~ 赤コーナー ~
『ジゼルがまた歯を食いしばって 立ち上がってきましたね
しかし あなたが自分を通して他の誰かを見ているというのは
どういうことでしょうか?』
「・・・そのつもりはなかったが たしかにあいつの成長を感じるとともに
それを支えたメアリ達との絆を感じたのは確かだが
それだけでは あれほど意地になるまい」
『ではなぜ?』
「おそらく・・・
あいつがいた世界は なぜかオレに関する資料が豊富にあった
それを参考にしながら想像の中で【俺】を作り上げ
いずれオレと戦うことを想定し 【俺】を相手に腕を磨いていたのだろう」
『たしかに あの世界にあなた本人がいない分
そういったこともあるでしょうね』
「だが この戦い オレはバトルロードのルール内で
ジゼルの成長を感じることを重視しながら戦っている
オレの戦歴にこのような戦いがないことから
【オレ】と【俺】の違いの大きさが生まれたのだろう」
『なるほど ジゼル自身が
【あなた】をちゃんと見れていなかったことに気づいた、と
意地になるわけですね ・・・私のことも見てますよね?
あら ジゼルが』
'歓声を背に!立ち上がったジゼルがリング中央へ歩き出す!!
そして!それにこたえるようにハドラーもリング中央へ!!!
今度は力比べではなく睨み合いだ!'
ビリ ビリ ビリ
‘闘気のぶつかり合いでリングが震えてますね’
'本当に闘気も10分の1になってるんですか?'
‘本来のハドラーの闘気であれば その余波だけで
周りにいるお客さんが倒れてますよ
リングが少し震える程度にすんでいるのが結界が有効な証拠です’
'今はどっちが優勢なんですか?'
‘ジゼル嬢も頑張っていますが・・・
やはりハドラーが押していますね’
[ハァッ!!!]
「ぬゥん!!!」
バババババッ!!!!!!
'今度は魔法力の押し合い!
これならおれにもわかる!
すげえ 元魔王ハドラー相手に一歩もひいてねえ!'
[バシルーラ!!]
「ふん!!」
ハドラーにはきかなかった
'魔法を手で弾いた!?'
‘私も経験がありますが
彼に正面から魔法を放っても
何か工夫がなければ ほとんどききません’
[風竜術!!]
「なに?!」
ドン!!!
'あー-っと!?ハドラーが赤コーナーへ吹き飛んだ!!!
アバ、グレート先生!今のはバシルーラとは別の突風でしょうか!?'
‘そうですね バシルーラへ意識を向けさせ風をたたきつける
今の風は魔法力を感じないので ドラゴンのブレスのようなものでしょう
ハドラーの対処がわずかに遅れ先手をとれましたね
さらに風を利用してジゼル嬢が宙を舞っています!’
[森の木の葉のごとくに 体軽やかに!
腕を弓の如くに引き 流れ星の如くにふり降ろす!
FWWWの勇者直伝! エクスカリバー!!!]
「くっ?」
ザン!!! ドッ・・・
[好機!!!]
ドガガガガガガガガガガ!!!!!
'手刀一閃!!
ジゼルの右手が ガードしたハドラーの左手を切り落としたー---!!
そのままジゼルの蹴りの連打がハドラーを赤コーナーに釘付けにするー--!!!!
あれは大丈夫なんですかグレート先生!?'
‘あの切り落とされた左手を見てください’
'あ!?灰になった!!'
‘彼の肉体は一度完全に灰になっていますから
出血はなく 試合後なら再生も可能です’
'しかし先生 あのハドラーの強靭な体を
どうやって武器も使わずに一撃で切り落としたんでしょうか?
リングを覆う結界内では闘気や魔法力は減衰しても肉体強度
骨や肉の硬さはかわらないはずですよね'
‘今の手刀はかまいたちを纏っていました
さらに風を使い空を舞う動きは高さを稼ぎ威力を上げるだけではなく
冷気と暖気を誘導し かまいたちの切れ味を強化する効果があったのでしょう
これまで蹴りを主体として 足に意識を向けさせ
この手刀を切り札として活かしたのも大きいですね
加えて 彼の体は一度完全に灰となり粉々になったものを
繋ぎとめている状態ですから 結界内ではその力も弱まっていることでしょう’
'なるほど!しかし暖気はともかく
冷気はどこから誘導したのでしょうか?
ヒャドを使った様子もなかったのですが'
‘セコンドが持ち込んだバケツに入っている氷ですね
あんな使い方があるとは勉強になります’
'さあジゼルの猛攻が続きます!!
嵐のようなキックがハドラーに襲い掛かる!!!'
「嬉しいぞジゼルよ 技のキレもさることながら
オレの左手を斬り飛ばしたことに動揺せず攻め続ける
その容赦のなさがな!」
[・・・ハドラー様の死にざまを何度も見てきました!
見返すたびに!思い返すたびに!!
力を求め!!!技を磨いてきました!!!
たとえハドラー様の左手が失われても私が左手なる!
望むところです!!!!]
「いいだろう 見せてみるがいい」
『では この戦いが終わるまで この左手は再生しませんよ』
「好きにしろ 世界を相手に戦い続けたこのオレだ
ジゼル一人 片手で十分 このまま相手をしてやろう!」
[だー----!!!!]
ガガガガガガ!!!
〔春風脚からの春一番もブロッキングされてダメージにならない!〕
〔あの必殺技のようなコンボが学校の先生に教わったのが
いつも納得いかないわ〕
〔その先生 東女にスカウトするべきなのです〕
〔もうレインボー・ミカさんと多摩女のリングにあがってる
本当にあそこが天下をとる気がしてきたよ・・・
でもこのままじゃあ有効打がとれないし
エクスカリバーは予備動作が大きすぎて2回目は当たりそうにない
先にジゼルが攻め疲れちゃうよ〕
〔しかしハドラーさんが片手を失いコーナーに追い詰めた今
チャンスなのは確かよ 攻め方を工夫するにしても緩めるべきではないわ〕
〔手数で攻めて!!
ハドラーさんの上半身 ガードの隙間を狙って!!〕
[! ばくれつけん!!]
バババババッ!!!
'セコンドのアドバイスを受けて
パンチの連打に切り替えた!
強烈なラッシュがついにハドラーに被弾!!
このまま一気に勝負を決めるか!?'
[あたる!!これなら!!]
「あまいな」
ガッ! ググっ・・・・・・
'なんと ハドラーがジゼルの顔を鷲掴みでラッシュを止めたー-!!!
そして片腕だけでジゼルを完全にリフトアップー--ッ!!!
そして一歩一歩リング中央へ!!'
「さあいくぞジゼル!!
お前はよくやった
この残った片手の威力をとくと味わうがいい!
ワンハンドブレーンバスターー---ッ!!」
ドシィー----ンッ!!!
'リング中央へジゼルの全身をたたきつけたー----!!!!
大の字でダウー--ン!!!
カウントをとります!
1!'
〔立ち上がってジゼル!
まだあのギアナ高地でのサンモニとソニックファミリーの合同強化合宿の成果を出せてないよ!!
あの修行でつかんだ必殺技をハドラーさんに叩き込んで!!〕
ピク!
〔ジゼルさんがメアリさんの声に反応した!?〕
〔なら くるみ達にできることはひとつ!〕
\\\ジーゼール!!!ジーゼール!!!ジーゼール!!!///
'青コーナーから ジゼルへの大エールだ!!
しかし無情にもカウントは続けます!
2!!!'
【聞けジゼル!
刀折れ矢尽きるともあきらめない心がある限り
戦うことができる それが悪魔超人だ!!
お前に流れる悪魔の血を ハドラーの血を信じろ!!!】
【この恐竜王レックスキングは
いや 我ら新世代悪魔超人はみんなおまえのファンだ!仲間だ!!
さあ 立ってくれ このエールが届いてくれ ジゼル!!】
\\ジーゼール!!!ジーゼール!!!ジーゼール!!!//
[サンちゃん レッちゃん・・・]
'3!!'
\\\\ジーゼール!!!ジーゼール!!!ジーゼール!!!////
'4!!
青コーナーから 観客席、
そして世界各地につながるスクリーンへ大エールが広がります!!
ここでカウントは5!!'
‘ジゼル嬢に 会場全体の熱気が集まっていきます
少しずつ体が動いているところを見ると
あの熱気を吸収して体力に変えているのでしょう
いえ それだけではありませんね’
'6!!
さあ 大声援を受けてジゼルが再び立ち上がってきた
会場はさらに盛り上がってきた!!
カウント7で完全に立ち直ったジゼルがハドラーへ拳を突き出します!!!!'
「・・・・・・ジゼルの目に闘志が甦ったか
体力が多少回復したとはいえ 今の一撃はたしかな手ごたえがあった
ただ名前をよぶだけの声援やエールが
それほど心の支えになるというのか」
【グオッフォフォフォ ハドラーよ
あれはただの声援やエールではない
あれは
「サンシャイン?」
【ワシらの世界で 何度も奇跡を呼び
星を揺るがし 宇宙を救ったほどの
・・・友情という名の
「ジゼルがあの世界でそれを得た、と?」
【ワシが言えるのはただひとつ
悪魔にだって友情はある ということだ】
「面白い ならば存分に味わってやろう
ジゼルがこれまで育んできたその
‘ハドラーの獰猛なあの笑み
そしてジゼル嬢の闘志あふれる目
戦いはまだ続きますね・・・’
季節の変わり目 暖気と冷気と雨で風邪をひいていたウジョーです
それだけが原因ではありませんが更新が滞っている間に桜が散りだしてしまいました
もう4月とか・・・その間にダイ大の外伝がまた大変なことになってますし
拙作も大詰め、のつもりで 最後までお付き合いいただければ幸いです