光速のエクレール   作:安いぞ

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どうも、作者です。前から書こうと思っていたスポーツ系のポケモン小説です。既存のスポーツのルールを少し変えたのでその時点でかなり超次元ですwwww頻度は低いですがあんまし気にしないで下さい。


それではお楽しみください


THE SPEED OF LIGHT

「んなっ!?何だこの速さは!?尋常じゃねー!」

 

あるスポーツの試合中。電撃を纏いながら光速でフィールドを駆ける1人、いや1匹の選手…

 

 

 

 

 

此処はポケモンのみが住んでいる無限に広がる世界。現実世界でいう人間の様に様々な国や文化があり、全てのポケモンが楽しく慎ましく生きている。

 

今、この世界では『バトルサッカー』というスポーツが盛んに行われており、知らない者はほぼいない程絶大な人気を誇る。普通のサッカーの様にボールと敷地があれば陸は勿論海底でも上空でもできるのも人気の理由の1つと言えるだろう

 

 

バトルサッカーはサッカーとは少し、いやかなり違う。キーパー以外は手でボールを触ってはいけない(味方が最後にさわったボールはキーパーも触れない)、1チーム11人で戦いゴールまでボールを運び点を取り合う…この基本的な2つのルールさえ守れば後はもう何でもありである。

 

え?もっと詳しく?まぁ試合の様子を見た方が早い気もするが…

 

例えば普通のサッカーではボールを持っていない選手は勿論持っている選手に対しても場合によってはタックルすると反則をとられる。相手の足を引っ掻ける『トリッピング』等の反則は持っての他だ。

 

…ただし、バトルサッカーではそれが許される。ボールを持っていようが持ってなかろうが関係無い、全身全霊の力で相手に攻撃しても反則にはならない(しかしあまりにも強い攻撃が相手に当たり倒れたら反則はとられないものの試合が一時止まる)

 

 

つまりスタンダードなルールに加え、技と技、体と体がぶつかりあう事を許されている熱いスポーツ…それがバトルサッカーである!

 

そして、そのバトルサッカーでは取り柄があれば誰もが輝ける!活躍できる!とても素晴らしいスポーツ…

その為力自慢の選手もいれば、頭脳が自慢の選手、跳躍力が自慢の選手もいる。

 

これはなんの取り柄もなかった筈のピカチュウ、『中(なか) 光(ひかる)』(この世界ではポケモンに名字が付いているのが普通)が自身も気付かなかったオンリー1の才能を開花させ、仲間と共にバトルサッカー日本一を決める大会『バトルボール』を目指す熱き物語…

 

 

 

 

今年、カントー地方の亜熊(あくま)高校に入学した光…彼は元々内気で運動神経はほぼ皆無、勉強はまぁそこそこできたのだがいじられやすい少年だった。

 

高校に入って心機一転、誰にもいじられないようにしようと心に誓うのだが……中学の頃と違い、凶悪な不良がいた。その為ただイジられるだけならまだしも絡まれたり暴力をふられたりなんて事になったらたまったもんじゃない

 

…だがしかし、彼は今事実上その不良達より凶悪かつ厄介な奴に目をつけられ、追いかけられている。

 

それは昨日、入学式から何日か経った後。光は誰にも馬鹿にされたくないが故に部活、それも運動部に入ろうと思っていた。しかし…前記の通り彼に運動能力は全くと言っていい程なく、それどころか中学の頃は部活にすら入っていなかった程である。そんな彼が部活に入ったところで余計笑い者になるだけなのは目に見えている。

 

とにかく、光はどのような部活があるか見学をしていた。スポーツを続けるとなると、自分にとって魅力的なものであるか、自分に合っているかどうかはかなり重要である。嫌いだけどそのスポーツをやっている、色々な意味で自分に向いていないけどそのスポーツをやっている…なんて人は少ないし、そんな人は心構えがちゃんと出来ていない時点で継続は困難だからだ。

 

 

彼は色んな部活を見た。バスケ部、バレー部、水泳部、テニス部、野球部…色々な部活を見たものの運動能力は勿論体格も他のポケモンに比べると圧倒的に不利な為、客観的に見たら今更過ぎるが彼は自分にはどの部活も向いていないと感じ始めた。

 

結局自分に合う部活は見つからなかったし辺りも暗くなってきたのでそろそろ家に帰ろうと思った光。途中この時間帯じゃ人通りの少ない場所にあるコンビニの前で不良の集団がたむろしているのを見かけた。飛び交う罵声、険悪な雰囲気…喧嘩、いや取っ組み合いレベルの争いをしている様に見えた。遠回りして帰りたかったが、学校に行きはじめてまだ数日しか経っていない為周辺の地理がよくわからなかった。よって、絡まれたら危険と思いつつ彼はビビりながら忍び足で過ぎようとするが…

 

 

「あぁん!?誰だテメェ、此処を当たり前に通ってんじゃねーよ!ぶっ殺されてーのか!」

 

案の定とばっちりを受けた。鬼の様な形相をしながら、不良達は金属バット等の自分達の武器を持って光を追い掛ける。さっきまで争ってたはずなのにいつの間にかその不良グループ同士で手を組んで追いかけている。理由は不明…

 

流石不良と言うべきか、光はその迫力というか威圧感に思わず焦る、ビビる、チビる

 

「まずい、早く逃げねーと!」

 

とにかく助かりたい一心で彼は全力で走った。運動能力が乏しいながらも必死に走った。

 

人は絶体絶命の危機に直面した際、時に信じられない程の強さ(才能)を発揮するという…なんとそれはポケモンも例外ではない。にわかに信じがたいが…運動能力が平均を遥かに下回る筈の光が名前にもある『光』の比喩も妥当、いや生ぬるいといっても過言ではない程の速さで不良から逃げたのだ!

 

普通ポケモンには種族によってある程度能力の特徴が決まっている。これを種族値、俗に言う『超えられない壁』だ。しかし、光は他のピカチュウと比べると倍以上のスピードを出していた。もはや別種族といってもいいだろう…彼のスピードを種族値で表すと実に210!100あれば充分速いと言われるがその数値と比べてもかなり差がある。

 

彼が通った跡に吹き荒れる風…不良達は自然に追いかけるのを止めた。しかし超速で走っていた事に気づいていない光。

 

「えーっと…あれ?」

 

怖いけど勇気を振り絞って後ろを振り替えってみるが当然追いかけていた不良は誰一人いない。「助かった…」と溜め息をし、安堵の笑みを浮かべた。その後は特に何もなく、電車に乗り普通に帰ることが出来た。

 

そしてビルの上から逃げ切った光を唯一マジマジと見ていた一体のポケモン…種族でいうところのジュカインだ。光と同じ制服を着ている為同じ学校の生徒だろう。背はそれなりに高く、彼も不良の様な、いや不良とはまた少し違った怖い雰囲気を放っていた。例えるならそう、悪魔というべきだろうか…

 

「ケッ、まさか…あんなヤローが高校生にもいるとはな…」

 

もしかしたら世界レベル、いや世界最速と言っても可笑しくない走りを見て彼は戦慄し、ニヤリと笑う。

 

「見ねー顔に同じ制服…間違いなくコイツは亜熊高校の1年のガキ。こうなったらウチの部に入ってもらうしかねーな、どんな手を使ってでも…ヒャッヒャッヒャ」

 

 

という訳で光は現在その悪魔の策略に引っ掛かり色々な奴に追いかけられている。しかし光は何故追われているか理解できていない。が、『なんとなくだけど不味い事が起きそうだから』という弱者の本能が彼の体を無理矢理動かしている。

 

逃げている途中、学校の敷地内にある小屋を見つける

 

「お、この中なら安全そうだ」

 

……そう思って入った彼の予想は大外れ。中ではあの悪魔が馬鹿笑いしながら待機していた。光の行動は完全に読まれていたのだ。無論光はこの時状況を把握できていなかった…そして縄でグルグルと巻かれ縛かれ悪魔の所属する部活へと連れて来られる。その部とは…

 

「ようこそバトルサッカー部へ!俺はキャプテンの樹海(じゅかい) 龍(りゅう)。君は中光君だったかな?人気なスポーツなのに部員がたったの3人しかいねぇ…この絶望的な状況を覆すべくこの部にはいってくれ!いや入らねーとぶっ殺す!」

 

見るからに危険そうなショットガンで脅す。

 

「ヒィィィ!」

 

状況がイマイチ掴めないがとにかくショットガン等にビビって思わずバトルサッカー部に入部してしまう光。…彼は高校卒業するまで生きてられるのだろーか?

 

そして直後に温厚そうな大柄なポケモン、カビゴンがが部室へ入ってくる。

 

「あ~龍遅れてごめんね~…ってあれ!?君もしかして新入部員!?」

 

「あ、はい…(強制だけど)」

 

彼は部室へ入ってすぐ光の存在に気付いた。それを見て感動し、涙を流しながら光に抱き付く

 

「入ってくれてありがと~!僕、は歌尾(うたお) ゴンだよ!」

 

しかし彼の圧倒的なパワーによる抱きつき攻撃で息が苦しくなる光。

 

「うっ…離してください……」

 

「あぁ!ごめん、ついついやっちゃった!」

 

どうやら興奮すると抱きついてしまうのが癖のようだ…

 

 

「ケッ、まぁさっきも言ったようにウチの部はお前含めないと部員が2年である俺ら二人と一年一人しかいねぇ。実績もねぇから部員も集まらねぇ」

 

「僕達の夢は冬に行われるバトルサッカー全国一を決める大会『バトルボール』出場を目指しているんだ!でも…部員がいないから助っ人を求め、結局即席チームみたいになっちゃうんだ…だから一人でも多くの人材を僕達は求め、集めているんだ!」

 

「で、でも…俺は樹海さんに連れてこられたんですが、戦力になんかたりませんよ?」

 

「ケッ、戦力にならねぇ奴を俺が入部させると思うか?」

 

光は樹海の言っている事が理解できなかった。「そもそも会ったのは初めてなのに戦力になるかどうかなんて分からないだろ?」と思っていた光。樹海は再び話す。

 

「俺は昨日不良に追いかけられているお前を見た」

 

「それがどうしたんですか?」

 

「なっ…まさかお前、自分がした事覚えてねーのか!?」

 

「に、逃げただけですけど…そ、それがどうか…」

 

「マジで自覚がねーのか…!?お前はその時スゲー速さで走って彼奴等を追っ払ったんだよ!」

 

「つまり龍がいいたい事はその足の速さを是非バトルサッカーで生かして欲しい!って事でしょ?」

 

「ケッケッケッ、まぁそういう事になるな」

 

「そういう事ですか!それなら任せてください…俺も勝利を目指して頑張ります!」

 

「いーい心構えだ、ピカカス」

 

 

 

なんだかんだでバトルサッカー部に入った光。彼の挑戦はまだ始まっていない…だが、「バトルボールに出たい」という熱い思いを彼も今持ち始め、勝つ為の努力をし始めた!

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