ラ「しょーがないね。」
真「えっと・・・。敵が・・・。暁 ×× 紫 霊夢か。」
ラ「うわあ、強いな。」
真「ところでさ、この章の盛り上がりは?」
ラ「まだでやんす。うーん、次の・・・次?くらいかな。」
真「何かあるの?」
ラ「上級妖怪の更に上が来ます。」
真「ふざけんな」
カッ、カッと靴を地面に打つ音が薄暗い洞窟の中で高鳴る。
黒い袴を纏った長身ながらも細身の男が、笑みを浮かべながらその口を開いた。
「やあ紫。調子はどうだい?」
「・・・最悪よ。この前は無理しすぎたわね・・・。」
「ははは、夢幻魂歌を無理やり使ったからねえ。」
賢者、八雲紫は顔を顰めながら呟く。
現に彼女はいつもの様な覇気が無く、顔色が悪い。
男はそれを笑い飛ばし、次に一つ尋ねる。
「博麗の巫女の調子はどうだい?」
「良好よ。一応怪しまれない様に百鬼夜行は全て潰させた。もうそろそろ来るんじゃないかしらーーー」
その直後、もう一つの足音が洞窟内に居る紫たちの耳へと届いた。
「噂をすれば、って奴かな。まあ、まさか最強の味方である博麗の巫女が・・・最強の敵である僕たちに操られてるとは誰も思わないよねえ。」
「そうね。中々良い性格してるわ、あんた。」
「褒め言葉と受け取っておこう。・・・で?どうだい他の奴らは。」
男の言葉に、紫はより一層顔を険しくする。
「思ったより良好なのよねえ・・・。能力を封じる能力を持った妖怪も瞬殺されたし。まあ、そろそろ投入しても良いんじゃない。彼らは今夜、一番中心の人里から離れるわ。」
「ふうむ。幻想郷の中心、一番大きい人里をまさかあいつで叩くなんてねえ。ははは、お手柄だよ暁。」
博麗の巫女以外のメンバーは皆、東西南北の端に散った。
中心に着くには早くて四日かかる。
その間にはもう、奴が人里を滅ぼすだろう。
「”八岐大蛇”・・・。そして・・・」
足音が大きくなり、そして止まった。
紫と男が顔をあげ、確信を持ちながら其方を見る。
「”博麗 霊夢”。さあ、夢幻魂歌を完成させよう。」
くっくっく、と笑みを漏らす長身の男に、紫は満足気な表情で声を掛ける。
「やっぱり、良い性格してるわ・・・。 黄昏。」
「褒め言葉として受け取ろう・・・・。 紫。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「楼符[彼岸桜]あああああああああああ!!」
俺の叫びと共に撃ちだされた桜は、幾数ものの妖怪を一度に殲滅する。
ここを乗り越えれば最後。
そういわれた瞬間から、俺のテンションは上がっていた。
ふざけんな。全宿二人一室とかふざけんな。
何個か布団隣り合わせの二個だったし。
何回斬られかけたかな・・・。
仏の様な笑みを浮かべつつ、彼岸桜が解けたのを確認する。
最後の花弁が地面に突き刺さった所で、肩の力を一気に抜いた。
「ふひゃー。終わったあああ・・・。」
「お疲れ様です・・・。いやはや、流石に疲れましたね。温かいお風呂に入って、ゆっくり寝たいです。」
キン!と高い音を立て楼観剣を鞘に納めた妖夢は、疲労を顔に浮かべながら呟く。
『お疲れー。うーん、多かったねえ。』
陽炎が脳内で労いの言葉を掛けてくれ、俺もそれに返した。
「ありがとなー、陽炎ちゃん。」
『陽炎ちゃん言うな!』
やはりいつも通りのやり取りを交わした俺は、妖夢に話しかける。
「・・・よし、宿に行こうか。」
「賛成です。・・・覗かないでくださいね?」
「覗きませんよ。」
訂正しよう。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「いやそのマジでごめんなさあああああああああああああああああああ!!」
妖夢が急に消えたため不安になって探していると洗面所で声が聞こえたので風呂かと思って帰ろうとした瞬間ドアが開いて妖夢が出て来た為俺は悪くない事がはっきりと取れるんですがどうなんでしょうかね?やめようぜ直ぐに居合の構えすんの死んじゃうからいや本当にさマジでごめんなさいダイダラボッチより怖いよあんた・・・
「真ん?なあにやってるのかしらあ?」
俺が脳内で弁解を続けていると、後ろから今一番聞きたくない声№1が襲い掛かった。
タオルを体に巻き付けその場にしゃがみ込んでいる妖夢はその隙にささっと風呂場に掛けこみ。ドアから顔だけ覗かせる。
風呂場とつながっている洗面所の雰囲気が一瞬で暗く、重たくなりーーーー
首筋に冷たい物が押し付けられた。
言うまでも無い。ナイフだ。
ならば押し付けているのは誰か。
言うまでも無い。咲夜さんだ。
「反省なさい!!」
パアン!
咲夜さんの平手打ちが炸裂し、俺は気を失った。
「きょ、強烈ですね・・・。」
妖夢は気を失った真をまじまじと眺めながら呟いた。
それを抱え上げながら、咲夜は口を開いた。
「早くお風呂を出なさい。・・・もう一仕事よ。」
咲夜の神妙な面持ちに、妖夢は木を引き締めた。
幾ら気を失っているとは言え男が居る浴室で、妖夢はすぐさま着替え始める。
「何かあったんですか?」
愛用の刀を腰に差し終わった所で、妖夢はスイッチを切り替えた。
それを確認した咲夜は小さく頷き、そして告げる。
「幻想郷、中心の人里。・・・そこに”八岐大蛇”が現れた。そして霊夢は行方不明。魔理沙もね。」
「っ・・!?」
驚きの余り何も言えない妖夢に、咲夜はダメ押しの言葉を告げる。
「・・・もう暴れ始めてる。お嬢様でも抑えるのが精一杯よ。・・・貴方の”あれ”が必要になった。」
「わかり、まし・・・た・・・。」
妖夢の声のトーンが落ちる。
咲夜は”それ”の代償を知っている。
複雑な気持ちで妖夢を見つめながら、不思議と少年を抱く手に力を込めていた。