「さてと、今日もやりますか」
そう言って、今日もDSのスリープを解除する。
このために学校へ行ってると言っても過言ではない。学校さへ行けば親に文句は言われないからだけど。
やるのはポケモン。ここで俺は蓮夜はレンヤになる。
3世代から始めたポケモンは当時6歳だった頃とも変わらず今尚も俺を魅了していた。
周りからは
「子供臭い」
とか言われるがこんなに奥の深いゲームは無いと思う。
ポケモンの種類は豊富で同じポケモンでも技の選択、努力値の割り振りなど様々な条件で個性が出てくる。
例えそれが、実態の無いゲーム内の幻想だとしても1lvから育てたポケモンには愛着が沸く。
取り敢えず、ポケモンセンターでボックスを見る。
「今日はどれを使おうか...」
ボックスを物色していると
「4世代の伝説達...」
2世代前のポケモン達、なら構成は...
肩慣らしの制限なしに挑む構成を考えた時に
「にーちゃん!」
妹の蓮香が部屋に不法侵入して来た。
「なんども言うけど、入りたい時はノックして許可をとってくれよ」
はぁ、何時も破天荒な妹にため息を投げる。僕と一つしか違わないのになぜこんなに子供なのだろう
「どうせ“ポケモンオタク”の“ポケモンしか友達がいない”兄ちゃんは“ポケモンしかやってない”から問題ないでしょ」
悪かったな
と蓮香がDSを見せてくる。
「お前も変わらねぇよ...」
確かに友達は少ないし、いたとしても少しポケモンをかじった奴らと話すくらいだ。
「さて、勝負する?こないだの私の“ミミロール”また育ったんだから!」
「あぁ“とくこう”があがったサーナイトに一撃で落とされた可哀想な、あれか
つーかあそこで何故交代しなかったんだよ?メガミミロップ
メインアタッカー潰されたら終わりじゃん
というかなんでフェアリー対策しねえんだよ」
あれは酷かった、3vs3でこっちは
メガサーナイト
トゲチック
トリトドン
対して
メガミミロップ
ブラッキー
サザンドラ
お分かりいただけただろうか?蓮香のポケモン達は皆、フェアリーに弱いのだ、そして
開幕
“トゲキッス”と“メガミミロップ”
何故か“メガミミロップ”が“はかいこうせん”
ここで1つおさらいをしよう。ポケモンの攻撃技には[物理][特殊]がある。それぞれ与えるダメージは
物理の場合攻撃側の〈こうげき〉と受ける側の〈防御〉のパラメーター
特殊の場合は〈とくこう〉と〈とくぼう〉のパラメーターに左右する。
細かい計算とかもあるのだが...まぁ今はいいだろう
勿論、攻撃側が高い方がダメージは与えやすく、防御側が高い方がダメージは受けにくい。
さて
“とくぼう”の高い”トゲキッス”に”とくこう”の低いメガミミロップの特殊技である”はかいこうせん”では、例え威力150でも落とせない。
かすり傷程度。こちらは冷静に”わるだくみ”を積む。
”わるだくみ”とは”とくこう”を二段階あげる技だ
次のターン
メガミミロップは”はかいこうせん”のはんどうでうごけない
トゲキッスは”こうそくいどう”をする。”すばやさ”もあげる
次のターン
“トゲキッス”の”バトンタッチ”
これは今まで上昇した能力値を次のポケモンに引き継ぎながら交代する技だ。
次のポケモンは”サーナイト”
メガミミロップの”ふぶき”
また何故か特殊技。
まぁ、物理を撃ってくるのが怖かったが大丈夫だった。
あとは
“メガシンカ”からの”ハイパーボイス”
ミミロップ撃破
“ハイパーボイス”
サザンドラ撃破
“はかいこうせん”
ブラッキー撃破
哀れトリトドン役目なし
もっと哀れ蓮香のポケモン見せ場なし
「とボコボコにされたばっかだろ?」
「いやいや、今日の私は一味違うよ。兄ちゃんのサーナイトを倒すために、物理も入れたし。リーダーを守る算段もつけたんだから」
「ほう」
「じゃあ対戦対戦♪」
5分後
“メガルカリオ”撃破対戦終了
「アグノム強すぎ!」
「ハイ罰ゲームのジュース買ってきて、フルーツミックスオレね。表のコンビニで良いから」
「むむむきー!今回は勝てると思ったのに...」
「ほらよ」
蓮香のおでこに100円を投げる。お気に入りの某コンビニのフルーツミックスオレは98円で買える
「お釣もらっていい?」
「ダメだ、早く行ってこい」
「にしても、兄ちゃんってポケモンだけはすごいよね」
フルーツミックスオレを飲みながら再度対戦中
「掛けてる情熱が違うからな」
「情熱なら負けないのに!」
「あとは考えれる頭だけだ」
「それって私が馬鹿ってこと?」
そのとおりだ
因みにこちらは”パルキア”、蓮香はガブリアスだ。ん???
今パルキアがゲーム的に不自然に動いた
「でもゲームの中なら恐らく私たちって最強のトレーナーよね」
「負けてるだろ、お前、俺に」
「対戦はまた別よ!だってゲームの中ならチャンピオンたおして殿堂入りしてるんだよ!最強とよばず何と呼ぼうか!」
確かに蓮香の言う通りだ。例え蓮夜という人間が友達の少ないぼっちでも、ゲームの中じゃ殿堂入りの最強のトレーナーであるレンヤになれる。
「まぁ本当にここがポケモンの世界なら、俺はぼっちにならないな」
「って、しれっとガブリン倒さないでよ!」
ガブリンとは蓮香のガブリアスだ。俺は特に付けないが、蓮香は一々ニックネームを付ける。そうするとより愛着が沸くらしい。
「チャチャモで勝負」
バシャーモが出てきた
「ハイドロポンプで一撃だな」
ハイ撃破
「ミッキョウなら相性勝ちね!」
メガボーマンダ
そっちもな、というかメガ枠のドラゴン2体って
「ほい、あくうせつだん」
その時異変がおこった
「「は?」」
パルキアがこちらを振り向いたら
「なに、新たなるバグ?反則負け?」
蓮香が覗きこんでくる。蓮香の画面を見ても、パルキアが背を向けていた。
バグか?
いや違う、バグとしても所詮はプログラム、このパルキアの動きは不自然すぎるほど自然だ。まるで生きているような...
するとパルキアはこちらに”あくうせつだん”を放った。動きが生きているように滑らかで決まったエフェクトとは違った紫の光がこちらに発射された
「「うわ!」」
思わず二人してのけぞってしまった
が、所詮は画面の中のゲームである
そう思った
パキッパキパキ
画面にヒビが入りそこから紫の光が漏れている
「嘘だろ!」
愛用していた3DSにヒビが入りつい、そこに触ってしまった
その瞬間
「うわっ!指が!」
指を引っ張るように画面の中に入って行く!
「うっうわーーーーーーー!」
今や体の半分が画面に入ってしまった
。
「なにこれ!あり得ない!」
蓮香が思いっきり俺の腕を引く、がそれでもむしろ引っ張られる一方だ。
その時
キュオオオオオオオオオオオオオオ!
画面のパルキアが大きく吠えると再び”あくうせつだん”を放った
紫の光は俺と蓮香を飲み込んだ