ア「今回の章はあまり盛り上がらなかったわね。」
ラ「メインは敵で心を許し始めていた暁を再びどん底に落として、それを真君が助けるって言うのだからね。」
ア「成程。九章の様な殴り合いとかは特に無かったものね。あ、アリスです。」
ラ「・・・はあ、夢幻魂歌もそろそろ完結だね。」
ア「え!?もう!?」
ラ「うん。もう最終回が見えて来たし。」
ア「・・・半年?早いわね。」
ラ「ねー。・・・では、どうぞ!」
・・・しかし、陽炎はそれに拒否した。
『・・・いやだ。全く、あんたは何も学習して無いの!?』
「え!?」
『自分を助けてくれた人が死んで、それで自分だけ生き残ってるって言うのがどれほど辛いか分かってるの!?大体ねえ、全身超新星爆発した時も暁はずっとあんたの傍に居たのよ!!』
「・・・じゃあ、やっぱり応急処置をしてくれたのは暁だったのか・・・。」
『そう。あんたは今、それすらも無下に扱おうとしたんだ。だから嫌だ。あんたの魂を暁に居れる様な事はしない。』
森を走って居る中、陽炎はそこで言葉を切る。
そして、きっぱりと断言した。
『私が暁の中に入る』
有無を言わさないその口調に、俺は驚きを隠せず慌てて聞き返した。
「でも、そしたら陽炎は動けなくなるんだよ!?」
『私は元々死んでるから良いの。・・・大切な人を殺して、自分も自殺して。何一つ助けられなかった。大切な人が居ない世界に耐え切れなくなって、それが分かって居ながらも愛する人を殺しちゃった。・・・私は、今まで逃げ続けて来た。でも、真は違う。何をやっても、絶対に暁を救おうとしていた。これはあんたに慈悲を懸けてるんじゃ無い。私が、私自身の意思で決めたんだ。』
「・・・本当に、頼んで良いのか?」
『うん。いずれ、私の過去も詳しく話すさ。』
いずれ、話す。
今は俺の体から抜けるとしても、やはり未来で会おうと言う事か。
初めて俺の事を名前で呼んだ陽炎は、その意思と瞳を未来に向けていた。
「よし、行くぞ陽炎ちゃん」
『陽炎ちゃん言うな!!』
そして、今。
遂に、陽炎の魂が暁の足りない部分を補ったーーーーー!!
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俺の首筋に触れるか触れないかの所で、暁の纏う妖力と殺気が霧散する。
白刃は静止し、氷も地面に溶け落ちていく。
「あ・・・あ・・・」
暁は俺の上に跨ったまま、安堵か人を斬りつけそうになった恐怖か、涙を流していた。
左手を握ったり開いたりして、自分の思い通りに体が動く事を確認する。
瞳に光が戻った暁は、次いで俺に視線を向けた。
何も言えないのか、口が開くたびに暁は直ぐ閉じてしまう。
そんな暁に俺は、優しく微笑みかけた。
「お帰り、暁。」
カラン。
小さく金属音が森に響き、暁の手から小太刀が滑り落ちる。
赤いマフラーを風に遊ばせ、金の簪を夕日に輝かせた少女は、太陽に負けず劣らずの明るい笑みを浮かべーー
「・・・ただいま、真。」
小さく、でも確かに呟いた。
次回、暁と真を新たなる脅威が襲う。