隔「今回はメインヒロイン(強調)である私が一瞬登場したよ!勘の良い人なら分かるはず!」
ラ「心配しなくても次回でしっかり解説します!」
隔「それでは!残りーーー四回!!」
「最後まで、見て行ってください!!」
四回はあくまでも予定です
真(しまらねえな!!)
渾身の滅壊ノ星撃が終わり、黒き混沌は宙に溶けて行った。
爛漸苦の残した力が、黄昏に一撃を入れ、そして絶望を希望に変えて見せた。
・・・つくづく、最後に似合わない仕事をするものだ。
左右から吹きあがる守護と破壊の霊力は燃え尽きず、寧ろ段々と勢いを増している。
吹き飛ばされ壁に突撃した黄昏を無視し、俺は急いで暁の元へと駆け寄った。
「暁!大丈夫か!?」
腹部がヘコンデおり、虚ろな瞳は宙を彷徨っている。
口からは体を震わせるのと同時に血と胃液が零れ、頬から滴り落ちていた。
とても大丈夫とは言い難い。
霊力を使った治療が出来ない俺は、取り敢えず暁を結界で覆い安全な場所を作り出した。
奥歯を噛みしめ、拳を強く強く握りしめる。
憤怒が俺を包み込み、荒れ狂う殺気が自分自身の肌を突き刺す。
後ろの方で瓦礫が崩れ落ちる音がシンとした洞窟に響き、黄昏が傷を負った頬をさすりながら俺を見ていた。
「・・・ははは、いやあ素晴らしい。今のは良い威力だった。しかし、オーバーレイ、か。」
体を震わせ、俺を称賛した黄昏は最後に小さく呟きーーー
「オーバーレイ」
霊力の焔を、半身づつ燃やした。
眼を見開いた俺の前で、黄昏は二、三度手を開閉する。
そして、俺に向けほんの少しだけ空気を掌で押した。
瞬間、突風が俺を後ろに仰け反らせ、次いで黄昏は至近距離まで接近。
右手を腰ダメに構え、全力の一撃を加えようと構えを取った。
100%のオーバーレイと、8%のオーバーレイ。
どちらが勝つかは、赤子が見ても明らかだ。
俺もそれを良く理解し、だからこそ。
注意を、俺に集めた。
黄昏の拳が鮮明に映り、スーパーノヴァで傷ついた右足がジンジンと痛み続ける。
しかし、その拳は俺の脇腹を掠め衝撃を他の場所へ飛ばす事となった。
「なっ・・・!?」
拳をずらしたのは、無数の魂。
ーーーーー黄昏に囚われ、夢幻魂歌のエネルギーに成りかけていた人々の魂だ。
さっきの混沌を纏った滅壊ノ星撃。
あれはただ単に黄昏を吹き飛ばすためだけでなく、黄昏の体自体に蓄積されていた魂を解き放つための物だった。
結構前にだが、俺は黄昏の”色”を見た事がある。
それは虹色で、瞬く間に魂が色を次々に変えて行っていた。
感情などで魂の色が変わるのはもう実証していたが、あんな一瞬の間に変わり続ける訳が無い。
そして、各地で取られ続けていた魂。
もしも黄昏の中にそれが蓄積されているのならば、全てが説明できる。
いつも通り、賭けだったが。
・・・上手く成功してくれたようで、何よりだ。
「これは・・・溜めていた魂!?」
「ああ、そうだ。悪いが、全部解放させて貰った。」
黄昏が驚愕を隠せず、慌てて周囲を見渡した。
そこには数千を超えるであろう幻想郷中の魂が集まっており、色取り取りの光を放っている。
徐々に、まだ体の残っている魂は洞窟を抜け空に飛び去って行く。
「これで、お前らは夢幻魂歌を発動できない。・・・幾らお前の幻夢以上の霊力があっても、”紫だから”発動できないだろう?」
「そこまで気づかれてたのか・・・。・・・全く、やはり君は素晴らしい。どうだい?」
魂が周囲を飛び回る中、黄昏は一つ、俺に提案も投げかけた。
「僕たちの仲間になるのはどうだろうか?」
「断る」
それに俺は即答し、黄昏を強く睨みつける。
「全ての魂を。全ての夢を。愚弄し、踏みにじったお前と仲間?寝言は寝て言いやがれ。」
そして、強く言い切る。
「俺は馬鹿じゃないからさ!黄昏がやった事がどんなに酷い事かが分かる!何の為に人は努力する?生きる?ただ息を吸ってご飯を食べているだけじゃないだろう?いつも考え、動いているだろう?目標が無い奴なんて存在しねえ!皆が皆、小さくても大きくても”夢”に向かって歩いているんだ。日常で暗闇に落とされたって、絶対に光は差し込む。・・・お前はそれを踏みにじったんだ!全てを!」
段々と、魂が同調する様に俺の周りに集まり始めた。
何もかもを失った夢の結晶体が、時間を重ねるごとに輝きを強くしていく。
「まだそんな事を言っているのか!?じゃあ貴様の脳に刻み付けてやろう。・・・それは所詮夢幻だって事を!」
肩を震わせ、黄昏は初めて感情を前面に出しつつ叫んだ。
霊力が更に膨張し、大気が音を立てて震え始める。
「来いよ。」
ゴオオオ… と幾千の魂が渦を巻き、俺を取り囲み始めた。
「お前が、馬鹿にした」
一つ一つが太陽の様に大きく煌めき、遂に視界を塗りつぶし始め。
「夢幻の力を!!今、見せてやる!!!!!」
全てが、俺の中に入った。
無限とも言える量の魂が、記憶が、絶望希望、そして夢が俺の周りを駆け抜けていく。
「生きている限り、夢を追いかける」
様々な色が視界に映っては消え、消えてはまた現れる。
「その前に進む力を!解き放て!!」
心の底から、俺は叫んだ。
砲声。
視界が塗りつぶされ、世界が一瞬白くなりーーーー
ーーー頑張って、真ーーーーー
その輝きは、夜をも打ち砕く。
「オーバーレイ・フルムッ!!!!!」