レイジングハートがバリアのお陰で魔力弾を意識的に防がなくていいって言うから私はヴィヴィオが魔力弾を弾いている場所から離れる。
確かにバリアに魔力弾はあたっても衝撃も何も感じない。これなら相手の攻撃を気にせずに魔力を貯めることが出来る。
『
「うん?」
レイジングハートが突然何かを私に渡してきた。どうやら耳にかけて片目にだけつける機械みたいだけど、なにか意味があるのかな。何だかドラ◯ンボールのスカ◯ターみたいだけど……もしかしてこれで相手の位置とか強さとか解っちゃうのかな!
何だかメーターのような、目盛りのような物があるし、これがあの砕け得ぬ闇の戦闘力ってことなのかな。少しずつ増えているのが気になるけど……
『
ああ、戦闘力ってわけじゃあ無いんだね。確かにさっき魔力無効吸収バリアって言ってたけど、魔力弾の魔力を吸収しているんだ。
通りでレイジングハートが少し光っているわけだよ。でも目盛りを見てもどれだけ魔力が溜まっているのかが解らないや。
『
「へ?もう目盛りが7個溜まってるんだけど……もしかして最小消費だったら7回撃てたりするの?」
『
えぇ……魔力をどれだけ貯めれるの……少しレイジングハートは大きくなったけど、そんなに魔力貯めれるようになったの?
『
「……1メーターは何目盛りなのかな?」
『
ということは……最小威力で200回……
『
「だからジェノサイドって何!?」
しかも最大威力のスターライトブレイカーの10倍の魔力を使うってどんな威力なの!?
『
「いや、それ聞いたら絶対に撃たないからね!?」
『
よかった……流石にそんな魔法無いよね。
『
「悪化した!?」
よけいに使えなくなっちゃったよ!
典矢君、レイジングハートになんてことしてくれたの……
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「うぅ、暇ぁ」
『ラムダドライバは安定していますね』
『油断大敵』
「うー……やっぱりヴィヴィオも戦う!」
『へ?ここを放棄するのですか?』
「アルちゃん!頑張ってね!」
『ぶ、分離!?ちょっと待って下さい!ラムダドライバはあなたがいないと効力が弱まるんですよ!?』
「チェインバー!トランザム行くよ!」
『了解。トランザム』
『ああ、もう!』
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◇
く、硬いな。一応ダメージはあるみたいだけど微々たるものだ。
これだけ接近しているから弾幕の密度も高いし、攻撃しても勢いが止まらない。せめてなのはが攻撃できるように時間を稼がないと行けないのに……
このままではダメだ。何とかして攻撃を止めないといけない……
一つだけ、そう。一つだけ方法は思いついている。途方も無い方法で、普通に考えれば成功するとは思えない方法……
でも、やるしかない。
「いけると思う?バルディッシュ」
『
そう。そこまで言われたなら頑張らないとね。バルディッシュも不可能なことは言わないだろうし、この方法は理論的には可能なのだろう。
魔力弾を切り裂き、集中する。
「バルディッシュ」
『Sonic form』
バリアジャケットの余計な部分がなくなり、移動速度が上がるソニックフォームになる。ライジングフォームの私の近くに浮く剣はちゃんとある。
やっぱり併用できたんだね。迫り来る魔力弾をなぎ払い、息を吐いて私はイメージする。
考えるのは最速。未だ到達したこともない程の地点。なのはの為に。そして、典矢の助力を受けて私は戦う。
放たれる魔力弾の前に移動し、切り裂く。周りの剣も連動して動いているから一度にある程度の範囲をカバーできる。
一度振りぬいてまた移動し、切り裂く。
周りの速度がゆっくりと動くように感じる。一瞬一瞬の状態を把握できるように、私の意識が加速していく。
さっきまで動いていた魔力弾の動きが段々と止まるように、世界を豹変させていく。
驚くことに宙に浮く剣も私にぴったりとついてきてくれて私の攻撃に合わせて動いてくれる。魔力弾を切り裂く度に私の魔力が回復するのは不思議な感覚だ。
魔力の消費を考えなくてもいい。全力で戦えばいいのだと、典矢が教えてくれている。
次第に私の世界はどんどんと解離していき、魔力弾を切り裂いてから消える迄にもう移動し終えている状況となる。
多分、他の人にしては一瞬の出来事なのだろう。私はその瞬きする間の世界を駆け巡る。
自分の身体が自分じゃないような感覚。魔力弾を切り裂き、攻撃を食い止める。
言葉にしてみれば簡単なのかもしれない。放たれる魔力弾を全て切り裂いているだけなのだ。
自分でもおかしなことをしていると解っている。出来るか確信なんて無かった。それでも私には失敗する未来は見えなかったんだ……
私は唯……全てを切り伏せるのみ!
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「攻撃がやんだよチェインバー!」
『フェイト様のお陰かと』
「うぉぉぉ……フェイトママ何人もいるみたい……」
『今が好機』
「わかったよ!」
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