遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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~第五章:ジェネックス編~
turn79 ジェネックス開催


生徒達の知らないところで起こっていた世界を賭けた戦い――

 

『12日後の戦争』から3日

アイリスとユウFに襲撃されたアジトは既に修繕され、コンピューターの復旧も終わったところだ。

 

 

「お疲れさん」

 

コンソールを叩いていた剱都に背後からやってきたシゲルがコーヒーをサイドテーブルの上においていた。

 

 

「いいのか?妹見てなくて」

 

「四六時中見てるわけじゃねーよ。それよりも状況はどうだ?」

 

 

そう言って新調したコンソール画面を見た。そこには様々な文字の羅列があった。

 

 

「ああ、準備は万端。あとは待つだけだな」

 

 

 

―翌日―

 

 

「なあ、緊急の集会ってなんだろうな?」

 

 

今全校生徒がデュエルリングに集まっていた。通常このホールではデュエルの腕試しなどに使われているが、行事の集会などで使用されることもあった。

 

 

「さあな、昨日鮫島校長が帰ってきたって言うのは聞いたけど」

 

「あ、始まるみたいだよ」

 

 

ユウの言葉の通り、鮫島校長がデュエルリング壇上へと現れた。

 

 

《諸君、久しぶりだと思う。ここのところ急な出張などでクロノス教諭に学校を任せていた。多少の不祥事があったようだが今回の集会はそのことではない》

 

「ん?光の結社関係の集会だと思ってたんだけどな…」

 

 

ジュードが言うとおりその関係の集会だと思っていた生徒はざわついていた。すぐにクロノスが静まるように手を鳴らすと鮫島が口を開いた。

 

 

《今年、本学校にある行事を導入することを決定した》

 

 

そう言ったとき、通常はLPなどを表示するモニターが作動しある文字を映し出した。

 

『ジェネックス』

 

《ジェネックスという大会を開催することを決定した。この大会は本校生徒全員に参加資格が与えられ、また世界中のデュエル学園の代表、プロ、セミプロ、アマチュアが参加するプロアマオープンの大会となる》

 

「つまりアカデミアでのバトルロワイヤルですねぇ」

 

 

如月がそう言ってるうちに画面が大会ルールへと変わっていった。

 

 

《参加者はこのメダルを授与され、そして10日後にメダルの獲得数が多い参加者で本戦を行う。メダルの獲得数によってトーナメントを優位に進められることができる。

デュエルは1日1度必ず行い、またその日最初の申し込まれた戦いは応じなければならない。そして勝者は全てのメダルを受け取ることになる》

 

 

「「「「……………」」」」

 

 

シゲルや剱都といった戦略に詳しいメンバーは冷や汗を掻いていた。メダルが多くなると狙われやすくなる。そうなれば大変めんどくさいことになる。

 

 

《そして優勝者には出来る最大限の範囲で優勝者の願いを叶えることができる!》

 

 

―アジト―

 

「ってことは俺達が全員敵同士になるってことだな」

 

 

剱都の言葉にメダルを握ったノーバディ、転生者、十代たちが頷いた。今まで共に戦ったことはあるが『全員敵』ということは初めてだった。

 

 

「初めてだね。そういうの」

 

 

 

「…どこまでお人よしなんだ」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

 

響いた声にすぐにツバキはそばのカーテンを捲った。

 

 

「…………」

 

 

そこには起きて、天井を見上げてるユウFがいた。彼はむくりと上半身を起こした。

 

 

「目が覚めたのね」

 

「…どうしてボクを助けたの?」

 

 

声をかけた雪乃にユウはぶっきらぼうにそう聞いた。それにユウはひとつ大きなため息をついた。

 

 

「君がボクなら分かると思うけど?」

 

「…………分からない」

 

 

フイッとユウFはそっぽを向いてしまった。それにユウとツバキは嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「………そんなにボクがわからないことが滑稽なのかい?」

 

「ううん、分からないのなら『貴方はユウとはちがう』のよ」

 

「!!」

 

 

ツバキの言葉にハッ、とユウFは振り返った。するとジュードは何かを彼に渡した。

 

 

「早速で悪いけど悪いがこれを見てくれないかな」

 

「これは…?」

 

「戸籍だよ」

 

 

確かにそれは戸籍だった。紫苑の時よりも精密に作られた偽物で名前が『聖牙夕夜』となっていた。

 

 

「流石に2人の『夕』ってのは無理だから、ユウ先輩の父親の兄弟の子、親戚の子供にした」

 

「『聖牙』…『夕夜』」

 

「漢字一文字加えただけだが、嫌か?」

 

「え?」

 

 

言葉にしただけでシゲルがなぜそんなことを聞くのか分からなかったが夕夜は自分が涙を流してることに気づいた。

 

 

「あ、あれ?なんで?涙が…止まらない…」

 

「泣きたかったら、泣けばいいよ。その後笑えば最高さ」

 

 

ジュードの言葉にとうとう夕夜は嗚咽を鳴らして泣いてしまった。

 

 

―一方購買―

 

「はいはいぃ~!最新のオッズ表ですよぉ~!」

 

 

購買で発売されているのは『牧々新聞:特別号』で教師達の提案で始まった優勝予想ゲーム。ちなみに命中者にはオッズに分配して購買の割引券が配布される。

 

 

「やっぱ順当なのが遊城十代や羽黒剱都か」

 

遊城十代:0.4倍

 

羽黒剱都:0.3倍

 

「いやいや、聖牙夕や獣斬繁もいい線だと思うぜ」

 

聖牙夕:0.6倍

 

獣斬繁:0.4倍

 

「ハァハァ、紫苑タン」

 

姫野紫苑:0.8倍

 

「ツバキ先輩や明日香様にがんばって欲しいかな」

 

姫野椿:0.7倍

 

天上院明日香:0.8倍

 

危ない奴が混ざってた気がするが気のせいだと思いたい。しかし危ないやつは数時間後アカデミア港に浮かんでいた。

 

 

―アジト―

 

 

「落ち着いたか?」

 

「…うん」

 

 

荒木の言葉に夕夜は頷いた。すると剱都は椅子を持ってくるとベットの横に置いてその上にドカッと座った。

 

 

「起きてすぐで悪いが、お前はこれからどうする?」

 

「……………」

 

 

「ちょっと、剱都」

 

 

剱都の言葉にジュンコが口を出すがシゲルに止められた。

 

 

「お前はユウのコピーじゃない。だからどうする?学園に残るのもよし、どこか静かなところに住むのもよし、お前がしたいことに俺達は出来る限りの協力をする」

 

「どうして…」

 

 

夕夜がその続きを言う前に剱都が手で制した。

 

 

「その質問の答えはさっきお前が答えただろ。馬鹿なぐらいお人好しなんだよ。俺たちは」

 

「…なにそれ」

 

 

苦笑しながら夕夜がそう言った。そして決めたのかじっと戸籍の名前を見ていた。

 

 

「…ボクは聖牙夕のコピーじゃない、聖牙夕夜なんだ」

 

 

そう言って夕夜は目を瞑った。彼が思い出している光景は錯乱してる中で自分に優しい言葉をかけてくれた――

 

 

『けどユウと一緒の存在で居続ける必要はないのよ!!』

 

 

「ボクが…聖牙夕夜がどういう人なのか知りたい。だから…みんなと別れて旅がしたい」

 

 

―翌日:港 朝7:00―

 

 

「忘れもん…っても、なにもねーか」

 

 

荒木の言葉に夕夜は苦笑いをしていた。彼の希望で早めがいいということで翌日の出発になった。彼の見送りに戦争の参加者が集まっていた。

 

 

「夕夜、これを渡しとくよ」

 

「これは?」

 

 

夕夜が受け取ったカードは「戦いの精霊(ヴァルキリー)」と「魔道龍士スピット・オブ・ロード」だった。

 

 

「それはボクとツバキ、そしてシゲルの繋がりのカードだよ」

 

「…いいの?」

 

「うん、いつか君にも2人のような仲間が出来るようにってお守り。いつかそういう人ができたら…返しに来てね」

 

 

夕夜はしばらくその2枚のカードを見てうなずくとそのカードをジャケットの内ポケットに収めた。

 

やがてフェリー乗り場に停泊していたフェリーの汽笛が鳴らされた。

 

 

「そろそろ時間ですわね」

 

 

 

「ねえ、ツバキ」

 

「え?」

 

 

夕夜は自分の荷物からデッキケースを取り出した。それは彼が使っていた『白騎士団』のデッキだった。

 

 

「けどこれ…あなたの」

 

「うん、これはボクがユウのコピーだったときのデッキ。今のボクには必要ないから、君に預かって欲しい」

 

 

そういわれたツバキは受け取らないわけにはいかなかった。が――

 

『ちゅ』

「…え…!?」

 

「「「「「「「「「「ええええええええええええ!?????!?!?!?」」」」」」」」」」」

 

 

夕夜がツバキの頬にキスをしたのだ。突然のことにツバキもユウも他のメンバーも驚愕している。

 

 

「じゃあみんな。また今度」

 

 

足早に夕夜はそう言い捨ててフェリーに乗った。間もなく船は動き出し、港から離れていった。

 

 

「あ…」

 

「…………」

 

 

キスをされたツバキはまだ呆然としており、ユウもなんともいえない表情だった。

 

 

「あいつ、本当にユウじゃないな」

 

 

長い付き合いとなるシゲルはユウではやらない夕夜の行動にそう苦笑いしながらつぶやいた。

 

 

「おら、お前らそろそろ朝の集会だぞ」

 

 

そう言った剱都を先頭に各々教室へと向かった。やっと回復したツバキまだ呆然としているユウと共に校舎へと歩き出した。

 

 

―フェリー:甲板―

 

「…………」

 

 

フェリーで童実野港まで約1時間。船室をとっていない夕夜は甲板で海を見ていた。その右手には先ほどユウから渡された2枚のカードがあった。

 

彼の中にある記憶――制裁タッグでの一戦。

最後までユウを信じていたシゲル。

 

そして4日前に始まり、終わった『12日後の戦争』でユウがフィニッシャーとしてツバキの精霊と融合させたモンスター。

 

 

「ボクにも彼らのような…ね」

 

 

―同日:放課後―

 

「なんだかんだで名残惜しいな」

 

「そうだね」

 

 

レッド寮で荷物を纏めているのはユウ、シゲルに自室でも剱都が。

一方ブルー女子ではツバキと紫苑も自分の荷物を纏めていた。

 

 

「ユ、ユウ!!」

 

「あれ?十代?」

 

 

慌てた様子で十代と翔がやってきた。それにダンボールに荷物をつめ終わったユウが応対した。

 

 

「あれ?じゃねーよ!どうしたんだよ?まるで出て行くみたいにさ」

 

「何があったんッス!?」

 

 

「おめぇら忘れたのか?」

 

 

そう言いながら剱都が手伝いに来ていたジュードを引き連れてやってきた。ジュードも十代のの様子に微笑ましく笑っている。

 

 

「今日から俺ら、寮が変わるんだぜ」

 

「「……あ」」

 

 

―チーム寮:ノーバディの部屋―

 

 

剱都の呼びかけに応えた生徒達の手伝いで荷物が運び込まれたのが20分前。

ツバキと紫苑のほうも多くの女子生徒が手伝ってくれたおかげで滞りなく終わった。

 

そして購買で買い込んで来たジュースと菓子、シゲルとツバキ手作りケーキが並べられていた。

 

 

「それでは、リーダーに一言頼みたいですね」

 

 

紫苑の言葉に剱都が持っていたコーラを掲げた。ちなみにここにはノーバディの5人しかいない。

 

 

「えー、元々チームとなる前から世界の矛盾として集まり、寄り添った俺達だから多くは言わない。何があっても、仲間との繋がりを大切に、チームを大切にしよう、乾杯!」

 

「「「「乾杯!!」」」」

 

 

互いにガチャンとグラスを合わせると全員それを一気に飲み干した。

ちなみに他の部屋でも同じようにチームの宴会が始まっていた。

 

 

「にしても、レッドに比べるといい部屋だよな」

 

 

ふとシゲルが部屋を見渡してそうつぶやいた。コテージ風な大部屋に個人用の6部屋、最大6人の人間が寝泊りできる状態だ。

 

 

「ああ、幸いターミナルも難なく稼動してるし…」

 

 

剱都の言うとおりこの大部屋の共用パソコンでターミナルの扉が開く。

レッドの時と比べるとアジトが遠くなっており移動に2秒ほどの差があるが

今後のバージョンアップでそのラグも無くなるだろう。

 

 

「なんだかどんどんアカデミアが魔改造されてる気がするよ・・・」

 

 

―数日後―

 

《あーあー、マイクテストなノーネ!》

 

 

島のいたるところにあるスピーカーからクロノスの音声が流れた。島には闘争心むき出しの生徒のほかに最近テレビを騒がしているプロリーグのデュエリストや必死にアマリーグを生き残っているデュエリストがチラホラしている。

 

「お、おいあれ…」

 

「ヘルカイザー亮…!!」

 

「その名の通りプロリーグの帝王(カイザー)まで参加してるのか…!!」

 

 

また港の停泊所では簡易停留所が組まれており、小型船でやってきた島外のデュエリストが船を止めている。

 

 

「あのマーク…確か現アマリーグチャンプのリッカー・ファウストの家紋だぞ」

 

「まじかよ…向こうに見えるのってヘルカイザーと『プロの双璧』って言われてるエド・フェニックスのクルーザーだぞ」

 

「うわぁ…勝てるわけねぇよ」

 

 

だが多くの生徒はプロ・アマの有名人を見て意気消沈という感じだった。

しかしそれはブルー寮の生徒や一年生だけで、レッド寮の生徒はプロのデュエリストに一度でもいいから腕試ししてみたいという感じだった。

 

彼らがそういう風に考えたのはユウや十代たちの影響だった。

 

 

《それでは、今ここに第一回ジェネックス予選を開始を宣言する!》

 

鮫島校長の言葉が島に響いた。

 

 

「「「「「「「「デュエル!!」」」」」」」」

 

 

―一方:童実野港―

 

 

「これが…ね」

 

 

港である少女がジェネックス参加用のメダルを握り締めていた。

彼女の友人の父親が参加する予定だったのだが、家族で予定が入ってしまい渡されたのだ。

 

 

「…元気かな、みんな」

 

 

―アカデミア―

 

 

レッド生徒

LP1400 手札3枚

ベン・ケイ/ATK5700

魔導師の力 メテオ・ストライク 融合武器ムラサメブレード デーモンの斧 進化する人類

 

「さあ先輩!!ここからどうやってくるんですか?まさかサレンダーな分けないですよね?」

 

剱都

LP2400 手札3枚

マシンナーズ・フォートレス/ATK2500

伏せカード無し

 

 

レッド生徒は序盤からベン・ケイを中心に装備魔法と戦士族モンスターで剱都を攻めていた。破壊カードで何とかカウンターするも完璧すぎる装備魔法のコンボにほぼ打つ手がなくなっていた。

 

「当たり前だ、俺のターンドロー!…ん?」

 

『主!今こそ我の出番ですぞ!』

 

 

ドローしたカードを見た剱都はにやりと笑った。

 

相手のデッキは【ベン・ケイワンキル装備デッキ】だったが、そのウィークポイントを責めるには剱都のデッキは最良だったのだ。

 

 

「来るのがおせーよ、マシンナーズ・ブルースを召喚!!」

 

『真の従者は主の求める時にこそ来るものですぞ!』

 

マシンナーズ・ブルース/ATK100

 

 

「レベル7のマシンナーズ・フォートレスにレベル1のマシンナーズ・ブルースをチューニングだ!!」

 

『いざ参る!』

 

飛び上がった機械の武士がひとつのリングになると戦車が7つの星へと変わった。

 

 

「機械の魂を持つ翼竜よ、その鋼鉄の翼で仲間を敵の脅威から守りたまえ!!」

 

☆7+☆1=☆8

 

 

「シンクロ召喚!!クロック・ゴールド・ドラゴン!!」

 

『グルゥゥゥゥゥゥァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

 

クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300

 

機械の銃身を体に生やした巨大な翼竜があらわれた。

 

「クロック・ゴールドの効果発動!!シンクロ召喚成功時、相手フィールドの表側表示の魔法・罠を全て破壊する!!オートファイア!!」

 

「そ、そんなぁ…俺の装備カードがぁ…」

 

 

レッド生徒のフィールドにあった装備魔法全てにクロックが銃弾の雨を降らした。

 

ベン・ケイ/ATK5700→500

 

 

「バトルだ!!クロックでベン・ケイに攻撃!!ジェノサイド・イグニッション!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!」

 

 

レッド生徒/LP1400→0

 

 

―一方:森―

 

 

「フゥ~、youの腕は中々…だが…meにはまだまだ」

 

 

リッカー・ファウスト

LP2100 手札1枚

トライデント・ドラギオン/ATK3000

竜の逆鱗 ドラゴンの宝珠

 

 

「チッ、流石アマのチャンプ、つえーな」

 

 

荒木

LP1300 手札0枚

モンスター無し

連合軍

 

 

序盤からクイック・シンクロンとジャンク・シンクロンを中心にウォリアーズで攻めていた荒木だったが、リッカー・ファウストの代名詞とも言えるトライデント・ドラギオンを出された瞬間戦局が一変した。

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

「学園の大会と軽く見ていたが、初戦から心高ぶる…youとは中々いい勝負だった」

 

 

リッカー・ファウストは既に自分の勝利がゆるぎないものだと思っていた。

 

 

「生憎、この大会であんたは俺との戦いが最初で最後だ」

 

「why?」

 

「来い、シンクロン・エクスプローラー!!」

 

 

シンクロン・エクスプローラー/ATK0

 

 

「その攻撃力0のモンスターでどうにかできるとは思えないが…」

 

「こいつの効果で墓地のシンクロンと名のついたモンスターを特殊召喚する、戻れクイック!!」

 

 

クイック・シンクロン/ATK700

 

 

「hum、そのモンスターはレベル5のチューナー…何が来る?」

 

「レベル2のエクスプローラーにレベル5のクイックをチューニング!!いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ!」

 

 

☆2+☆5=☆7

 

「シンクロ召喚!!吠えよ、ジャンク・バーサーカー!!」

 

 

ジャンク・バーサーカー/ATK2700→2900

 

 

フィールドに現れたのは戦いの鬼神だった。すると持っていた斧を振り上げてトライデント・ドラギオンを狙った。

 

 

「ジャンク・バーサーカーの効果発動!!墓地のジャンク・リッパーを除外してトライデント・ドラギオンの攻撃力を下げる!!」

 

「What!?」

 

 

ジャンク・バーサーカーの振り下ろした斧の衝撃波を食らったトライデント・ドラギオンの体に巨大な傷が入った。

 

 

トライデント・ドラギオン/ATK3000→700

 

「バトルだ、スクラップ・アックス!!」

 

「Woooooooooooooooooooo!!!!!!」

 

 

リッカー/LP2100→0

 

 

―購買横:休憩所―

 

 

普段は購買で購入した弁当などを食べるための食堂的な役割の場所だが、ここで島で行われている決闘をランダムで映しているのだ。

早々にリタイアした参加者はここで勝負を見守っていたりしている。

 

 

「オー、ヤッパリ プロ ハ スゴイデスー」

 

「う~ん…上谷とケンが早々にやられたか…」

 

「てかリッカー・ファウストが初戦敗退ってのが予想外すぎるぞ」

 

 

『ジェネックス・ベット』と呼ばれるようになった賭けにとうとう予想屋まで現れるようになった。『牧々新聞:特別号』のオッズ表を片手に今日アカデミアに現れたプロ・アマのデュエリストの名簿を見比べていた。

 

そして大本命に勝利した参加者のオッズが刻一刻と変化していた。

 

 

「やっぱ大本命はヘルカイザーだな。が、遊城十代と戦った場合は五分五分…」

 

「いや、今の学園のカイザーとも呼ばれる羽黒剱都とかだと…」

 

 

そして組み合わせによる勝敗での生き残るであろうデュエリストを予想していた。

 

するとモニターに映し出されていた映像を見ていた一人の女子生徒が叫んだ。

 

 

「ちょ、ちょっと見て!!この二人…!!」

 

「うお…初日でこの組み合わせか…」

 

 

―アカデミア校舎:屋上―

 

 

ジェネックス開始後、シゲルは適当な相手と戦っていた。そのほとんどは同じチーム寮の生徒で憧れだったということで挑んできたのだ。

 

だが大半が剱都の方に行き、残りがシゲルが戦ったため実質チーム寮の生き残りはノーバディしか残っていなかった。

 

 

「………ふぁ~」

 

 

そしてシゲルの実力を重々承知してるレッドやイエローの生徒達は他の生徒と戦っており、暇だったのだ。

 

 

「相変わらずだね、シゲ兄」

 

「ん?ジュードか?」

 

 

呆れ半分の笑いでジュードと付き添いで雪乃がやってきた。

2人もそこそこのメダルを稼いできたのだ。

 

 

「響さんの容態はどうなんですか?」

 

「医者の見立てだと身体的なダメージはもう残ってないって。おそらくゴスペルの洗脳が精神的に大きく負荷をかけたんだろうって」

 

 

雪乃の言葉に寝転びながら空を見上げ、そう答えた。斎王も妹の美寿知と共にリハビリをしており、夕夜も数日前に旅に出た。

 

『12日後の戦争』で意識不明になってるのがアイリスとして行動していた響のみだった。

 

 

「……ねえ、シゲ兄」

 

「んあ?」

 

 

ジュードの呼びかけに眠そうになりながらも起きて振り返ったシゲル。

 

 

「デュエルしよう」

 

 

―休憩所―

 

「ナショナルスクールタッグトーナメント覇者のジュード・ファインとアカデミアの最強チーム『ノーバディ』の獣斬繁…共にソロでの結果(データ)はあまり無いがおそらく実力は上位を占めてる…!!」

 

「オッズは獣斬が0.4、ファインが0.5…!!」

 

「まさに共に本戦にいく大本命…!!」

 

 

いきなりの大勝負にモニター前にざわめきが走っていた。

 

「これは明日の新聞の一面ですぅ~!」

 

―屋上―

 

「ハッ、お前と戦うのはいつ振りだろうな?」

 

「さあね、少なくとも僕がリチュアを使う前かな」

 

 

互いに普段は仲のいい兄弟のような存在。だが今は違う。

トーナメントに進むための敵――

 

 

「あの頃の剣闘獣だと思ってるわけではないよな?」

 

「そっちこそ、僕のリチュアはシンクロなんかに負けないよ」

 

 

お互いにディスクを構えた。過去に戦った戦績ではシゲルが6勝勝ち越しだった。だがそれはジュードが前のデッキを使った場合だ。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

つまり――今の実力派五分五分だった

 

―ジュードのターン―

 

「先行は僕から、ドロー!!リチュア・アバンスを召喚!!」

 

 

リチュア・アバンス/ATK1500

 

 

フィールドにナタリアに似た少年が現れた。するとデッキの中から一枚のカードが飛び出した。

 

 

「アバンスの効果!!デッキのリチュアを一枚デッキの一番上に置く、シャドウ・リチュアをデッキの一番上に!!」

 

「つーことは次のターン…来るか」

 

「カードを伏せてターンエンド」

 

 

ジュード

LP4000 手札3枚

リチュア・アバンス/ATK1500

伏せカード2枚

 

―シゲルのターン―

 

 

「俺のターン!(シャドウの効果で次のターン、あいつの手札に儀式魔法が加わる)剣闘獣ラニスタを召喚!!」

 

 

ラニスタ/ATK1800

 

フィールドに鷹のような上半身を持つ剣闘獣が現れた。その手には槍が握られており、アバンスに狙いを定めていた。

 

 

「バトルフェイズ、ラニスタでリチュア・アバンスに攻撃!!」

 

「うぐっ」

 

 

ジュード/LP4000→3700

 

 

「(普通に食らったか。じゃあの伏せカードはフリーチェーン、攻撃反応ではなさそうだな)バトルフェイズ終了、ラニスタの効果発動!!このモンスターをデッキに戻してデッキから剣闘獣を特殊召喚する!!」

 

「(さて、何が来るかな?)」

 

 

ジュードもジュードでシゲルが何を召喚するか警戒していた。『ベーシック剣闘獣』の時から戦っていたため、通常の戦い方は分かっていた。

だが、『同調剣闘獣』の回し方は全て知ってるわけではなかった。

 

 

「デッキから剣闘獣ディカエリィを特殊召喚する!!」

 

 

ディカエリィ/ATK1600

 

フィールドにボクシングのような構えをしている牛が現れた。それを見たジュードは眉をひそめた。ラクエルやセクトルなら何を狙っていたのか分かるがディカエリィなら――

 

 

「(分かんない)」

 

「カードを伏せてターンエンド」

 

 

シゲル

LP4000 手札4枚

ディカエリィ/ATK1600

伏せカード1枚

 

―ジュードのターン―

 

「僕のターン、ドローしたシャドウ・リチュアの効果でデッキからリチュアの儀水鏡を手札に加える!!」

 

「来るか…?」

 

「儀水鏡を発動!!手札のイビリチュア・マインドオーガスを生贄に、イビリチュア・テトラオーグルを儀式召喚!!」

 

 

イビリチュア・テトラオーグル/ATK2600

 

 

フィールドに巨大な魚人が現れた。すると口から泡を吐き出すとシゲルとジュードのデッキに触れた。

 

 

「テトラ・オーグルの効果発動!!お互いに僕の選択した種類のカードをデッキから墓地に送る、ただし手札を切ることで無効にもできるけどね。モンスターを選択!!」

 

「手札は切らない。デッキからソード・リゾネーターを墓地に」

 

「僕はジールギガスを墓地へ、そして墓地の儀水鏡の効果!!ジールを回収して儀水鏡をデッキに戻す!!」

 

 

擬似的なサーチコンボだ。そしてジールはジュードのデッキが今の状態になる前から入っているカード、その強力さはシゲルでも知っている。

 

「バトルだ、テトラオーグルでディカエリィに攻撃!!」

 

 

振り上げた右手でテトラオーグルはディカエリィに襲いかかった。

両腕を交差してそれを受け止めようとするが、吹き飛ばされ爆散した。

 

 

「くっ…!!リバース罠高等戦術-フェイク&ショットを発動!!」

 

シゲル/LP4000→3000

 

 

ダメージを負ったシゲルの伏せられていたカードが開いた。

 

 

「このカードはフィールドのモンスターが戦闘破壊されたとき、手札から同じ攻撃力・守備力のモンスターを2体まで特殊召喚することができる!!」

 

 

高等戦術-フェイク&ショット

通常罠

自分フィールドのモンスターが破壊されたとき発動することができる。

手札・墓地から破壊されたモンスターと同じ攻守を持つ

モンスターを2体まで特殊召喚することができる

この効果で召喚したモンスターの効果は無効化され、

フィールドか離れるとき除外される。

 

 

「俺は効果で手札のダリウスとサムニテを召喚する!!」

 

 

ダリウス/ATK1600

サムニテ/DEF1200

 

 

フィールドにサーベルタイガーのようなモンスターと鳥人のようなモンスターが現れた。それを見てジュードは少し納得していた。

 

「なるほど、そのカードのためにディカエリィを…このままターンエンド!!」

 

 

ジュード

LP3700 手札3枚

イビリチュア・テトラオーグル/ATK2600

伏せカード2枚

 

 

―シゲルのターン―

 

 

「俺のターン!!」

 

「(フェイク&ショット出だしたモンスターは剣闘獣特有の融合なしの融合はできない…シンクロ素材に…?)」

 

 

剣闘獣の融合の大前提はフィールドのモンスターをデッキに戻して発動する。そのためこの状況では召喚するのは不可能だった。

 

 

「フレア・リゾネーターを召喚!!」

 

「!!」

 

 

フレア・リゾネーター/ATK300

 

召喚されたモンスターを見てジュードの笑みが引き吊った。

この流れだと――

 

 

「レベル4のダリウスにレベル3のフレア・リゾネーターをチューニング!!獣の命を喰らいし者よ、今ここに全ての魂を喰らい尽くせ!!」

 

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

 

「シンクロ召喚!!来い、ソウル・ブラック・ドラゴン!!」

 

『ガァァァァァァァァァァァ!!!!』

 

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400→2700

 

現れたのはシゲルの切り札だった。その効果はジュードは理解している。そして今の状況も

 

 

「ソウル・ブラック・ドラゴンでイビリチュア・テトラオーグルへ攻撃だ!!ブラック・シュート!!」

 

「流石にくらったら死ぬよ。リバース罠、水魔龍の導きを発動!!フィールドのイビリチュアと名のついたモンスターが攻撃されたとき、攻撃を無効にしてデッキからリチュアの錬成陣を手札に加える!!」

 

「水魔龍…錬成陣…?」

 

 

水魔龍の導き

通常罠

自分フィールドの「イビリチュア」と名のついた儀式モンスターが

攻撃されたとき発動することができる。

その攻撃を無効にしてデッキか「リチュアの錬成陣」を1枚手札に加える。

 

 

そのカードとある単語にに聞き覚えのないシゲルに危機感を覚えた。

 

 

「カードを伏せて、サムニテを守備に変更、ターンエンド」

 

シゲル

LP3000 手札1枚

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2700 サムニテ/ATK1600→DEF1200

伏せカード1枚

 

 

―ジュードのターン―

 

「僕のターン、リチュア・ビーストを召喚!!効果で墓地のシャドウ・リチュアを特殊召喚!!」

 

 

リチュア・ビースト/ATK1500

シャドウ・リチュア/DEF1000

 

 

フィールドに並んだ2体のモンスター。だがそれ以上にシゲルは嫌な予感がしていた。

 

 

「流石に気づいてるみたいだね。シゲ兄に一度も見せてない僕のモンスターを出すよ。魔法カード、リチュアの錬成陣を発動!!」

 

 

発動した魔法カードでフィールドにいた3体の足元に巨大な魔法陣が現れた。

だが、見る限りそれは儀式に用いるものではなかった。

 

 

「このカードはフィールドに存在するリチュアの儀式モンスターと2体のリチュアを生贄にエクストラデッキから水魔龍を融合召喚する!!」

 

「融合…だと…!?」

 

 

さすがにこの展開にシゲルは驚きを隠せなかった。一方デュエルを見守っていた雪乃はジュードが「驚く顔が見たいから」とずっと黙っていたのが可笑しくてクスリと笑った。

 

 

「儀水の里に伝わる最大の禁忌を今打ち破り、リチュアの名を持つ魔の龍を解き放て!!融合召喚!!」

 

 

錬成陣の中央から地面にヒビが入った。そしてその中から巨大な水龍が顔を覗かせ、飛び立った。

 

 

「イビリチュア・テルラ・ドラゴン!!」

 

『ゴォォォォォォォォォォ!!!!!』

 

 

イビリチュア・テルラ・ドラゴン/ATK3500

 

 

出現した大地をモチーフにしたドラゴンにシゲルは乾いた笑いを浮かべていた。

 

 

「おいおい…予想外にも程があるぞ」

 

「ふふ…驚く顔が見たくてね、テルラ・ドラゴンの効果発動!!墓地に存在するイビリチュアを除外することでその効果を発動することができる!!墓地のテトラオーグルを除外してお互いにデッキのモンスターを墓地に送る効果を使用する!!」

 

「(おそらくソウルオーガとかを墓地に送る気だろう…が、無効にするにも手札を切るのは痛い…)剣闘獣ミラードを墓地へ」

 

「僕はイビリチュア・ジェスターアニマを墓地へ、バトルフェイズでイビリチュア・テルラ・ドラゴンでソウル・ブラック・ドラゴンへ攻撃!!マディ・ストリーム!!」

 

 

イビリチュア・テルラ・ドラゴンの口に出現するときに砕けて舞っていた土埃が集まりそれが巨大なビーム状になるとソウル・ブラック・ドラゴンへ襲いかかった。

 

 

「させてたまるか!リバース罠ディフェンシブ・タクティクスを発動!!フィールドに剣闘獣がいる場合、ダメージを0にしてモンスターは戦闘破壊されない!!」

 

「さすがに無理だったか…ターンエンド」

 

 

ジュード

LP3700 手札3枚

イビリチュア・テルラ・ドラゴン/ATK3500

伏せカード1枚

 




とうとう始まった第五章。そして改定前はなんと次回まで
ユウ「というと?」
次回で投稿はスローペースになる。執筆作業しないといけないから。
長かった…約3ヶ月半

紫苑「では内容についてですが…」
シゲル「初戦は俺とジュードか…」
昔2人で何度も戦ってたって描写が何回かあったからね。ユウとエドみたいに久しぶりに戦ってるっていう話が好きだから序盤に持ってきた。

ちなみにジェネックスのルールは以下
・参加者はメダルをひとつ持っている。
・勝利すれば相手のメダルを総取り。
・メダルがなくなれば失格
・また、10日後に本線が行われるが、所持数が多い順に勝ち抜け。本線が埋まった場合、それ以降は失格。
・本線はトーナメント

ツバキ「じゃあ、第五章だと全員が敵?」
簡単に言うとそうだね。まあ、まだ数話ほどしか書いてないから誰が勝って、誰が負けるのかはまだ未定。
もしかするとノーバディや転生者が本線半ばで全滅なんてこともあるからね。
まあ、第五章は現段階だとやりたいことで悩んでるかな
紫苑「やりたいこと?」
前にノーバディのメンバーで戦った組み合わせがあったと思う。その後シゲルとツバキ、剱都って戦ったけど転生者含めてのそういう『仲間内の対戦』みたいなものをやるタイミングがなくて、そしてそれをやりたいためにジェネックスを使うことにした。
ユウ「えっと…残ってる組み合わせって…」
剱都「まとめといた。かぶってるのは省いている」

ユウ:ツバキ ジュード 荒木 如月
シゲル:紫苑 如月
ツバキ:剱都 ジュード 荒木 如月
剱都:紫苑 ジュード 荒木 如月
紫苑:ジュード 荒木 如月
ジュード:荒木 如月
荒木:如月

ユウ「結構転生者が多いね…」
そうだね、シゲルは荒木と今ジュードと戦ってるし…
そんな感じで転生者含め仲間内のメンバーで戦わせようとして組み合わせで悩んでいる。
といっても如月はどちらかというと諜報員的に荒木やジュードと比べると戦う回数は少ないけど
シゲル「そうなのか?」
5D’sにおける双子やZEXALにおけるナンバーズクラブのメンバーといった感じ、主人公メンバーのサポートという感じ。

長いあとがきですが短い次回予告

序盤にして優勝候補の戦い、シゲルVSジュードの勝負は熾烈を極めた。

「ブラッディ・フレアァ!!」

「マディ・ストリーム!!」

そしてこの大会の裏に暗躍する影――

「我が主のために…」

次回turn80 2体の魔龍 ソウルVSイビリチュア
最強カードは「次元誘爆」
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