ラ「うん。この話では希望を持たせたくなかったから。」
レ「しかしまあ流石と言うか何というか。コメディよりもシリアスね。ラギアは。」
ラ「うん。後グロイのが苦手なのに得意です。」
レ「貴方が得意ってだけで他の人はこれ以上の事が当たり前に出来てるわよ?」
ラ「・・・皆凄いなあ。」
レ「貴方ももっと精進しなさい。で?今回フラグは?」
ラ「うーん、一応・・・?」
レ「まあ勘の良い方なら次の展開が読めるでしょうね。」
ラ「多分ね。」
レ「まあ、楽しんでいってちょうだい。どうぞ。」
レ・・・レミリア・スカーレット
「まあ、君達は自分の事を褒めて良い。何せ、僕に本気を出させたのだから。」
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた俺を黄昏は見下ろした。
触れるだけで全てを壊しそうな程の圧倒的霊力を持ち、それでも黄昏はゆっくりと歩む。
「悲しいな。個々では何も出来ず、集まり手を取り合っても
震える体を無理やり動かし、俺は何とか立ち上がろうとする。
隙だらけの体勢のまま歩いてくる黄昏を睨みつけながら、絞り出すように俺は呟いた。
「勝てない物何て・・・ある訳無い!夢だって、絶対に叶う!!」
鬼丸も、桜ノ蕾も今は無い。
心を開け。雲を割り、差し込む陽光の様にーーー
「心刀[天開・羅刹]!!」
蒼い霊力が渦巻き、宣言したのとほぼ同時に一つの刀が生成された。
黄昏は表情を変えずに、ただ右の掌を俺に向ける。
「おおおおおおおおおおおおおお!!!」
砲声。
一心不乱に地面を蹴り砕きながら、俺は羅刹を全力で振り降ろす。
体の捻りも、霞むほどの加速も。
全てを乗せた斬撃は黄昏に迫り・・・
その刃を、砕いた。
散り散りになった破片が宙に舞い、残された柄が空気に溶ける様にして消えて行く。
光の粒子が消え切らず、その残光を残す中。
「まだ分かって無いのかい?無駄なんだよ。全部な。」
黄昏は俺を睨みつけ、霊力を存分に纏わせた拳を至近距離で撃ち放った。
まるで大砲でも撃ったかのような轟音が鼓膜を震わせ、腹部がそのまま吹き飛んだかと錯覚する程の衝撃と激痛が俺を瞬く間に襲い始める。
壊れた笛の様に掠れた空気しか吐き出せず、俺は喉の奥に無理やり指を突っ込む。
吐き気と気持ち悪さが一気にせり上がり、指と一緒に赤黒い塊を吐き出す。
荒く呼吸をするも、その度に血が滴り落ちていく。
「纏・雷!!」
地面に手を付く俺を庇う様に、雷を纏った暁が前に進み出た。
小太刀をやはり逆手に構え、彼女はさっきの俺と同じように駆け出すが。
・・・やはり刀の刃は砕け散り、白刃が細かく月明かりを反射している。
瞬間、黄昏は何の躊躇いも無く暁を握った拳で撃ち抜いた。
四つん這いで這いつくばる俺のすぐ前に暁は崩れ落ち、何とか衝撃を殺そうと膝を曲げ着地しようとする。
しかし、そんな暁の膝がバギュイイッ!! と骨が砕ける様な音と同時に外側へ曲がった。
バランスを失い、やはり暁は俺の目の前に倒れる。
膝を失った右足は痙攣を起こし、握り拳を受けた腹部はアバラも折れ、胃や肝臓を潰され半円状にヘコんでいた。
口からは胃液と赤黒い液体が混ざり合い、赤茶色の液体が垂れ流しにされている。
黄昏は、瀕死の暁を殺そうと一歩づつ俺達に近寄り始めた。
嫌だ。嫌だ。
暁が死ぬのは、絶対に嫌だーーー!!!!
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
血塗られた指を全力で握りしめ、俺は獣のように雄たけびを上げながら立ち上がる。
そして、無我夢中で右足に霊力を限界以上に流し込みーーーーーー
「スーパーノヴァ!!!!」
大爆発を、推進力として使った。
暁を飛び越え、力の抜けただ垂れ下がっている右足の感覚はもう無くなっている。
それでも俺は、再び右腕に霊力を流し込み・・・!!!
「ああ、先に死にたいのは真か」
しかし、もう一度スーパーノヴァを放つ寸前。
黄昏はぽつりと呟き、その手を俺の心臓部分に向けて伸ばした。
肉が抉れ、潰れ。
湿った粘着質の音が、洞窟内に響き渡った。