遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn70 復讐者

―保健室―

 

普段生徒は立ち寄らないこの部屋の目立たない場所に実は個室が存在する。見るからに痛々しい大けがなどした場合に使用される部屋だ。

 

 

そこには一人の生徒がベットの上で死んだように寝ていた。

 

 

「…………っ…」

 

 

アジトで情報収集をしていたはずのシゲルだ。

 

―前夜:アジト―

 

「お~い、シゲル。皆は…ら…空かし……」

 

「な、なによ…これ…!!」

 

 

レッドの食事担当であるはずのシゲルが夕飯の時間を過ぎてもやって来なかった。

 

もしかするとアジトで情報収集に熱中してるのかもしれないと十代とジュンコがやってきたのだが――

 

 

         そこはひどい状況だった。

 

 

   化け物が爪を振り回したかのように抉れた壁と天井

 

   まるで爆弾でも爆発したかのようにめくれ上がった床

 

   数時間前までは新品同様だったディスプレイとキーボード

 

 

 

   むき出しのコンクリートの上でがれきに埋もれてる――

 

 

「「シゲル!!!」」

 

 

その後、騒ぎを聞いた剱都やジュード達の手で保健室まで運ばれた。

そこで聞いたシゲルの状況――打撲、火傷、爆発の衝撃で突き刺さった鉄の欠片、そしてなりより体力的にダメージが大きかった。

 

 

「…紫苑、剱都は?」

 

「…アジト。隠しカメラに何か映ってるのかもって」

 

それっきり紫苑は黙ってしまった。質問した十代も重苦しい空気に何も言えなくなった。

 

特にツバキは部屋の隅で蹲っていた。シゲルは彼女にとってユウと共にアカデミアで初めて友達になった大切な存在だ。

そのため彼女は家族以外の存在でユウに続いてシゲルが大切な存在だった。

 

 

 

「作戦は明日…なのに…獣斬先輩…が…」

 

 

作戦と言ってもホワイト寮に乗り込んで戦うというものだ。その為各々の地力が重要となる。そしてシゲルは精神的にも戦力的にも重要だった。

 

剱都に次いで判断力に長け、突破力なら頭一つ突き出した実力。また周囲を見る力で的確な戦局判断も出来る、所謂前線での司令塔的な役割だった。

 

 

 

 

「皆いるか?」

 

「剱都…っ!!」

 

 

部屋に入った剱都。それと同時にジュンコが彼に掴みかかった。

 

 

「あんたどうして12日後に!!どうしてすぐに作戦をやらなかったの!!」

 

「…悪い。まさか奴らが直接アジトに来るとは思って無かった」

 

 

『直接』その言葉がメンバーの中で戦慄した。敵はレッド寮からアジトへ来たとでもいうのか?

 

 

「カメラを調べたんだが…奴らはブルー寮のターミナルから来たらしい」

 

「ちょ、ちょっと待てよ。確かターミナルを通るためには色々と…」

 

「そのロックが誰かに解除されてたんだよ。おかげで襲撃された時間、全てのターミナルが開いてたんだ。そして……ロックは『アジトじゃないと解除できない』」

 

 

「「「「「「「「!!!!!!!」」」」」」」」

 

 

アジトに入るのは登録している精霊のカードもしくはPDAが必要だった。そして怪しまれずにレッド寮に来れたのはノーバディ、転生者、十代とジュンコ、エドのみだ。

 

 

「…いつからだ?」

 

 

剱都は一人の人物に向かって一歩足を進めた。

 

この中でパソコン系に貴いツバキ、荒木、十代、ジュンコは解除なんてできるわけもない。

 

 

「テメェ…いつから向こうに寝返っていたんだ?」

 

 

怒りの孕んだ声である人物を睨んだ。

 

 

 

 

「如月、いつから光の結社の人間だったんだ?」

 

「…………嫌ですねぇ~私が寝返った?冗談はやめて下さいよぉ~」

 

 

 

いつもと同じ如月の口調、それが剱都の琴線に触れた。

 

 

「とぼけてんじゃねぇよ!!」

「剱都!!」

 

「ケホッ、ケホッ!!ひ、ひどいですよぉ~何を証拠にぃ~」

 

 

「教えてやるよ、解除されたのは昨日の昼の2時だったんだよ!!」

 

 

剱都は如月の胸倉をつかんだままそう叫んだ。

 

解除された2時――剱都がクロンツと戦った時間だ。

 

 

ジュードと雪乃は剱都と共にデュエルリングにいた。

 

ジュンコと十代はレッド寮に残っていたが、解除なんてできるわけもない。

 

紫苑とツバキは本島の病院に、荒木はその護衛だ。

 

 

残されている中でパソコンにも詳しく、アジトに出入りできる人物――

 

 

「や、やですねぇ~私もパソコンにはそれほどッ!!」

 

「万丈目がブルー寮を占拠した日のことを覚えてるか!!アジトの機器を手なれたように扱ってただろ!!それでもまだ言い逃れするつもりか!!あぁ!!?」

 

「け、剱都君!!それ以上は」

「だめだドン!!」

 

ギチギチと妙な音が鳴りだした。それに流石にヤバイと感じた剣山と翔が剱都を引き離した。

 

 

「どうなのよ…如月」

 

 

 

「………ええ、そうよ。私は光の結社。いつから?そうね、あなた達にあの写真を見せる少し前ってところかしらね」

 

「あの写真?」

 

 

その写真を見てない剱都とジュードは首をかしげていた。すると雪乃は如月のカメラを取り上げある写真を表示した。

 

 

「これよ」

 

「誰だ?」

 

「この人…!!な、なんで!?」

 

 

剱都と十代は見覚えがなかった。しかしジュードや紫苑達には覚えがあった。

 

 

「セリアさん…!?」

 

「どういこと…」

 

 

ジュードが街で見つけたミサと言う少女と逸れた女性だった。テーブル席で斎王と何か話している場面だった。

 

とにかく雪乃は簡単にそのことを説明した。

 

それを聞いた剱都は仮説を立てた。

 

 

「…考えられることは3つのうちどれかだ。

1.偶然相席になった

2.この人も光の結社、もしくは協力者

そして…3.この人は転生者のどれかだ、が、」

 

 

3本の指を立てた剱都。しかしすぐにその指を全て折りたたんだ。そして寝ているシゲル、俯いてるツバキを見た。

 

 

「今の問題はそこじゃない。正直に言うとシゲルがこうなったのは俺の判断ミスだ。本来なら此処でこれ以上の被害が出る前に動くと言いたい…が…」

 

 

そう言って剱都は今度は荒木とジュンコを見た。個室に入ってまず2人の怒りを感じていたからだ。

 

 

「…そもそもそれが間違いだったみたいだな。一人で勝手に判断すること自体おかしかった…」

 

 

そう言って剱都は此処にいるメンバーを見渡した。

 

 

「明日になれば確実に攻め手がそろう、が。アジトが知られてもうこの島に安全な場所はない。もしかしたら10分後にはまた誰かを襲われてる可能性もある。しかし今攻めても勝てる確率は5分5分もない」

 

 

そう言い残して剱都は背を向けた。

 

「5分後、また来る。その間に皆で話し合ってくれ」

 

 

そう言い残して剱都は個室を出た。

 

 

―エドside―

 

「……美寿知の教えてくれた情報とあの情報を照らし合わせると…」

 

 

そう言ってエドはとある豪邸の前にやってきた。

ドアベルも鳴らさずにその豪邸の扉を開けると、2階の書斎へ向かった。

 

 

 

「……やはりここでしたか」

 

「!!」

 

 

エドの声に驚いた表情で男性が振り返った。

 

 

「エド…驚いたな。帰ってくるのなら連絡を」

「残念ですが、ここは帰ってくる場所ではないんですよね」

 

 

そう言ってエドはディスクを起動させた。さらに驚いた顔で男性が見ていた。

 

 

 

「父さんを殺したのは…貴方なんですね。DD」

 

 

男性――DDはエドの保護者代理人だった。そして――エドの父親を殺した犯人でもあった。

 

 

「ある人が教えてくれましたよ。ある日、貴方はDDの元へ訪れたと、そして友人が調べてくれました。父さんのカードを持ってる人が誰なのか」

 

 

「…何のことかさっぱりだな」

 

 

「じゃあこの名前を聞いてもですか?エネミーズ、コンダクターのゴスペル」

 

「!!」

 

 

その名を聞いた時DDの表情が一瞬変わった。しかしすぐに訳が分からないというように肩をすくめた。

 

 

「10年前、斎王の占いの館に貴方とともに来た男…そしてプロリーグで貴方のライバルを殺し回った犯人…!!」

 

 

すると不敵な笑みを浮かべて笑い出した。

 

 

「――ハハハハハハハハハハ!!!!そこまで調べたか…ああ、そうさ。俺だ…俺がお前の父親を殺したんだよ!!」

 

 

「!?」

 

 

突然エドの背後の扉が閉まり、書斎のカーテンがすべて締まった。

 

 

「さあ、俺を殺してみろ!!復讐者(アヴェンジャー)!!」

 

 

―保健室:個室―

 

 

「話は纏まったか?」

 

 

剱都はそういいながら部屋に戻ってきた。しかし質問の答えは聞くまでもなさそうだった。

 

 

「いつでも」

 

 

デッキをセットした紫苑が

 

 

「いいぜ!」

 

 

やる気満々の十代が

 

 

「準備万端だ!」

 

 

同じく戦闘準備万全の荒木が

 

 

「ツバキ先輩や丸藤先輩達は置いていく」

 

 

靴の紐を結び直したジュードが

 

 

「如月の監視も込めてね」

 

 

いつでも行ける雪乃が

 

 

「やってやるドン!!」

 

 

目が恐竜のように輝く剣山が

 

 

6人が襲撃に賛成だった。そして残るメンバーも――ツバキ以外は賛成だった。

 

 

―???―

 

「早く…早くしないと…!!」

 

 

―エドside―

 

 

「「デュエル!!」」

 

―エドのターン―

 

「僕のターン!!手札のディアボリックガイをコストにデスティニードローを発動!!カードを2枚ドローする!!オーバー・デステニーを発動!!墓地(セメタリー)のディアボリックガイを選択してダイハードガイを特殊召喚する!!」

 

 

ダイハードガイ/ATK800

 

墓地(セメタリー)のディアボリックガイの効果(エフェクト)発動!!このカードを除外してデッキから同名カードを特殊召喚する!!」

 

ディアボリックガイ/ATK800

 

「ダイヤモンドガイを召喚!!」

 

ダイヤモンドガイ/ATK1400

 

 

「ダイヤモンドガイの効果(エフェクト)発動!!デッキトップを確認し通常魔法なら墓地(セメタリー)に送る、そして次のターンその効果を発動する!!引いたのは終わりの始まり、次のターン3枚カードをドローする!!」

 

 

これでエドのフィールドには3体のモンスターが存在する。

そしてそれはエドのエースモンスターの償還条件だった。

 

「D-HEROと名のつくモンスターを含むモンスター3体をリリース!!出でよ、D-HEROドグマガイ!!」

 

 

ドグマガイ/ATK3400

 

フィールドにエドの最強にして最高のD-HEROが出現した

 

「更に手札からカードを伏せてターンエンド!!」

 

 

エド

LP4000 手札1枚

ドグマガイ/ATK3400

伏せカード1枚

 

―DDのターン―

 

 

「俺のターン!!」

「スタンバイフェイズ、ドグマガイの効果(エフェクト)発動!!相手のライフを半分にする、ライフ・アブソリュート!!」

 

「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

DD/LP4000→2000

 

ドグマガイの効果でいきなりライフが半分になったDDはにやりと笑っていた。

 

 

「いきなりドグマガイか…流石だな」

「貴様を倒し、父さんの敵を討つ…!!」

 

「憎しみか…面白い…!!手札から魔法カード、ブラッド・ノートを発動!!相手フィールドのモンスター1体のレベル4つにつき一体、俺のフィールドにブラッドトークンを召喚する!!」

 

 

ブラッド・ノート

通常魔法

自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドにレベル4以上のモンスターが存在する場合発動することができる。

相手フィールドの一番レベルの高いモンスターのレベル4つにつき

「ブラッド・トークン」(星1/闇属性/悪魔族/攻守0)を特殊召喚する。

この効果で召喚したモンスターはシンクロ召喚の素材にすることができず、アドバンス召喚のためのリリースにもできない。

 

フィールドに血で出来た特殊な人形が現れた。

 

ブラッド・トークン/ATK0

ブラッド・トークン/ATK0

 

「更に手札からディスティニーナイトを召喚!!D-フォースを発動!!このカードは表向きで自分のデッキの一番上に乗せる!!見せてやるよ、貴様の求める最強のDを!!」

 

「!!」

 

 

「フィールドに存在する3体のモンスターをリリース!!出でよD-HERO……Bloo−D!!!」

 

 

 

フィールドにブラッディ・ソウルのように血管が鼓動する様に薄い翼を羽ばたかせた闇のHEROが出現した。

 

 

「Bloo−Dのモンスター効果発動!!1ターンに1度相手のモンスターを吸収する!!」

 

「なに!?」

 

 

突然ドグマガイが苦しみだすと霧状になってBloo−Dの翼に吸い込まれていった。

 

 

「クラプティー・ブラッド!!」

 

「ドグマガイが…!!」

 

「さらに吸収したモンスターの攻撃力の半分の攻撃力を奪う!!」

 

 

Bloo−D/ATK1900→3600

 

 

「攻撃力…3600…!!!」

 

「さあ、お返しだ…バトルフェイズ、Bloo−Dのダイレクトアタック、ブラッディ・フィアーズ!!」

 

「うわあああああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

Bloo−Dの翼から滲み出た血が無数の槍の雨となりエドへと襲いかかった。

 

 

エド/LP4000→400

 

「ターンエンド」

 

 

DD

LP2000 手札2枚

Bloo−D/ATK3600

ドグマガイ(装備状態)

 

 

―エドのターン―

 

 

「僕のターン!!ダイアモンドガイの効果(エフェクト)墓地(セメタリー)に送られていた終わりの始まりの効果(エフェクト)で3枚ドロー!!」

 

 

Bloo−Dに捕らわれているドグマガイを見てエドは苦い顔をした。最大攻撃力を誇るドグマガイが相手の手に渡った事は今までにも何度かあった。しかし装備されることは初めてだった。

 

 

「(ロイとリオの話だとあの2人は対Bloo−Dのカードのはず。だとしたら考えられるのはまずリオはD-フォースの対策…残されたBloo−Dをロイで対処することになるはずだ…けど、リオがない今…)手札からミス・フォーチュンを発動!!Bloo−Dの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!!」

 

「D-フォースの効果発動!!このカードがデッキの一番上で表側である時、Bloo−Dはお前の魔法・罠の効果を受けない!!」

 

 

D-フォース

通常魔法

自分フィールドに「D-HERO Bloo−D」が存在する場合

発動することができる。

発動後このカードは自分のデッキの一番上に表で置く。

このカードが表側でデッキの一番上にある時、自分フィールドの「D-HERO Bloo−D」は相手の魔法・罠の効果を受けない。

「DHERO Bloo−D」がフィールドから離れた時、

このカードを自分のデッキの一番上から除外する。

自分ターンのドローフェイズ、このカードが表側でデッキの一番上にある時、ドローするカードはこのカードの下のカードとする。

 

 

「っ…(やはりD-フォースはBloo−Dに魔法・罠の耐性を与えるためのカード)手札からD-HEROデビルガイを召喚!!」

 

デビルガイ/ATK800

 

「デビルガイの効果(エフェクト)発動!!Bloo−Dを除外する!!デスティニーロード!!」

 

「無駄だ!!Bloo−Dがいる限り貴様の場のモンスター効果を無効する!!」

 

Bloo−Dに伸びていた鎖が光の粒となってくだけ散った。

 

「クッ…カードを伏せてターンエンドだ!!」

 

エド

LP400 手札3枚

デビルガイ/ATK600

伏せカード2枚

 

―DDのターン―

 

「俺のターン!!手札から魔法カード D-ブーストを発動!!デッキの一番上にD―フォースが存在するとき、その下のカードを2枚ドローする!!」

 

D-ブースト

通常魔法

自分のデッキの一番上に「D―フォース」が表側表示で存在するとき発動することができる。

デッキの一番上に存在する「D―フォース」の下のカードを2枚ドローする。

 

 

 

「バトルフェイズ、Bloo−Dでデビルガイに攻撃!!ブラッディ・フィアーズ!!」

 

「リバース罠D-ディフェンドを発動!!デッキに存在するD-HEROを墓地に送ることで戦闘ダメージを0にする、ダークエンジェルを墓地へ!!」

 

 

D-ディフェンド

通常罠

ダメージ計算時デッキに存在するレベル4以下の「D-HERO」と名のついたモンスターを墓地に送ることで発動する事が出来る。

この戦闘で受ける戦闘ダメージを0にする。

 

ダークエンジェルは自身の効果で復活する効果がある。それを使えればーー残ってる問題はフィールドに合計レベル7でモンスターを2体そろえることだ。

 

 

「クックック……」

「…何が可笑しい」

 

 

不適な笑みを浮かべるDDにエドがそう言った。一般的に見たらまだDDの方が有利だと思う。だが彼の笑いはどうもそのことで笑ってるとは思われない。

 

 

「手札から魔法カード、渇血を発動!!このターン墓地に送られたモンスターをすべて除外する!!」

「な…ん…だと…!!!」

 

渇血

通常魔法

自分フィールドに「D-EHRO Bloo−D」が存在する場合発動することができる。

このターン墓地に送られたモンスターをすべて除外する。

その後、除外されたカードの枚数分だけ持ち主はドローする。

 

 

どうしてこのタイミングで、なぜわざわざ今使ったのか。

 

 

「エネミーズのゴスペルから聞いたんだ。チェルトってのがお前のデストロイガイってのとダークエンジェルにやられたってな」

 

「見透かされて…いたのか…」

 

除外されたダークエンジェルとデビルガイの数だけエドはドローした。しかし彼のデッキの中で除外されているモンスターを戻す手段なんて皆無に等しかった。

 

 

「カードを伏せる。俺はこれでターンエンドだ」

 

DD

LP2000 手札2枚

Bloo−D/ATK3600

ドグマガイ(装備状態) 伏せカード1枚

 

―エドのターン―

 

「僕のターン…!」

 

魔法・罠もBloo−Dには通用しない。モンスター効果すらスキルドレインと同じ状況のため発動できない。しかし魔法も罠もBloo−Dとは関係ないカードは使用可能だった。

 

 

「手札からD-フラッグを発動!!墓地のD-HEROを2体除外してデッキからレベル4以下のD-HEROを特殊召喚する!墓地のディアボリックガイとデビルガイを除外してデッキからドゥームガイを特殊召還する!!」

 

 

D―フラッグ

通常魔法

自分フィールドにモンスターが存在しない時、墓地に存在する「D―HERO」を2体除外して

発動することができる。

デッキからレベル4以下の「D―HERO」を特殊召喚する。

 

ドゥームガイ/DEF1000

 

フィールドにシャープな体のD―HEROが現れた。

 

「さらに手札から永続魔法デスティニー・リロードを発動してターンエンド!!」

 

エド

LP400 手札4枚

ドゥームガイ/DEF1000

伏せカード1枚 デスティニー・リロード

 

―DDのターン―

 

「俺のターン!!(ディスティニー・リロード…確かあのカードは破壊されると手札をすべてデッキに戻して同じ枚数カードをドローする効果を持ったカードトレーダー)」

 

ディスティニー・リロード

永続魔法

自分のターンのスタンバイフェイズ手札に存在する「D-HERO」と名のつくモンスターをデッキに戻してカードを1枚ドローすることができる。

このカードが破壊されたとき、手札のカードをすべてデッキに戻してシャッフルする。

その後、同じ枚数カードをドローする。

 

 

「俺はカードを一枚伏せ、バトルフェイズBloo−Dでドゥームガイに攻撃!!ブラッディ・フィアーズ!!」

 

「クッ……!!」

 

 

無数の血の雨がドゥームガイに襲いかかった。そして鋭く尖ったそれが突き刺さりドゥームガイは爆散した。

 

 

「リバース罠、破壊神の系譜を発動!!相手の守備モンスターを攻撃したとき、レベル8モンスターは2度目の攻撃を行える!!」

 

「なんだと!?」

 

 

 

再びBloo−Dの広げた翼に血が滲みだしていた。そしてまた無数の血の雨が今度はエドに向かって放たれた。

 

 

「リバース罠ガードブロックを発動!!」

 

「なに!?」

 

 

長期休暇中にユウから渡されていたこのカードはどんなデッキとでも相性が良かったからお守り代わりに入れていたのだ。それがまさか役に立つとは思ってもなかった。

 

 

「戦闘ダメージを0にしてカードを一枚ドロー!」

「いいさ、たった1ターン。生き延びただけだ。ターンエンド」

 

 

DD

LP2000 手札1枚

Bloo−D/ATK3600

ドグマガイ(装備状態)伏せカード1枚

 

―エドのターン―

 

「僕のターン、ドロー!!スタンバイフェイズ「砂塵の大竜巻を発動!!」なっ…」

 

手札のディフェンドガイをデッキに戻そうとした瞬間大竜巻がカードを吹き飛ばしてしまった。

 

「さあ、すべての手札をデッキに戻せ!!」

 

「……………クク」

 

「?」

 

 

 

カードを破壊され、苦痛に歪んだエドの顔が――笑っていた。

それに一瞬意味が分からなかったがDDも「ふふ」と笑った。

 

「既にあきらめて自暴自棄になったか…」

 

「いいや…DD、あなたのおかげでまだ活路はある…速攻魔法、ディメンション・ディスティニーを発動!!除外されているD-HEROを2体選択し、デッキに戻す!!」

 

 

ディメンション・ディスティニー

速攻魔法

除外されている「D-HERO」を2体選択し発動する。

選択したカードをデッキに戻しシャッフルする。

 

「効果でダークエンジェルとデビルガイをデッキに戻す、その後手札をすべてデッキに戻してカードをドローする!!手札は4枚だ!!」

 

「…!!まさか、このドローでダークエンジェルをドローする気か!?」

 

 

まだエドのデッキは20枚以上ある。その中でダークエンジェルを引けるのは20何分の4だ。しかもドローするたびに確率は下がる。

 

 

「無茶だな。たった一枚しかないカードをドローする可能性は0に等しい!」

 

「ああ、0なのかもしれない。けど…ユウは、十代は、紫苑は、みんなは!!絶対にあきらめない!!カードを4枚…ドロー!!」

 

引いたカードを見たエドはすぐさま次の動きに取りかかった。

 

 

「ドゥームガイは戦闘破壊された次のターンのスタンバイフェイズ、墓地のD-HEROを特殊召喚する、カモン、ダイハードガイ!!」

 

 

デビルガイ/ATK800

 

 

「さらに死者蘇生を発動!!墓地に存在するダイヤモンドガイを特殊召喚!!」

 

 

ダイヤモンドガイ/ATK1400

 

「レベル7…まさか…貴様…!!」

 

「ああ、引いたよ。通常召喚、ダークエンジェル!!来い、リオ!!」

 

『お呼びですね、マスター』

 

フィールドにチェルト戦と同じように黒いドレスをなびかせたリオが現れた。

 

 

「レベル4のダイヤモンドガイ、レベル3のデビルガイにレベル1のダークエンジェルをチューニング!!」

 

 

『影の中に潜む破壊の漆黒が闇の正義に力を与える

                 全てを滅する軍神となれ』

 

澄んだリオの言霊がエドの勝利の鍵を呼び覚ました。

 

 

☆4+☆3+☆1=☆8

 

「シンクロ召喚!!勝利を我が手に、D-HEROデストロイガイ!!」

 

『ようやく巡り会えたぞ…Bloo−D!!』

 

 

デストロイガイ/ATK3000

 

ロイは出現するとうれしそうにBloo−Dを睨んだ。彼にとって同じ生みの親であるエドの父を殺されたことが許せなかったのだ。しかもそれが兄弟のような存在であるBloo−Dだから余計に許せなかった。

 

 

「だ、だがBloo−Dがいる限り貴様の場のモンスター効果は無効化される!!」

「デストロイガイは相手のモンスター効果を受け付けない!!」

 

『その程度の重圧、無きに等しい!!』

 

 

デストロイガイはBloo−Dの威圧をモノともしなかった。すると突然Bloo−Dは一歩下がった。精霊と同じような存在のBloo−Dは恐ろしかった。デストロイガイの威圧が、殺意が、全てが。

 

 

「デストロイガイの効果発動!!手札のディヴァインガイをコストにBloo−Dを消しさる!!」

 

「っ…いいのか?エド」

 

 

効果を仕掛けようとした時、DDがそう問いかけた。もうエドはDDに父親の敵を討つことを決め込んでいる。

 

今さらDDの言葉に惑わされることは――

 

 

「Bloo−Dもろとも父親の魂を潰す気か?」

 

「!?」

 

 

その言葉にエドの思考が一瞬止まった。

父の魂がBloo−Dの中に?一体何のことなのか、理解しようとBloo−Dの体をよく見てみると――

 

 

―タスケテくれ―

 

「なっ…!?」

 

―クルシイよ―

 

―コロシテクレ―

 

 

Bloo−Dの翼にいるドグマガイ、そしてその周囲に無数の人間が埋め込まれていた。若い女性、年配の老人、中年の男性――なかにはエドと同じぐらいの少年もいた。

 

 

―エド…エドなのか…?―

 

「父…さ…ん?」

 

―大きくなったな……エド―

 

その中の眼鏡をかけた男性――そう、エドの父親だ。

 

 

「Bloo−Dは使用したデュエルで倒した相手の魂を喰らい尽くす。そして…俺が初めてこいつで魂を食ったのがお前の父親だ。それでも殺す気なのか?」

 

「貴様ァ…!!!」

 

 

―エド、よく聞け……Bloo−Dに取りつかれていた…破滅の光はもうない、このBloo−Dはもはや脱け殻だ―

 

 

エドは自分の父の言葉に耳を傾けていた。喋るのがつらそうだが、それは間違いなくあの日を最後に聞くことの無かった声だ。

 

 

―破滅の光は今…斎王琢磨に取りついている―

 

「斎王に…」

 

―それと…あの子…瞬火の子はまだ生きている―

 

「ユウが!?」

 

 

どうして父親がそのことを知っているのか。Bloo−Dに吸い込まれた魂だから周囲の状況など分かるはずもない。

 

 

―斎王が再びこのカードを使って何かをしようとしていた…その時、彼はユウを殺すことを仄めかしていた―

 

「ッ…!!」

 

―だが……逆にいえば一度捨てたBloo−Dがなければあの子は殺せない。だからエド…皆を…その私が作ったHEROで…―

 

 

徐々に父親の姿がBloo−Dに消えていく。どうやら完全に取り込んで再び破滅の光と同等の力を得ようとしているのだ。

 

 

「父さん!!」

 

―エド…強く…な…―

 

 

父親の姿が完全に消えた。最後になんて言おうとしていたのかエドは分かった。その為に――何をすべきかも

 

 

「……ッ……!!ロイ!!」

 

『うむ、デストロイジェネシス!!』

 

Bloo−DはドグマガイもろともDDの墓地に送られた。そしてデストロイガイの右手には黒いエネルギーが集まっていた。

 

 

「これで幕引きだ…デストロイガイの直接攻撃!!」

 

『消えてなくなるがいい…!!』

 

 

父との最後の会話を聞き涙を流すエド、そして自らの生みの親を盾にしたことに慈悲の心を持たないロイに一歩後ずさるDD

 

 

「や、やめ――」

 

 

 

「『デステニーデスロード!!』」

 

 

デストロイガイの闇の砲弾がDDに襲いかかった。

 

 

「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

DD/LP2000→0

 

 

―アカデミア:ホワイト寮―

 

「う~あっちいな~」

 

「ああ、何だって斎王様はこんな日に見張りだなんて」

 

ホワイト寮の出入り口に2人の光の結社がいた。この日は暑く、汗を流して見張りをしていた。しかし斎王はなぜ見張りをさせるのか説明していなかったようだ。

 

 

「それは俺たちが来るからだ」

 

「そうなのか…誰だ!?」

 

 

一人が振り返るとその顎に拳が入った。前回同様見事なアッパーカットだ。

 

 

「なっ、お、お前ら!!」

 

「宣戦布告しただろ?開戦だ!!」

 

 

 

そこにいたのは最強の集団(チーム)だった。

 

 

 




剱都「開戦…ね」
そう、これが11日目にして始まった『12日後の戦争』
襲撃メンバーは剱都を筆頭に紫苑、ジュード、雪乃、荒木、十代、剣山の7人。
待機組は意識不明のシゲルに戦意喪失のツバキ、寝返った如月と監視のためにジュンコと翔。
ちなみにウリィたちはカードの中で眠ってる状態。


紫苑「エドさんも決着を…」
VS(ヴァーチャルシュミレーター)でDDが誰かとともに斎王の占いの館に現れた事、シゲルが襲われるまで調べていたのは当時のDDの行動と館に来た人物を調べていた。
シゲル「それがゴスペルだった」
転生者はジュードの様にだいぶ昔に転生したのもいれば荒木のようについ最近転生したのもいる。ゴスペルはどちらかというと前者だね。

次回予告

エドが自らの復讐に決着をつけているちょうどその頃、ユウとシゲルの敵討ちに斎王の元へ急ぐ剱都たちの前にかつての仲間が立ちふさがった。


「間に合ってくれ…」

「どっちが決闘女王にふさわしいか決めましょう」


力と力のぶつかり合い――その中で光るジュードの伏兵。
しかし降臨したのは最強最悪の破壊のドラゴンだった。


「リチュアには古来より伝わるとある禁忌があるとね」


turn71 リチュアの封印されし魔龍
最強カードは「イビリチュア・テルラ・ドラゴン」
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