東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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皆さま、明けましておめでとうございます。
今年も変わらぬご愛読、どうか宜しくお願いします!
うーん、ペンタブ三時間、しかも徹夜明けはきっつい・・・。
対して上手くないし、何で昨日絵だしたんだろう・・・!?(知らねえよ)
では、どうぞ!


第六章第八話「vs 咲夜」

「頑張れー」

「真も咲夜ちゃんも頑張ってねえ。」

「頑張って下さい!」

うどんげ、幽々子さん、妖夢の応援を受けた俺は一息つき、桜ノ蕾に手を当てる。

数m離れた処では、咲夜さんが懐中時計を構えていた。

はあ、やるのか・・・。

俺は観念し、柄を柔らかく握る。

そのまま重心を落とし、膝を軽く曲げた。

 

さっき、幽々子さんにこの刀の説明をされた。

曰くーーーー

 

『今は普通の刀』

 

らしい。

鈍らではない。

素人が鍛えた物でも無い。

ならば、この刀の本来の目的は何なのか?

鍛えた人の名も刻まれていないその刀は、見合わない殺気を研ぎ澄ましているだけだった。

まあ、練習に置いて真剣を使えるのは良い事だろう。

 

「よーい、どん!」

幽々子さんの声と共に、俺は気を引き締める。

一瞬の静寂。

 

そして、目の前に広がる無数のナイフ達。

「っっらああ!!」

俺は歯を噛みしめながら、刀を抜き放った。

咲夜さんの時間を止めてナイフを投げる攻撃。

大体開幕と同時にやってくるため、意表を突かれることが多い。

それを理解したうえで振りぬいた物の、やはり幾つかは体を掠めて行った。

最初の弾幕が終わった瞬間、異常に軽い桜ノ蕾が、ぬらりとした殺気を纏う。

単純な重量ではない何かが俺に伸し掛かるが、それを我慢しながら前に進んだ。

今は霊力も無い。

力も無い。

それでも、俺はいつも通り正面から突っ込んだ。

 

 

 

 

怖い。

私が感じたのは、ただそれだけだった。

私事十六夜咲夜の持つ能力、時を操る程度の能力によってナイフの弾幕を用意したが、大体は弾き落とされてしまった。そこまでは良い。

その後だ。

あの、凶暴性を秘めた鋭い殺気は。

数m離れているのに、息の根を一瞬で断ち切られそうな感覚。

嫌な汗が背筋を流れると同時に、私はギアを戦闘からもう一段階”引き上げた。”

 

ギアチェンジーーーーー

 

 

「タイム・ブラッド」

 

時を血で染めろ。

素早く無駄なく殺せ。

私の眼が赤く染まる。

 

まるで、深紅の月の様に。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

あー、咲夜さん使ったか。

真が駆け出し、咲夜がスイッチを切り替えた所で妖夢はそう思った。

そして、鞘から5cm程楼観剣を抜く。

スッと目を細めた妖夢は、その戦いを見つめる。

 

真が全力で刀を振るのに対し、咲夜は最小限の動きでそれを躱していく。

一瞬の隙を探す、暗殺者(タイム・ブラッド)の動き。

あれを、妖夢は体験したことがある。

だからこそ、妖夢は警戒態勢に入った。

 

 

 

ついに、真が体制を崩した。

咲夜が懐中時計を構え、そのボタンを押すと同時に楼観剣を鞘に納める。

ギャリイインと言う不協和音が響き渡り、妖夢と咲夜は顔を顰めた。

 

咲夜は、”能力を斬られた”と言う事に。

妖夢は、”綺麗に斬れなかった”と言う事に。

 

咲夜の能力は中断された。

しかし、体制を崩した真にナイフを突きつける事は出来た。

 

「・・・参りました。」

「ありがとうございました。」

 

真が苦しそうに声を出すのに対し、咲夜は淡々と挨拶を終わらす。

そして、この勝負は終わった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

キン、と俺は桜ノ蕾を納刀する。

なすすべも無く負けた俺は、薄々妖夢に手伝って貰って居た事を自覚していた。

それでも、負けたか。

俺がその場に突っ立っていると、妖夢が近づいて来た。

 

「・・・お疲れ様です。」

「・・・うん、ありがとう。」

 

短く、途切れる会話。

霊力が無ければ、こんな事しか出来ないのかという悔しさと妖夢に助けて貰ったのに勝てなかった。

そのやるせなさに、俺は歯を噛みしめる。

 

「はあ。高望みしすぎなんですよ、真さんは。」

妖夢は更に一歩俺に近づき、少し背伸びをした。

俯く俺の頭の上に妖夢の小さい手が乗せられ、わしゃわしゃと少し動いた。

 

「誰も、最初から咲夜さんに勝てるなんて思ってないです。大事なのは追いつこうとすること、諦めない事なんですよ。いつかは絶対に勝てるようになりますから、それまで頑張りましょう?」

ほんの少し顔を上げると、直ぐ近くに妖夢の顔があった。

優しく慰めるように、包み込む様に微笑む妖夢を見た俺は癒されると同時に強くならなければ・・・と言う思いが燃え始める。

妖夢を抱きしめたい衝動を抑えていると、微笑んだまま妖夢が口を開いた。

 

 

 

「はい、じゃあ上段の素振り千回です♪始めっ!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

かくして、俺の天国であり地獄である稽古が始まった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

博麗 幻夢はとある森の中に居た。

自身が赤い奔流に喰われるのは簡単に抑えることが出来たが、もう一つ問題がある。

それは、後数日で目覚めるであろう妖怪に対して、だ。

「・・・真がいてくれたらねえ・・・。」

その独り言は木に吸い込まれ、少年に届くことは無かった。

 

そして、これからも。

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