ラ「それな。俺も悩んでる。」
真「時系列は?」
ラ「地霊殿前だお」
真「・・・ふむ、となると・・・。」
ラ「頑張って解決してね☆彡」
真「うん。分かってた。」
真「でもそれ、”東方夢幻魂歌”、ではやらないだろ?」
ラ「含みのある言い方だねえ。やんないよ。」
真「・・・やっぱりかあ」
「・・・見つけたあああああああああああああああああああああ!!」
少年はその眼を赤く染め、自身の体に黒い奔流を纏う。
血液を流れる力は力強く波打ち、全身を駆け巡っていた。
地面に亀裂を入れながら加速した少年は、自身の腰に付いている日本刀を柔らかく掴む。
そして、全力で振りぬいた。
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目の前には、ダイダラボッチの大きな拳。
それだけで自身の二倍ほどある巨躯は、静かに拳を振り下ろした。
「・・・こりゃあ、ダメかね・・。」
私は諦め、息を吐いた。
もう体は動かない。
指一本、震える事すら出来なくなった私の体は地面に横たわっていた。
いや、這いつくばっていた。
自身の中にある危険な力。
そしてそれと同時に訪れた太古の妖怪。
冷静に考えれば何とかなったかもしれない。
普通に、あの少年に話せば何とかなったかもしれない。
「昔っからの悪い癖だなあ・・・。はは、これが走馬灯って奴かい?一度死んでるんだけどねえ・・・。」
色んな景色が現れては消えていき、消えては現れる。
しかし、甦る景色は一人の少年の激戦だけだった。
もう少し、手助けして上げれたら良かったな。
私は目を閉じる。
風が唸り、私の服を羽ばたかせーーーー
重く、鈍い音を辺りに響かせた。
腹の中から揺れるような轟音に、身を竦ませる。
そして、優しく私の体を抱きかかえゆっくりと走る人が居た。
分かり切っていた。
それでも私は目を開ける。
うっすらと霞む視界に、黒い髪にメガネを掛けた少年の顔が映る。
「・・・何で来たんだい・・・・真・・・。」
怒っているような言葉とは裏腹に、私の眼には涙が溜まっていた。
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大きい巨人の腕を切り裂き、幻夢をひとまず遠い所に寝かせた。
・・・酷い怪我だ。魂だけの体にも、どうやら傷は出来るらしい。
赤い服が、更に真っ赤になっていた。
そして、その一部から赤い煙の様な物が出ていた。
「幻夢!大丈夫か!?」
「・・・真・・・ああ、ちょっと大丈夫じゃ無いねえ・・・。」
「・・・これ、なんだよ・・・!?」
俺が赤い奔流に触れようと手を伸ばす。
「触るな!」
すると、幻夢が鋭く叫んだ。
「これは・・・これは、私の一番醜い力だよ。」
「醜い・・・?」
幻夢が悲しそうな顔をする。が、巨人は待ってくれない。
『一分。』
後ろで何かが滑ってくる音が聞こえ、俺は桜ノ蕾を納刀した。
そのまま幻夢を抱えて走りだす。
「詳しく教えてくれ。これは・・・なんなんだ?」
「・・・・・霊力には、自分の意思と、それに相反する力。二つがあるっていうのは説明したね・・・?私だったら真と同じ、”守る”と”破壊”さ。でも、この赤いのは違う。根本的に違うんだ。」
幻夢がそこで区切り、火の様に揺れる赤い奔流をじっと見つめた。
「どっちも、物事に、自分が力を使ってかかわるんだ。これは普通の人。でも、私は。その関わる事すら拒絶したんだよ。この霊力は矛盾した霊力の結晶体。・・・”守る””破壊”。」
「そして、”拒絶”。」
巨人の攻撃が地面を砕くが、バランスを取りながら必死に避けていく。
幻夢が、段々と叫ぶように語気を強める。
「関わりたくないから力を使う!守ったり壊したりもしない!ただそれを拒絶する為だけに力を使った!そこからさ。逃げ続けてたら、いつの間にかこの力が宿ってたんだ・・・。真、あんたの中にいれなかったのはね、この力が・・・あんたの魂と体を拒絶させて、分離させてしまう事を防ぐためなんだよ。」
「何だ、
「・・・え?」
俺が拍子抜けした様に呟くと、幻夢が間の抜けた声を出す。
「いや、確かに拒絶が危険だって言う事は分かったよ?俺が死にそうだから、それを守る為に抜けたってのも理解した。|だからどうした?だから私の事は放っておけ?《、、、、、、、 、、、、、、、、、、、、 》」
大きく息を吸い、俺は力の限り叫ぶ。
「ふざけんな!!幻夢が居なくなって、元凶が居なくなったから解決?抜かしてんじゃねえ!!」
幻夢が驚き、体を震わせる。
それでも俺はまだ続ける。
「俺は俺がどうなろうが知ったこっちゃねえんだよ!それよりも、幻夢が傷つく方が嫌だ!」
そして、俺は幻夢に尋ねる。
「俺に、もう一度力を貸してくれないか?」
呆気にとられたような顔になった幻夢は、少し考えーーーー首を横に振る。
「ダメだよ・・・!私は、私より真が傷つく方が嫌なんだ!」
「今、拒絶したよな。どうして拒絶した?」
「・・・え?・・・・いや、危険だからだけど・・・?」
「だよな。拒絶ってのは、まずその物事を砕き、理解してから初めて出来るもんなんだよ。幻夢はそれが出来てるだろ?なら拒絶の心配とかないだろ。」
「そんな、そんな簡単な事じゃないよ!確かに真の言ってる事は合ってるよ?でも、拒絶は本当に危険なんだ!真の魂と肉体が離れる・・・つまり、死んじゃうんだよ!?」
「いや、死なないね。」
俺は断言した。
何故か、と幻夢は問いて来る。
「簡単だよ。幻夢は俺の事を理解し、噛み砕いたうえで拒絶しないからだ。俺自身もね。はっきり言って、能力に興味は無い。一番大切なのは、幻夢を助ける事が出来るか出来ないか。」
幻夢に向かって笑いかけ、俺は言葉を紡いでいった。
「俺、馬鹿だからさ。幻夢の言う事を素直に聞くことも出来ないし、自分の思いは貫こうとするんだ。だから、ここで逃げたりしない!死ぬリスク?そんなんは知らねえ!」
「でも、能力なら・・・真の中に居る子の方が・・・!」
「能力で助けに来たんじゃない。」
そして、俺は続けた。
「幻夢を助けに来たんだ。」