クリスタルクォーツ   作:操り人形

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生徒会の集合

とある普通の高校2年生の僕、城崎 蒼江(しろさき あおえ)はいつも通り朝早くから学校へ登校していた。

 

寝癖が一つもない真っ黒な髪をしている。

もちろん校則で髪はさっぱりしているどこにでもいそうな男子高校生。

うーん…自分で自分の説明するのって難しいな…

 

一人で歩いていて周りに誰もいないにも関わらず、誰かに見られているような気がしてきて簡単な自己紹介をしておいた。

自己紹介が終わったあとタイミングよく突然空から一人の女の子が落ちてきた。

言葉で表すなら『ひゅー』と、ほんとに落ちてきたのだ。

正直僕は親方に報告したい気分になった。

その女の子の髪は銀髪で腰まで伸びている綺麗な人だった。

その後?あぁもちろん僕は下敷きにされたよ…

けど主人公補正というものが発動したのか、怪我すらしなかったけどね。

主人公補正恐るべし。

その空から落ちてきた女の子は神風シオン(かみかぜ しおん)という名前らしく僕の通う高校に転校することになったらしい。

なぜ空から落ちてきたのか不思議だったが正直それはどうでもよかった。

ここで僕はふと思った。

もしや某アニメのように同じクラスになって隣の席になるのではないかと―――

 

結論から言うとそうなった。

 

テンプレ過ぎて何を言えばいいのか分からなかった。

とにかくそういう経緯で僕はシオンと出会った。

 

 

 

 

 

その出会いがこんな結果になるとは思ってもみなかった。

 

 

 

 

 

「……い………きろ……」

 

そんな言葉が聞こえる。

けど僕はもう動けない、目も開けれない。

僕は魔王に負けてしまったのだ。

そして僕は世界からどんどん切り離されて…………

 

 

 

 

 

「おい!起きろって言ってんだろ!!睡魔にくらい勝てよ!」

 

バチーンという音が放課後の教室に響く。

顔を上げると見慣れた顔があった。

 

「これじゃあ友達との話を早めに終わらせた意味が無いじゃないか…」

 

この子が転校してからもう3週間が過ぎ、クラスの人と馴染めたようだ。

 

「ほら、さっさと行くぞ!」

 

今日もシオンに連れられて生徒会室へ行く。

その際周りの人から僕へリア充爆発しろオーラが異常なほど漂っていたが決してそんなものじゃない。

ただ無理やり一緒に歩かされているだけなのだ。

 

そう、無理やりなのだ。

ほんとに!無理やり!

 

神様ほんとうにありがとうございます我々の業界では御褒美です

この子と会えて幸せです

僕は一生貴方の……

 

「着いたぞ」

 

神様への忠誠を誓っているうちに生徒会室へ着いたようだ。

 

「んじゃ、今日も張り切ってやっていくか!」

 

僕達は気合を十分に入れ、生徒会室の扉を開けようと手を伸ばす。

 

 

が、生徒会室のドアは自動ドアなので手がドアにつく事がなくそのまま転びそうな勢いで入っていく。

 

「もう三回目だぞ…いい加減覚えたらどうだ…」

 

シオンは呆れた目でこちらを見ながら入っていく。

 

生徒会室にはもう2人が集まっていた。

 

1番奥に座っている無愛想な人は生徒会長、叢雲 未影(むらくも みかげ)である。

髪は茶髪で首あたりまで伸びている3年生女子。

 

メガネ、ヘッドフォンをいつも所持しているがヘッドフォンは必要あるのだろうか…

 

「……………………」

 

相変わらず会議以外ではほとんど何もしゃべらず、こちらを睨んでいる。怖い。

 

入口から見て左奥は書記のシオン、右奥は副会長の僕が座るため空席になっている。

 

左手前側に座っている大人しそうな人は副会長の東雲 陽葵(しののめ ひより)3年生女子

青い色の髪は肩ほどまで伸びていてツインテールになっている。

まだ会って日にちが経ってないため詳細がよく分からない。

笑顔で手を振っていたのでとりあえず振り返しておいた。うん、可愛い。

 

右手前側の席は空いている。

まだ来ていないようだ。

 

僕達が席に座ると同時に生徒会長が話しかけてきた。

 

「おい、城崎…今日お前が連れてくる会計はどこだ」

 

この学校の生徒会の決め方は会長・副会長を投票で決め、残りは会長・副会長が指名する制度になっている。

シオンがいる理由もこれを無理やり使わされたからである。

 

「呼び出しがあったらしくて…もう少ししたら来ると思いますよ!」

 

やばい。

生徒会長を怒らせるとまずい。なにがまずいのかは知らないがとにかくまずいらしい。

噂で聞いた程度だけど。

 

「悪い蒼江!ちょっと話長くなった!」

 

とここで僕が勧誘した会計が入ってくる。

 

彼は僕と同じクラスで昔からの友達。

弐楷堂 メティス(にかいどう めてぃす)という珍しい名前。

学力、運動能力が両方ともよく、家事もできる。

また情報屋もやっている。

家は金持ちで更によくモテるなどとプラス面が多い。

正直長所がありすぎて短所が見当たらないほど僕とは違いすごい人。

えいくそ少し長所くれ。

髪は白髪で目が隠れるほど長い。

右目には眼帯をしている。昔の事故で見えなくなったらしい。

 

「よし、全員揃ったな…お前の席は城崎の隣だ。では会議を始める」

 

全員が首にネックレスのように付けているクリスタルが輝き始める。

今日も淡々と会議が進んでいった。

 

 

 

 

とある防衛作戦のだ。

 

 

 

次回

生徒会の初任務


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