東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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真「・・・妖夢ってさ、自分の容姿をどう思ってる?」
妖「はあ、容姿ですか・・・。うーん、平凡すぎて・・・。」
ラ「そんな事無いよ!可愛いよ!」
妖「いや・・・私なんて、そんな」
ラ「もっと自分に自信を持とうぜ!一応、一応メインヒロインだからさ!」
真「何故一応を二回行ったし」
ラ「大事な事なので二回言いました」
妖「認知度低くないですか!?」


隔「私の事を覚えてる人、居るのかな・・・。」

ラ「・・・悪寒が・・・」ガタガタガタ


第八章第八話「確実に成功する賭け」

青白い極光が世界を塗りつぶし、それ以外の色を無くす。

鼓膜が破けるかと思うほどの轟音、体が潰されると言う錯覚をも覚える衝撃。

全力の霊力の放出。

 

 

 

 

それを俺は、単なる推進力に使った。

 

 

 

左手を後ろに向けると、体が爆発的な加速感に襲われる。

世界が遅くなり、脳が高速で回り始めた。

霊夢の驚きの表情、すぐさま後退しようとするがーーーー

 

それよりも先に、俺の右手が霊夢を掴んだ。

 

「拒絶しろおおおおおおおおおおお!!!!」

 

赤い霊力が幾筋ものの奔流となって溢れ出し、霊夢の体を叩く。

苦し気に悶える彼女を包み込んだ霊力は突然燃え上がり、輝き始める。

 

そして流れ込んでくるのは、霊夢の記憶。魂。

幼い霊夢から今までの霊夢までの全てが俺に刻み込まれていく。

 

「・・・見せろ、記憶を。繋げ、未来に。魂の歌を紡げ、夢幻を叶えんとする為に・・・!!全ては未来!俺たちが掴む未来に在る!!!」

 

青白い霊力が急に蒼く揺らめきだし、宇宙の様な深みを持ち始める。

世界がノイズに包まれる。

 

 

 

紫は言った。”原点は過去にある”と。

俺は言った。”原点は未来にある”と。

 

 

どっちが正しいかなんてものは人によって変わる。

ただそれでも、自分自身の思いを貫こう。

 

俺がどうなろうが、どうでも良い。

 

 

 

ただ。

 

 

 

 

皆が、明日を望む事が出来るのならばーーーーーー!!!

 

 

「記憶ーーーー」

 

 

俺は叫ぶ。

大空が不規則な動きを始め、揺れ始め。

霊夢の眼が、見開かれた。

 

 

 

 

 

 

「[夢幻魂歌]!!!!」

 

 

 

ドクン!と心臓が高鳴り、霊夢の魂が神々しい輝きを放つ。

 

 

 

 

次の瞬間、俺たちは空の上に居た。

眼下に流れる雲。青く壮大な空。そして全てを照らす太陽。

 

 

霊力がドンドン吸い取られていく中、その空に小さな女の子が映った。

 

赤いリボンを付け、無邪気に笑う少女。

黒い帽子をかぶり、無邪気に笑う少女。

 

「霊夢と、魔理沙・・・。」

 

俺は呟く。

二人は全然変わらず、今もその面影を残していた。

霊夢と魔理沙は楽しそうに遊び、手を取り。

たまに喧嘩することもあるが、いつも仲良しだった。

 

 

それを見つめている二人の女性。

金色の長い髪を腰まで下げ、薄紫の日傘をさしている人と、今の霊夢と同じような巫女服を纏っている女性。

 

『紫ー、母さんー、魔理沙と遊んでくるね!』

『ふふ、気を付けなさいね。』

『うん!行ってきます!』

『行ってらっしゃい。』

 

霊夢が紫に駆け寄り、声を掛ける。

優しく答えた紫は霊夢を見送った後、隣に立って居る女性と微笑みあった。

 

 

「何だ。紫、あんたは・・・。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

私は、目を覚ました。

寝っ転がったまま、現状を把握するために頭を回転させる。

 

・・・ここは・・・自分の中だろうか?勘だけれど。

 

「えっと・・・そーだ、紫の奴!何か変な術私に掛けやがったのよね!」

 

むきー!と怒鳴ってから、一度深呼吸。

落ち着いた所で、私は立ち上がった。

 

そして、気づく。

私は今、幻想郷に居て幻想郷に居ないと言う事を。

 

「・・・誰かの、魂か精神の中かしら?・・・でも、妙に暖かい。安心する・・・。」

 

懐かしい、と感じる度に、視界に何かが映り込む。

 

「・・・紫・・・・。母さん・・・!?魔理沙・・・・・」

 

そして、最後に映った赤いリボンを付けたーーーー

 

 

 

「わ・・・た、し・・・!?」

 

 

 

間違いない。

これは私の記憶だ。

そうだ、小さい頃魔理沙と裏山でよく遊んだ。

川でずぶ濡れに成ったり、山菜を採ったり。

 

昔の事が脳裏にフラッシュバックする度に、段々と映像が鮮明になっていく。

 

「あ・・・ああ・・・・そうだ、私は、私は・・・!!」

 

心の中で、”博麗霊夢”が燃え上がった。

自分の存在を主張するように。

そして、自身を押さえつけるものを振り払う様に。

 

強く目を閉じ、精神を統一させる。

 

パアア、と鈴が鳴るような音と共に赤と白の巫女服が装着され、手にはいつものお祓い棒。

右手に携えたお祓い棒を振ると、金色の軌跡が宙に描かれる。

 

「・・・これは・・・真、か。さーて、迷惑かけたし。」

 

真剣な時だろう。

本来ならば私は紫の術式によって恐らくだが操られ、博麗の巫女としての責務を。

 

 

・・・いや、私がやるべきことを成し遂げられなかっただろうから。

 

 

でも、敢えて私は笑った。

親友の様に。

 

 

 

 

「直ぐ帰りますか!」

 

 

宣言。

そして、私は一つの奥義を唱え始めた。

 

「八つの御霊を捧げよ。隔世から現世に移るべき魂よ・・・・」

 

霊力が体中から奔流となって飛び出し、自身の記憶の世界を砕き始める。

それは自身を操っている術式の破壊。

 

私は私の殻を破って、もう一度世界を望むっ!!

魔理沙に、会うんだーーーーー!!!!

 

 

「今その封を解き、太陽を現生させよっ![無想転生]!!!!」

 

 

唱えられた博麗の奥義は私の体を、魂を大きく煌めかせ。

 

私を、破壊した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「がっ・・・あああああああああああ!!」

「霊夢っ!?」

 

流れる記憶を眺めているうちに、急に霊夢が悶え始めた。

一瞬焦るが、それが霊夢の、己自身の戦いであると直ぐに気づいた。

 

今、操られている霊夢の体から。

 

本来の霊夢が持ち合わせる、暖かく優しい霊力が溢れ出しているからだ。

殻が、壊されていく。

本来の霊夢が、取り戻されていく。

 

 

 

夢幻魂歌はエネルギー不足だと、一時だけ魂で世界を塗りつぶす事しか出来ない。

ただ、それだけでも。

 

ただ一瞬だけでも、霊夢が自分を思い出してくれたら、霊夢は自分自身で操られているのを解くことが出来ると。

だから賭け。

 

”絶対に成功する賭け”だ。

 

 

バギィィッ!!

と、世界にひびが入る。

散っていく欠片は霊夢へと取り込まれていき、霊夢が落ち着きはじめーーーーー

 

 

パリイイイン……

 

と儚く綺麗に、そして大きく世界は砕け散った。

 

 

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