偽エミヤの英雄譚   作:妄想男

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6話

彼女と挨拶を交わした後、彼女の御付の黒服に控え室へと案内

され、時間が着たら模擬戦を行う場所まで案内してくれるらしい。

 

誰も居ない個室で中央に設置されているソファーに座り、作戦を考える。

相手は俺と同じAランク。

それなりに備えないといけないな……。

 

装備と言ったら赤原礼装がいいかな?

 

となると……これは合法的にエミヤのコスプレできるんじゃね?

鎧型のデバイスもあるって聞いたことあるし、外装もデバイスといえば……。

 

なんてこった!!なんで今まで気づかなかったんだ俺のバカヤロウ!!

歯を食いしばり激しい後悔に襲われる。

だが、同時に合法にコスプレが出来ると歓喜に体が震える。

 

きていた学校の制服を脱いで、英霊エミヤの装備を投影する。

そして自分の姿を洗面所の鏡で確認する。

 

おお!これぞ英霊エミヤだ。

腹筋も普段のトレーニングのお陰でシックスパック。

中学生では居ないであろう鍛え抜かれた肉体がよく分かる。

うん、我ながらモヤシボーイだった頃とは比べ物にもならない凄い体だ。

 

鏡に映るマッチョな自分の体に見惚れていると、部屋の扉からノック音が聞こえた。

おそらくもう時間なのだろう。

 

「衛宮君。もうじか……ん」

 

俺の姿を見て絶句する外交官のおじさん。

まあ、さっきまで学校指定の制服を着ていたのにコスプレ全開な格好を

していれば驚くだろう。

 

「なにか…おかしいかね?一応、聖骸布型のデバイスなのだが」

 

「……ああ!なるほど。その服もデバイスなんだね。

鎧型は聞いたことはあるけど、君は剣以外にも作る事が出来る

なんて知らなかったよ。

君のノウブルアーツは本当に万能なんだね。

さすがAランクの天才だ、交流試合は期待しているよ」

 

俺の話を聞いて納得したのか、我に返る斉藤さん。

その瞳には期待の色が見える。

おっさんの期待よりも美少女の期待の方がいいのだが……。

それはしかたがないか。

 

「それじゃあ、行こうか。衛宮君」

 

「ああ、ご期待に応えられる様に頑張らせてもらおう」

 

 

☆☆☆

 

 

闘技場の観客席には少ないが黒服の男達にVIPだと思われる人たち

が闘技場の中央でステラ・ヴァーミリオンと相対している俺を見ている。

人数が少ないのはヴァーミリオン側の配慮か?

それとも学生同士の交流試合事態に世間の興味は薄くて結果だけにしか

興味がないのかのどちらかだろうが……。

たぶん皇族側の身辺警護も兼ねた配慮なんだろうな。

 

「………」

 

さすが皇族。

これほどの闘技場を貸切で使えるとは庶民派の俺には想像できない。

 

「…………」

 

うん、突き刺さる視線を気にしないようにテキトーなことを考えていたのだが

無理だ。

だって、目の前の皇女様が俺の体をビームを掃射して穴を開けるのではないかと

思うほどジロジロと見ているのだ。

 

気にするなと言うのは難しい話だ。

若干顔も赤いし、マッチョな男の体を見慣れて居ないのだろうか?

とても話かけ辛い上に、気まずい。

やはり学生服のほうがよかったか?

 

気まずい雰囲気を察してくれたのか、外交官の斉藤さんが

 

「ヴァーミリオン皇女殿下。

衛宮君の服装は礼装型のデバイスらしいので、御気になさらないよう

お願いします。」

 

と、言ってくれたのでなんとか気まずい雰囲気は緩和され、話しやすい

空気になったお陰か、目の前の皇女様の雰囲気も変わる。

切り替わったのか、とても強い闘志をその赤い瞳から感じられる。

 

『では、交流試合を始めます。

デバイスを幻想形態で顕現してください。』

 

「傅きなさい!レーヴァテイン!!!」

 

闘技場に流れるアナウンスに従い、彼女は自身の突き出した

右手に炎と共に一本のルーン文字が書かれた赤い

刀身の魔剣が姿を現す。

 

ーレーヴァテインー

 

神話では幻獣を殺し、世界をまるごと焼き尽くすという究極の武器。

 

武器を見て解析するが、宝具のランクはA。

紅蓮の炎を自在に操る魔法の杖であり魔剣。

一級品の魔剣に一級品の魔力量。

 

投影のみの戦闘では間違いなく最強の敵だ。

少しでも剣製に油断やミスをすれば簡単に敗北する可能性がある。

 

「トレース・オン!」

 

言わなくてもいいのだが、気合を入れる為にエミヤの言葉と共に

両手に出現する白と黒の夫婦剣。

 

干将(かんしょう)・莫耶(ばくや)

 

を投影する。

 

『準備は出来ましたね?

それでは……はじめ!!』

 

「ハァアアアア!!」

 

試合開始のアナウンスと共に、俺に真っ直ぐ突っ込んで剣を振りかぶる皇女。

そして、その剣は迷う事無く俺に振り下ろされる。

何所までもまっすぐな太刀筋。

彼女の性格の表れだろうか?

虚実も策略もない一点突破。

 

俺は直感と心眼スキルに従い、右手に持つ莫耶で彼女の剣を右に弾き

隙だらけとなった彼女に左手に持つ干将を突き刺そうと腕を伸ばす。

これで試合は終了。

 

しかし……そうならなかった。

 

 

何故なら俺の持つ干将の刃が彼女に突き刺そうとしている腹部の前で停止

しているからだ。

そして、止まった隙を見逃さないと返す刀で俺の右の胴をめがけて剣が振るわれる。

しかし、その攻撃は俺の魔力で強化した莫耶でもう一度はじいて、魔力で強化した

足で、バックステップを行うことで距離をとる。

 

「《エンブレスドレス》。私の使える最強の防御魔法なんだけど……。

ここまで抉ったのは貴方が初めてよ」

 

「やれやれ。あれで決着と思ったのだが……。

今度はもう少し多めに魔力を使って攻撃をしよう。そうすれば

確実に攻撃を通すことが出来る。」

 

「なら!貴方をこれ以上近づかせなければいいだけの事よ!!」

 

俺との近接戦に危機感を覚えたのか魔剣により発生した炎が

彼女が剣を振るう度に、飛ぶ斬撃となって俺を襲う。

そしてその斬撃を直感さんと心眼スキルさんがどのようによければ

効率がいいのかを教えてくれる。

右に左に前に斬撃の雨の中を進みながら彼女にゆっくりとだが確実に

接近していく。

 

しかし、それも出来なくなった。

何故なら直感スキルと心眼スキルが再び俺に対して

同時に後方へ全力で跳べと警告を発したのだ。

俺は直感に従い後方に飛ぶと、紅蓮の皇女は地面に刃を付き立て

自分の周りを俺の居た場所ごと、力技で無理矢理火の海へと変えたのだ。

幻想形態で死ぬことはないが、もしあのまま突っ込んでいたらと肝が冷える。

直感さんと心眼さんは本当に、いつもいい仕事してくれる。

 

「本当に反応がいいわね。でもこれで終わりにしてあげる!!」

 

彼女の剣に収束する大量の炎。

おそらく必殺の一撃を放とうとしているのだろう。

ならば俺もここで決めるしかない!

 

夫婦剣を破棄して、黒塗りの弓を右手に投影して左手に剣を投影する。

柄を弓の弦にかけて引き絞り、赤い矢に変質させた後に魔力を矢にチャージする。

 

「弓矢まで作るなんて……あんた《無限の剣》じゃなかったの?」

 

「何、色々とできるといっても私は剣に特化しているから間違いではない」

 

意味が分からないという表情を見せつつも、炎の収束は止まない。

そして……。

 

「これで終わりよ!!《カルサリティオ・サラマンドラ》!!」

 

上段に構えられた刀身から収束された炎が巨大な剣を作るように放出され

振り下ろされる。

俺は……振り下ろされる剣に向けて魔力を十分にチャージした矢を放った。

 

 

 

 




この作品のエミヤはタイトルのあるように偽エミヤですので憧れといっても中二病的な感じで、感想にあるようにエミヤのコスプレやごっこ遊びが好きな男だと主人公を
認識してください。

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