ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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悪魔の目覚め

  ―魔界 修練所―

 

ジゼルが東女での修行を続けている間 その隣にある世界

魔界にいることが多くなった

オレがかつていた魔界とは似て非なる魔界ではあるが

ジゼルに気づかれることなく〔テレビ中継〕で成長が見ることが可能というのは都合がいい

 

『ジゼルの試合はテレビ中継されない第0試合(ダークマッチ)が多くて

あまり見れないのは残念ですね』

 

聖母竜が時折そんなことをぼやくが サンシャインに言わせると

 

【人間達にも事情がある

見た目も中身も子供であるジゼルを夜の試合には出せんし

地方の昼興行はテレビ中継が少ない

もっともその気になればある程度自由に見ることもできるが

あまり地上をのぞき見するのはな】

 

悪魔超人界の重鎮であるサンシャインだが

こういったところでは妙に人間に気を遣うやつだ

今 池のようなものの周りを囲むように多くの悪魔超人が集まっている

この池に映像が映し出されたジゼルの試合を観戦したことは何度かあり

そのときに他の悪魔どもがいたことはあったが

これほどの大規模は はじめてのことだ

 

「それよりも今この時間はジゼルの試合はなかろう

わざわざここに なぜこれほど悪魔が集まっている?」

 

【かつて封印されていた 禁忌とされた闘いの歴史があった

最近は徐々に情報が解禁されているのだが

それを改めて映像化したものがこれから全宇宙で放送されるのだ

我々悪魔超人にとっても重要な歴史だ

魔界全土がこの映像を注目しているだろう】

 

アシュラマンほどの実力者がそういうのであればたしかに

気になるところだ

すると池に映像が映し出され

・・・まるで我が宿敵のような声でこの世界の超人、

おそらく正義超人とよばれるものたちへの言葉が語られていた そして

 

「ほう この男は・・・

あの祭りでオレとサンシャインがリングで戦ったジェロニモの若い姿か

一声で真空系上位呪文(バギクロス)を遥かに超える威力

これが全盛期の力か」

 

【いや このときのジェロニモはまだ若い

超人として経験が浅く まだまだ強くなるぞ】

 

【カァ~~カカカカ お前は相変わらずコイツに甘いな】

 

【だがそれが見込み違いでないことは知っているだろう】

 

どこか得意げなサンシャインはさておき

今度はアシュラマンと戦っていたテリーマンがでてきた

 

「電車を止めるたびにあれほどへこむようでは

もろすぎるのではないか?」

 

『お祭りでヒュンケルやクロコダインがやってましたね』

 

【・・・ああ 誤解があるようだが

電車は本来 中から人間が操作して動かすものだ

祭り中はお客さんへのサービスと

超人の力のアピールとして外から動かしていただけだ

・・・しかし 人間が作ったものとはいえ

電車を外から動かすものだと思っていたというのは新鮮だな】

 

「そうだったか」

 

映像は各属性超人のトップ達が不可侵条約を結んでいる

悪魔超人代表アシュラマンと正義超人代表テリーマンは知っているが

完璧超人代表ネプチューンマンは はじめて見る顔だ

かなりの強者のようだが先の祭りにはいなかったはずだ

 

「何事もなく締結したな」

 

【調印式自体はな・・・】

 

引っかかる言葉だったがその後は小規模の祭りのような映像にかわった

 

「ハヤシライスの店か」

 

【あれはカレーだ】

 

『ミート君の外見だけ 今とまるで変わってませんね』

 

しばらくは和やかな映像が続いたがテリーマンの靴紐が切れたことで一変した

 

【あのシューズの紐は不吉の暗示

くるぞ やつらが】

 

アシュラマンの言葉にこたえるように空から降りてきた超人達

その中心にいた男は明らかに他の超人とは格が違った

 

「できる!

鋼鉄の鎧と仮面の下から尋常ではない力と

抑えきれない怒りを感じるぞ!!」

 

『・・・・・・』

 

どうした聖母竜?

 

『あの格好はたしか、

天界に伝わる[発心の鎧]

神が襟を正し一心に取り組む際に着用するという

古式正装とも言えるものです』

 

ほう ということは天界の関係者か

 

乱入した発心の鎧の男はストロング・ザ・武道と名乗り

リング上で正義超人を蹴散らしていく

 

「勇者ジェロニモがあっさりやられたな

技の起点となるノドを潰し 連携で仕留めたか

・・・あの猛攻でよく生きていたものだ」

 

クロコダインやヒュンケル級のタフさと言えるほどだ

 

【ジェロニモは人間の体で 若くハリのあったワシの砂地獄に耐えぬき

人間ゆえに手を抜いたとはいえあのお方の地獄の断頭台を受けながら

他の正義超人の為にボロボロの体を張ったことがある男だ

今の世代の超人達にもそのタフさと根性は見習うべきところがある】

 

ストロング・ザ・武道の手で正義超人が人間に変えられていく

 

「人化術か!?

戦いながら弱体化させる術をあのようにかけられてはさけようがない

真剣勝負で使うには無粋だが

こちらの世界でこの術を使えるやつがいたとはな」

 

そしてリング上で正義超人の多くが倒れる中

制止を振り切ったテリーマンが、

ストロング・ザ・武道の胸元へ強烈な肘打ちを叩き込んだ

 

【あれがテリー・ザ・キッドの父親のエルボーか!?】

 

【グオッフォフォフォ そうだレックスキング

仮初の平和よりも目の前の友情のために己の全てをかけて巨大な敵に挑む

あれがテキサスブロンコ、ジャイアントキラー テリーマンだ】

 

サンシャインがどこか誇らしそうに強敵を語る間に映像は

歌とともにキン肉マンを中心とした また一味違う映像が流れている

 

【おお!!あのお方は!?】

 

【あれが真の恐怖の将!?】

 

【カーカカカ

やはり大魔王サタンが真似た紛い物とは格が違う

一瞬の映像でも風格が比べものにならん】

 

「あの白銀の全身鎧の男がお前たちを従えた男か」

 

【そうだ やはりこれを作った人間達はよくわかっておる】

 

【・・・・・・サンシャイン首領(ヘッド)、アシュラマン(キング)

提案があります】

 

【発言を許す レックス】

 

【この放送は今 全宇宙に流れているということは

間違いなく超人界が人間どもに再び注目されているはず

今こそ我ら悪魔超人と正義超人と全面対決を行う好機かと!】

 

【そうだ! レックスキングの言う通り!

万太郎たちがまだ帰ってこないとはいえ

正義超人はまだまだいる!

やつらをたたきつぶし 万太郎やケビンマスクを向かいうてばいい!!】

 

【我ら悪魔超人の強さを人間どもに示すチャンスだ!!】

 

【ふむ テリーマンに感化されたか

若い奴らが積極的になるのはいい傾向だ

そこは少しだけ感謝しておいてやろう

だが先の不可侵条約、

我ら悪魔超人はまだ破約していない 現在も有効よ

だからこそワシはかつて平和に馴染めなかった残虐・完璧超人の

はぐれものを集め 悪行超人d・M・pという新たな勢力を作り

アシュラマンの面子を潰さないようにした

デーモンシードも大魔王サタンがあのお方の紛い物をでっちあげ

ジェネラルストーンで嵩上げした戦力で作った別の組織

今の我々正統は悪魔超人軍とは立場が違う】

 

【カカカ 約束破りは悪魔の十八番

事情によっては破約も勘定にいれるが

戦略上 まだ時期尚早だ それよりも】

 

  パチィーン

 

   ゴゴゴゴ

 

アシュラマンが指を鳴らすと地面からリングがせり上がってきた

 

【まずは如何ともしがたい お前たちの実力をあげてからだ

ハドラー このリングを氷漬けのアイスリングにできるか?】

 

「たやすいことだ 氷系呪文(ヒャダルコ)

 

【流石ハドラー見事だ

氷上デスマッチ用のリングがこうも簡単に作れるとはありがたいことだ

さあリングに上がれ レックスキング

悪魔が弱点をそのままにして正義超人と戦うわけにはいかん】

 

【グウウ・・・】

 

「どういうことだ?」

 

【レックスキングはかつて地球を席巻した恐竜の化身超人

その恐竜が地球で絶滅した原因は寒さと飢えによるものという説がある

レックスも 致命的に寒さに弱い

テリーマンの息子 テリー・ザ・キッド戦ではそこをつかれて負けた】

 

「種族特性による弱点か・・・

いかに竜種が強いとはいえ 克服には時間がかかりそうだが」

 

【こいつは苦手意識が強すぎてミートがバラまいた氷に動揺し

万太郎の寒いギャグを聞いただけで凍り付くほどだ

このままでは試合にならん 荒療治が必要だ】

 

「なるほど ではオレがこのリングで相手をしてやろう」

 

【おまえでは強すぎてスパーリングパートナーにならん】

 

「これでもか?」

 

オレは人化術で人間の姿となった

 

「力は落ちるが技術は変わらん

これなら問題なかろう」

 

素足でリングに上がりレックスキングを待つ

 

【ギギョ~~・・・ヒッ】

 

レックスキングはリングに近づくことすら怖気づいている

 

【どうしたレックス!!

そんなことで正義超人と戦えるか!

キッドに味合わされた屈辱を忘れたか!】

 

【グ!?】

 

【悪魔たるもの戦いの教訓を生かし

一度知られた弱点は次回には必ず強化してくるものだ!!】

 

『厳しい口調ですがサンシャインの優しさがにじみでますね』

 

サンシャインの声に押されリングに上がったレックスキングだったが

明らかに腰がひけているのを見て正面から組み合った

 

「こんなものかレックスキング!

竜種が人間に力負けしてどうする!!」

 

逃げ腰に加え動きがかたいレックスキングはたやすくひっくり返った

 

  ドン!!

 

【ギャ!!?】

 

氷のリングに背中を叩きつけられそのまま体が凍りついていく

 

【レックスキング!!

そんなザマではキッド相手ならスピニング・トゥホールドで追い打ちをくらうぞ】

 

「たしか、こうだったか!」

 

  ザッ  ガキィ

 

【ギョ ギョ~~】

 

見様見真似でやってみたスピニング・トゥホールドで

レックスキングの太い足首を攻めたてる!

 

  バキィン!!

 

凍り付いた足首は思いのほか脆く 砕け散った

 

【レックス!!

お前がキッドと戦った31分40秒で得たものを思い出せ!!】

 

   バンバン!!

 

リングを叩き檄を飛ばすサンシャインと

応援する若手悪魔超人達にこたえるように

レックスキングの目の色が変わった

 

【ギョギィ!!ダイナソー・テール!!!】

 

   バシィ!!!

 

「グォ!!!」

 

足首が砕けたことでオレの拘束から逃れたレックスキングが

尻尾のような形の左腕でオレを捉え 高々と吹き飛ばした

 

【ジュラシックハンドーーーー!!!】

 

すかさず竜の頭の形をした右腕がオレの上半身にかじりついた

 

「ぬう!!ベギラマ!!!」

 

【ギョギィ~~~~~!!!】

 

竜の口の内部からベギラマを放ち脱出

竜の頭は皮や肉が吹き飛びスカルドラゴンのようになっていた

オレ自身も人間の体では耐えきれず上半身がかなり焦げた

 

【よし 今日はそこまで

ありがとうハドラー お陰でレックスも一皮むけた】

 

【どうだレックス いつのまにか氷のつめたさに慣れていただろう】

 

【・・・・・・! たしかに】

 

【その正体は真剣勝負の熱気だ

他の悪魔たちも心得ておけ

熱気が勝敗を決めることがあるということを】

 

『あなたの得意分野ですね』

 

「単純な熱ではない

おそらくこれがやつらの言う

〔火事場のクソ力〕の一端だろう」

 

どうやらテリーマンに感化されたのは

若い悪魔だけではないようだ

閃熱呪文(ベギラマ)を放った手や焦げた上半身だけではない

オレの体の奥からも熱い闘気が昂るのを感じていた




暑中お見舞い申し上げます お久しぶりのウジョーです
キン肉マンの新アニメがはじまりました 期待以上のハイクオリティに
この暑い中 私もそれ以上に熱くなってきます
拙作も本来ならアニメ0話から毎回書きたいぐらいなのですが

毎日のように尋常ではない暑い日が続いています
家の中でも熱中症に気を付けて お疲れのでませんように
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