学園黙示録SCHOOL―LIVE! 作:楠葉遊鳥
遠足から数日が過ぎ美紀や凛も学園生活部になれ始めて来ていたの何度目かの朝、寝ぼけ眼で壁に掛けられた時計を見ると何時もならとっくに起きている時間をかなり過ぎてしまっていた。
「…ヤベ…由紀に偉そうな事言えねぇや…つか、朝飯食い損ねた…」
床に敷かれた布団の中で体を伸ばし、上半身だけ起こし少しだけぼーっとしてしまった。
「そんなの…ただの依存症じゃないですか!!」
「あ?」
まだ頭の中にいる睡魔を追い出すかの様な美紀の怒鳴り声に、思わず体がピクッと動き身構えてしまった。この時間なら皆は学園生活部の部室に居るはずだ。因みに俺のいる第2資料室の隣に胡桃たちの寝ている第1資料室があり、その隣が学園生活部の部室になっている。つまりは部屋を1つ挟んでいる部室からここまで声が聞こえると言うことは、何か大きな問題が発生した事になる。
「おいおい…何かやばいんじゃないのか?」
急いで制服に着替えボウガンを肩にかけ部屋のドアを開けると、ムスッとした美紀とぶつかりそうになった。
「きゃッ」
「おっと…悪ぃ大丈夫か?」
「大丈夫ですよ私こそ余所見していてすいません、士先輩…」
「まぁ、ぶつかんなくて良かったな…そんな事より何かあったのか?でかい声出してさ」
「それは…」
胸に手を当て目を逸らして、何か言いたそうな顔をしている。
「士先輩は由紀先輩のあの行動の事知ってるんですよね?」
「由紀の…あの行動?…あぁ」
美紀が不思議に思うのも無理はない。丈槍由紀の中ではゾンビと言う存在はなく、平和な時間が流れ今でもめぐねぇと一緒に授業をしていたり、もう生きていない友達と会話をしているのだ。
「その事を言って喧嘩したのか?」
「はい…でもおかしいですよね先輩もそうか思いませんか!?」
「そうか?…」
「おかしいですよ!!だって普通じゃないですよ!由紀先輩の症状は病気なんですよ?誰もいない教室で誰かと話をしているのも普通じゃないし、ましてや授業をしているのも普通じゃ…」
「美紀ッ!!」
俺は大声を出していた。目の前に佇む美紀は、意外な人物から発せられた大声に驚いている。
「せ、先輩…」
「なぁ普通ってなんだよ?こんな世界になって…何が普通なんだ?死体が歩き回って人を襲う世界が普通なのか?圭が死んだ世界が普通か!?あぁ?どうなんだよッ」
気付くと美紀の胸座を掴んでいるが、何故がそんな自分の行動が止める事が出来なかった。
「先…輩私そんなつもりじゃ…」
「知ってるんだろ?なぁ教えてくれよ…なぁ?美紀ッ」
「先…輩…」
これはきっと八つ当たりだ。平和な日常から一転してしまい、妹も失ってしまった状況にまだ俺の精神がついて行けてないことに苛立ち、今それを美紀にぶつけてしまっているのだ。
「そこまでだ士君…」
美紀の胸座を掴んでいる手を誰かに握られ横を見ると真剣な表情をした凛がたっていて、その後に胡桃とリーさんが心配そうな顔で立っていた。幸い由紀とめぐねぇは授業に行っているようだ。
「士…どうしたんだよ…」
胡桃の驚いた表情を見ると両手の力が抜け、その手から美紀が解放され、その場に座り込み喉を抑え咳き込んでしまった。
「美紀さん大丈夫!?」
そんな美紀を見てリーさんが慌てて美紀の元に駆け寄った。
「み、美紀…すまねぇ…」
苦しそうに咳き込んでいる美紀を見て吾に返り、自分の行動にショックを受けその場から逃げる様に走り出してしまった。
もしもがっこうぐらしの様な状況になったらどうなるんでしょうね…