遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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Turn91 楽しむ心

「お、次はここか…」

 

 

ここまでプロデュエリストのゲルゴと特別招待のオージーン王子と戦い抜いた十代は次の対戦者が待つであろう広場へと辿りついた。残すところ準々決勝、準決勝、そして決勝。

 

通信で、本部とは連絡が取れないがわずかに通話できた釼都の話では自身を含め残ってる8人のデュエリストのうち、少なくとも半数の4人以上は味方サイドのデュエリストだ。

 

 

「次は誰かな~…ユウか?シゲルか?それともカイザーか?」

 

 

味方内での同士打ちは避けたいと釼都は頭を悩ましているが十代はそれどころかこう言う緊迫した状況でも強い相手なら味方でも戦いたかった。

 

 

「おや、お待たせしたみたいですね」

 

「…! お前は…」

 

 

見覚えのある少年、吹雪を倒して唯一判明している『プラネットモンスター』を持つ敵サイドの人間。

 

 

「レオン…!!」

 

 

狂気の笑みを浮かべて、まるでゾンビのような立ち振る舞いのレオンがそこにいた。

 

 

―廃寮―

 

「貴方が今回の黒幕―――」

 

「なぜ貴様がこんなところにいるのか…頭がキレるのかよほど司令官が有能だったのか…」

 

 

仮面の男の正体、それにジュードはまだ信じ切れていない。だが、確かめる方法ならひとつだけある。

 

 

「決着をつけよう、それで――」

 

「…ふっ、貴様が何をしようか知らんが…貴様ごときに我がプラネットの力を見せつける必要もない」

 

 

ディスクを構えた仮面の男、ジュードもディスクを展開してデッキをセットした。その間にも冷静に見えるジュードでも必死に湧き上がる鼓動を押さえてこんでいた。

 

 

「(焦るな…大丈夫、冷静に戦うんだ…!!)」

 

 

そんなやり取りを見守っている影に2人は気づかなかった。

 

 

 

―廃寮近く―

 

 

釼都からの指示で廃寮へと向かっていたユウ。なぜか通信機が作動せず、如月やほかの仲間と通信が取れないが確かめに行く時間もなかった。

 

 

「見えた…!」

 

『まさか、またここに来るなんてね…』

 

あの日、シゲルがまだシンクロを手にする間にエピック・アンビエントと戦い、大けがを負った場所。タイタンの戦いは『一年修行』でいなかったため、5人はこの場所に訪れてはない。

 

 

「…あれ?エド?それに万丈目?」

 

「ユウか」

 

 

そこにいたのは響に敗れ、保健室で蝙蝠に引っ掛かれた傷を治療していたエドだった。その横には本戦敗退した万丈目もいた。

 

 

「どうしてここに?釼都の指示?」

 

「いや…少々気になることがあってね…」

 

 

そう言って、エドはポケットから一枚のカードを取り出した。

魔法カードの枠、それが最初に認識モノだった。もしかしたジュードの落とし物かと思ったがそこに描かれてるのは予想と全く違うものだった。

 

 

「高等儀式術…!?」

 

「お前も覚えてるだろ、彼女のデッキのキーカード」

 

 

そう、高等儀式術。それは雪乃のキーカードだった。

ジュードのデッキにはこのカードは入らない。なぜならこのカードの発動で生贄にするのはデッキの通常モンスター、ジュードのデッキにはないが、一人だけこのカードをの所持者に心当たりがあった。

 

 

「それはここに来るまでに拾った」

 

「それと保健室にいた師匠も消えてた」

 

「吹雪さんも!?」

 

 

万丈目が(恋愛の)師匠と慕っているのは吹雪しかいない。

吹雪はレオンとの戦いで精神的なダメージが大きく、保健室で横になっているはずだった。

 

「それでもしかしてと如月を問い詰めてみたらジュードがここにいると聞いてやってきた」

 

するとエドはしきりに通信機を気にしてるようだった。

 

 

「どうしたの?」

 

「…さっきから屋外でも通信ができない。まるでジャマーがかかってるようだ。…ああ、犯人はそこに隠れてる奴だがな」

 

 

エドが睨んだ先――木の裏から誰かが現れた。

 

 

―所変わって十代―

 

 

「やっと会えた」

 

「レオン…ってことは、カイザーは…!?」

 

 

準々決勝で組み合わせのシャッフルが入る、だが準々決勝に上がれるのは各ブロックで2人。自分と同じブロックにいたはずのカイザーがいないということは――

 

 

「さっき倒しましたよ。さすが元アカデミア最強と言われた卒業生だ。何回か危なかったですけどね」

 

「ッ…(相手はカイザーを倒した…本当にそうなら、結構厄介だ…!!)」

 

 

 

十代でもカイザーとギリギリで引き分ける実力だ。それを打ち倒すということはやはりKCグランプリ優勝者の名は伊達ではないということだ。

 

 

「あとはあなたと…ユウさん…それで終わりです…!!」

 

「そう簡単に、負けてたまるか!!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

―十代のターン―

 

 

「俺のターン、魔法カード融合を発動!!手札のフェザーマンとワイルドマンを融合!!E・HEROワイルド・ウィングマン!!」

 

 

ワイルド・ウィングマン/DEF2300

 

 

フィールドにフェザーマンの翼が生えたワイルドマンが出現した。守備力もそこそこあるため、序盤の様子見としてはまずまずのE・HEROだ。

 

 

「これが十代さんの融合モンスター…」

 

「さらにフレンドッグを守備表示で召喚!カードを伏せてターンエンドだ!」

 

 

十代

LP4000 手札1枚

ワイルド・ウィングマン/DEF2300 フレンドッグ/DEF1200

伏せカード1枚

 

 

―レオンのターン―

 

「僕のターン!親指小僧を召喚!」

 

 

親指小僧/DEF1500

 

フィールドに小さい少年が出現した。どうやらグリム童話のおやゆびこぞうがモチーフのモンスターらしいが効果を持っていないようだ。

 

「さらに魔法カード、大男の修業を発動!!親指小僧はグローバーマンへと進化する!!」

 

 

グローバーマン/ATK2800

 

 

「バトルフェイズ、グローバーマンでワイルド・ウィングマンに攻撃!!」

 

「クッ…!!」

 

 

グローバーマンの一撃の拳にワイルド・ウィングマンは破壊された。E・HEROの中でもワイルド・ウィングマンはそこそこな守備力を持つ。まさかここまで楽に破壊されるとは思ってなかった。

 

 

「カードを伏せてターンエンド!」

 

レオン

LP4000 手札3枚

グローバーマン/ATK2800

伏せカード1枚

 

―十代のターン―

 

「俺のターン!早速だがお前のモンスターには消えてもらうぜ、グラン・モールを召喚!!」

 

 

グラン・モール/ATK900

 

フィールドにドリルのような肩当をしている小さいモグラが出現した。

 

 

「グラン・モール…戦闘を行うモンスターを手札に戻すカード…」

 

「そうだ、行けェ!!ドリル・モール!!」

 

 

グラン・モールが地面をもぐり、そしてグローバーマンの足元から飛び出した。

 

 

「ダメージ計算を行わず、手札に戻す!!」

 

 

そして、グローバーマンとグラン・モールが手札へと戻った。

グローバーマンは通常召喚ができないモンスターだ。すでに大男の修業が墓地にある以上出てくるのはもう難しい。

 

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

十代

LP4000 手札3枚

フレンドッグ/DEF1200

伏せカード1枚

 

―レオンのターン―

 

「僕のターン! まさか1ターンでグローバーマンを攻略するなんて思いませんでしたよ。あれは僕の元々のデッキのエースでしたからね」

 

「………もともと…?」

 

 

その意味を考えるのは簡単だった。今のレオンのデッキには本来、彼のカードではないものが入っていた。

 

 

「プラネットモンスターか…!!」

 

「ええ、このカード…ですね。リバースカード、悪魔の依代を発動!!このカードが表側表示で存在する限り、僕が召喚する悪魔族モンスターはリリースなしで召喚することができる!!」

 

 

童話デッキに悪魔族とは考え付かない。おそらく紫苑が戦ったレイの女神の慈愛などのカードと同様にプラネットモンスターが投入したカードなのだろう。

 

 

「効果により、現れろ…The suppression PLUTE!!」

 

 

レオンのフィールドに吹雪の闇龍を奪った悪魔が出現した。するとThe suppression PLUTEが面白そうに笑いだした。

 

 

『久しぶりだなァァ!!遊城十代ィィィ!!!』

 

「…俺はお前とは会ったことがないぞ」

 

『あァ、この世界の貴様ァとは初めてかァ…クックック…あの世界の遊城十代は無様にも俺が操る吹雪にやられたからなァ!!』

 

 

それを聞いて十代はハッとした。吹雪がレオンと戦ったときに感じた嫌な予感、それはもしかしたら異世界の吹雪が操られたからなのかもしれない。

 

The suppression PLUTE/ATK2600

 

 

「The suppression PLUTEの効果発動!!手札を1枚捨てて、相手の手札に存在するカードを宣言する、宣言したカードが存在すれば相手フィールドのモンスターのコントロールを得る!!」

 

「なに!?」

 

 

レオンはコストでグローバーマンを墓地に送った。先ほどのグラン・モールの戦術が裏目に出ていた。しかも十代の手札のカードで一枚だけばれてるものがある。

 

 

「グラン・モールを選択!!」

 

「ッ…」

 

 

この手の宣言系のカードはそのカードがあるかどうかを手札を公開して証明しなければならないのだ。

 

 

十代 hand

 

N・グラン・モール

 

E・HEROネオス

 

コンタクト

 

 

「宣言したカードが存在するため、フレンドッグのコントロールを得る!!さらに、この効果で得たモンスターは攻撃表示となる!!」

 

 

フレンドッグ/DEF1200→ATK800

 

 

「バトルフェイズ、フレンドッグで直接攻撃!!」

 

「うわっ!!」

 

十代/LP4000→3200

 

フレンドッグが十代に向かって体当たりを仕掛けた。というよりも彼自身、このモンスターの攻撃方法を知らないため驚いていた。

 

「そしてThe suppression PLUTEで直接攻撃!!」

 

『喰らえェ!!Three Satellites!!』

 

 

「うわああああああああああ!!!!」

 

 

十代/LP3200→600

 

 

一気に十代のライフがセーフティラインを越えた。おまけに十代の手札はすべて判明しており対策が打ちやすい状態だ。

 

 

「カードを伏せて、ターンエンド。さあ、遊戯さんのデッキを倒した実力を見てせて下さいよ」

 

 

レオン

LP4000 手札2枚

The suppression PLUTE/ATK2600 フレンドッグ/ATK600

伏せカード1枚 悪魔の依代

 

―十代のターン―

 

「ッ…俺のターン!!よし…魔法カード、コンバード・コンタクトを発動!!俺のフィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドにモンスターが存在する場合手札とデッキのNをコストにカードを2枚ドローする!!効果でグラン・モールとデッキのエア・ハミングバードを墓地へ!!」

 

「手札入れ替え…だけど、それで何ができる!」

 

 

引いたカード、その中にThe suppression PLUTEを倒す手段がなかったら十代は敗北してしまう。だが先ほどの効果を発動した際手札にネオスとコンタクトがあることがばれている。

 

 

「リバース罠、融合準備を発動!!エクストラデッキのワイルドジャギーマンを見せてデッキからエッジマンを、墓地から融合を手札に加える!!そして融合を発動!!手札のネオスと、エッジマンを融合!!」

 

「(無理やり融合素材にして手札の上級モンスターを墓地に捨てた…)」

 

 

「来い、E・HEROネオス・ナイト!!」

 

 

ネオス・ナイト/ATK2500→3800

 

 

フィールドにネオスがどこかの聖騎士のような鎧と薙刀のような槍を持った姿で現れた。そして登場と同時に攻撃力が跳ね上がった。

 

 

「ネオス・ナイトは素材としたネオス以外のモンスターの攻撃力の半分の数値を攻撃力に加算する!!エッジマンの攻撃力は2600、よって1300ポイントアップ!!」

 

「だけど僕のフィールドにある悪魔の依代は悪魔族モンスターの破壊の身代わりにできる」

 

 

確かにその通りだ。もう一体2600以上の攻撃力を持つモンスターを呼び出す手段がない。だが、これで最低限の目標である手札のネオスの処理ができた。

 

 

「バトルフェイズ!!ネオス・ナイトでThe suppression PLUTEに攻撃!!ラス・オブ・ネオスラッシュ!!」

 

「悪魔の依代の効果!!悪魔族モンスターの破壊を無効にする!!」

 

 

悪魔の依代が砕けて怨霊のような影がThe suppression PLUTEとネオス・ナイトの間に入った。それによってThe suppression PLUTEに刃が届かない。

 

 

レオン/LP4000

 

「…あれ、なんで僕のライフが…?」

 

「ネオス・ナイトは戦闘ダメージを発生させることができない。だけど2回の攻撃を行うことができる!!もう一度The suppression PLUTEへ攻撃だ!!」

 

 

ネオス・ナイトは今度は下からの切り上げでThe suppression PLUTEの破壊を試みた。しかし、なぜか横からフレンドッグが割り込んできてその攻撃が止まった。

 

 

「なに!?」

 

「甘いよ、リバース罠マレーンの首飾りを発動!!」

 

 

首飾り――よく見るとフレンドッグの首に王女などがお召しになる首飾りがあった。

 

 

「このカードは攻撃宣言を別のモンスターに移し替えることができる、そして攻撃を行ったモンスターを守備表示にする!」

 

 

マレーンの首飾り

通常罠

相手の攻撃宣言時、自分フィールドにモンスターが2体以上存在する場合発動することができる。

攻撃対象を自分のほかのモンスターへと移し替える。

その後、攻撃してきたモンスターを守備表示に変更する。

墓地に存在するこのカードを除外することで相手モンスターの攻撃を無効にすることができる。

 

ネオス・ナイト/ATK3800→1000

 

 

「っ…破壊されたフレンドッグの効果発動!!墓地の融合とE・HEROを手札に加える、俺はワイルドマンと融合を手札に!!メインフェイズ2、ワイルドマンを守備表示で召喚!!」

 

 

ワイルドマン/DEF1600

 

 

「そしてカードを3枚伏せてターンエンド!!」

 

 

十代

LP600 手札1枚

ネオス・ナイト/DEF1000 ワイルドマン/DEF1600

伏せカード3枚

 

 

―レオンのターン―

 

「僕のターン(伏せカード3枚、うち2枚はおそらく融合とコンタクト…問題は残る3枚目のカードと手札。融合を発動させなかったということは融合できる組み合わせがないモンスター…そしてフェザーマンともエッジマンとも融合できないモンスター…)」

 

 

もしここで仮にどちらかのモンスターのコントロールを奪われたら十代の勝ち目はほぼ0になる。

 

 

「手札のカードを墓地に送り、The suppression PLUTEの効果発動!!宣言するのは…E・HEROクレイマン!!」

 

「……俺の手札は…」

 

 

 

表示されたカード――それは――

 

 

 

「幻影の魔術士だ!!」

 

 

全くE・HEROの名前を持たないモンスターだった。

 

 

「…HERO以外のカードって予想外ですね」

 

「へへ、バレないかどうかワクワクしたぜ」

 

 

これでこのターンで敗北する可能性がグッと下がった。しかし、この効果は仮に外れても問題はなかったのだ。問題はたった今レオンがコストで墓地に送ったカードだ。

 

 

「魔法カード、死者蘇生を発動!!効果で墓地に存在するモンスターを特殊召喚する!!甦れ、The grand JUPITER!!」

 

 

The grand JUPITER/ATK2500

 

フィールドに2体目のプラネットモンスターが並んだ。それに十代は言葉にできない驚きを上げていた。

 

 

「2体目…!?」

 

「さらに装備魔法、ドロップ・ストックを発動!!このカードを装備したモンスターが効果を発動するとき手札からカードを捨てる場合、そのコストを0にすることができる!」

 

 

ドロップ・ストック

装備魔法

このカードを装備したモンスターが「手札を捨てて発動する」効果を発動した場合、

その効果で捨てるコストを無効にすることができる。

自分が通常ドロー以外でカードを手札に加えたとき、このカードを破壊する。

 

「そしてThe grand JUPITERの効果、相手モンスターを装備してその攻撃力を得る、ネオス・ナイトを選択!」

 

「ネオス・ナイト!!」

 

 

The grand JUPITER/ATK2500→5000

 

吸収されていくネオス・ナイト。これで十代のフィールドにはワイルドマンだけ。伏せカードは手札を減らすために伏せた2枚のカードと一枚の不明カード。

 

 

「さあ、これで終わりです、The suppression PLUTEでワイルドマンに攻撃!!」

 

「うわああ!!!」

 

 

これで十代のフィールドはがら空きだ。そして残るはネオスを吸収したThe grand JUPITERのみ。

 

 

「The grand JUPITERでダイレクトアタック!!」

 

「クッ…うわああああああああああ!!!!」

 

 

 

―一方―

 

 

「トーナメントはどうなっている!!」

 

 

体育館で成り行きを見守っていた教師・生徒・参加者のメンバーだが、何一つ情報が入ってこない。如月から逐一で知らされていた。だがそれも最新部に進むにつれてそれがなくなっていた。

 

 

「むむむ…心配なノーネ…」

 

「吹雪君もいなくなって…一体何がどうなってるのか…」

 

 

情報がなく、混乱している教師陣。生徒たちも何も展開についてこれず、ただ見守っているしかできない。そして、そんな様子を監視カメラで見ている如月はため息をついて深く椅子に座った。

 

 

「私たちができるのはここまでね…」

 

『そうだな、残るプラネットもわからず…黒幕もジュードが射ちに行った。通信妨害の方もエドが行っている。打てる手は全て打った…』

 

 

地下トーナメント、廃寮。残るプラネットはおそらくそこだ。

 

 

「…ねえ、ネプチューン。なんでこんなことが起こってるのかな?」

 

『それは、黒幕がこの事件を起こした意味ということか?それはあのカードを…』

 

 

「…私は、それだけじゃない気がする。そもそもおかしいと思うの。プラネットシリーズがやられて白紙になって…まるで、それが狙いに見える」

 

 

MarsやUranusはジュンコと三沢が奪い、そして使用していた。奪われる可能性があるデュエリストにわざわざ渡す意味はない。本気で奪われると確信してなかった、というのも考えられない。

 

 

『我らプラネットの消滅が狙い…とでも言いたいのか?』

 

「それよりもそれがもたらす何か…例えば、プラネットがなにかの封印をしていてそれを解除するために――」

 

 

 

そう言った瞬間、ネプチューンが何かに気づいたように反応した。そう、まさにその通りだった。

 

 

『ある…我らの消滅がもたらすことでこなせることが…では、あれもブラフ…』

 

「どういうこと?」

 

『我らが消滅することで占星術を応用した解呪の儀を行うことができるのだ。釼都の予想どうり黒幕が廃寮にいるのなら…かつてあそこで錬金術の実験を行ったことがあるのなら説明がつく…』

 

 

―戻って十代―

 

 

「……なんで生きてるんですか?」

 

十代/LP600

 

シャドー・ミスト/DEF1500

 

 

十代のライフは削られておらず、それどころかフィールドにシャドー・ミストが出現した。このカードはデッキの強化にとラーの確保に来たペガサスが紫苑と十代に渡したカードだった。

 

 

「攻撃宣言時、ヒーロー見参を発動した。これで手札に存在していた幻影の魔術士を召喚したんだ!さらに効果でデッキからカードを手札に加える!」

 

 

幻影の魔術士は戦闘で破壊されるとデッキから攻撃力1000以下のHEROを呼び出す効果がある。

なんとか首の皮が一枚つながった状態だが、まだ十代が不利だった。

 

 

「僕はこれでターンエンド、装備状態のネオス・ナイトは破壊される。さあ…ここからどうします?」

 

 

レオン

LP4000 手札0枚

The grand JUPITER/ATK5000→2500 The suppression PLUTE/ATK2600

ドロップ・ストック

 

―十代のターン―

 

 

「俺のターン!!(ドロップ・ストックがある限りThe grand JUPITERが俺のモンスターを吸収して攻撃力を上げる…なんとかしないと…!)魔法カードE・エマージェンシーコールを発動!!デッキからネクロダークマンを手札に加えて伏せていた融合を発動!!」

 

 

フィールドにいた影のHEROと手札の闇のHEROが一つに合わさって新たなモンスターが召喚された。

 

 

「来い、E・HEROネクロイド・シャドーマン!!」

 

 

どこかしら、ネクロイド・シャーマンに似ているが化物のように変貌した体のHEROが出現した。

 

 

ネクロイド・シャドーマン/ATK2000

 

 

「融合素材となったシャドーミストの効果発動!!デッキからスパークマンを手札に加えて召喚する!!」

 

 

スパークマン/ATK1600

 

 

「それで、何をする気なんですか?もうあなたの手札には融合はない、伏せカードも使えない…それなのにそんなモンスターを出して…」

 

「へへっ…見せてやるよ、紫苑もエドも持ってない俺の新しいHEROを!!速攻魔法マスク・チェンジを発動!!」

 

 

「それは…」

 

 

先ほどのシャドーミストが特殊召喚された時に手札に加わったカードだ。

すると出現した仮面をスパークマンが付けると姿を変えた。

 

 

「このカードはフィールドのHEROを1体を素材にエクストラデッキのM・HEROを特殊召喚するカードだ!!」

 

「M…HERO…?」

 

 

聞いたことのないカード。それもそのはず。これはペガサスが属性HEROのモニターをした十代にお礼として渡した新規のカードだから。

 

その際4種の属性HEROはデータ収集ということでペガサスが持ち帰ってしまったが。

 

 

「来い、M・HERO光牙!!」

 

 

その名のとおり、光り輝くHEROが出てきた。いきなりのレオンが知らない召喚方法に呆然としているがすぐに気を取り直したように構え直した。

 

 

光牙/ATK2500

 

 

「攻撃力2500…The grand JUPITEと同じ、相打ちが狙いですか」

 

「いいや!光牙は墓地のHEROを除外してその攻撃力と同じ数値、相手フィールドのモンスターの攻撃力をダウンさせることができる!!ネオス・ナイトを除外してThe grand JUPITEの攻撃力を2500ポイントダウンさせる!!」

 

 

The grand JUPITE/ATK2500→0

 

 

「なんだって!?」

 

「さらに、相手フィールドのモンスターの数だけ500ポイントの攻撃力をアップさせる!!」

 

 

光牙/ATK2500→3500

 

 

「行くぜ、光牙でThe suppression PLUTEに攻撃!!」

 

「墓地に存在するマレーンの首飾りの効果!!このカードを除外してバトルを無効にする!!」

 

 

バリアが張られてThe suppression PLUTEに攻撃が届かなかった。

 

 

「けど、まだ攻撃は残ってる!!ネクロイド・シャドーマンでThe grand JUPITEに攻撃!!ダーク・シャドウ・ランス!!」

 

 

ネクロイド・シャドーマンが地面に向けて持っていた薙刀を突き刺すとThe grand JUPITEの足元の影から薙刀と同じ形の影が飛び出してThe grand JUPITEを突き刺した。

 

 

「クッ…!!」

 

 

レオン/LP4000→2000

 

 

これでやっとこのデュエルで初のダメージを与えることができた。まだ半分、だがこれで流れが十代へと変わってきた。

 

 

「俺はこれでターンエンド!!」

 

 

十代

LP600 手札0枚

ネクロイド・シャドーマン/ATK2000 光牙/ATK3000

伏せカード1枚

 

―レオンのターン―

 

「僕のターン!!魔法カード、壺の中の魔術書を発動!!お互いにカードを3枚ドローする!!」

 

「手札が…」

 

 

本来ならアドバンテージを与えるこのカードだが相手の手札が増えるほどThe suppression PLUTEの効果の成功率が上がってくる。

 

 

「ドロップ・ストックは破壊され…ふふふ…カードを伏せて…魔法カード星の金貨を発動!!僕は手札のカードすべてを相手に渡してその枚数カードをドローする!!」

 

「無理やり俺の手札にカードを!?」

 

 

レオンは持っていたカードを十代に投げ渡すとカードを1枚引いた。一方十代が受け取ったカードはレベル8モンスターのヘクサトルーネ。強力なモンスターだがこの状況だとなにもできない。

 

 

「The suppression PLUTEの効果!!手札を1枚捨てて――」

 

「その効果に対して光牙の効果!!墓地のエッジマンを除外してThe suppression PLUTEの攻撃力を2600ダウンさせる!!」

 

 

 

『ぐぬぅぅ…小癪な手を…!!』

 

The suppression PLUTE/ATK2600→0

 

 

これでこのターンThe suppression PLUTEでダメージを与えることができなくなった。

 

 

「だけど効果は続く、ヘクサトルーネを選択!!」

 

「くそっ…」

 

 

十代手札

 

・ヘクサトルーネ

 

・E・HEROバブルマン

 

・融合

 

・マスク・チャージ

 

 

 

光牙がThe suppression PLUTEの恐怖に負けてレオンのフィールドへと移動した。

お互いに相手のフィールドのモンスターの数は変わらないから光牙は3000のままだ。

 

 

「バトルフェイズ!!光牙でネクロイド・シャドーマンに攻撃!!」

 

 

「ネクロイド・シャドーマンの効果発動!!このモンスターが攻撃を受けたとき、ダメージを0にすることができる!!そしてこのモンスターを攻撃したモンスターを破壊する!!」

 

 

E・HEROネクロイド・シャドーマン

融合モンスター・効果

☆6/闇属性/戦士族/ATK2000/DEF1700

「E・HEROネクロダークマン」+「E・HEROシャドーマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このモンスターが攻撃対象になったとき、受ける戦闘ダメージを0にする。

相手モンスターの攻撃で破壊された場合、その攻撃したモンスターを破壊する。

 

 

接近攻撃を仕掛けてきた光牙に対してネクロイド・シャーマンは自分の影の中に潜った。そして影が光牙の影に切りかかるとともに爆散した。

 

 

「なかなかやりますね、ターンエンド!!」

 

 

レオン

LP2000 手札0枚

The suppression PLUTE/ATK0→2600

伏せカード1枚

 

 

―十代のターン―

 

 

「レオン、なんでお前みたいなデュエリストがプラネットモンスターを使う?遊戯さんに勝ちたいならなんで――」

 

「…遊戯さんに負けてから、僕はより一層強さを求めた。けど、それには限界があった。何度シュミレーションしても勝てない。何度挑んでも倒せない。そんな時、このPLUTEと出会った」

 

『……………』

 

 

レオンはユウから聞くところによるとKCと同規模の会社の社長の弟だった。そのため、より精密なシュミレーションが行える機器もそろっているのだという。

 

 

「…衝撃的でした。僕の求めてた力がここにあった。今度は勝てる…そう思ってた矢先、名もなきファラオの魂が眠りについたと聞いた」

 

「荒木の言ってたやつか…」

 

 

名もなきファラオの魂については荒木から漠然とだが聞いたことがある。それにこの前、光の結社との戦いの後で武藤遊戯本人に確認したのだ。

 

 

「だから、僕は名もなきファラオの魂に、あのデッキに勝ったあなた達に勝ちたい!!たとえどんな手を使ってでも――!!」

 

「…なら、俺には勝てないな」

 

 

ピシャリと言い切った十代。別にこれといった理由も根拠もないが、それだけは言えた。

 

 

「デュエルは誰かのためや勝つためじゃない。楽しむためにやるもんだ。楽しむ心を失った瞬間、お前は勝てない!!俺のターン、ドロー!! …よし、魔法カード、コクーンパーティを発動!!墓地に存在するNの数だけCを特殊召喚する!!来い、C・ドルフィーナ!C・ラーバ!」

 

C・ドルフィーナ/ATK600

 

C・ラーバ/ATK800

 

 

フィールドに薄い膜に包まれた小さいモンスターが2体。そして伏せられてるカードは最初のThe suppression PLUTEで見られたあのカードがある。

 

 

「リバースカード発動、コンタクト!!」

 

 

フィールドの2体のモンスターがまるで生まれた雛のように殻を突き破ると2体の成長した姿へと変貌した。

 

 

N・アクア・ドルフィン/ATK300

 

N・フレア・スカラベ/ATK500→900

 

「さらに、マスク・チャージを発動!!墓地のネオスとマスク・チェンジを手札に加えてネオスを召喚する!!本来なら生贄が必要だが、墓地のネクロ・ダークマンの効果で一度だけ生贄を無効にする!!」

 

 

E・HEROネオス/ATK2500

 

これで十代はコンタクト融合を行う素材がそろった。だがそれでもまだレオンを倒すだけの力は届かない。フレア・ネオスになり、手札の融合とマスク・チェンジを伏せても攻撃力は3700、アクア・ドルフィンと攻撃しても400残る。

 

 

『さて、フレア・ネオスか?それか出す意味のないアクア・ネオス?それとも壁にするのか?』

 

 

PLUTEが面白そうに笑っていた。一方その姿にどこか不快感を覚えた十代はエクストラデッキのカードを取り出した。

 

 

「…レオン、悪いけど俺は、本当のお前と戦いたい。こんな奴の邪魔なんていらないようにな。俺は、フィールドのネオス、フレア・スカラベ、アクア・ドルフィンの3体でコンタクト融合!!」

 

「3体のモンスター!?」

 

 

驚くレオンとPLUTEをよそに、その3体のモンスターが宇宙空間で一つに合わさると大量の蒸気を纏ったネオスが出現した。

 

「来い!大気の力、アエル・ネオス!!」

 

アエル・ネオス/ATK3000

 

 

「アエル・ネオス…こんなモンスターが…」

 

『ば、バカな…ゴスペルからの情報ではこんなモンスターは…』

 

「ゴスペル…!?」

 

 

その名前に十代は聞き覚えがあった。まだネオスペーシアンを手にして間もなく戦い、そして光の結社との『12日後の戦争』では響を裏で操っていたエネミーズのリーダーである大男。

 

 

「まさか、この大会にエネミーズが関わってるのか…!?」

 

『…ククク、ああそうだ。我らプラネットモンスターは主であるトラゴエディアの精霊の復活のために活動している』

 

 

やはりというべきか異世界の十代達に倒された主の復活が目的のようだ。

 

 

「だが、そんなことはさせない!!アエル・ネオスの効果発動、手札を1枚捨てることでフィールドのモンスターを破壊する!!PLUTEを破壊だ!!ネオス!!」

 

 

十代の呼びかけにアエル・ネオスは胸に手を合わせて円形に指を合わせるとそこから無数の風の刃がPLUTEに襲い掛かった。

 

 

『ぐぬおおおおおおおおおおおお!!!!』

 

 

PLUTEが破壊され、これで冥王星のプラネットも撃破した。

これで残る問題はレオンだ

 

 

「レオン、お前が本当に遊戯さんに勝ちたいなら、お前自身の力で挑んで来い!!アエル・ネオスは破壊したモンスターの攻撃力の半分の攻撃力を得る!!」

 

 

E・HEROアエル・ネオス

融合モンスター・効果

☆9/風属性/戦士族/ATK3000/DEF2500

「E・HERO ネオス」+「N・フレア・スカラベ」+「N・アクア・ドルフィン」

自分フィールド上の上記のカードをデッキに戻した場合のみ、

エクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」魔法カードは必要としない)。

1ターンに1度手札のカードを墓地に送って発動することができる。

相手フィールドのモンスターを1体選択し、破壊する。

その後、破壊したモンスターの攻撃力の半分をこのカードに加える。

また、エンドフェイズ時、このカードはエクストラデッキに戻る。

この効果によってこのカードがエクストラデッキに戻った時、

お互いの手札を1枚捨てる。

 

 

アエル・ネオス/ATK3000→4300

 

 

「バトルフェイズ!!アエル・ネオスでダイレクトアタック!!スーパー・アトモスフィア!!」

 

 

「っ…なら、僕のエースを見せますよ!!リバース罠、ヘンゼルの道しるべ!!相手が直接攻撃を仕掛けてきたとき、そのダメージを無効にしてその数値の以下のモンスターを召喚する!!来い、童話の王グリム!!」

 

ヘンゼルの道しるべ

通常罠

自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、自分が受ける戦闘ダメージを0にすることができる。

その後、自分の墓地から無効にした数値以下の攻撃力を持つモンスターを特殊召喚する。

 

 

グリム/ATK2700

 

 

半ば苛立ったようなレオンの呼びかけに答えてフィールドに複数の本を持った魔法使いのような少年が現れた。

 

「へえ、そいつがお前のエースか…俺はカードを伏せる、そして手札のバブルマンはこのカードしかない場合守備表示で召喚できる」

 

 

バブルマン/DEF1200

 

 

「エンドフェイズ、アエル・ネオスはエクストラデッキに戻る、ターンエンド」

 

 

十代

LP600 手札0枚

バブルマン/DEF1200

伏せカード2枚

 

 

―レオンのターン―

 

「僕のターン(勝負を楽しむ…そんなこと…)言われなくたって、分かってるさ!!グリムの効果発動!!ライフ500とデッキの上からカードを2枚除外してカードを宣言する、次の僕のターンまで宣言したカードをお互いに発動することができなくなる!!僕は、マスク・チェンジを宣言!!」

 

「しまった…!!」

 

 

レオン/LP2000→1500

 

 

これで十代はバブルマンを変身融合させることができなくなった。残る伏せカードは融合。これでもし、レオンの手札に十代のライフ以上の攻撃力を持つモンスターがいれば――

 

 

「残念だけど、このモンスターは攻撃力500、赤ずきんを召喚!!」

 

 

 

赤ずきん/ATK500

 

フィールドに可愛らしい赤い頭巾をかぶった少女が出現した。

これで十代のライフはまだギリギリ保たれる。

 

 

「バトル、グリムでバブルマンを攻撃!!グローリー・ファンジア!!」

 

 

グリムが持っていた本を開くと、そこに物語に出てきそうな騎士が現れてバブルマンを切り裂いた。

 

 

「赤ずきん、十代さんに直接攻撃だ!」

 

 

本来は攻撃的な性格ではないのだろう、あわあわと駆け出した赤ずきんはちょうど真ん中あたりでコケてしまい、持っていたカゴの中身をぶちまけてしまった。それが偶然的に十代に当たった。

 

 

「ぐっ…」

 

 

十代/LP600→100

 

 

「グリムの効果!フィールドのモンスターをリリースしてカードを1枚ドローすることができる、赤ずきんをリリース!」

 

 

童話の王グリム

効果モンスター

☆7/光属性/魔法使い族/ATK2700/DEF2400

このモンスターは以下の効果を1ターンに1度発動することができる

・ライフを500ポイントと自分のデッキの上からカードを2枚除外してカード名をひとつ宣言する。宣言したカードは次の自分のターン終了時までお互いに発動できなくなる。 このカード効果に対してお互いに宣言したカードの発動・効果を無効にする。

・自分のフィールドのほかのモンスターをリリースしてカードを1枚ドローする。

 

 

「カードを伏せてターンエンド!!」

 

レオン

LP1500 手札0枚

グリム/ATK2700

伏せカード1枚

 

―十代のターン―

 

「俺のターン…魔法カード、ホープ・オブ・フィフスを発動!!墓地のワイルド・ウィングマン、ワイルドマン、ネクロダークマン、シャドーミスト、ネクロイド・シャドーマンをデッキに戻してカードを2枚ドロー!!魔法カード、潜入!スパイヒーローを発動!!デッキの上から2枚のカードを墓地に送って相手の墓地の魔法カードを発動することができる!!」

 

「(僕の墓地…考えられるのは……死者蘇生か壺の中の魔術書…!!)」

 

 

そう思ってるうちに影のような人物がレオンの死角からカードを1枚抜き取った。そしてそれはレオンの予想通り壺の中の魔術書だった。

 

 

「壺の中の魔術書を発動!!カードを3枚ドローする!!」

 

「ドロー!!」

 

これで十代の手札は4枚、レオンの手札は3枚。

問題はここから十代が何をするのかだ。

 

「魔法カード、O-オーバーソウルを発動!!甦れ、ネオス!!」

 

どうやら先ほどのスパイヒーローの時に墓地に送られていたようだ。しかしネオスだけではグリムを倒すことができない。

 

ネオス/ATK2500

 

「装備カード、最強の盾を発動!!ネオスの攻撃力を守備力分アップさせる!!」

 

 

ネオス/ATK2500→4500

 

 

「そしてアサルト・アーマーを装備、破棄して効果を付与する!!このターン、ネオスは2回の攻撃を行うことができる!!」

 

「2回攻撃…!!」

 

 

「バトルだ、ネオスでグリムに攻撃!!ラス・オブ・ネオス!!」

 

 

ネオスが飛び上がると腕のエッジに火を宿してグリムに向かって斬りかかった。

 

 

 

「リバース罠、攻撃の無力化!!」

 

 

だが、その攻撃は渦に遮られてしまい通らない。マレーンの首飾りのような攻撃が無効になる効果だけだったら二回目の攻撃で倒せた。だが、攻撃の無力化はバトルフェイズを終了させる。

 

 

「すげぇよ、レオン。お前なら、プラネットを使わなくたってカイザーを倒せたかもしれないぜ…カードを伏せてターンエンド!!」

 

 

「(カイザーを…そうだ…あの人はプラネットを使った僕が勝ったとは言えないって…十代さんも…楽しまなかったら勝てないって…)」

 

 

十代

LP100 手札0枚

ネオス/ATK4500

伏せカード3枚 最強の盾

 

―レオンのターン―

 

 

「僕のターン…(楽しむ…その心…僕のデッキが答えてくれるはず…この状況で、逆転する手を!)ドロー!!」

 

 

引いたカードは――

 

 

「速攻魔法、トラップ・ブースターを発動!!手札のカードをコストに手札から罠カードを発動させる!!トラップ・スタンを手札から発動する!!」

 

「俺の伏せカードを対処しに来たか…」

 

「さらにグリムの効果を発動!!デッキの上から2枚除外して最強の盾を選択、これで効果は無効!!」

 

「クッ…!!」

 

 

レオン/LP1500→1000

 

ネオス/ATK4500→2500

 

 

これで十代は罠、伏せてあるマスク・チェンジ、最強の盾を失い伏せられてるのは融合と1枚の謎のカード。反撃できる隙はほぼ無くなった。

 

 

「これで終わりです、バトルフェイズ!!グリムでネオスに攻撃!!グローリー・ファンタジア!!」

 

 

 

グリムの開いた本から新たな騎士が出現した。そして剣を抜くとネオスに向かって斬りかかった――

 

 

「これで僕の勝ちだ!!」

 

「やっと、お前も楽しむことができたみたいだな」

 

 

嬉しそうに言うレオン。たしかにプラネットモンスターを手にしてからそんなことを考える暇がなかった。ただ相手を倒すためにデュエルをする、それだけしかなかった。

 

 

「礼を言います、十代さん。僕は…遊戯さんを超えたかったんじゃない…遊戯さんともう一度、本気で戦いたかったんだ」

 

 

いつしか理由と結果が逆になっていた。だから楽しむことができなかったのだ。十代も相手が楽しんでいないと楽しむことができない。だから――

 

 

「ああ、けどな…レオン、楽しむのがちょっと遅かったな!!」

 

「!!」

 

 

「リバースカード発動!!」

 

 

トラップ・スタンで罠カードを無効にされてマスク・チェンジも発動が封じられている。その状況で発動できるカードなど――

 

 

「速攻魔法、旗鼓堂々を発動!!」

 

「速攻魔法…!?」

 

 

 

そう、唯一の抜け道、それが速攻魔法だった。マスク・チェンジで安心しきっていたが、ほかにも発動できる速攻魔法は存在するのだ。

 

 

「このカードは墓地の装備魔法を対象の正しいモンスターへ装備するカード!!」

 

「装備魔法…けど、墓地には…」

 

 

レオンはそういうが、一枚だけ墓地に装備魔法が存在した。そう、潜入!スパイヒーローで墓地に送られたネオスともう一枚のカード。

 

 

「墓地からネオス・フォースを装備!!装備したモンスターの攻撃力を800ポイントアップさせる!!」

 

 

ネオス/ATK2500→3300

 

 

「迎え撃て、ネオス・フォース!!」

 

 

騎士をパンチで撃退し、グリムの眼下まで飛び込んだネオスは腕にエネルギーを貯めてそれをグリムへとぶつけた。

 

 

「うわあああああああ!!!!くっ…(けど、僕の手札には命の水がある、これでグリムを…)」

 

「ネオス・フォースの2つ目の効果!!戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

 

 

「なっ…わあああああああああ!!!!」

 

 

レオン/LP1000→0

 

 

こうしてプラネットモンスターを2体操るレオンを撃退した十代。だがそのレオンの顔には負けたがどこか満足したような表情だった。

 

 

 

「負けちゃった…流石遊戯さんに勝ったデュエリスト」

 

「へへっ、ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

 

 

―廃寮前―

 

 

「えっ…!?」

 

「あらあら、私が敵だといつ気づいたのかしらね」

 

 

エドの言葉に現れたのはユウ達ノーバディの所属するチーム寮の寮長であるカミューラだった。

まさかの予想外な人物の登場にユウと万丈目は驚いていたがエドにはある確信があった。

 

 

「洞窟内でコウモリに襲われたときに少し違和感があったが、通信妨害があったときそれが何かわかった。コウモリの発する超音波、それが通信機に悪影響を及ぼしていた」

 

「へぇ…そしてコウモリを操れるのが私だけだと?それだけなら不十分じゃないかしら?」

 

「あくまでここまでは貴女が怪しいという情報、如月に貴女の行動を確認してもらったところ、黒幕の映像を流したのが貴女だと判明しました」

 

 

ジュードが見た映像、それを唯一流すことができる映像室にはその時誰もいないはずだったがほかの場所にいるはずのカミューラがその映像の時だけ監視カメラの映像から消えていたのだ。

 

 

「なら、私が今ここで取る手段もわかってるわね」

 

「…ユウ、エド、先にいけ。ここは俺に任せろ」

 

「エド…うん、わかった」

 

「気をつけろよ」

 

ディスクを互いに構えた万丈目とカミューラ。それを見届けてユウとエドは中へと進んだ。

 

そして、この暴走する大会(ジェネックス)も終幕へと迎える。

 




困ったな…
釼都「いきなりどうした?」
いやね、この『ジェネックス編』の次は完全オリジナルの章になるのね。予定だとあと3話で次の章に入るって、オリジナルが15話前後の予定。そして…次の『異世界編』、またの名を『ユベル編』なんだけど…
ツバキ「うん」
ユベルが出てこない可能性がある
シゲル「……はっ?」
正確にはユベルが黒幕で出てこないかもしれない。どこかでポッと出てくるかもしれないけど、アカデミアが異世界に飛ばされないと思う。
ユウ「なんで…?」

ユベル編は正直十代が子供から大人になるためにブラックな展開が広がるんだけど、既に大人になりかけてるから。
ツバキ「え?」
以前、紫苑を置いて出て行ったことや管理局、エネミーズ、その他諸々との戦い。あと1歩だと思ってアニメと同じ展開にしなくても十分だと思ったのが一つ。
紫苑「一つってことはまだほかにも理由が?」

2つ目はまあ…風呂敷を広げすぎた。
釼都「というと?」
管理局、エネミーズとの決戦もやらなくちゃいけないのにアニメと同じ展開にする時間がない。ぶっちゃけ、手が回らない。
紫苑「ユベルと以上の組織が繋がってるというのは?」
話が出来にくいから却下。

3つ目が紫苑の存在
シゲル「なんで紫苑?」
アニメだと十代と意気投合していたヨハンの体を乗っ取ってたけど、あれの通りだと紫苑が乗っ取られるのね。まあ…そこらへんで十代がユベルを受け入れるかどうかと言われると微妙だから。

4つ目は…
ユウ「何個あるの…」
最後、異世界に飛ばされたりしてもぶっちゃけるとカルマやアナトで元に戻れそうだから。
シゲル「本末転倒だな」
それにそのオリジナルの章で結構人間離れしてくる予定だから
釼都「ユウが?」
いや、シゲルが
ツバキ「なんで!?」

さて、長ったらしい今後の話はこれぐらいで今回の話です。

ツバキ「まずは十代の戦いだね」
とは言っても別段特筆することもないけどね。強いているならM・HEROと属性HEROについてですね
ユウ「返却したってあったけど…」
うん、強すぎた。属性HERO。特にアブソルート、アシッドでゲームエンドする可能性が高かったから「データ収集終了」ということで回収したことにしました。
釼都「じゃあM・HEROを紫苑に…って同じことか」
そう、特に紫苑は属性HEROがエクストラのメインだからね。

楽しむ心については原作でもある十代VSカブキッドの戦いから持ってきたやつですね。正しく当時の十代のことを示すような言葉なんです。
ユウ「上で出てる異世界編だとそれがなくなるからね」

シゲル「で、今になったM・HERO投入した理由は?」
この前のHERO強化でダーク・ロウだったりカミカゼだったりが入って使いたくなったから。ただまあ、この話は既にネオス・フォースで倒そうとして組み立ててたから途中で少しだけ。

ユウ「カミューラさんも敵なの?」
一応ね、そして彼女が残るMercuryのプラネットの所持者。
釼都「で、SUNは黒幕か…ジュードが心配だな。その前に解呪の儀ってなんだ?」
プラネットが持つ占星術の力を魔法陣に注ぐことで完成する、言ってしまえば封印を解除するための儀式。
紫苑「では、私たちがプラネットモンスターを倒すのも敵にとっては想定内だと?」
まあ、そうだね。問題はそれで何の封印が解除されるかだね。

さて、次回は…ちょっとややこしい
ユウ「ややこしい?」
前半部分はジュードと黒幕なんだけど後半は万丈目とカミューラの戦い。あ、ちなみにジュードと黒幕の戦いは二話に渡ります。


では次回、Turn92 ライト&ダーク
最強カードは『平行逆転世界』

お楽しみに!
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