東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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ラ「・・・グロ注意」
妖「今回はひどすぎないですか!?」
ラ「書いてるときに段々嫌な気持ちになりますた」
妖「はあ。暁ファンの皆さま、必ずハッピーエンドに向かわせますので。」
ラ「マスターになれますたー!」
妖「・・・はい、大丈夫です。バッドエンド何て書かせません。」

ラ「今日さ、赤ワイン使った実験したんだよね。」
妖「え?貴方まだ未成年ですよね?」
ラ「うん。遊び(授業)で」
妖「へえ、で?」
ラ「列挟んで向かいっ側の女子がさ、匂いだけで酔ったんだよね。」
妖「はあ」
ラ「酔って無い!・・・とか言いつつ文字が崩壊しててさ。数学ボロボロだった。」
妖「・・・結論は?」

ラ「ものっそい可愛かった!!!」

妖「では、どうぞ!」


第十章第九話「自問自答」

意図せずとも、俺の体は押し当てられた刃に反応する。

幾度も繰り返してきた妖夢との模擬戦、咲夜さんとの高速戦闘。刃物を使う彼女達は確実に一撃で仕留められるように、狙うのは首か手首だ。重要な血管が集まって居る部分を切り裂く事で一瞬で息の根を止める。

かくいう俺も大分それで負けて来たので、少しだけ一人で修行をしていた。

大木を蹴り倒し、手首に当てる、と言う荒業だ。勿論手首を鍛えた訳では無い。じゃあ、何をする為にそんな事をしたのか?

 

答えは、大木も刃物も吹き飛ばす程の霊力の放出。

 

青白い閃光が手首から放たれ、視界を潰すと同時に刃物を吹き飛ばした。それと一緒にバランスを崩した暁に向けて、俺は右手で掌底を放つ。

暁の腹部に衝突し、衝撃波で草が舞い上がる。空中で態勢を整えた暁は地面に音一つ立てずに着地し。

 

「・・・あはは、すごいね。じゃあ、それもふきとばそうかな。纏・雷」

 

笑みを、浮かべた。

さっき手首を切った時に噴き出した自身の鮮血で頬を赤く染めながら、暁は満開の花の様な笑みを咲かせる。それでも、それは綺麗では無かった。枯れ果てた草原に、全ての栄養を吸い取りたった一つだけで咲く。その様な寂しさと不気味さ、そして狂気が感じられる。

瞳孔が限界まで開かれ、彼女は俺を凝視していた。妖力によって生成された雷が暁の周りを漂い、時折はじける様な音を響かせる。

 

やるしか、無いのか?

本当に、助ける事は出来ないのか?

何が起きたのか。何があったのか。俺は何も知らない。少し前に会った時は、今まで通りの暁だったのに。

 

唇を噛みしめ突っ立ていると、遂に暁が動き出す。

膝を曲げ、彼女は力を溜め始めた。それに伴い、雷が激しく暴れ始める。

 

 

「いくよー!」

 

 

そして、彼女は地を蹴った。

 

 

空を裂き、青い閃光を煌めかせる白刃は俺の手首を同じ様に狙う。あの速度と、今の俺ではあれを弾き返す事は出来ない。そして、暁自身を助ける事さえも。

無力だ。あれだけ皆に鼓舞され、助けられて置いて俺はまだ無力な少年と呼ばれるのか?

 

・・・違うだろう?

 

・・・今度こそ、変わるって。

 

・・・退くんじゃない。逃げるな。

 

・・・敢えて、一歩踏み出せーーー!!

 

 

「ここで、終わらせはしない。」

 

桜ノ蕾に手を置き、俺は視線を細める。

もうすっかり長く伸びた黒髪の隙間から、少しだけ暁が見える。その狭まった世界で、俺は体のバランスを崩した。

紙一重。雷撃が俺の体に掠るくらいの距離で、俺は暁の斬撃を躱した。

一歩も動かず、体を捻るだけの最小限の回避。

幾度も幾度も、止まる事を知らないかのように繰り出される連撃。雷を纏う斬撃は、当たれば一撃で俺を吹き飛ばすだろう。

 

「・・・あたんないなあ。月光ノ夜桜」

 

次の瞬間、首を傾げた暁は何の躊躇も無く黒い妖力を斬撃に乗せた。

流石に防ぎきれなかった斬撃に、俺は敢えて体から力を抜く。

・・・そして、桜ノ蕾を振り上げた。

 

青白く宙に描かれた軌跡は黒い弧を真っ二つにし、曇天に鮮やかに写る。

 

「つかまえたあ♪」

 

 

暁は、俺の腹部に小太刀を突き刺した。視認できない速度。雷と同じ速度で動く暁を、一瞬でも視界から外してしまった事が失敗だった。

 

服がどんどん赤黒く染まり、口からも鮮血が吐き出される。

その血は暁の顔にかかるが、暁はそれを気にする事無く笑った。

 

「これで、しぬかな?これで、かえってもいいかな?黄昏様に、はやくほめてもらうの。」

 

暁の頬が赤く染まり、眼が細くなる。小太刀を捻り、血が噴き出すのを楽しむ様に暁は俺に近づいた。

俺を下から見上げた暁は、頬に付いている血を舐めとり、これから起こる幸福を楽しむかのように口角を上げる。

見下せば髪が鼻に付きそうな状態で、俺は拳を握りしめた。

そして、不安を吹き飛ばすように笑う。

 

「死なないし、お前は帰らせないし、黄昏は俺がぶん殴る。」

 

はっきりと俺は宣言する。

これは自分自身を鼓舞するものであり、奮い立たせるもの。

まだ、動ける。大体ーーー

 

 

「魔理沙特製回復薬があるからな。」

 

 

貧血により視界が霞む中、俺は暁を蹴り飛ばした。腹部に刺さっている小太刀を乱暴に引き抜き、霊力を流し込みながら俺は懐から取り出した緑黄の液体を口に流し込む。

味は言いたくない。でも、少しずつ風穴が塞がり始め、視界がはっきりと鮮明になって来る。

 

「・・・むう、つまんないなあ」

「つまんなくて結構。」

「さっさとしんでよ」

「断る。」

「なんで?」

「助けなきゃいけない、生きなければならない理由が残っているからだよ!!」

 

最後の問いに叫び返し、俺は桜ノ蕾を射程距離拡張を使いながら切り上げた。

そして、暁の服が真ん中から切り裂かれる。意図して無い状況に、俺と暁は固まる。

はらりと服が風に吹かれ、白い淡雪の様な肌と二つの双丘が露わになった。

 

・・・そして、胸の真ん中に在る無残な傷跡。

 

まだ完全に治っておらず、赤い肉が剥き出しになっている。皮が破られ、胸の奥まで何かが侵入したことが分かった。

気分が悪くなり、眼を見開くと同時に暁は前を手で隠す。

 

「・・・もう、かえる」

 

恨む様に呟いた暁は、そのまま紫の隙間に飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・そして、俺は動く事が出来なかった。

 

 

 

 

 

もしかして。もしかして。

 

・・・暁は、魂を抜き取られたのか・・・!?

 

立てられた一つの仮説。不可思議な色から見えた、あってはならない真実。

 

「黄昏えええええええええええええええええええええ!!!!」

 

 

思わず叫んだ声も、虚空に吸い込まれ消えて行った。

 

結局、何も出来ないのか。何一つ、助ける事は出来ないのか。

 

 

・・・自問自答。俺はそれに、答える事が出来なかった。

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