F-1で怪異に物申す!   作:べっけべけ

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どうも、べっけです。最近更新速度が落ちてきたと思いますがちゃんと生きています。原作をどうするか原作漫画見ながら考えている途中です……

3000字と短いですがどうぞ。


この世界って何なんだ

キュッ!

 

 

タイヤが地面に触れる音が耳に入ると同時にドラックシュートを作動させるためのハンドルを引っ張る。

今回は引っ張るだけ。もしここから捻りでもすれば……あの時行った回避のように切り離して捨ててしまうからだ。

 

エンジンの出力はIDLE。スピードブレーキもOUTになっていて、フラップの位置を示す計器も全開を知らせている。今度はタッチアンドゴーではなくそのまま速度を落としていった。

 

 

(100kt……80kt……60kt……)

 

 

甲高いエンジン音が小さくなり機体の振動する音だけが操縦席にガタガタと響き渡ってくる。

 

視界の先には彼等(彼女等?)の基地であろう建物がゆっくりとではあるが迫っており、やはり危機感を覚えていた。自分はこの先どうなるのか、そもそも無事でいられるのかなどとビクビクしながなら操縦悍を握るグローブの中は冷や汗で大変な事になっていた。

 

 

 

 

 

速度も無くなり格納庫と思われる建物の前に駐機させる。

 

(……この辺で……良いのかな?)

 

場所を決めたらスロットルを操作してIDLEからOFFへと切り替える。甲高く唸っていたエンジンが自ら回転することを止めウウゥゥ……と音が低くなっていき、ずっと着けていた酸素マスクを口元から取り外す。

 

酸素供給のスイッチを切ったりと計器類を操作して降りる用意をしていく。

 

一通り終わったら電源も切りキャノピーを開けて今まで体を固定していたベルトを外していく。全て外し機体から降りるが気付いた。

 

「…………ま、いっか。よいしょっ!」

 

梯子が無かった……なので仕方なく飛び降りることにした。

 

ドンッ!

 

「う"……」

 

コックピットから元気に飛び降りたはいいが着地が可笑しい事になった。

自衛隊員達のような訓練など受けている訳など当たり前のように無く、着地の衝撃を殆ど吸収することが出来ずにいた俺は着地から数秒の間まるで踏ん張っているかのような変な体勢でプルプルと痛みを我慢する事しか出来なかった。

 

 

 

(いってー……さて、ここから俺は一体全体どういったことをすればいいのやら……)

 

そう、ここからが本番である。それを示すかのように俺の目の前には銃を持った獣耳の女性達と色んな物を手に持った作業着姿の男性達が集まっていた。対戦車ライフルだろうとしか思えない銃からバズーカのように担ぐ物までと様々な武装をした女性陣に対して男性陣の装備はというと……

 

 

 

ある者は大きなスパナを持ち、またある者はボルトアクションのライフルを、またある者は箒を……他にも木の棒、掃除用ブラシ、火ばさみ、やかん、枕を手に……ってかおい最後の二人、お前らは何処のパニックになったの○太だ?

 

 

 

 

 

内心で初対面の人に突っ込みつつ、俺は取り敢えず両手を上げて抵抗の意思が無いことを示すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって……何処かわからない場所。執務室か何かだろうか?

 

今目の前にはこの基地の司令官?幹部?上層部?まぁお偉いさんであろう女の人が座っていた。軍人にしては少しばかり若すぎるような気もするが異世界なのだからこれが当たり前なのかもしれない。

 

「さて……まずは自己紹介としましょうか。私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。ここ、連合軍第501統合戦闘航空団の指揮官を担わせてもらっている者よ」

 

「え?統合戦闘航空団?……はい?」

 

「だ、大丈夫?わかるかしら?」

 

「いや。全くもって知りません……」

 

「そう……それは置いとくとして貴方の名前は?あと所属している部隊とか」

 

「えっと……」

(……あれ?名前……なんだっけ!?ヤバイ!記憶が無い!……えっと……考えろ考えろ…………そうだ!)

 

「名前は……た、武内一(たけうちはじめ)です!所属は……していません!」

 

「……え?所属先が無い……?」

 

ミーナと名乗ったその女性は目を見開き、書き始めようとして持っていたペンでも落としたのかカシャンと音がしたのを合図に二人の間を静寂が包む。

 

「えっと……そもそもただの一般人です……」

 

「へ?……でも貴方はアレを……」

 

話が上手く進まない。俺が未確認機に乗っていたのに軍人っぽくないからだろうか?生憎俺には初対面の人に馴れ馴れしく話しかけるなんて出来ないし、上から目線もとてもじゃないが不可能だ。

 

オドオドしていちゃいけないのは頭ではわかっていても体がそうはいかない。今でも口の筋肉は硬直してるし、手足はプルプルと震えて手には汗が滲んでいた。

 

 

 

そこからはそれはもうグダグダだった。片方は目の前の人物が何をしたいのかさっぱりだし、もう片方はアワワワといった感じに上手く呂律も回っていない状況で会話のキャッチボールなんて全く成立していなかった。

 

 

 

結局話し合った内容はこんな感じだ。

 

・自分はどういった存在なのか

A,自分でもあまりわからない

 

・何故ここへ来たのか

A,ネウロイを倒しているとここの部隊員に遭遇、興味本位でついてきた

 

・所属先が無いというのはどういう事か

A,ずっと野良でやってきました

 

・アレ(F-1)は何なのか

A,誰にも絶対渡さない自分の愛機です

 

・これから自分はどうするのか

A,また宛もなくネウロイ墜としの日々です

 

はっきり言ってふざけた回答だと思う。何せ何一つわかり合えていないんだもの。暫くしたらまた話すとのことで1度解放してもらった。監視付きでいいなら見て回ってもいいとか何とか。

 

 

 

 

 

と、いうことで現在俺は彼女らの基地の中を見学していた。

 

「何かこの基地って色々と設備揃ってて快適ですねー」

 

「ほう、そう思うか?まぁ此処はネウロイとの戦闘での最前線と言っても良い所だからな。それなりに物資は他よりも運ばれるさ」

 

俺の監視役としてついた彼女の名は坂本美緒さん。最初は眼帯をしていたので(え?もしかしてこの人……)と思ったがどうやら思春期に発症するあの病ではないとのことで、ちゃんと理由があるらしい。

なんと彼女……この年齢で軍人、階級は少佐なのだそうだ。

 

(……少佐って……空自でいうところの3等空佐ってこと?……親父よりも高い階級じゃないですかヤダー)

 

そう思ってしまったのは仕方が無い筈。

 

少佐……そこまでの幹部になればデスクワークになるのでは?……そう思ったがどうやら違ったようで、彼女は今なお前線で敵ネウロイとの戦闘を交えているらしい。

 

(それってホントに大丈夫か?もしも万が一に指揮官が前線で死んだ場合ってどうするんだろう……)

 

この疑問はかなり失礼なので俺にはとてもじゃないが聞くことは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてわかったことがもうひとつ。この世界は国の名前が全然違っていた。きっかけはこうだ。

 

「なぁ……武内?」

 

「どうしました?」

 

「その名前からしてお前は扶桑国の人間なのか?」

 

「……え?フッ素?」

 

「いや、扶桑だ。ふ・そ・う。まさか知らないとは言わせんぞ?」

 

「……フソウって何ですか?」

 

「……おいおい……」

 

 

 

 

ということである。生憎俺は原作の知識なんざ全くもって無いため彼女らが何を言っているのか全然理解ができずにいた。

 

 

どうやら少佐が先程から口にしている扶桑とは国の名前らしく、特徴やら文化やら内容を聞いていくとその国は大方日本ではないかとの予想がついた。しかもこの世界では第二次世界対戦の年代にも関わらず国同士での争いは一切起きていないらしい……共通の敵となるネウロイが現れたからではないかと伺える。

 

 

 

この世界のことを知ろうとも思っていなかったが……まさかこうも違う世界とは思ってもみなかった。世界地図を見せてもらったが北アメリカ大陸もかなり異なった形状をしていたし、国名もその殆どが俺の知識にある名前とは合致しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

……さすが異世界としかいいようがない。

 

 

 

 

 

 




面白かったら幸いです。

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