陽『・・・ここの会話目当ての人も』
真「いないよ!!」
ラ「拒絶って強くない?」
真・陽『いきなりどうした』
・・・結局、私は帰りたかったんだ。
あの少年の、優しい魂の中に。
能力じゃないと。私自身を助けに来てくれたんだと言ってくれた時は、危うく泣くところだった。
魂だけになってから、私は幻想郷をぶらぶらしていた。
大空から急に落ちてきた真の中に慌てて入り、無理やり霊力を発動させたのは良い思い出だ。
真を傷つけるのは嫌だ・・・と言いながら私の所為で心配させて、今危ない状況だ。
馬鹿な私でも分かる。
一緒に戦う事が、一番安全で堅実だ。
・・・誰かの手を取るのは、2300年ぶりか。
私は苦笑しながら、私を抱きかかえ走る少年に告げる。
「ごめんね、ありがとう。・・・宜しく!」
私の体を彩っていた魂が、光に飲み込まれ始める。
輪郭がぼやけ、粉雪の様な青白い粒子が明るくその場を照らしていく。
そして一本の光の槍となり、真の魂の中へと入っていった。
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幻夢が中に戻ってきた瞬間、心に空いた穴が塞がった。
喪失感が無くなり、俺は思わず口角を吊り上げる。
巨人が大きく手を横に薙ぎ払う。
木々や土が根元から削られ、あたかも台風が通ったかのような惨事を起こしていった。
それを眺めながら、俺は目を閉じーーーー見開いた。
久々に力が溢れる。心臓が早鐘を打ち、世界が遅くなる。
そして、俺は咆哮した。
「バーーストオオオ!!」
バヂィッ!!と雷の様に放出された霊力は地面を数か所抉りとリ、体が淡く、青白く光り始める。
出力、7%。限界。
体の中を力が駆け巡っているのを感じながら、俺は膝を限界まで曲げ、跳躍。
一瞬にして数十m跳んだ俺は、巨人に向かって自由落下する。
桜ノ蕾を掴み、霊力を込める。
そして、間合いに入った瞬間、俺は居合の形で刀を振りぬいた。
ズバアアアアアン!!
巨人の体が右肩から左足の付け根まで、斜めに斬られた。
何が起きているか分からない、と言ったように再生をしない巨人に俺は再度斬りつけた。
右膝の下部分を切り落とされた巨人は、俺をようやく視界に捉えたのか攻撃を始めた。
「遅いね。妖夢の方が、全然早い。」
しかしそれらが当たる事は無い。
寧ろ足や腕を斬られている巨人は、怒ったのか大きく叫んだ。
空気を揺らすような轟音に俺は体を竦ませ、その間に陽炎からアドバイスを貰った。
『・・・おめでとう。お前が頑張った結果だよ。それでこいつだが・・・名はダイダラボッチ。見ての通り体が岩や木や土で出来てるから、周りにそれらがあればほぼ無限に再生できる。殺す方法は一つ、あいつの体のどこかにある核を破壊しろ。分かったな?』
「了解・・・!」
咆哮を終えたダイダラボッチは、更にその体を大きくしていく。
(幻夢。使うぞ。)
(・・・分かった。行くよ!)
俺は右手に桜ノ蕾を携え、左手を前に出した。
ダイダラボッチが巨大化していく中、俺は突き出した手に赤い霊力を纏わせる。