Baby Princess ~クリスマス・イブの聖夜~   作:明棲木親池

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第13話

 

海春はショッピングモール内を、霙はそれ以外の駅前を探した。春風はもしヒカルが戻ってきた時の事も考え、クリスマスツリーの前で待機という形になった。

冷える冷気が、彼女たちの不安を加速させる。

 

どうしよう――どうしよう――――。

春風は、先ほどからずっと心の中でそう呟く。しかし、それは心の中だけ、決して表には出さない。

理由はただ一つ。自分がヒカルよりも――お姉さんだからだった。

もし、ヒカルが自分の場所に姿を現したら――多分、自分は泣いて抱きしめてしまうだろう。

けど、それは見つかったらの話。

だから――それまでは――――。

 

春風はぐっとこらえる。

涙も、不安も。

だいじょうぶ――ヒカルちゃんはきっとぶじだもの。

胸の前で手を組み、祈る様に目を閉じる。

 

      *

 

一体どこに――。

ショッピングモールを抜け、駅前の切符売り場まで来た霙は、人混みの中、懸命にヒカルの姿を探していた。

今日のヒカルの服は、至って普通の小学生の服装だった。

なので、霙は服装がどんなだったか――とは、考えず、この辺りに小学生がいるか、と考えた。

道行く人々はほとんどが大人。

この時間帯ともなってくると、小学生が一人で歩いているのは逆に目立つ。

霙はそこを狙った。

しかし、作戦虚しくヒカルを見つける事は出来なかった。

「はぁ……はぁ……」

霙は運動があまり得意ではない。故に体力も人並み以下。

息を吸い込む空気は冷たく、体の芯まで凍りつきそうであった。

だが、霙は自分がそんな状況下に置かれながらも、

ヒカルは寒がってない、だろうか――。

と、考えていた。

 

      *

 

あぁ~っもう! 一体、ヒカルはどこに行ったのよ!!

ショッピングモールの二階の婦人服売り場にて、海晴は地団駄を踏む。

一応、迷子センターにも連絡、及び捜索願いを出した。

そのため、この近辺にいれば多分、ヒカルが見つかるのは時間の問題だった。

しかし、海晴はそれに頼ってしまうことなく、こうして今も自分の足を使い、ヒカルを捜索している。

行き交うマダムの群れに、海晴は気圧される事無く突き進む。

大事な妹ですもの、長女の私が何とかしないと――。

海晴の顔つきは、先ほどとは別人の様な〝お姉さん〟の顔をしていた。

大丈夫。なんてったって天使家の娘だもの――きっと、今頃は私達の心配を差し置いて、のんきに寝ているに違いないわ!

そう思った瞬間、海晴は笑みをこぼす。

それは寒空の下、ヒカルがのんきによだれをたらし、寝ている姿を想像したからであった。

 

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