ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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七五三編 執念

「むう ここまでか・・・」

 

サンシャインらとともに魔界でかつてのオレとダイの戦いを見ていた

ダイのアバンストラッシュXで一度はオレが倒れるも

立ち上がりダイも尽きかけた闘気を補うように魔法剣を使ったところで終わった

 

『あくまであなたとの一騎打ちにこだわるダイ

このとき私はダイの中からあなたを見ていました』

 

【執念か よくおぼえておけ おまえ達

悪魔というものはただでは死なん】

 

【たとえ刀折れ矢尽きるとも

“あきらめない心”がある限り戦い続ける

それが真の悪魔というものだ

さあテレビはここまで

折角当事者のハドラーがここにいるのだ

この機会にその力を味わうがいい

ハドラー あの超魔爆炎覇を頼めるか?】

 

「ほう 言っておくが先の映像は何年も前のことだ

転職し新たな力をつかみとった今のオレの方が強い

若い悪魔どもの命は保証できんぞ」

 

【グオッフォフォフォ

全員に一発ずつではない 全員まとめてお見舞いしてやってくれ】

 

「それは面白い リングに上がれ若造共

オレも久しぶりに・・・味見をしたくなった!」

 

    ゾクッ

 

【カーカカカカ

やはり大したものだ リングに上がる前に声ひとつで場を支配した】

 

リングの上で悪魔超人の若造が勢揃いするのを待ち構え

ヘルズクローに魔炎気を乗せ力を高める

 

【結局テレビでは見れなかった大技を直接受けることができるとは】

【ゲパー―!】【カンラカンラ】【ドへ~】

 

「ではいくぞ せいぜい生き残るがいい」

 

オレの闘気の高まりにこのリングが、

いや この魔界が震えるのがわかる

この外へ逃げる力を先の映像で俯瞰して見た

[真龍の戦い]でオレに注がれたあの高密度なエネルギーの流れを参考に

ヘルズクローへ集束する

 

    ピタ

 

かつてダイに向けて放った全身全霊の一撃を越える力を今!

 

「超魔爆炎覇!!!!とくと見よーーーーっ!!!!!」

 

  ズガアアーーーーーン!!!

 

・・・・・・・

 

リング上で倒れ伏した悪魔超人たち全員の生存を確認し

死相がでていたテルテルボーイに回復呪文をかけた

 

『顔に[死]と表示されるのはわかりやすいですね』

 

【ありがとうハドラー 若い悪魔超人にはよい経験となっただろう】

 

【カーカカカカ やつらはしばらく今の技の恐怖に囚われるだろうが

その恐怖を乗り越えたとき 悪魔として一皮むけるのだ

・・・我々が恐怖の将 悪魔将軍様にやられたようにな】

 

【グオッフォフォフォ

当時は地獄そのものだったが今となっては

・・・悪夢だな まあ良い思い出でもあるが】

 

笑いあう歴戦の悪魔超人二人を見て

 

「どこの世界の悪魔も似たようなものだ」

 

『悪魔って・・・』

 

【ハドラー ジゼル嬢用のリングコスチュームの布問屋だが

我ら悪魔騎士ご用達の店を紹介しよう

コーチ料も弾んでおく

超人にとってコスチュームは命とも言える大切なもの

こだわりの品揃いだ 存分に吟味するがよかろう】

 

『アシュラマンはともかくサンシャインはリング上では

何も着てなかったような・・・』

 

【弟子のチェックメイトらの服を仕立てて送り出したのが懐かしいな】

 

【・・・私もかつて 息子のシバのために妻と二人で用意したものだ】

 

『本当に・・・ 似ているものですね』

 

 

サンシャインらに勧められた店で

ジゼルの七五三用の武闘着の布を選び十分な量を買った

あの映像が出回っているせいか 店内ではオレの顔を知るものがおり

何度か声もかけられたが適当にあしらった

 

『お祭りでも顔を半分だして暴れましたから

仕方ないですよ』

 

「ここでの用事は済んだ

次はジゼルだ」

 

念話でジゼルに話しかける

 

「ジゼルよ」

 

[ハドラー様♡ ドガ!! んがっ!?]

 

念話は通じたようだが まるで蹴とばされたような声も聞こえた

ちょうど組手か試合中のようだ

 

「用件は後で伝える 今は 勝て」

 

[わかりましたハドラー様! ドゴン!!]

 

『よろしいのですか?』

 

念話はつなげたままだ 様子はわかる

 

  グググ・・・  バッ  ドン!

   グルッ ズドン!!!

 

正面でのぶつかり合いか ジゼルが押し気味のようだ

 

『ジゼル・・・ ケガしないで』

 

  ガツン!

 

頭突きか ジゼルがひるんだな

 

『そんな!?』

 

  グッ  ガチンッ!!

 

反撃で踏み込んで頭突きをやり返したか

 

[ライトニングバスター!!]

 

   ズン!!

 

ただのパンチだ

 

『そもそもジゼルはイオナズン使えませんよね』

 

[ハドラー様勝ちました!

樹緑みどりおねえちゃんに初勝利です!]

 

『黄緑なのかみどりなのかわからない名前ですね』

 

[髪の毛は赤紫色ですよ お母様]

 

「そんなことより用件を伝えよう」

 

・・・

・・・・・・

 

[わかりましたハドラー様!!

1日ください!会社と話をまとめてきます!]

 

「わかった では明日の昼 また念話をする」

 

[楽しみにしています ハドラー様!]

 

念話を解き一息つく

 

『しばらく会わないうちにしっかりしてきましたね』

 

「前に会ったのはほんの2ヶ月前だがな」

 

 

 

・・・翌日

 

東女を相手にジゼルが社長との直談判まで持ち込んだところ

詳細な情報が欲しいとのことでオレがリリルーラで直接話すことになった

 

「このデザインをもとにオレが武闘着を作る

それを身に着けたジゼルがリングで戦う

結局のところそれだけのことだ」

 

[いっぱいある!?

いーち にー さーん よん ご~ ろっく ななまい!]

 

〔すごいですねこのデザイン画

これもハドラーさんが描いたんですか!?〕

 

「いや これは酒場で同席していた男が描いたものだ

店主によると日本一の画家先生と呼ばれていたが」

 

〔いいですね 折角ですからこのデザイン画も使わせてもらいましょう〕

 

「ほう では」

 

〔ええ この企画採用しましょう

元々ジゼル嬢は結構人気があるのでキャンペーンレスラーを頼みたくて

今やってるひな祭りなどいくつか打診したのですが

ハドラーさんが作った竜族用のリンコスじゃないと戦えないと

断られていましたから衣装持ち込みの企画はありがたいです〕

 

「なるほど」

 

〔それに自分も今放送中の[ダイの大冒険]を拝見していますから

娘を持つ親の一人として七五三のお祝いと聞いて協力するに決まってますよ〕

 

「自分から行っておいてなんだが それでいいのか?」

 

〔いいんですよ プロレスは商売じゃないですから

そのかわりイベントとして大々的に扱うので

ジゼル嬢にもがんばってもらいますが〕

 

「ちゃっかりしておる」

 

〔ええ プロレスは商売ですから!〕

 

『さっきと言ってることが違いますよ!?』

 

「これくらい いい加減な方が扱いやすい」

 

〔かの魔王ハドラー様にそう言ってもらえるとは光栄です〕

 

[ハドラー様 衣装はこの中から選ぶのですか?]

 

元々全て作るつもりで布を買ってあるが・・・

 

「いい機会だ お前が一つ勝つたびに作ってやろう

昨日の初勝利とやらで一着 残り六着は今後の戦績次第だ」

 

[わかりました ハドラー様!

ぜったいにごほうびいただきます♡]

 

『これは楽しみが増えますね』

 

「これも執念と言えるだろうか」

 

「ちなみに完成図はこうなる」

 

ジゼルに芽生えた執念を育てるために立体映像の魔法を使い

実際にジゼルが着た予想図をつくって見せた

 

[わ~♡]

 

〔すごいですねこれは 興行でこれも使ってほしいくらいですよ

これがガチの魔法・・・

人間の技術でこれを実現するのに何年かかることか〕

 

かつて我が宿敵アバンはたまたま居合わせたガキを守るために

我が極大爆裂呪文(イオナズン)からその身を張り

子供は明日の世界の主役だと言いはなった

・・・そんな昔のことをふと思い出したのだった




ハドラー様最終決戦をアニメで見れるとは 拙作を書き始めたときは夢にも思えなかったウジョーです
あれが9年前とか・・・

ディアさんから許可をいただき拙作でジゼル嬢をメインヒロインとして登場してから早7年
もうすぐ8年とずいぶんと長いこと書いてきましたがアニメにVジャンプの過去編と
公式からガンガン燃料投下されるのでまだまだ書けそうです

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