東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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真「・・・あれ、ネタ切れ?」
陽『そりゃあ今日から学校だからな。無駄な事考えてる暇もなかろう。』
ラ「ここを考えるのが一番難しい。」
陽『やめちまえ!』
ラ「新シリーズ始めたいよお」
真「何本中断してきたと思ってんの!?」
ラ「・・・二本。」
陽『やめちまえ!』
ラ「まあ、夢幻魂歌にも関連する新シリーズだよ。」
真「ふーん。どんなの?」
ラ「真の良いライバル。」
陽『よっしゃ戦おうぜ』
真「陽炎、口調一定に保てよ・・・。」



第六章第十三話「幽霊の庭師vs人間のメイド」

咲夜と妖夢はぶつけ合わせたナイフと刀を戻し、再度全力でぶつけた。

甲高く鳴り響いた金属音と共に、ビリビリと手に衝撃が入る。

両者はもう一度ぶつけると、大きく間合いを取った。

咲夜はそこでナイフを数本、一度に構える。

妖夢は姿勢を低くした後、鋭く息を吐いた。

それとほぼ同時に咲夜が吹き飛び、風切り音が遅れてやってくる。

幻想郷最速である射命丸 文を凌ぐ、瞬間加速力。

妖夢に時間を与える事は、即ち剣を浴びに行く事と同義。

しかし、咲夜も負けていない。

妖夢が突撃し再度剣を腰ダメにした時に、咲夜は時を止めた。

まだ痛む腹を庇う様にしながら、彼女はナイフを設置していく。

そして、妖夢を閉じ込めるようにナイフの牢屋、いや壁が創られた。

彼女は逆手にナイフを二本、両手に装備した。

そして、時は動き出す。

 

まるでスイッチを入れたかのように、ナイフの壁は妖夢に襲い掛かった。

獰猛な風切り音を立て、柔肌に無数の斬撃を走らせるために空を走る銀の軌跡はーーーー

 

一つの”満月”によって全て叩き落とされた。

妖夢はただ、自身の体を中心にして回り、楼観剣を振っただけ。

たったそれだけの動作で、全てのナイフが地面に落ちる。

鋭い視線が咲夜を貫く。

背筋を寒気が襲い、咲夜は逆手に持ったナイフを交差させるようにして胸の前に突き出した。

ギャリイイイイイン!!

また、咲夜の持つナイフが砕け散った。

そして、わずかに届かなかった楼観剣の切っ先は真っすぐに心臓を狙っていた。

時を止めていれば、その能力ごと斬られて居た。

咲夜は焦りながらも、空中でその長い足を突き出した。

とても人間とは思えない速度で跳んだ蹴りは、妖夢に当たらず空を切る。

しかし、回避行動をした妖夢はそのまま後ろに宙返りし、土を散らしながら着地した。

咲夜も新しいナイフを装備しながら、土に足を触れる。

 

「・・・まさか、あれを破られるとはね・・・。」

「私も、あの突きを防御されるとは・・・。」

 

手加減無しの、刃物での戦い。

この過酷な状況で、しかし彼女等は獰猛な笑みを浮かべていた。

突如、鈴を鳴らすような綺麗な音が、月光の様な鋭い光が咲夜を包み込んだ。

高まる魔力に心地よさを感じながら、咲夜は叫ぶ。

 

「奇術[ミスディレクション]!!」

「剣伎[桜花閃々]!」

 

それに応えるように、妖夢も叫んだ。

空気を揺らすかのように、一瞬で無数の弾幕が咲夜を取り囲むかのように出現する。

「・・・切り刻みなさい」

咲夜が一言、命令する。

呼応するように光った弾幕は、一斉に妖夢へと突撃していった。

 

妖夢は桜色の奔流を楼観剣に纏わせ、ゆっくりと振った。

すると、その剣の軌跡から桜の花弁が散りゆく。

月光に照らされ、美しく輝く桜吹雪もまた妖夢を覆うようにして風に流されている。

「・・・散りなさい」

妖夢が口を開き、謡う様に呟いた。

すると、花弁の動きが止まる。

地面にひらひらと落ちていく桜は、妖夢が楼観剣を振り下ろすと同時に閃光を放った。

刹那、花弁一枚一枚から光の斬撃が連射された。

咲夜の弾幕をことごとく潰し、終いには幾つかの弾幕が咲夜に当たった。

「がっ・・・!」

苦しそうな声を出した咲夜は、決意する。

”これで終わらせる”、と。

そして妖夢もそれを感じ取った。

濃密な殺気を伴いながら、楼観剣は上段に構えられる。

咲夜は自身の魔力を最大限に高めながら、一枚のカードを取り出した。

 

「時符[パーフェクトスクエア]!」

「人鬼[未来永劫斬]」

 

咲夜は叫び、妖夢は静かに宣言する。

妖夢と咲夜を囲む様に、結界が発生した。

その中で青白く光る弾幕が飛び交い始める。

誰も避けれない。

何も出来ない。

完全な弾幕の檻(パーフェクトスクエア)

しかし、妖夢はそれらを見もしない。

長く長く息を吐いた彼女は、全力で楼観剣を振り下ろした。

 

結界が、地面が、弾幕が一瞬で半分に割れる。

咲夜が目を見開き、パーフェクトスクエアが消える中ーーーーー

妖夢は、地面を蹴った。

その身に風を受けながら、楼観剣を構える。

咲夜は急いで懐中時計のスイッチを押すが、妖夢が剣を振り不協和音と共に中止された。

急いでナイフを抜くと、最早そこには妖夢の楼観剣が迫って来ていた。

「・・・!!」

体を捻りながら、逆手に携えた銀のナイフを煌めかせる。

 

二つの白刃はお互いに牙を向き、お互いを地面に叩きつけた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

少年は走っていた。

全力で。

それでも、まだ妖怪の山は遠い。

遥かに遠く、暗闇の中を走るのも疲れてきた。

それでもまだ駆ける少年は、時折声を上げる。

”陽炎、力を貸してくれ”と。

 

『・・・馬鹿みたい。何でそこまで走れるのかねえ・・・。』

 

少女は呟く。

かつての自分に、少年を重ねながら。

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