幻夢さん・・・チートすぎる・・・
言えねえ!試練だから幻夢さん大分手加減してるだなんて!
抹茶ラテ久しぶりに飲みました。
美味しいね!
では、どうぞ!
「ほら。かかってきな」
幻夢がゆっくりと言う。
俺は動かない脚に鞭を打ち、幻夢に向かって走る。
「ああああ!」
そして、右腕を幻夢に叩きつけるが。
「・・・ただ闇雲に突っ込んでちゃ。あたしは倒せないよ」
俺の右手は幻夢に受け止められていた。
俺はそのまま左手で殴るが、これも幻夢の右手に止められる。
更に力を入れても、ビクともしない。
「っ!」
幻夢は体に力を入れると、霊力を体内から外に向け放出。
その霊力で俺は吹き飛ばされる。
あれは俺が手長足長を倒したときに使ったのと同じ原理だ。
体が壊れない程度に、容量をオーバーさせる。
体からでた霊力は衝撃波となり、周りの物を吹き飛ばす。
・・・強い。
これが。
博霊の、巫女・・・!
俺は立ち上がり、幻夢に相対する。
「さあ。もっかい来な!」
幻夢は二っと笑う。
ただ闇雲に突っ込んだらだめだ。
・・・なら!
俺は幻夢に向かって走り始める。
3mくらいの距離になった時に、幻夢は動くが。
俺は、脚だけ霊力を強く流し、わざと暴発。容量は最大限少なくして。
体が壊れないくらいの強さで霊力が外に出る。
俺はその衝撃波でグン!と前に進み、3mを一瞬で走る。
幻夢はまだ防御体制が整っていない。
が、俺はもう一度暴発させ、後ろに跳ぶ。
「なっ!?」
案の上、幻夢は俺のいた所に拳を叩きつけていた。
俺は幻夢を狙って、レーザーを撃つ。
「・・・良いねえ!」
レーザーは幻夢の腹の端を穿つ。
俺は空中でまた暴発させ、幻夢と7m程離れた所に着地。
幻夢は立ち上がり、お腹を押さえる。
俺は圧縮霊弾を用意。
右腕を前に、体を横にして構える。
「いてて・・・まさかこの体に穴を開けるなんてなあ。驚いたよ。」
幻夢は穴の開いた箇所をさすりながら言う。
「今度はあたしから行かせて貰うよ」
幻夢の顔つきが険しくなる。
俺もいつでも対処できるように集中する。
・・・恐怖は、無くなっていた。
これは、乗り越えなければいけない事だ。
そんな事で立ち止まってはいられない!
幻夢が加速し、俺の目の前に来る。
振り上げられた右腕が、風を切り裂き目の前に迫る。
「・・・っ!」
俺は手の甲に手のひらを当て、そのまま後ろに手を振る。
耳元を拳が通過していき、俺の耳に風が吹き付ける。
俺は体を捻りながらしゃがみ、幻夢の拳をもう一回避ける。
右腕、左腕の攻撃をかわされた幻夢はすこしバランスを崩す。
俺は体制を崩した幻夢に向かって、右拳を叩きつける。
続いて、左拳も。
右、左、右、左・・・
俺は体を左右に捻りながら、何度も殴りつける。
幻夢がまた霊力を体外に出そうとするが。
俺の拳によって霊力が分散されてしまい、放てない。
逆に俺はどんどん回転速度を上げ、連打速度を上げていく。
幻夢から力が抜けたとき、俺は右拳を思いっきり叩きつけた。
「ガハアッ!」
幻夢が数m吹っ飛ぶ。
俺は先ほどと同じように構える。
地面に打ち付けられた幻夢はきつそうに立ち上がる。
「・・・ふう、今のはきつかったなあ。中々やるじゃないか。」
幻夢は首を鳴らしながら言う。
「でも、何回も言っているだろう?真。あんたにはーーー」
幻夢は右腕に何かを生成し始める。
これからが本番だ、とでも言うようにそれは赤く輝き。
一つの、薙刀になった。
「決定打と、武器が無い。」
幻夢がニヤっと笑う。
そのまま薙刀を上に大きく振る。
すると、とんでもなく大きく、この山を一刀両断出来るほどの霊力の刃が飛び出る。
それは雲を切り裂き、空に消えていった。
「さあ、続きをはじめようか。」
俺は背筋に悪寒が走るのを感じた。
このままじゃ、何も出来ずに負ける。
相手に武器があるから、というのは通用しない。
造れない俺が未熟だったんだ。
まずは、薙刀をどうするか、だ。
幻夢が薙刀に霊力を流しながら突っ込んでくる。
俺は圧縮霊弾を幻夢に向かって放ち、俺自身も少し遅れて走り出す。
「・・・霊弾か。まあ、そこそこかな!」
幻夢は走るスピードを緩めず、霊弾を全て打ち落とした。
そして、俺は薙刀を大きく振った隙に懐に潜り込み、殴る。
「なるほど。良い判断だ」
しかし、薙刀の柄に阻まれる。
俺は後ろに跳び退るが。
「でも、甘い!」
薙刀に突かれ、宙を飛ぶ。
霊力で体を強化していたため傷はできなかったが、軽いとはいえないダメージが体に蓄積された。
地面に足を着いたと同時に、もう一度薙刀が来る。
俺は刃の側面に右手を当て、後ろに流す。
それと同時に、前へ進む。
左拳を幻夢に向かって振り出す。
「遅いよ!」
幻夢が薙刀を引き戻し、俺の左手を阻もうとするが。
俺は脚を暴発させ、また加速。
それと同時に、右の拳を幻夢に叩き込む。
ミシミシと幻夢の骨がきしむ。
俺は右手を暴発させ、幻夢を吹き飛ばした。
「っはあ!」
俺は口から空気を吐き出す。
右手をぷらぷらさせ大丈夫な事を確認する。
・・・まだ、倒せない。
出すしかないんだ。あの霊刀を。
・・・完成させて!
前に、進む。
どんな困難でも。切り裂いて。
ずっと、ずっと。
諦めないで。
今。
叶わなくても。
たとえ世界の裏だとしても。
俺は。
ーーーどこまででも。進む!
俺の右手が、黄金色に輝く。
天狗の時よりも、
白い世界の時よりも。
鮮明に、明るく。
希望の光。俺の、希望と願いの結晶。
ゆっくりと。
生成されていく。
朧げに形を作ったそれを。
俺は振る。
パリン、と外殻が散り、中の剣が露になる。
20cmくらいだろうか。
夜空のように黒い柄。世界の裏側のように、光を求める。
1Mくらいの刃。
黄金色に淡く輝いている。
世界を照らす、太陽のように。
刀全体が淡く黄金色に光っている。
この剣は。俺の全てが作った剣だ。
俺は、この霊刀の銘を告げる。
「霊刀・・・[羅刹]!」
高らかに宣言し、俺は剣を振る。
リイインと高い音が鳴り、辺りを包む。
・・・もう俺に、迷いは無かった。
「・・良い剣だ。さあ、行くよ。」
幻夢の言葉に、俺は頷く。
幻夢が繰り出してくる薙刀を、俺は剣で跳ね返し、受け流していく。
羅刹は、砕ける事もなく俺に力を貸してくれる。
そして、俺は幻夢の隙を見逃さなかった。
「・・・ハア!」
俺は羅刹を一閃。
キインと音がして。
斬られた幻夢の薙刀が、地面に落ちる。
俺は脚を暴発。
加速した体は幻夢に突っ込んでいく。
そして。
俺は羅刹を大きく振り、
幻夢の体を切り裂いたーーー!!
幻夢の体が虹色に輝く。
光が落ち着く。
俺は羅刹を消し、傷が治っている幻夢に近づいた。
幻夢は俺を見て二ッと笑う。
「おめでとう。真。・・・合格だ。」
俺の体から力が抜ける。
バーストを解き、俺は大きく息をついた。
「ハハハ、お疲れさん。」
幻夢はそう言って優しい顔になる。
「本当に、よく頑張った。・・・さあ、あんたに封印を渡すよ。」
幻夢は俺の心臓あたりに人差し指を当てる。
幻夢の体が虹色に光り、俺の中にそれが流れ込んでくる。
光が止み、幻夢は俺の体から指を離す。
「封印は、博麗の基本であり根本だ。・・・今、真の中には封印と霊力が交わったものがある。封印の力は霊力に流し使う。ちなみに、別々に使う事も可能だ。」
幻夢は少し考え込み、
「カレーが封印、ご飯が霊力だとする。別々に使う・・・食べてもオッケー。個別に使う、食べるも良し。そんな感じだよ」
・・・おお、アバウト。
これで分かってしまうなんて・・・!
「さあ、封印を使った霊力を使ってごらん。」
俺は体の中にある霊力、そして封印を感じ取る。
この二つを、掛け合わせる。
「・・・イクスバースト!」
俺の体に封印霊力が流れ始める。
いつもと違い、体は虹色に光っている。
封印霊力で弾幕を造る。
・・・それも、虹色だった。
「良い感じだね。さ、これで博麗の試練はおわり・・・だ・・・」
幻夢が掠れていく。
「あたしの・・・こ、こでの役目は終わった・・・次の試練者がくるまで、出て来れないんだ・・・じゃあ、また、ね・・・」
最後に幻夢は二ッと笑った。
俺はイクスバーストを解き、幻夢が消えて行くのを見ていた。
ありがとう、幻夢。
俺はその場に背を向け、山を下っていった。
羅刹→らせつ
です。