―螺旋階段:踊り場―
「2人とも大丈夫かな…」
十代が残してきたジュードと雪乃を心配していた。しかし知らないだろうーー雪乃が完封で明日香に勝っていた事を。
「そっちよりも、こっちの方が心配かもな」
そういった剱都の目線の先には以前牧野の写真で見たローブ服に身を包んだ2人組が待ち構えていた。通路は迂回する事は出来ず、その先に進む道もジュード曰くここしかないのだ。
「…時間がねぇ、俺が戦う」
「私もやります」
剱都と紫苑がそういって5人の前に立った。一方敵の2人もそれを了承したようにデュエルディスクを構えた。
「お兄ちゃん、この2人…なんでしょ?」
「ああ…昨日、シゲルと戦ったやつだ」
「ええ、彼は強かったですよ」
―前日:2時半頃―
「っ…誰だ?ブルー寮から…」
『シゲル、くるぞ!!』
ウリィの言葉にシゲルは身構えた。敵地から来るとなると味方の可能性は限りなく0に近い。
もしかしたら味方の誰かが既に取り込まれて手引きしてる可能性もあった。
「ここが例のアジトですか」
「…悪いがもてなしの茶なんか無いぞ」
現れたのはローブを着た2人組――おそらく一人は翔と同じぐらいの身長、もう一人はツバキと同じぐらいで声と雰囲気からすると男子と女子だ。
「ええ、悪いですが貴方には…死んでもらいまっ!?」
言い終わる前にシゲルが近くにあったテーブルを蹴り上げて目くらましのように乗っていた書類が宙を舞った。
さすがにアジトで戦うのは分が悪い。特別仕様の箱庭はここでどれだけ騒いでも、暴れても外まで聞こえることは無いからだ。
そう思ってすぐさま出入り口から出ようと――
「アルカナブレイカー!!」
「っ!!」
書類の吹雪の向こうから強烈な破壊光線がシゲルの横を駆け抜けた。それをよけるために回避したため、書類が全て吹き飛んで姿があらわになってしまった。
「…!」
「さあ、勝負してもらいますよ。獣斬繁!!」
先ほどとは違うローブの人物が目の前にたっていた。完全に退路を断たれたシゲルは仕方なくディスクを構えた。
―回想終了―
剱都がアジトの隠しカメラに残されていた映像を簡潔に説明した。
「それが隠しカメラに残ってた最後の映像だ」
「なるほど、じゃあこれは…」
「「敵討ち」」
剱都と紫苑はそう口を揃えた。しかしそれにローブを着た少年は面白そうに笑っていた。
「残念だけど期待に沿えないかもしれないね」
「どういうことだ?」
「確かに昨日、あなた方のアジトに強襲をかけ獣斬繁と戦ったのは彼ですが…」
「いやぁ、強かったね」
そういった少年。すると一つ紫苑がある仮定を立てた。それならシゲルが瀕死ながらも生きてることや彼のカードが全て無事だったのも納得ができる。
「まさか…シゲルは負けてなかった?」
「そうだよ。危なかったよ」
「まあ、その様子ですと彼は既に虫の息のようですけどね」
少女の言う通りシゲルはまだ目が覚めていない。
おそらく今は荒木と翔が必死に看病していることだろう。
「おしゃべりはここまで、じゃあ行かせてもらうよ」
そういって少年がデュエルディスクを構えた。
―剱都&紫苑VS少年&少女―
※LP8000のTFルールです。
―剱都のターン―
「俺のターン!!手札のマシンナーズ・ウルフとマシンナーズ・フォートレスを墓地に送ってマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!!」
マシンナーズ・フォートレス/ATK2500
「カードを伏せてターンエンド!!」
剱都&紫苑
LP8000 手札3枚 手札5枚
マシンナーズ・フォートレス/ATK2500
伏せカード1枚
―少年のターン―
「ボクのターン、
フィールドに白い衣装に身を包んだガンマンが現れた。その2丁拳銃をしっかりと剱都に狙いを付けていた。
「
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/ATK1600/DEF800
このモンスターは攻撃力を半分にする事で相手に直接攻撃する事が出来る。
「クッ…!!」
剱都&紫苑/LP8000→7200
いきなりダメージを負ってしまった。しかし少年の場に攻撃力の低いモンスターが残されていた。
「カードを伏せてターンエンド」
少年&少女
LP8000 手札4枚 手札5枚
伏せカード1枚
―紫苑のターン―
「私のターン、エアーマンを通常召喚!」
フィールドに下級アタッカーである特殊効果HEROが現れた。それと同時にデッキからカードが一枚飛び出した。
「エアーマンの効果でデッキからHEROを1体手札に加える事が出来る、フォレストマンを手札に加えてR-ライトジャスティスを発動!!フィールドのE・HEROの数だけ相手の魔法・罠を破壊します」
「っ…!!」
破壊されたカード→光子化
どうやら破壊されたカードはコンバットトリックカードのようだ。
この流れだととどめを刺すのは不可能だが、このターンで一気にライフを奪う事が可能だろう。
「融合を発動!!手札のフォレストマン、アイスエッジを融合してE・HEROガイアを融合召喚!!」
フィールドにはいつぶりか、大地のE・HEROが現れた。するとガンマンから力がガイアに流れてきた。
「ガイアの効果発動!!融合召喚成功時、相手フィールドのモンスターの攻撃力を吸収する!!」
「ガンマンが…」
E・HEROガイア/ATK2200→3000
「バトルフェイズ、E・HEROガイアの攻撃、コンチネンタルハンマー!!」
「うわぁ!!」
少年/LP8000→5800
「追撃、フォートスとエアーマンの攻撃!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!あっ」
少年/LP5800→3300
フォートレスの放った砲撃とエアーマンの巻き起こした竜巻の衝撃で少年のかぶってたフードがずれて、少年の顔がはっきりと見えてしまった。
「なっ…!!」
「うそ…だろ…」
「…残念、嘘じゃないんだ」
――彼が消えたのは、彼が現れる前だった。
彼に最後にあったのは斎王だった。そしてその後一緒に行動していた万丈目が光の結社に所属するようになった。
「テメェ…!!」
どこを捜索しても見つからない。それは光の結社に捕獲されたからだと誰もが思っていた。だが、よく考えてみれば万丈目が光の結社に寝返っていたのだ。
「…お姉ちゃんが心配してたんだよ」
そう考えると、この可能性もあった。
「ユウ…!」
万丈目とともにブルー寮を占領したのはユウだった。
「驚いた?今僕はこっち側に寝返ったんだ」
「そっち側に寝返ったんじゃないんだろ…!!テメェは斎王に操られてるんだろうが!!」
「ううん、操られてなんか無い。僕は僕の意思でこっちにいるんだ」
「嘘だドン!!ユウ先輩があんなやつの言いなりになる訳無いドン!!」
「…いえ、本当でしょう」
剣山の言葉を否定したのはなんと紫苑だった。彼女は一年修行でユウの癖を全て見抜いていた。ユウは嘘をつくとき若干相手の右側を泳いぐ癖がある。
だが今ユウはしっかりと、全員を見渡している。その目には迷いが無くしっかりとしていた。
「さあ、紫苑。まだ君のターンだよ」
「…ターンエンド」
剱都&紫苑
LP7200 手札3枚 手札3枚
マシンナーズ・フォートレス/ATK2500 E・HEROガイア/ATK2200 E・HEROエアーマン/ATK1800
伏せカード1枚
―少女のターン―
「私のターン、フィールド魔法を発動」
少女がそう宣言した瞬間、あたりが闇に包まれた。
「なっ!!羽黒先輩!!」
「紫苑!!」
剱都、紫苑、ユウ、そして少女の姿が全く見えない。観客用のモンスターステータスも闇にまぎれて全く見る事が出来ない。
「うわああああああああああああああああああああ!!!!!!」
「きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!」
剱都&紫苑/LP7200→0
「なっ!紫苑!!」
「先輩!!」
突如として闇が晴れて、制服の一部や髪が焦げた剱都と紫苑が吹き飛ばされて出てきた。
フィールドにいたフォートレスやガイアが跡形も無く吹き飛ばされていた。しかもフォートレスの破壊効果も作用してなかった。
???/ATK4000
???/ATK5000
「攻撃力5000!?何だあの化け物は!!」
謎の少女のフィールドにいるのは驚くべき攻撃力を持つモンスターだった。
だが、それを差し引いてもなぜ2人が1ターンで倒されたのかわからない。
「さてと、貴方たちもここで死んでもらいます。ペルソナブレイカー!!!」
突然の攻撃に全員が対応できなかった。剱都と紫苑はダメージが大きく動けず、荒木と十代、剣山はどうする事も出来なかった。
「来いマキロ!!」
5人を守るかのようにに巨大な戦艦が出現した。それは間違いない、保健室で意識不明だった――
「シゲル!!」
「お前…目が覚めたのか!?」
「おかげさまでな、リベンジとしゃれ込みにきた。なぁ…!!テメェも昨日はそれが目的だったんだろ…!!――
――アイリス・イヴ・バラスティア!!」
その名に剱都と紫苑は驚いた顔をして他の3人は惚けていた。3人は全く聞いた事のない名前だが――紫苑と剱都は覚えていた
一年修行を始める日にユウから聞いた特徴――と言ってもローブや声などの漠然としたものだが、見事に一致している。
「…いいでしょう、獣斬繁。次こそは息の根を止めて差し上げます」
そういって互いにデュエルディスクを起動させた。が、アイリスの横にいたユウが不満そうだった。
「僕を無視しないっ!?」
「貴方の相手は私よ!!」
シゲルに攻撃を加えようとしたユウの前に現れたのは――
「っ!?」
「お、おい!」
「お姉ちゃん!?」
ツバキだった。だが十代が戻ってきた日の状態や先ほどまでの落ち込みようを考えると彼女が戦うのは得策ではない。
「ツバキ?いいの、僕と戦うことになっても」
「ええ、それで『あの人が言ってた事』を実現するだけ。そうでしょ?」
ツバキの言葉にユウは考える素振りを見せて納得したようだった。
―ツバキVSユウ―
「私のターン、マジカルコンダクターを召喚!!」
マジカルコンダクター/ATK1700
「さらにフィールド魔法魔法都市エンディミオンを発動!!」
フィールドが薄暗い通路からエンディミオンの路頭へと変わった。ちなみに先にツバキとユウが勝負を始めただけでスペースがいっぱいいっぱいになってしまいシゲルとアイリスはこの勝負の観戦をしている。
「魔法カードが発動されたとき、マジカルコンダクターに魔力カウンターを2つ乗る」
マジカルコンダクター/M0→2
「永続魔法、魔法族の結界を発動しカードを3枚伏せてターンエンド」
マジカルコンダクター/M2→4
エンディミオン/M0→1
ツバキ
LP4000 手札0枚
マジカルコンダクター/ATK1700/M4
伏せカード3枚 魔法族の結界/M0
魔法都市エンディミオン/M1
「って伏せカード3枚!?」
「確か…」
紫苑が思い出すようにそう呟いた。かつてツバキがユウの事をバカにしたバカな一年を滅するのにも同じ手段を用いていた。
しかしあのときとは全く状況が違う。
―ユウのターン―
「ボクのターン!!手札のカードを一枚コストに
効果モンスター
星5/光属性/獣族/ATK2000/DEF1000
このカードは通常召喚する事が出来ない。
手札の光属性モンスターを墓地に送る事で特殊召喚する事が出来る。
フィールドに真っ白な毛の色をした白い装飾の軍服を着た狼があらわれた。その背後にはなぜか同じような装飾をした剣士がいた。
「今墓地に送った
「そして
「バトルフェイズ、
「キャァ!!」
ツバキ/LP4000→3700
「リバース罠、魔導師の術印!!戦闘でモンスターが破壊されたときレベル4以下の魔法使い属モンスターを特殊召喚する事が出来る、ナイトエンド・ソーサラー!!」
ナイトエンド・ソーサラー/DEF400
フィールドにおなじみとなった鎌を持つ少年が現れた。
一閃横に鎌を振ると一枚のカードが真っ二つに切り裂かれた。
「効果で貴方の墓地の
エンディミオン/M0→4
魔法族の結界/M0→1
「なら次は
ケルベロスがナイトエンドの肩に噛み付いて力を込めた。苦しそうに顔を歪めるナイトエンドが破壊されたとき、エンディミオンに光がともった。
「罠カード、魔力結晶!!自分フィールドの魔法使い族チューナーが戦闘破壊されたとき、そのモンスターのレベルだけフィールドに魔力カウンターをのせる!!」
魔力結晶
通常罠
自分フィールドに存在する魔法使い族・チューナーが戦闘で破壊されるとき
そのモンスターのレベル分フィールドの魔力カウンターの乗せれるカード1枚に
魔力カウンターを乗せる。
魔法都市エンディミオン/M4→6
魔法族の結界/M1→2
「僕はカードを伏せてターンエンド」
ユウ
LP4000 手札2枚
伏せカード1枚
―ツバキのターン―
「私のターン、強欲で謙虚な壷を発動!!デッキの上から3枚確認し、その中からカードを一枚手札に加える」
・死者蘇生
・見習い魔術師
・ミラクルシンクロフュージョン
魔法都市エンディミオン/M6→7
「見習い魔術師を手札に加えてそのまま召喚!!カウンターを乗せる!!」
見習い魔術師/DEF400
魔法都市エンディミオン/M7→8
「これでターンエンド」
ツバキ
LP3700 手札0枚
見習い魔術師/DEF400
伏せカード1枚
魔法都市エンディミオン/M8 魔法族の結界/M2
ツバキ「ふふふふふふフフフフフフ腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐」
紫苑「お姉ちゃん戻って!!」
剱都「で、だ。お前しっかりと説明しやがれ」
懇切丁寧に精一杯説明致しますのでその手の銃をおろしてくださいいぃぃぃぃぃ!!
シゲル「さっさとしろ」
えっと…まずアジト襲撃はアイリスとユウが行っていた。そしてシゲルVSユウでギリギリのところまで追い込んだけど、カウンターを喰らって引き分け。
負傷したユウをアイリスは連れて寮に戻って治療、復帰という感じ。
剱都「まだ大事なことを聞いてない、どうしてユウが向こうなんだ?」
それは次回で…
紫苑「今回使われていた白騎士団というカードはアニメだと万条目が使っていたはずですよね?」
ジェネックス前でまだ切羽詰った状態じゃないからね、それに前回ジュードが倒しちゃったし。
次回予告
突如として始まってしまったツバキと白の結社に寝返ったユウとの戦い。
互いに一歩も引かない戦い、だがそんな時ツバキから予想だにしない言葉が告げられた。
「いい加減芝居をやめたらどうなの?」
否定するユウ、確信するツバキ、その矛盾がさらなる悲劇をもたらす。
「ごめんね、ボク」
壊れる心――そしてもうひとつの真実
「つまり…テメェをぶっ倒せば、親父の死について一歩前進というところか」
turn73 魔法使いと白騎士 真実と虚構 後編
最強カードは「白騎士団のパラディン」