ラ「ね・・・。まあ、暁強いからね。」
真「どんくらい?」
ラ「真の3倍以上」
真「・・・・・」
黒い半月が宙に描かれ、俺の桜色の斬撃とぶつかる。
激しい妖力と霊力の衝突に暴風が吹き荒れ、髪を風に遊ばせた。
ギギギ、と押し合いながら火花を散らしていたが、その拮抗は一瞬で崩れ去る。
「
暁が小さく告げた瞬間、斬撃、いや暁を風が包み込んだ。
風は暁に追い風を送り、俺に向かい風を送る。
桜色の刃が次第にぶれ始め、暁の黒い月はより一層鋭さを増す。
刃が押し込まれ、遂に俺の顔近くまで柄が迫って来た。
このままでは、斬られる。
そう悟った瞬間、俺は叫びながら大きく振りかぶっていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ゴオオオオオオ!!!と凄まじい風切り音を立てながら蒼い奔流が未来永劫斬を包み、20m程の斬撃を更に伸ばした。
暁の風の力にも負けず、今度は俺が押し込んでいった。
それでm頭の回転は止まらず、更に次の手を考えていく。
「
鍔迫り合いを最初に切ったのは、暁だった。
それを確認した俺は、同時に未来永劫斬をやめる。
暁を妖力の火が包み、燃え盛る力と熱気を付与した。
小太刀にも火は伝わり、風とは違う威力を見せ付ける。
俺も負けじと、桜ノ蕾を左手に移した。
そして、意識を集中させる。
真っすぐ、ひたすら真っすぐ。
届け。切り裂け。
右手が輝き、霊力が結晶化していく。
ただ光るエネルギー体を、俺は強く掴んだ。
「霊刀・羅刹!!」
刃は1m。柄は20cm。
黄金色に輝く直刀は、一際強く煌めいていた。
両手に刀を持った俺は、体の前で強く切り払いーーー
暁に向けて、地面を蹴り砕いた。
鈍く重い轟音と共に地面が割れ、世界が高速で飛んでいく。
9%と言う未知の領域に慣れないながらも、二刀を全力で薙ぎ払う。
ギャリイイイインン!!!!!!!!
「っ・・・!!」
「ぐっ・・・!」
だが、その加速さえも暁は見切って見せた。
二刀の隙間に差し込む様に、火を纏った小太刀を突き出す。
俺の喉を的確に突くように繰り出された突きは、激しい火花を散らしながら寸での所で止まる。
逆に俺の二刀も、暁の頬寸前で止まっていた。
次にはお互いに剣を弾き飛ばし、後ろに跳び退る。
一瞬の攻防、瞬き一つも許さない高速戦闘。
左腕はかなり痛む。でも、霊力で肉体強化をして強引に挑んでいる。
自分自身の為に、絶対負けられない。
いくら体がボロボロでも。全ての策が破られても。
心だけは、絶対に折れない。
「耐えろよ・・・っ!俺・・・・!!!!」
再び暁は姿勢を低く構え、突撃しようとするがーーーー
俺の異変に気づき、直ぐ止めた。
「が・・・アアああ・・・・アアアアああ・・・・!!」
苦し気な声が口から漏れ、体半分を蒼、半分を黒の霊力が蝕んでいく。
たった一度でいい。
ただ。
暁に、この手を触れられれば。
死なない。
でも、死ぬかもしれない。
さあ。
命を投げ出せ。助けるべきは。
そこに、居る。
「あああああああああああ!!!!!!」
咆哮。
大地が網目状に砕け散り、欠片が宙に吹き飛ぶ。
奔流となった霊力が地面や空気を叩き、破壊していく。
暴走。
・・・を、一部だけ使う。
バギゴギュグジャ!!
異常な霊力を流し込んだ反動で、足が全て折れた。
バランス・・・いや、意識を保っているのも難しい状態で、俺は手を伸ばす。
届け、届け、と。
折れた足を無理やり地面に叩きつけ、半ば狂乱しながら加速した。
弾丸の様に空気を切り裂き、光の様に暁の目の前に着地した俺はーーーーー
力の限り、叫んだ。
「
薄れゆく意識の中。
暁の顔が驚きに見開かれ、次には極光が幻想郷を塗りつぶす。
全てを消すような轟音と共に、至近距離で俺の前身は爆発した。