはグラビティ・バインドや光の護封壁などの攻撃不可永続罠だと思っていた。

 

 

「墓地のリチュアの儀水鏡効果発動!!このカードをデッキに戻すことで墓地のリチュアと名の付く儀式モンスターを手札に加える!!イビリチュア・マインドオーガスを手札に!!ターンエンド!!」

 

 

ジュード

LP3000 手札4枚 デッキ23枚

イビリチュア・ジールギガス/ATK3300 リチュア・アバンス/ATK1500

伏せカード2枚

 

 

―エックスのターン―

 

 

「私のターン、では手札から魔法カード手札抹殺を発動!!お互いに手札を捨て、その枚数分カードをドローします!!」

 

「クッ…(残り23枚から…19枚。半分切った…!!)」

 

 

「モンスターをセット、カードを伏せてターンエンド」

 

 

エックス

LP3000 手札1枚 デッキ31枚

トラップ・スルーザー/ATK800 伏せモンスター1体

モンスターレジスター マジック・クラッシュ 伏せカード1枚

 

―ジュードのターン―

 

 

「僕のターン!!アバンスの効果発動!!デッキの一番上にリチュア・エミリアをデッキの一番上に!!そしてジールギガスの効果発動!!ドローし、トラップ・スルーザーをデッキに戻す!!」

 

「なるほど」

 

 

ジュード/LP3000→2000

 

 

なにもアクションせず、トラップ・スルーザーはデッキに戻された。伏せカードになるかあるとしかし今のジュードにそれを気にしている暇が無い。

 

 

「バトルフェイズ!!リチュア・アバンスでセットモンスターに攻撃!!」

 

「甘ーいー!!セットモンスターのレベルポットの効果発動!!お互いのプレイヤーはフィールドのモンスターを全てデッキに戻し、そのモンスターのレベル分カードをめくります!!めくった中に戻したモンスターが存在する場合そのカードを手札に加え、なかった場合めくったカードを捨てる!!」

 

 

 

アバンスはレベル4、ジールはレベル10。つまり――

 

 

「14枚…!!(2体のモンスターが戻るから25枚、その中から14枚ドローする…!!ヤバイ、デッキの消費が…!!)クッ……ドロー!!」

 

 

引いたカードの中にはアバンスは無かったがジールギガスがあった。

 

 

「ジールギガスがあるため、僕はこのまま14枚のカードを手札に加える!!」

 

「それが甘ーい!!リバース罠、穴あき財布を発動!!相手の手札が6枚以上存在する場合、5枚になる様にランダムに手札を捨てさせます!!」

 

 

エックスのフィールドに穴のあいた財布が出現した。するとジュードの手札20枚から15枚の手札を抜き取った。

 

 

「!!(実質デッキ15枚破壊されたのと同じ…儀水鏡の効果でデッキに戻す効果使ってもすぐにデッキアウトになる…ん?デッキアウト…)」

 

 

頭の中に無数のカードが並んだ。それは今のフィールド、手札、デッキに残されてるカード、墓地に落とされたカードだ。

 

 

その無数のカードから役割としての光が伸び、他のカードと繋がり一つの扉を開けた。

 

 

「墓地に存在する2枚のリチュアの儀水鏡の効果発動!!このカードをデッキに戻し、墓地のイビリチュア・ソウルオーガとイビリチュア・ジールギガスを手札に加える!!手札からリチュア・ソウルを召喚!!」

 

 

リチュア・ソウル/ATK200

 

フィールドに魚の卵の様なモンスターが現れた。その中には稚魚が入っている。

 

 

「こいつのレベルは1、よってお互いにデッキの一番上を墓地に送る!!カードを伏せてターンエンドだ!!」

 

 

ジュード

LP2000 手札5枚 デッキ12枚

リチュア・ソウル/ATK200

伏せカード3枚

 

―エックスのターン―

 

 

「私のターン!!私はデッキの上から2枚のカードを墓地に送り、手札から壺の中の魔術書を発動!!互いにカードを3枚ドローします!!トラップ・スルーザーを召喚!!お互いに4枚のカードを墓地に送ります!!」

 

 

トラップ・スルーザー/ATK800

 

送られて行くカード、しかしその中にジュードが望むカードが無くてほっとしている。

 

 

「バトルフェイズ、トラップ・スルーザーでリチュア・ソウルに攻撃!!」

 

 

トラップ・スルーザーの関節が伸び、棍棒のような形になった。そしてそれが卵に向かって振り下ろされた。

 

 

「リバース罠、儀水鏡の反魂術を発動!!自分フィールドの水属性モンスター、リチュア・ソウルをデッキに戻して墓地の水属性モンスター、リチュア・チェインとリチュア・ビーストを手札に戻す!!」

「ですが攻撃対象がいなくなったため、直接攻撃です!!」

 

 

「まだだ!!リバース罠リチュアル・ダミー!!手札の儀式モンスターを捨てることで相手の攻撃を無効にする!!手札のイビリチュア・ジールギガスを捨てる!!」

 

 

リチュアル・ダミー

永続罠

相手の攻撃宣言時手札の儀式モンスターを1体捨てることで攻撃を無効にする。

この効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

「ならば私はカードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

 

エックス

LP3000 手札0枚 21枚

トラップ・スルーザー/ATK800

モンスター・レジスター マジック・クラッシュ 伏せカード2枚

 

 

―ジュードのターン―

 

 

「僕のターン!!デッキのカード2枚墓地に送ってリチュアの儀水鏡を発動!!手札のリチュア・エリアルとリチュア・ビーストをコストにイビリチュア・ソウルオーガを召喚!!」

 

 

フィールドにジールまでとは言わないが巨大な魚人が現れた。すると今度は8枚のカードが墓地に送られた。

 

 

「これであなたのデッキは0枚!!リバース罠威嚇する咆哮を発動!!あなたの負けは確定です!!」

 

 

「………っ」

 

 

エックスの読みではジュードは恐らくソウルオーガのバウンス効果でフィールドをがら空きにして直接攻撃を決める気だったのだろう。

 

 

 

「……ククク…」

 

 

 

しかし、ジュードはそんなこと考えても無かった。

 

 

「エックスさん、僕の勝ちだ!!」

「!?」

 

 

 

 

おそらくエックスのデッキはロックデッキよりもさらに厄介なロックで構成されている。ならそこではなく別の場所を狙う、それがジュードの『伏兵(ヒンターハルト)』だった。

 

 

 

「僕は手札のイビリチュア・ジールギガスをコストにソウルオーガの効果発動!!フィールドの表側表示のカードをデッキに戻す!!トラップ・スルーザーをデッキに戻す!!」

 

「無駄なことです!!私のフィールドにモンスターがいなくなったとしても貴方の負けは確定です!!」

 

 

エックスの言う通り攻撃して、ライフを0にする事なんて不可能だった。

 

 

 

「手札からリチュア・ディバイナーを召喚!!こいつの効果で僕のデッキの一番上のカードを宣言して、正解した場合そのカードを手札に加える!!」

 

「ですがあなたのデッキはもう……!!」

 

 

このデュエルで何度も見た光景。そう、ジュードはデッキにカードを戻すことができる。

 

 

「だけど、その前にモンスター・レジスターの効果だ。3枚のカードを墓地に落としてもらおう!!」

「なっ…(そうか、向こうには落とすカードが…!!)」

 

 

ジュードのデッキはすでに0。そしてエックスの場にはトラップ・スルーザーが存在しないため、このターンジュードが召喚するモンスターのレベル分、一方的にエックスのデッキが減るのだ。

 

 

エックス/デッキ21枚→18枚

 

 

「そして墓地のイビリチュア・リヴァイアニマを手札に戻して儀水鏡をデッキの一番上に!!ディバイナーの効果で手札に加える!!手札のリチュア・ナタリアとリチュア・チェインをコストにイビリチュア・リヴァイアニマを召喚!!」

 

「っ…!!」

 

 

エックス/デッキ18枚→10枚

 

 

「墓地のイビリチュア・ジールギガスを手札に戻してデッキの儀水鏡を手札に入れる!!」

 

「…ですが、あなたの手札はそのカード1枚!!フィールドのモンスターだとレベルが合わない、儀式召喚を行えないのなら私の勝ちです!!」

 

 

 

確かにそうだ。フィールドには3体のモンスターと1枚ものモンスター。そのモンスターでレベル10――それどころか儀式召喚のための儀式魔法すら無い。

 

 

「だが…儀式召喚せずに儀式モンスターを召喚する方法があるとすればどうだ?」

 

「な…!!」

 

 

「リバース罠、儀水鏡の幻影術を発動!!手札の儀式モンスターを特殊召喚する、来い!!ジールギガス!!」

 

『むぅ…こんな役回りしかないのかのう』

 

 

 

エックス/デッキ10枚→0枚

 

そしてエックスのデッキのカードが全て墓地に送られた。

 

 

 

「ターンエンドだ!!さあ、あなたのターンだ!!」

「……まさか…私のカードを…逆手に…」

 

 

そう言ってエックスは両膝を折り、負けを認めた。

 

 

 

 

 

 

 

その後、エックスは『同じ展開に頼るデッキはどうかと思う』と言うことで再び自分のデッキを見直すことに、帰路へ着いた。彼の家には瞬火から頂いたデッキ制作のヒントとなるノートがあるから、それを見て考え直すらしい。

 

 

 

「それにしてもユウの親父って好かれていたんだな」

 

 

エックスを見送ってしばらく埠頭で海を眺めていた6人。そんな時ふとシゲルがそう呟いた。

 

 

「そういえばシゲルのご両親はどんな方でしたか?」

「僕も聞いたこと無いな…シゲ兄、どんな人なんだ?」

 

 

紫苑の言葉にジュードも興味シンシンだった。同じように剱都やツバキ、エドまでも興味がある様にシゲルを見ていた。

 

 

「はぁ…なんでジュンコと言いお前らと言いそんなこと気にしてるんだ…俺の親父は村で一番のデュエリストだったな。みんなの憧れで…俺も尊敬してた。まあ、俺が親父に勝つことなんて一度も無かったけどな」

 

 

昔を語るシゲルの背後に立っていたウリィも「うんうん」と頷いていた。どうやら彼もコテンパンにやられていたようだ。

 

 

「で…母さんか…うっすらとしか覚えてないが、結構優しい人だった」

 

『うむ、獣斬・B・アリス。異国の者で霧矢…シゲルの父親が幼いころから彼の居候しておってな。マリアとも仲が良かったのう』

 

 

どうやらシゲルは生まれ世界の『ニズ』でハーフとして生まれたようだった。が、シゲルはどこか寂しそうに説明を続けた。

 

 

「けどな、ある日いなくなった」

「いなくなった?」

 

『…儂がその日の事を説明する』

 

 

まだ当時幼かったシゲルよりも既に大人だったウリィの方がそのことに関して詳しかった。

 

 

『アレは響…シゲルの妹が生まれて2週間ほどしたある日じゃな。霧矢は自警団の仕事、儂は道場、マリアは巫女としての仕事をしていたいつもと変わらない日じゃった。じゃが…森に山菜を取りに行ったアリスが帰って来なかった。マリアが必死に力を使っていたのじゃが…『彼女の未来』が見えなかったそうじゃ』

 

 

マリアの能力で未来が見えないと言う頃はその人の『死』を意味している。

そして程なく霧矢がアリスのいつも持ち歩いていたペンダントをモンスターの巣の中で見つけたそうだ。

 

 

「…すいません。無神経な事を言って…」

 

「気にすんな。そういえば…ジュードの親御さんはどうしてるんだ?もうかれこれ4年ぐらいたっただろ?」

 

 

空気を変えるためにシゲルがそう聞いた。彼の両親とは一度ナショナルスクールの父兄参観で会った事がある。

 

 

「今はケドフェニア…かな?」

「ケドフェニアって最近内紛があった所だろ?」

 

 

AWの総帥としてその手の情報に精通してる剱都はそう聞いた。

ケドフェニア王国は一足遅い後進国だった。そのため先進国の支援を受ける改革派と昔ながらの生活を望む保守派の内紛が起こっているのだ。

 

 

「父さんと母さんは国境なき医師団のメンバーなんです。だからそう言った紛争地域で活動してるんですよ。多分今もどこかで人を助けてますよ」

 

 

そう言ってジュードは夜空を眺めた。その空を彼の両親が眺めていることを望みながら――




シゲル「今回はなんだ?」
アニメのエックス戦。けどユウの父親、瞬火を師事してまっとうにプロとして生きている。原作の様な相手のデッキを破壊して意欲を削るのではなく、ユウの異次元デッキのように戦術として取り入れた感じだね。
本当ならここでユウと再会させるのも考えたんだけど…復帰は無理だったね。
剱都「で、ジュードとの戦いか」
ノーバディメインで話を進めると必ず出番がないキャラが出てくるから原作キャラや転生者を混ぜて行くことになるからね。

ツバキ「チーム寮ってのは?」
あってもおかしくないかなって。イメージは特待生寮と同じ感じ。
一応チーム科2年はノーバディのみで寮長はカミューラ。初めカミューラはレッドの寮長にしようと思ってたけど他作品でやってる人がいたからこっちに回した。

紫苑「それで…シゲルの過去、ですか」
前に簡単に『ニズ』の話をしたけど母親のこととか入れるの忘れてたからね。ジュードの親の事はいつかやるかもしれないし…

デュエル解説~
アニメでもあったエックスのデッキ破壊をやってみた。
紫苑「特殊召喚とモンスターレジスターのコンボ…」
ジュードのデッキだと若干ループコンボを起こしてデッキを破壊しそうだった…

シゲル「そういえば、伏兵(ヒンターハルト)ってどういうことだ?」
昔読んでいた小説に出てきた『抜かりがない』という感じのキャラの二つ名。
オリキャラの中でジュードは剱都以上に心理戦や駆け引きが得意という設定
ただ、剱都はさらにハッタリや情報戦にも優れてるから総合的にはこっちが上だね。

次回予告
ジュードVSエックスから一夜明け、アカデミアに一人の男が降り立った。

「宣戦布告だ」


ノーバディ&転生者&原作者VS光の結社&エネミーズ。5つの勢力を巻き込んだ戦いが幕を上げた。

「例のモノはどうなっている」

「後はタイミングだな」

水面下で繰り広げられる駆け引き。
だがそれに納得しない一人の人物——彼女の存在が戦いの流れをどう動かすのか——


「・・・・・・これは何?」
「なんとなくだ♪」

次回turn65 略奪の魔法使い
最強カードは「ミラクルシンクロ・フュージョン」
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