遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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turn85 思いの力 雷死龍VS暴風龍

 

 

《これより、第一回ジェネックス本戦トーナメントを開始する!!》

 

 

 

そう宣言した鮫島校長がいるのはデュエルリング。だが大会本戦に出場するデュエリストはなぜか島の各地にある地下への入口にいた。

 

 

 

「(ったく…面倒なトーナメントルールにしやがって…)」

 

《各ブロックごとに分かれたデュエリストが進んだ先で出会ったデュエリストと戦い、最後まで残った者が決勝トーナメントへと進むことができる!!》

 

 

アカデミアの森の中、大きく『A』と書かれた入口の前にいるのは荒木とツバキ、特待生寮近くにある入口にはユウと雪乃と紫苑、校舎地下にはシゲルとエド、レッド寮裏の崖には十代と剱都とカイザーが振り分けられた。

 

 

「あいつは…レオン…!!」

 

そしてプラネットシリーズを持つ少年、レオンが十代と同じ『D』の入口にいた。

すると耳にはめた無線からノイズが走った。

 

 

『あ~、あ~、マイクテストですぅ~。大丈夫なら返事くださいぃ~』

 

「グループA、問題ない」

 

「B、異常なしだよ」

 

「Cも大丈夫だ」

 

「こっちはD、聞こえてるぞ」

 

 

大会本部である購買横の休憩室で如月がそれぞれのメンバーに情報を流していた。ここでは監視カメラを使用してプラネットを持つデュエリストが現れたらすぐさま知らせることができる。

 

 

「レオンを見つけたが、こっちにほかのプラネット持ってるやつらしきのは見当たらない、ほかはどうだ?」

 

 

剱都の連絡にほかのグループは反応しなかった。どうやら怪しい奴を見つけることができなかったようだ。

 

 

『あ、そうだ、あんまり関係ないことだけど一応言っておくわ』

 

「なんだ?」

 

 

音声がグループBの雪乃から入った。だがどうやら重要なことではないようだがー―

 

 

『グループBに響ちゃんがいるわ』

 

「…………」

 

 

そういえば、響が脱落したという話は聞いていなかった。今回は上位32人が出場ではなく、生き残った32人だったため入ってるのは普通だった。

 

 

『じゃあ、私も十代に知らせておくね』

 

「ん?」

 

 

今度はグループAのツバキから音声が入った。だがその横で荒木が「え?」と言ってるため、彼女は何が知らされるのかわからないようだった。

 

 

『レイちゃんがグループAにいるわ』

 

「…………………」

 

 

この時十代は、なぜかグループBのユウと雪乃が無言で助けを求めて、その横で紫苑が瘴気に似た魔力を纏わせている気配がした。

 

 

《では本戦トーナメントを開始する!!》

 

 

ーデュエルリング―

 

 

「さて…」

 

 

如月が本部で情報処理を担当して、ジュードはもしもプラネットを持ってるデュエリストが全員がトーナメントに参加せずに外にいる場合のためにナタリアと共に気配を探っていた。

 

 

「少なくとも400人弱の中から探すのは骨が折れるね…」

 

『仕方ないよ~ジュードが初日でシゲルに挑んだのが悪いんでしょ~』

 

 

確かに腕試しという感じで挑んだが、返り討ちにされて早々に退場したのだ。

すると観客席でなぜかざわめきが走っていた。

 

 

「なんだろう?」

 

『…あ、ジュード!!』

 

 

ナタリアが指差したのは地下の様子を映し出している監視カメラの映像を流していたディスプレイだが――

 

 

《時は満ちた…!!》

 

「あれは…!?」

 

 

 

映し出されていたのは仮面をつけた一人の男性だった。その手にはシンクロモンスターの枠だけ描かれていたカードが握られていた。

 

 

「な、なんだ!?」

 

《残念ながら今ここで、ジェネックスは我々が乗っ取った》

 

 

 

男性の言葉にさらに生徒がざわめいた。何かのイベントという雰囲気ではないことは教師の慌てようで明白だった。

 

 

「如月、トーナメントはどうなってる!?」

 

『ダメですぅ!!もう開始して無線も届きにくいエリアにいるようですぅ!!』

 

 

地下にある無線用のアンテナには隙間が多数存在している。そのため、運良くアンテナの近くではないと電波が届かない。

 

 

《下手な気を起こさないほうが身のためだ》

 

「…何が目的なんだ?三幻魔か?」

 

 

あの一件――管理局との戦いのあとで三幻魔の存在が都市伝説のように広まったのだ。今回の一件もそれと関わりがあると思った鮫島校長だったが、男性はクスリと笑った。

 

 

《三幻魔?そんな下等な存在に興味がない》

 

「では、一体何が目的だ!?」

 

《デュエリストのデュエルエナジー、それがもたらす復活――そして、復讐》

 

 

そこまで言ってディスプレイは沈黙した。ジュードは白黒のノイズが走る画面が、なぜか破滅の光のような禍々しさを放っているように見えた。

 

 

―デュエルフィールド―

 

 

「お、ここが一回戦か」

 

 

妙に広い空間と、来た道以外に道が合流している場所へとやってきたのはシゲルだった。

 

先程から電波の問題で音声が届かないが、如月やほかのメンバーからの通信が入らない。

 

 

 

「さて…俺の相手は…」

 

「私よ」

 

 

現れた人物の声で相手が女性――というか、顔見知りの相手だとわかった。

 

 

「なんでジュンコがいるんだよ…」

 

「なんでって、勝ったからよ」

 

 

 

そういえば昨夜、ももえがジュンコも出場することを言っていたような気がするがそれどころじゃなかっため聞き流していた。

 

 

 

「…悪いなジュンコ、この大会は危険すぎる。だから――」

 

「私の先行、ドロー!!」

 

 

いつの間にかディスクを展開させ、5枚ドローしていたジュンコは先行をとってカードをドローしていた。

 

 

「ジュンコ!!」

 

「私はハーピィ・チャネラーを召喚!!」

 

 

ハーピィ・チャネラー/ATK1400

 

 

フィールドに黒い翼のハーピィが現れた。彼女のデッキは《ハーピィ》のと名のついたカテゴリのデッキだ。

 

 

「効果発動、手札のハーピィ・ダンサーを墓地に落とし、デッキからハーピィズ・ペットエッグを特殊召喚する!!」

 

 

ハーピィズ・ペットエッグ/DEF900

 

今度はハーピィの本来の翼である黄緑色をした卵が現れた。

するとハーピィ・チャネラーの翼も同じように黒から黄緑へと変わっていく。

 

 

「ハーピィ・チャネラーの効果、フィールドにドラゴン族モンスターがいる場合、レベルが7となる!!」

 

 

ハーピィ・チャネラー/☆4→7

 

 

「レベル7となったハーピィ・チャネラーにレベル1のハーピィズ・ペットエッグをチューニング!!

風の女神の加護を受け、守護龍の雄叫びを上げよ!!」

 

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚!!ハーピィズ・フォムドラゴン!!」

 

 

フィールドにハーピィズ・ペットドラゴンのような赤い体のドラゴンが黄緑の風をまとって表れた。

 

 

ハーピィズ・フォムドラゴン/ATK2700

 

 

「ハーピィズ・ペットエッグの効果、このカードが墓地に送られたときデッキから同名カードを守備表示で特殊召喚する」

 

 

ハーピィズ・ペットエッグ

効果モンスター・チューナー

星1/風属性/ドラゴン族/ATK500/DEF900

このモンスターがフィールドから墓地に送られた場合、

デッキから「ハーピィズ・ペットエッグ」を特殊召喚することができる。

「ハーピィズ・ペットエッグ」の効果は1ターンに1度しか発動することができず

特殊召喚したモンスターはこのターン、シンクロ召喚の素材にすることができない

 

 

「カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

ジュンコ

手札3枚 LP4000

ハーピィズ・フォムドラゴン/ATK2700 ハーピィズ・ペットエッグ/DEF900

伏せカード1枚

 

―シゲルのターン―

 

 

「ッ…(多分、普通にやっても聞かねぇだろうな…)」

 

 

何かに焦っているのか、今のジュンコは全くシゲルの言葉を聞かないだろう。

だったら、少しデュエルを進めて間を空けたほうがいいだろう。

 

 

「俺のターン、カードを一枚伏せて剣闘獣ダリウスを守備表示で召喚!!」

 

 

ダリウス/DEF300

 

 

「永続魔法、剣闘集会を発動してターンエンドだ」

 

シゲル

手札3枚 LP4000

ダリウス/DEF300

伏せカード1枚 剣闘集会

 

―ジュンコのターン―

 

「私のターン、魔法カードハーピィの羽ペンを発動!!墓地に存在するハーピィズ・ペットエッグを除外してカードを2枚ドローする!!」

 

 

ハーピィの羽ペン

通常魔法

自分フィールドに「ハーピィ」と名のつくモンスターが存在する場合、

墓地に存在する「ハーピィ」と名のついたモンスターを除外することで

デッキからカードを2枚ドローする。

「ハーピィの羽ペン」は1ターンに1度しか発動できず、

このカードを発動したターン、自分は通常召喚を行うことができない。

 

 

「…(…モンスターが来ない)バトルフェイズ、ハーピィズ・フォムドラゴンでダリウスへ攻撃!!」

 

「ッ…(伏せカードには見向きもしないか…と言ってもコイツはディフェンシブ・タクティクスじゃないんだけどな…)」

 

 

そのままフォムドラゴンの攻撃でダリウスは紙くずよろしくの勢いで墓地へ吹き飛ばされてしまった。

 

 

「リバース罠、剣闘獣の結束を発動!!デッキからレベル4以下の剣闘獣を剣闘獣の効果で特殊召喚する!!来い、ムルミロ!!」

 

 

ムルミロ/DEF400

 

剣闘集会/M0→1

 

フィールドに現れた魚がフォムドラゴンに毒の泡を吹きかけた。

 

 

「ムルミロの効果だ、フォムドラゴンを破壊!!」

 

「くぅっ……!!」

 

 

だが、破壊されたフォムドラゴンから2体のハーピィが飛び出した。

 

 

「ハーピィズ・フォムドラゴンの効果!!このモンスターが破壊されたとき、デッキからハーピィ・レディを特殊召喚する!!」

 

 

ハーピィズ・フォムドラゴン

シンクロモンスター

星8/風属性/ドラゴン族/ATK2700/DEF2400

「ハーピィ・レディ」+風属性チューナー

手札に存在する風属性モンスターを墓地に送ることで、

墓地に存在するレベル2以下の風属性モンスターを手札に加えることができる。

このモンスターが破壊されたとき、

デッキから「ハーピィ・レディ」を2体まで特殊召喚することができる。

この効果で召喚したモンスターはこのターン攻撃を行うことができない。

 

ハーピィ・レディ1/ATK1300→1900

ハーピィ・レディ1/ATK1300→1900

 

 

「フォムドラゴンで召喚したモンスターはこのターン攻撃ができない、カードを伏せてターンエンド」

 

 

ジュンコ

手札4枚 LP4000

ハーピィ・レディ1/ATK1900 ハーピィ・レディ1/ATK1900 ハーピィズ・ペットエッグ/DEF900

伏せカード2枚

 

―シゲルのターン―

 

「俺のターン、剣闘獣トラケスを召喚」

 

 

トラケス/ATK1400

 

 

「フィールドに存在するトラケスとムルミロをデッキに戻し、エクストラデッキから剣闘獣エセダリを特殊召喚する!!」

 

 

フィールドの2体の剣闘獣がデッキに戻ると、剣闘獣の戦車に乗ったゴリラが現れた。

 

 

エセダリ/ATK2500

 

剣闘集会/M1→2

 

「そして剣闘集会を破壊し、乗っているカウンター分、カードをドローする!!バトルだ、エセダリでハーピィ・レディへ攻撃!!」

 

「ッァ……!!」

 

 

ジュンコ/LP4000→3400

 

 

初のダメージ、シゲルは手札を確認すると一枚伏せた。

 

 

シゲル

手札5枚 LP4000

剣闘獣エセダリ/ATK2500

伏せカード1枚

 

―ジュンコのターン―

 

 

「ジュンコ、よく聞け。この大会にはヤバい奴らが参加している」

 

 

ダメージが入ってようやく間が空いたタイミングでシゲルがジュンコに対して忠告を始めた。

 

 

「吹雪さんがやられて、荒木もやばい目にあった。これ以上は…」

 

「…ぃ…」

 

 

「え?」

 

 

顔を上げたシゲルが、見たのは――

 

 

「フィールドに存在するモンスターを2体リリース…!!!」

 

 

『巨大な顔と一体化したモンスター』だった。

 

 

 

「アドバンス召喚!!The blazing MARS(ザ・ブレイジング・マーズ)!!」

 

 

The blazing MARS/ATK2600

 

 

見たこともなく、またハーピィデッキではまずありえない炎属性・炎族のモンスターをジュンコがデッキに入れるわけがなかった。

 

 

「The blazing MARS…!?燃え盛る…『火星』…!!」

 

 

すぐに英語の意味を理解したシゲルは同じニュアンスの英語名をつい最近聞いたばかりだ。

 

 

「なん…で…お前がプラネットモンスターを…!!」

 

「うるさい…うるさいうるさい!!私のことなんてわからないくせに、なんでも知ってるようなことを言うな!!」

 

 

すると最後のハーピィズ・ペットエッグがフィールドに現れたが、The blazing MARSはそれを『飲み込んだ』

 

 

「自分フィールドのモンスターをリリースして相手に500ポイントのダメージを与える!!」

 

 

「っあああああ!!!!??」

 

 

シゲル/LP4000→3500

 

 

実際のダメージとしてシゲルに500ポイントのダメージが入った。

左肩が火傷したらしく、ヒリヒリするがそれどころではなかった。

 

 

「手札を一枚コストに、ヒステリック・パーティーを発動!!墓地から可能な限りハーピィ・レディを特殊召喚する!!」

 

 

ハーピィ・レディ1/ATK1300→1900

ハーピィ・レディ1/ATK1300→1900

ハーピィ・チャネラー/ATK1400→2000

ハーピィ・ダンサー/ATK1200→1800

 

 

「ッ…(やばい!!)」

 

「バトル!!The blazing MARSで攻撃!!Syrtis(シリティス)Major(メジャー)

 

「うわああああああ!!!!」

 

 

シゲル/LP3500→3400

 

だがジュンコのフィールドにはまだ攻撃可能なモンスターが4体も残されている。

 

 

「ハーピィ・チャネラーで直接攻撃!!」

 

「っ…剣闘力を発動!!デッキの上から特殊召喚可能な剣闘獣を特殊召喚する!!これでホプロムスでも来れば儲けもんだが…」

 

 

そのカードは4枚目で引き当てた、剣闘獣――

 

 

「クッ…剣闘獣セクトルを守備表示で召喚だ!!」

 

 

セクトル/DEF300

 

 

剣闘獣の中では最弱のステータスを持つセクトル。

そしてハーピィ・チャネラーの切り裂き攻撃で真っ二つに両断された。

 

 

「しぶとい…ハーピィ・レディ1で直接攻撃!!」

 

「リバース罠、眠る魂の咆哮を発動!!墓地のダリウス、エセダリ、セクトルを除外!!来い、剣闘獣デバハーツ!!」

 

デバハーツ/ATK2700

 

 

フィールドに巨大な漆黒の馬が現れた。するとその馬に乗馬していた2体のモンスターがシゲルのフィールドに降り立った。

 

 

「ダバハーツの効果、特殊召喚成功時にデッキから剣闘獣を2体特殊召喚する、ラクエル!!ダーツ!!」

 

 

ラクエル/ATK1800→2100

ダーツ/DEF1200

 

 

炎をまとった獣人と細長い剣を持ったキリンの獣人が現れた。さらにその横には時計を背負った悪魔もいる。

 

 

「ダーツの効果、特殊召喚成功時デッキからチューナーモンスターを特殊召喚する、クロック・リゾネーター!!」

 

 

クロック・リゾネーター/DEF600

 

 

フィールドに4体のモンスターが並んだ。

それを見たジュンコは苦虫を噛んだような表情になるとハーピィ・レディ1の攻撃対象をクロック・リゾネーターへと変えた。

 

 

「さらにもう一体のハーピィ・レディでクロック・リゾネーターへ攻撃!!爪牙砕断(スクラッチ・クラッシュ)!!そしてハーピィ・ダンサーでダーツに攻撃!!」

 

「ッ…(だが、なんとか生き残った…)」

 

 

しかし、ジュンコのターンがまだ終わることはなかった。攻撃を終えて同じようにダメージを与えれずに悔しい顔をしているハーピィ――

 

 

「なっ…!?」

 

 

突然、The blazing MARSが先ほどのペットエッグ同様に4体のハーピィ・レディを『食った』のだ。

 

 

「The blazing MARSの効果、4体のモンスターをリリースして合計2000ポイントのダメージを与える!!」

 

「ぎがあああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

シゲル/LP3400→1400

 

 

このターンだけで2600のダメージ。既に両腕と左足が火傷の影響か、感覚が麻痺し始めていた。

 

 

「ッァ…ジュンコ…こんな……テメェのプレングまで…捨てて…何がしたいんだ…!!」

 

 

「うるさいうるさいうるさい!!!」

 

 

子供のように首を振って泣き叫ぶジュンコ、するとひとつだけ、シゲルに心当たりがあった。

 

 

ジュンコ

手札3枚 LP3400

The blazing MARS/ATK2600

伏せカード1枚 ヒステリック・パーティー

 

―シゲルのターン―

 

「…………俺のターンっ」

 

 

なんとかカードを引いた。そしてそのカードを見て少しシゲルは唸った。

 

 

「手札のカードを1枚コストに音程調律を発動!!デッキからマグネット・リゾネーターを特殊召喚、さらに、フィールドのレベル・リゾネーターはレベル5以上のモンスターのレベルを2つ下げて特殊召喚することができる!!」

 

 

デバハーツ/☆8→6

マグネット・リゾネーター/ATK0

レベル・リゾネーター/DEF900

 

 

これで召喚できる合計レベルは5・6・7・8となる。そしてレベル7は――

 

 

「…ソウルが来るのね…!!」

 

 

これまでの流れ、ソウルを召喚してドーピング効果とバーンダメージで倒すことができる。が――

 

 

 

「…レベル6となったデバハーツとレベル4のラクエルにレベル2のレベル・リゾネーターをチューニング!!」

 

「レベル12!?」

 

 

過去にそのレベルでシンクロ召喚を行ったことは一度もない。

 

 

「煉獄へ封じ込められし魔の龍よ、獣の魂を食いて灼熱の翼を抱け!!」

 

 

☆6 + ☆4 + ☆2 = ☆12

 

 

「シンクロ召喚、剣闘龍ヴァジュラ・デッド・ドラグーン!!」

 

 

ヴァジュラ・デッド・ドラグーン/ATK3000

 

 

フィールドに溶岩のような翼をはためかせ、ダーク・ガブリアス・ドラグーンに似た感じのドラゴンが現れた。

 

 

「ッ…どうしてソウルを召喚しないの!?私には本気になれないの!?」

 

「…バトルだ、ヴァジュラ・デッド・ドラグーンでThe blazing MARSに攻撃!!燃え尽きろ、アポロン・ブレス!!」

 

 

ヴァジュラ・デッド・ドラグーンの炎の息吹を食らったThe blazing MARSは苦しそうに唸ると消失した。

 

 

ジュンコ/LP3400→3000

 

 

「クッ…リバース罠、ブレイジング・リボーンを発動!!自分フィールドのカードを1枚破壊して、墓地からThe blazing MARSを復活させる!!」

 

 

The blazing MARS/ATK2600→3400

 

ブレイジング・リボーン

通常罠

自分フィールドに存在する「The blazing MARS」が破壊されたとき、

発動することができる。

手札を1枚捨て、自分フィールドのカードを1枚破壊し、

「The blazing MARS」を特殊召喚する。

その後、相手フィールドのモンスターを1体破壊することができる。

発動後、このカードは装備カードとなり「The blazing MARS」に装備する。

装備モンスターの攻撃力を800ポイントアップし、

装備モンスターが効果を発動するために自分フィールドのモンスターをリリースする場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる。

この効果を使用する場合、「The blazing MARS」の効果は1度しか発動することができない。

 

ブレイジング・リボーンから漏れた熱気がヒステリック・パーティーを燃やすと、その熱波がヴァジュラ・デッド・ドラグーンへと迫った。

 

「ヴァジュラ・デッド・ドラグーンの効果発動!!このモンスターがカード効果で破壊されるとき、代わりに自分フィールドのモンスターを1体破壊することができる!!そしてそのモンスターのレベル分このモンスターのレベルを下げる!!」

 

 

ヴァジュラ・デッド・ドラグーン/☆12→11

 

 

ヴァジュラ・デッド・ドラグーンを守るかのように、マグネット・リゾネーターが音叉を鳴らしてその音波で防ぎ切った。

 

 

「ッ…小癪な…!!」

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

シゲル

手札1枚 LP1400

ヴァジュラ・デッド・ドラグーン/ATK3000

伏せカード2枚

 

―ジュンコのターン―

 

「私のターン!!魔法カード、ブレイジング・ハーツを発動!!The blazing MARSに装備し、攻撃力を800ポイントアップする!!」

 

 

ブレイジング・ハーツ

装備魔法

自分フィールドの「The blazing MARS」に装備することができる。

装備モンスターの攻撃力を800ポイントアップする

装備モンスターが効果を発動するために自分フィールドのモンスターをリリースする場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる。

この効果を使用する場合、「The blazing MARS」の効果は1度しか発動することができない。

 

 

The blazing MARS/ATK3000→3800

 

 

「バトル、The blazing MARSでそのドラゴンに攻撃!!」

 

「…リバース罠、デコイ・エスケープを発動!!手札の剣闘獣サムニテを特殊召喚!!その後、攻撃対象となったモンスターを破壊する!!」

 

 

デコイ・エスケープ

通常罠

自分フィールドのモンスターが攻撃対象になったとき発動することができる。

手札に存在するレベル4以下のモンスターを1体特殊召喚する。

その後、攻撃対象になったモンスターを破壊し、バトルフェイズを終了する。

 

 

フィールドにサムニテが現れるも、デコイ・エスケープの破壊効果を逃れるためにヴァジュラ・デッド・ドラグーンの身代わりとなって破壊された。

 

 

ヴァジュラ・デット・ドラグーン/☆11→8

 

 

「っ…私は手札から、ハーピィ・ガールを召喚してThe blazing MARSの効果発動!!500ポイントのダメージを与える!!」

 

シゲル/LP1400→900

 

「ッ…!!(残りライフ、おそらく次で手を打たないと…!!)」

 

「ターンエンド」

 

 

ジュンコ

手札0枚 LP3800

The blazing MARS/3400

ブレイジング・リボーン ブレイジング・ハーツ

 

―シゲルのターン―

 

 

「俺のターン(…てか、やっぱり。そうだよな)」

 

 

このデュエル、The blazing MARSが出た時からひとつだけ気になっていたことがあった。それを確かめるためにもヴァジュラ・デッド・ドラグーンを召喚したのだ。

 

 

「…ジュンコ、テメェ…」

 

「………………」

 

 

 

 

「『操られてない』んだろ?」

 

 

キースのサターンと違い、デュエルの最中The blazing MARSから精霊の声が聞こえない、というよりも実際のダメージが今までと比べると軽いのだ。

 

 

「ばれちゃった?」

 

「…いくらなんでも殺すにしては火力が低すぎるぞ。それに俺がヴァジュラ・デッド召喚した時にすごい悔しそうだったじゃねぇか」

 

 

そう、てっきりシゲルのエースモンスターが来ると思っていたからか、手加減されたと思って悔しそうにしていた。

 

 

「あはは…やっぱり、無理よね」

 

「で、何がしたいんだ?わざわざこんな真似して…」

 

 

 

そういった時、ジュンコの顔に一瞬影がかかった。その顔、以前見たことがあるのだ。ユウが過去にゴーストタウンでいたことを話したとき――『寂しかった』ときだ。

 

 

「…私ね、昔、好きな人がいたの」

 

「…え?」

 

 

いきなりのカミングアウト。おそらくももえや明日香でさえも知らないことだったうようだ。

 

 

「中学の頃…まだももえと会う前かな。好きな人に告白したことがあるんだ。けど――」

 

 

どうやら、その時に告白を断れてひどいことを言われたのかもしれない。

勝気な彼女の性格だ、そのことをひどく言う奴は一年の頃に何人かいた。

 

 

「だから、もう誰かを好きにならないって思ってたんだけど、私が引きこもった時に手を貸してくれたのに…また、好きになっちゃった」

 

「(ってか、あれは紫苑がな…)」

 

 

半ば無理やりとはいえ、ジュンコはそのことに関して好意を抱いたようだ。

だが、シゲルからすれば困ってる友人を助けたに過ぎない。

 

 

「それにディラの時も…私を助けてくれた。ボロボロになって――」

 

「…まあ、それが俺だからな」

 

 

『特異的な体質』のせいでほかのメンバーの壁として体を張ることが多いシゲルはその分ボロボロになる。

 

 

「この前の戦争の時も…響ちゃん助けるためにボロボロになって…怖いの…だから…守りたくて…力があるって…」

 

「……馬鹿かお前」

 

 

 

大きなため息をついたシゲルだった。それにポカーンとしていたジュンコだったがすぐに顔を真っ赤にして怒った。

 

 

「馬鹿って何よ!!私はあんたが「もう失いたくないんだよ!!」」

 

 

 

言葉を遮るようにして声を荒げたシゲル。カードを持たない右手はきつく握られ、体はフルフルと震えていた。

 

 

「親父を失って、ニズが消えてからまた大切なものを失いたくないんだよ!!だから手を伸ばして俺が守るんしかないんだよ!!ユウも!ツバキも剱都も紫苑も!!

 

『お前』も!!」

 

 

「…え…?」

 

 

 

いきなりの言葉に、惚けたジュンコに対してシゲルは若干顔を赤くしている。

今まででシゲルが赤面したことはあったか?いや、ない。

 

 

「…知ってたさ。お前の気持ち」

 

「え、ええ!?な、なんで!?」

 

 

「いや、嫌でも分かる」

 

 

あれだけ料理を作ったりバレンタインデーに好みのチョコを作ったりと、鈍感でもない限り気づく

 

 

「けど…それと同時に怖くなった」

 

「え…?あ」

 

 

急に泣きそうに俯いた。そう、先ほど言っていた言葉――

 

 

「また大切な人を失うかもしれない。守るために悲しませるかもしれない。だから…」

 

 

気づかないふりをして、嫌われて平和に過ごして欲しいと願った。

だが、それでもジュンコは必死にアピールをしていた。

 

 

「…だから、逃げるのをやめようと思う」

 

「……………」

 

 

「このターン、俺がThe blazing MARSを破壊して全てを打ち止めにする」

 

 

 

カードを引いたシゲル。そして、その目は敵を殺すために射抜くように鋭くなった。

 

 

「改めて行くぜ、ドロー!!ヴァジュラ・デッド・ドラグーンの効果発動!!このモンスターをリリースすることで、墓地に存在する同じレベルのモンスターを特殊召喚する!!」

 

 

剣闘龍ヴァジュラ・デッド・ドラグーン

シンクロモンスター

星12/炎属性/ドラゴン族/ATK3000/DEF2100

チューナーモンスター+チューナー以外の「剣闘獣」と名のついたモンスター2体以上

このモンスターはシンクロ召喚でしか特殊召喚することができない。

1ターンに1度、このカードが効果で破壊されるとき代わりに

自分フィールドのモンスターを破壊することができる。

この効果を使用した場合、破壊したモンスターのレベル分、

このモンスターのレベルを下げる。

このカードのレベルが0になった時のカードを破壊する。

このモンスターをリリースることで「剣闘龍ヴァジュラ・デッド・ドラグーン」

以外の同じレベルのドラゴン族モンスターを墓地から特殊召喚することができる。

 

 

「レベル8のドラゴン…?って、まさか!?」

 

 

「ああ、黄泉の国より甦れ、暴風龍よ!!ハーピィズ・フォムドラゴン!!」

 

 

 

ハーピィズ・フォムドラゴン/ATK2700

 

フィールドにジュンコのデッキのエースモンスターが出現した。自分の墓地のモンスターを奪われたことに関して、ジュンコは呆然としていた。

 

 

「フォムドラゴンの効果、手札の剣闘獣ベストロウリィを墓地に送って墓地のレベル・リゾネーターを手札に加える!!」

 

「え、ちょ、」

 

「リバース罠、スカーレット・カーペット!!墓地からクロック・リゾネーターとマグネット・リゾネーターを特殊召喚する!!」

 

 

クロック・リゾネーター/ATK1200

マグネット・リゾネーター/ATK0

 

「そして、ハーピィズ・フォムドラゴンのレベルを2つ下げてレベル・リゾネーターを特殊召喚する!!」

 

 

ハーピィズ・フォムドラゴン/☆8→6

レベル・リゾネーター

 

 

「ちょ、ま、」

 

「GAN、GAN逝くぜ!!レベル6となったハーピィズ・フォムドラゴンにレベル1のマグネット・リゾネーターをチューニング!!」

 

「字が違う!!色々と!!」

 

 

若干キャラ崩壊が始まっている気がするのは気のせいだろかby作者

 

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

 

「シンクロ召喚!!ソウル・ブラック・ドラゴン!!」

 

『グァ!』

 

 

今までと違い、ジュンコという身内のためやる気満々というよりも元気に飛び出したソウル。

 

 

「ソウルの効果だ、レベル・リゾネーターをリリースして攻撃力を吸収する!!」

 

 

ソウル・ブラック・ドラゴン/ATK2400→4200

 

 

「…ねえ、シゲル、一つ言ってもいい?」

 

「どうした?」

 

 

若干呆れてるジュンコに作業の手を止めたシゲル。じーっとソウルを見てふと口にした。

 

 

「ソウルの効果って…案外チートじゃない?」

 

「……まあ、そうだな」

 

『グァ!?』

 

 

いきなりそう言われたソウルはガーンとショックを受けたようだ。

 

 

「バトル、ソウル・ブラック・ドラゴンでThe blazing MARSに攻撃!!メガロ・ブラック・シュート!!」

 

「きゃあああああああ!!!」

 

 

ジュンコ/LP3800→3400

 

 

「さらに破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」

 

「ひゃあああああああああああああ!!!!」

 

 

ジュンコ/LP3400→0

 

 

 

「うぅ…容赦ない…」

 

「悪いな。どうしても手加減できないもんでな」

 

 

ペタリと座ったジュンコに気まずそうにシゲルがそう言った。

 

 

「えっと…それで…」

 

「ああ、もう、俺は逃げない。だけどな、この戦いのあと…返事は少し待っててくれないか」

 

 

 

そう言ってシゲルは扉の先を睨んだ。そう、このトーナメントはプラネットシリーズのモンスターが潜んでいる。

 

 

「うん、わかった。必ず帰ってよね。あ…そう、これ」

 

 

そう言ってジュンコは墓地に送られたThe blazing MARSを渡した。サターン同様絵柄がなく、精霊の反応もないが――

 

 

「そういえば、お前これどこで手に入れたんだ?」

 

「予選でほら、あの…明日香様のストーカーの…」

 

※第一章 終幕 夏祭り参照

 

 

「ああ、あいつか…って、お前勝ったのか…プラネットに…」

 

「え?そうだけど…普通にノーダメージで…どうかしたの?」

 

 

ジュンコは予想外に強いらしいです。




えー、ここで少し残念なお知らせがあります。
シゲル「どうした?2ヶ月ほど間を空けて藪から棒に」
ユウ「ま、まさか・・・打ち切り?」
んー、それに遠からずってところかな。

他に『ノーバディ・レコード』を投稿しているサイトでこれ以外に2つの長編を抱えてるんだけど、流石に仕事してる身でそんなに多くを抱え込むのは難しいかなって。で、一番ストーリーが長そうなのがこれだから休止しようかなって。
紫苑「唐突ですね・・・」
いや、実を言うと休止する理由はほかに2つある。抱え込んでいるのはいい機会だからかな?
ツバキ「どういうこと?」
第五章になって気づいている人もいるかもしれないけど、ユウとかツバキが戦ってるシーンがないことに気づいてる人がいるかもしれない。その上、シゲルは2回戦ってる。
剱都「何が言いたいんだ?」
『スピリット』『魔法使い』『マシンナーズ』『属性HERO』『儀式』『ジャンク』
はっきり言って上の5つのデッキでできること、戦術がなくなった。それにオリジナルカードばかりにするのもしんどい。
『剣闘獣』は展開は様々で、特殊召喚するモンスターを変更すれば展開なんていろいろとできる。
詰まるところ、ネタ切れになった。ストーリーはできるんだけどデュエルの内容が思い浮かばないんだよ…

ツバキ「だから前の話…紫苑が途中から…?」
デュエルの結末とかなら出来るんだけど、どうしても道中が思い浮かばない。
個人的に前にやったこと全く同じことをするなんて一番面白くないからやりたくないし…
シゲル「つってもそれでも仕方がないんじゃないか?」
ZEXALでホープレイ効果で0にしたところ4000で攻撃してフィニッシュが面白くないから二期から見てない。というぐらいワンパターンが嫌いなんです。
同じカードでも色々と違うことやほかの戦術を組み立てるのがカードゲームとして面白いのに…
ユウ「…あ、だから僕がカルマを使った時スピットを素材にしたんだ」
うん、ズラッと並べるよりも「あ、ここでクロス来るんだな」って思っておいてのほかの展開。けどそういうのを考えれなくなってきた。

もう一つは…疲れた、からかな
紫苑「疲れた…?」
前々だとこの作品一本だけどほかにもやるようになるとこの作品に割ける時間が少なくなる。
で、上記のようにネタ切れで試行錯誤するだけで一文字も出さず終わることも何回かあったから…
息抜きのように少し離れてみようかなって。ちょくちょく書いていけば何とかなるかなって。

だから充電期間やネタの補充として休止…残念だけど再開は未定なんだよね…
剱都「打ち切る、って選択肢はなかったのか?」
昔ほかの作品を打ち切って…まだやりたいことや話がいっぱいあったんだけどね。再開するにしても今更って感じだし、内容的にやるのも無理だから…も打ち切りたくないなって。


さて、少し暗い話はこれまで、今回の話の解説です。

ユウ「乗っ取られた…」
トーナメントはGX時代のTFの地下のアミダみたいなミニゲームのような感じです。流石にそこまで行くとPDAは機能しません。
剱都「外にいるのは如月とジュードだけか…」

ツバキ「ところで…映像の男性って…」
この章のボス。そしてある意味意外な人物…
紫苑「意外と言っても誰なのか手がかりがないですよ」
ん~、手がかりというか、疑問点が一つだけあるね。まあそこからたどり着くのは難しいかな?

デュエル解説~
剱都「つか、ジュンコ…何してるんだ…」
実を言うと彼女はまあ、『12日後の戦争編』で戦力の一人になる予定だった。
シゲル「なぜに!?」
まあ、エドやカイザーみたいな感じかな。『実力のある一般人』的な。
けどそうなるのが難しくなって待機になったけど、その設定を戻した結果、プラネットに勝利しました。
紫苑「というよりも、プラネットって絵柄がなくても使用できるんですね…」
誰が使用できないといった?

さて、今回…というか、ノーバディ・レコードはここで一旦終わりです。
いつになるかはわかりませんが、必ず戻ってきます。それまで、お待ちください
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