帰ってきました!ただいまです!
・・・妖夢、六位かあ。
ベスト5入りしたいなあ、ちくしょー!
(あれ?世界一位を悪役にしてるこの作品、ピンチ・・・!?)
次回から八章です。暁、行くぜ!
UAが一万を突破致しました!
本当に、本当にありがとうございます!
日々精進していくので、これからもよろしくお願い致します!
では、どうぞ!
「霊、夢・・・!?」
目の前で起きていることが信じられない。
ありえない。二人は仲が良かったはずだ。
いつも縁側でお茶を啜り、他愛も無い世間話をしていた。
霊夢はそっけなく返事をしつつも、魔理沙が風邪を引いた時には永遠亭まで行ったと聞いた。
「なんで・・・・なんでだよ・・・。」
魔理沙の口から鮮血が飛び出る。
眼からは涙が零れ、八卦路が魔理沙の手から転がり落ちた。
霊夢の服に少なからず魔理沙の血がかかり、ただでさえ赤い服を更に赤く染めた。
親友の腹部を貫通している右腕は、音も無く振られる。
魔理沙はそれに逆らわず、声も出せずに吹き飛ばされた。
風穴が空いた腹からは血が噴き出し、素人目にも危ない事が分かる。
「魔理沙!」
投げ飛ばされた魔理沙を焦って受け止めたレミリア様は、魔力を魔理沙に流し込みながら霊夢を睨みつけた。
「どういうことかしら?霊夢。私は貴方の事を高く評価していたのだけれど。」
「・・・別に。ただ、ねえ。」
鋭い殺気を物ともせず、霊夢は黒く濁った眼で魔理沙を見下した。
「邪魔、だったから。」
感情が無い、人形の様な言葉。
抑揚のない声音は、それでも人里に響きーーーーーーーーーーー
俺の何かを、ブチぎらした。
ギャリイイン!!と甲高い金属音を周囲に撒き散らした俺は、全力で桜ノ蕾を振り下ろした。
射程距離拡張によってもたらされた10mの刃は、青白い軌跡を宙に描きながら霊夢の目の前で止まる。
「霊夢。それはお前の本心で良いんだな?」
「ええ。」
「・・・ああそうかい。」
無関心な霊夢を見つめ、俺は一度息を吸った。
「ふざけんな。その腐った心を持ちながら這いつくばってろ」
思わず口から出た言葉は、最大限の軽蔑。
俺の師と言っても過言ではない少女は、その言葉にーーーーーー
「そうね、それが良いかもしれない。」
直ぐ頷いた。
「一つ、ヒントを上げる。」
少女は残酷な笑みを浮かべながら口を開く。
ゆっくりと紡がれた言葉。
「私は私じゃない。博麗 霊夢何て知らない。」
「はっきり言えよ」
「理解しなさいよ。やっぱり貴方は分からないわ。」
追求しようとした俺の言葉に被せる様に、今一番聞きたくない声音が耳に入ってきた。
「・・・八雲、紫・・・・っ!」
「そんな邪険にしなくてもいいんじゃない?どうせ何をやっても勝てないんだから。」
隙間から出て来た八雲は、扇子を口元に当て微笑む。
その人を見下ろすような仕草に、今更何も思わない。
射程距離拡張の効果は一瞬。
・・・だが、桜ノ蕾は10mの刃を微塵も消そうとはしない。
ふつふつと煮えたぎる怒りをを具現化するかのように、尽きる素振りを見せない。
そんな俺を見つめ、紫は話し始めた。
「霊夢はね、私が操ってるの。記憶はそのまま、でも私の命令以外何も出来ないようにね。彼女は踏み込み過ぎたし、私たちにとっても脅威だった。しょうがないわね。将棋と同じよ。相手にとって強い駒でもーーーーー」
紙が擦れる音を立てながら、紫は扇子を閉じた。
「取れば、私たちにとっての強い駒となる。」
そこで言葉を切り、今度は扇子を俺に向け話し始める。
「後、脅威となるのは貴方の中に眠る幻夢、ただ一人。そしてその力を使役する天音真のみ。貴方を捕らえるのが今日の目的よ。・・・・まあ、無理そうだけど。」
紫が右手をすっと上げ、何かを呟くと同時にーーーーーー
『未来永劫斬!!』
『パーフェクトスクエア!』
遠くから、二つの咆哮が聞こえた。
宣言されたスぺカは全力の霊力と魔力を受け止め、大きく輝きながら紫の結界にぶち当たる。
急いで張ったにも関わらずビクともしない結界は、紫の強大な妖力を常に汲々されている。
遠距離のスペカでは間に合わない。壊されない。
そう判断したのだろうが。
「グングニル!」
「レーヴァテイン!」
「鬼丸・真打!」
近接の圧倒的火力を前にして、呆気なく敗れ去った。
破片を散らしながら砕けた結界を直ぐに捨て、紫はすぐさま後ろに跳び退った。
鬼丸を右手に携えながら、俺は口を開ける。
「俺は、馬鹿だからさ。お前らが何をやろうとしてるのかも、何で幻夢が脅威なのかもわからない。」
「なんだ、自覚してる
「ただ!お前らが間違っている事をしているってのは分かる!過去?てめえの思いだけで今と未来を潰して良いと思ってんのか?人の!霊夢の思いを踏みにじって勝手に操って・・・親友を傷つけさせて。それが本当に正しいと言えんのか?言えたとしたらお前らは間違っている!」
誰も、何も言わない。
ただ力強い思いを胸に、互いを睨みあうだけ。
静寂が場を支配する中、俺の叫びが辺りに響く。
「そんな腐った思想が、理想がお前の、世界の理だってんなら・・・・そんなふざけた理、俺がぶっ壊す!!」
「良く言ったわ、真。」
レミリア様が一歩前に出て、槍を地面に突き刺した。
鋭い眼で紫を貫きながら、凛と響く声で彼女は宣言する。
「幻想郷の創設者、八雲 紫。貴方には感謝してるわ。ここが無ければ私は死んでいた。世界を彷徨い、下劣な人間に汚い事とかもされていたかもしれない。」
レミリア様は声を張り上げ、槍を握る手に力を込めた。
「だけど。今貴方がやって居る事は間違って居る事は明白よ!私、いいやーーーー私達は、貴方たちに挑戦する!そして、破ってみせる!」
俺達は頷いた。
反論するものなど、居ない。
皆が思いを共有したのを感じ取ったのか、紫も真剣な面持ちで口を開いた。
「・・・それは宣戦布告と取っても宜しいのかしら?」
「勿論よ。」
その問いに、レミリア様は即答する。
お互いに、笑みは一切ない。
楽しむことが無い、幻想郷や全ての未来を懸けた誓い。
「精々抗う事ね。無力で愚かな者たちが、どこまで来れるかしら?・・・霊夢、行くわよ。」
隙間を開き、紫と霊夢はそこに溶け込む様にして消えた。
雲に隠れていた満月が、静寂に包まれた人里の一角を照らす。
肌寒くなって来た夜風を頬に感じながら、その強い意志は揺らぐことは無かった。