霊「・・・」
魔「・・・」
陽『・・・』
ラ「・・えっと、その、・・・どうした?」
真「・・・いや、その、ね・・・。」
ラ「パチュリーなら本持ってんじゃない?」
魔「あ、なるほど。」
真「・・・初めての紅魔館の日常か・・・。」
ラ「うん。原作キャラ出さなきゃね。」
真「そういや、咲夜さんと妖夢は?」
ラ「・・・あ、」
一同「・・・ばーか」
流れるような金色の髪が目の前を横切ると同時に、俺の体は宙に浮いていた。
紫を綺麗と称するなら、この少女の金色の髪は可愛い、だ。
黒いエプロンに白のフリルを付け、大きな魔女帽子を被った少女。
「間に合って良かったぜ・・・。危なかったな!」
霧雨 魔理沙が箒にまたがっていた。
「邪魔をするな。これ以上続けるなら貴方も消すわよ?」
「ハッ!それは困るな・・・どうしよっか?」
紫が厳しい表情で警告したのにも関わらず、魔理沙は茶化すように返した。
「警告はしましたわ・・・。消えなさい。」
「やーだね!星符[メテオニックシャワー]!!」
魔理沙が右手に構えたカードを掲げるとともに、星型の弾幕が尾を引いて降り注ぐ。
ああ、確かにシャワーだなーと思いながら俺も呟く。
「バースト!・・・結界[双対の禊]!」
魔理沙と俺を囲む様に四つの板を生成し、紫の反撃に備えた。
目を閉じ、少し沈黙した後、紫ははっきりと通る声で宣言した。
「符の弐[八雲卍傘]」
「やっば、紫もスペル使ってきやがった・・・こりゃあ本気でやるかな!」
日傘が紫紺に輝いたかと思うと、大きな傘が現れた。
余りの妖力に息を飲んだ俺は、魔理沙の箒にまたがる。
「お?二人乗りならいつでも・・・」
「違うからね!?」
そしてーーーー
傘がそのまま飛んできた。
「え、ちょ、ま。」
「”霊力と妖力を拒絶させる”!!」
桜ノ蕾を振りぬき、赤い霊力を纏わせつつ傘に打ち当てる。
「・・・愚かな真似を。そのていどで・・・・。っ!?」
紫は最初に呟きーーーそして、驚愕する。
「ぶっはああああ!重てえええええ!!」
何故か?それは俺が卍傘を斬るには至らずとも、跳ね返したからだ。
「おおおおお!ナイスだぜ!そしてーーーーー」
「チェックだ」
「チェックよ。」
魔理沙が得意げに呟き、そしてもう一つの声が聞こえた。
八卦路を両手で構え、魔理沙は叫んだ。
「恋符[マスタースパーク]!!」
そしてもう一人の少女も、凛とした声で叫ぶ。
「霊符[夢想封印]!」
「れっ・・・霊夢!?」
二人目、それは霊夢だった。
霊夢と魔理沙。いつもの二人組の十八番弾幕は紫を一度に貫いた。
激突した瞬間、妖力を最大限に込めた傘を盾にしてもーーーーーーーーーーーーーー
八雲 紫は地面に叩きつけられた。
砂埃が立ち込める中、俺は口を開いた。
「霊夢、魔理沙、何でここに居るんだ?」
「あー・・・えーとな・・・。」
魔理沙が頬をかき、苦笑いする。
そして俺に背を向けていた霊夢は振り返りざま、ビシイっとポーズを取った。
「勘よ」
「・・・さいですか。」
「まあ、流石に半分嘘よ。」
「半分か。」
霊夢が焦ったように言い直したのを、魔理沙が素早く突っ込む。
顔を背けながらも警戒を解かず、また霊夢は話し始めた。
「・・・こっちの方で大きな音がしてて。なんだろーって思ってたら突然凄い光って。だから魔理沙を叩き・・・丁寧に起こして差し上げてここまで来たってわけ。」
「あれー?私殴られたんだけどなー!?」
「知りませんことよ?」
霊夢が口元を隠しニヤッと笑う。
魔理沙がよわーく放つ弾幕をひょいひょい避けていると、下の方から冷たい声が聞こえてきた。
「・・・霊夢、魔理沙。邪魔をしないで。」
「やだ。」「いやだぜ。」
スッと立ち上がったのは、紫色の服をボロボロに引き裂いた紫。
日傘は妖力を込めていたため何とか無事だが、それ以外は酷かった。
口を切ったのか、血が滴っている。
「これは私の戦い。貴方たちが関わる理由も無いでしょう?さあ、分かったら其処をどきなさい。」
「はん、分かってたらもうどいてるわよ。紫にとって真がどんな存在かは分からないけどね、私にとって真は弟子同然なの。それに・・・ねえ。あんたが裏で何かやってんのも知ってんのよ。」
「私も良い戦い相手だしな。霊夢の弟子なら私の弟子同然。霊夢の友達なら私の友達同然だぜ!」
「・・・・黙りなさい。」
霊夢と魔理沙が啖呵を切った所で、紫が一言呟く。
それはスイッチ。
一瞬で場の空気が変わり、紫の持つ妖力が爆発的に膨れ上がる。
「全ては過去。原点にある。私は私の魂に従う。歌え。紡げ。この世を夢幻とするために・・・・・・」
それは紫では無い声。
聞き覚えのある声。
でも、それに気づいてはならない。
その名前を、紡いではならない。
「・・・幻、夢・・・!?」
俺が呟くと同時に、世界から色が失われた。
世界が、動かない。
止まった時の中で、動いている時の中で。
『記憶[夢幻魂歌]』
そして、世界はノイズに包まれた。
コマ送りの様に流れる映像。写真。
幼い少女。二人の少年。
彼らは地面に夢を描いていた。
中学生くらいの少女。少年。
彼らは大人への一歩を踏み出した。
高校生くらいの少女。少年。
一人は離れて行った。
一人は少女に近づいた。
少女も歩み寄った。
ここで記憶が途切れる。
大学生くらいの少女。少年。
一人は死んだ。
少女は泣いた。
一人は戻ってきた。
成人したてくらいの少女。少年。
少女は娘に夢を託した。
少年は心の内を初めて叫んだ。
ーーーーーーーーー彼らは、ずっと一緒だった。
きっと、今も。
その記憶を、魂の歌を謡い続けている。
それをずっと見ている。
複雑な感情を、大人として見ている。
少年と少女がその女性へと駆け寄ってくる。
『見て!これ、私たちが書いたんだよ!』
『そう。・・・凄いわね。この世界の名前は?』
『うん!その世界はね。妖怪も、幽霊も、人間も、全てが仲良く生きていける夢の様な場所ーーーーーー』
『幻想郷って、言うんだ!』
そして、世界はノイズに包まれた。
「っはあ!・・・はあ・・・霊夢、魔理沙!?」
大丈夫か、と言う前に視界に入ったのは彼女たちの横顔。
その顔は驚きと恐怖に包まれ。
そして、呆然と霊夢が呟いた。
「・・・禁忌・・・。紫・・・貴方は・・・!!」
「おい!どういう事なんだ霊夢!?」
震える腕を抑え、霊夢は何度か深呼吸をする。
幼い頃に叩き込まれた、”最大の禁忌”に対する恐怖だったと、彼女は後に語る。
「あのスペルカードは・・・魂の、記憶に戻る秘術。」
「・・・おい、変な事言うなよ。」
霊夢が呟くと、魔理沙が不安そうに、それでいて否定してくれ、という様に返す。
しかし霊夢は首を横に振り、続けた。
「残念な事に、嘘じゃないわ・・・。夢幻魂歌は、多くの犠牲と共に記憶を遡る。赤ちゃんが積み木を崩す様に、全てが0に戻る・・・!!」
「・・・どういう、事だ?」
どこかでは分かっていた。
かつて、誰もが憧れた。使いたいと思った。
実現不可能な、使い方によっては神に成れる。
「簡単よ。今はパワーが足りてなかっただけ。・・・あれの、本当の能力は。」
霊夢は躊躇いながらも、しっかり答えを告げた。
「時間遡行。・・・・過去に戻り、歴史を消し去る秘術。」
夜風が寂しそうに唸りを上げ、木の葉を落としていく。
月が雲に隠され、俺たちの間を静寂が支配したーーーーーーーーーー。
さくみょんは帰りに霊夢と魔理沙が回収しました。
はい。
マジですみません・・・!
スぺカは文字からのイメージです。
次回から、第七章でございます。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
これからもよろしくです!