最近寒いですね。体に気を付けてください。
では第三話、どうぞ!
「・・・霊力?」
霊力・・・?それはなんだ?超能力みたいなものなのか?
「・・・え?霊力を知らないの?」
「はい」
「もしかして、こっちに来たばかり?」
こっち、というとこの世界か。
「はい、多分そうだと思います」
「うーん、そうなのね・・・じゃあ、ひとまず。」
そういうと、レミリア様はこっちを見つめ、不敵に笑った。
「ようこそ。忘れ去られた者たちが住む最果ての場所・・・幻想郷へ」
幻想郷・・?それが、ここの名前か。
「やっぱり。何も知らなかったのね。」
「まあ、急に来たもので・・・」
俺は言葉に詰まる。なぜなら、だ。
「俺は死んだはずだったんです。なのに、ここに居た。それに、こっちに来てからそう時間も立ってない。まだ俺は忘れ去られたわけじゃないはずだ!」
言ってるうちに焦ってきた。それじゃ、俺は、もう・・・
「皆の記憶から忘れられてる?あなたは単純に物事を考えすぎね。」
「なんで、俺の考えを・・・!」
「それくらい、ね。さて、どう説明しようかな・・・」
なんだ、更にわからなくなった。{忘れ去られた者の地}なのに俺は忘れられていない・・・?
「・・・まずは貴方の事を聞きましょうか。さっきあなたは死んだはずだった、といったわね・・・どういうことかしら?」
俺は、今までの事を全て話した。隔の事も、トラックに轢かれるはずだった事も。
レミリア様は静かに、何も言わずに聞いてくれた。
「意識不明、そしてその原因がわからない、と・・・」
レミリア様は一息つき、話し始めた。
「幻想郷にはね、異変っていう大きな事件がたびたび起こるのよ。ある時は春がなくなったり、またある時は夜が明けなかったり、ね。
隔は、おそらく異変の影響を受けている。」
異変、だって?聞いてる限り、常識では考えられないようなことが起きているらしい。でも、変じゃないか?なんでこっちの世界で起きたことが、俺たちの世界に影響しているんだ?
「何故、こちらの世界のことがあちらの世界に影響するか、はね」
レミリア様はそこまで言うと立ち上がり横にあった机の引き出しを開け、紙と鉛筆を取り出した。
「幻想郷とそちらの世界はね、表裏一体なの。紙の表が幻想郷、裏が貴方たちの世界、現実とするわ。」
そして、裏と表にそれぞれ世界、と書いた。・・・達筆だ。
「そして、幻想郷で異変が起こる。」
レミリア様が表側に異変、と書いた。・・・うまいな
「そして、たまに幻想郷の異変が、現実に干渉する。」
と言って、紙に鉛筆を突き刺した。
「このようにこちらの異変が現実に入り、その異変に影響されてしまう。」
そのあと、紙の突き破った部分を指で指して、
「この隙間・・・本来干渉するはずのない裏と表が干渉してしまったところに、稀に落ちる人がいるの。」
レミリア様は俺を鉛筆で指した。
「それが貴方。」
うわあ、偶然かよ・・・まあ、落ちてなければ死んでたし、良かったっちゃあ良かったんだな。隔は、こっちの世界の影響を受けて・・・いや、待て。それなら・・・!
「隔がこっちの世界の影響を受けているのならば・・・!」
「そうよ。影響を与えている異変を解決すれば、恐らく隔は助かるでしょう。」
なんてことだ・・・こんな、偶然に来た場所で隔を助ける手掛かりを見つけることができるなんて。
「泣かないの。」
気づけば俺は涙を流していたらしい。レミリア様が涙を拭きとってくれた。
「その涙は、隔を助けた時のためにとっておきなさい。」
真っ暗な暗闇に、一筋の光が差した。
俺は、この世界に、来るべきしてきたのかもしれない。運命を、
「「変えるために」」
上を見ると、レミリア様はこちらを見て笑っていた。
「運命は、自分で創るもの。決定事項じゃない。これからどうするかは、貴方しだいよ、真。」
運命は、自分で創る。漫画などでよく聞く言葉だが、今本当にその意味が分かったと思う。
「さあ、どうする?」
答えは、決まっていた。
「隔を・・・助けます。この世界で。俺が幻想郷に来たのは、きっとそのためなんです。そしてそれも、俺が作った運命だったんです。」
もう涙は流れていなかった。
「ふふ、中々良いこというじゃない。その心意気やよし、よ。」
よし、そうと決まったら早速ーーー
「心意気だけ、ね。今の貴方じゃ、この世界ではあまりにも無力よ。」
「え?」
「いや・・・異変・・・二つの世界に穴をあけるほどの大事件を起こす相手に、今の貴方が勝てるわけないでしょ?」
そういえばそうだ。いくら剣道が強くても、恐らくこの常識外れの世界では通用しないだろう。
「じゃあ、どうすれば・・・!」
「さっきから言ってるじゃない。あなたの中にある、異常な量の霊力を引き出し、使いこなすのよ。」
俺の中に、異常な量の霊力が・・・?
「じゃあ次は霊力の説明と行きましょうか。霊力っていうのはね・・・うーん、力の結晶・・・みたいなものよ」
力の、結晶?
「力の結晶。それをうまく使えれば、身体能力とか肌の硬さを上げ、弾幕も作ることができるわ」
弾幕?
「身体能力と肌の硬さなら、身に覚えがあるんじゃないかしら?」
「・・・落ちた時の、あの時・・・!」
「そう。貴方は一回その身で霊力を使っている。」
・・・そうか、あの身体能力が上がった時を維持できれば。
「その状態をいつでもすぐに出せるようになれば、少しはマシになると思うわ」
「でも、あの時は本能的にだして・・・もう、無理だと思います。」
つかえたのは一瞬。しかもよくわからなかった。これでは無理だ。
「・・・霊力のコントロールには、イメージが必要なの。どのように、うごかすのか。どのように、引き出すのか。」
イメージ?
「幻想郷では、そうやって常人をこえた能力を持つ者を、[能力者]とよんでいるわ」
能力者、か。
「貴方が本当に、隔を助けたいと思っているのなら。」
本当に、助けたいと思っているなら。
「今から私に付いてきなさい。霊力の引き出し方をおしえてあげる」
そう言って、レミリア様は部屋を出て行った。
そして俺も、あとを追った。
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庭、に出た。風が強く、月は紅かった。
「目をつぶりなさい」
真ん中くらいに来たところで、レミリア様が急にそういった。
俺は素直に従う。
「今から私が言うように、イメージしなさい。」
「はい。」
「暗く、深いところに貴方はいるの。貴方はそこに一人で立っている。」
暗く、深い場所に。
「そこには、霊力の結晶があるの。」
・・・あった。青白く光っている、俺がミジンコに見えるくらいの、大きさをたとえることが出来ないくらいの結晶が。
「それに、手を当てて。霊力をゆっくりと自分の体に入れていくの。」
ゆっくりと近づき、手を当てる。
とてつもない力が、俺の中に流れ込んでくる・・・
ドクンッと。
心臓が大きな音を鳴らした。それに呼応するように、体に力が回っていく・・・!
「今よ!そのイメージを、言葉に出してーーー」
「具現化しなさい!!自分に、刻みつけなさいっ!!」
俺は。声高らかに叫ぶ。
「----バーストッ!!」
ここに、これからの幻想郷を大きく左右する少年の産声が上がったーー。